加藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月17日

(平成28年5月17日(火) 8:31~8:38  於:官邸3階エントランスホール)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今朝の閣議で、「交通安全白書」について申し上げました。それで、閣議決定をいたしました。
 今回の白書では、本年3月に第10次交通安全基本計画が決定され、道路交通事故の発生から24時間以内に亡くなる方の数を2,500人以下とするなどの新たな目標が定められたことを踏まえ、「道路交通における新たな目標への挑戦」と題した特集を組んでいます。
 特集では、新たな目標の達成に向けて、これまで実施してきた施策の深化はもとより、交通事故死者数の中で高齢者が占める割合の増加や、安全運転義務違反に起因する死亡事故が依然として多いことなどに対応して、安全運転支援システムを始めとする先端技術の活用などに取り組むべきことについて記載をしております。
 また、各府省が取り組んだ、道路、鉄道、海上、航空の分野ごとの交通安全に関する施策の現況等を盛り込んでおり、最近の具体的な取組として、「高齢者の交通安全に向けた取組」、「車両の先進安全技術について」、「鉄道駅におけるホームドア整備促進について」、「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の安全な飛行に向けて!」など、12のトピックスを紹介をしております。
 交通事故の防止は、国を挙げて取り組むべき重要な課題であり、是非、多くの方々にこの白書を手に取っていただき、交通安全に関する理解と関心を深めていただきたいと期待をしております。
 私の方からは、閣議でそれを発言いたしました。
 また、冒頭、特に御報告することはございません。

2.質疑応答

(問)大臣、今週にも一億総活躍のプランがまとめられると思います。無利子奨学金の一部拡充など、一部報道が出ていますが、大臣として今回のプランで最も力点を置いている施策について、お聞かせください。
(答)それぞれの施策のどれがということではなくて、これまで申し上げているように全ての方、若い方、高齢者、また男性、女性、障害があり、難病があり、また一度、二度失敗された方も、夢や希望を持って挑戦できれば、その希望の実現を拒む壁、これをどう壊していくのか、あるいはそれを乗り越えていけるためにどうしていくのかと、そういうところに力点を置きながら、昨年の11月に緊急的に実施すべき対策を発表させていただき、それを踏まえながらこの間、国民会議を中心に御議論いただいてきておりますので、それぞれ、そうした方向に沿った内容を盛り込んでいきたいと思っております。
 また、特に横断的な議論としては、働き方改革ということで、この中では非正規労働者の方々の待遇改善に向けた同一労働同一賃金の実現に向けた取組、あるいは長時間労働の是正、そして高齢者の就労促進。また、保育や介護のサービスを提供していく、あるいはその規模を拡大していくためにも、そこで働く方々の確保、そしてそのためにも処遇の改善ということで、保育士の方々、あるいは介護の現場で働く方への処遇改善と、こういったことも含めて盛り込んでいきたいと思っております。
 その中には、今お話があった奨学金の話なども盛り込んでいきたいと思っております。
(問)もう一点お伺いいたします。一部報道で消費税増税の見送りを総理が指示をしたという報道がありましたが、もしそういった場合には一億の財源についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)先般申し上げましたけれども、消費税の引上げの使い道については、これまでの大まかな方針が決まっているわけでございまして、例えば充実分の中に、今、我々が進めていこうとしているもの、充実分として消費税で対応すべきものというのは、もう既に固まってきているわけでありますので、今回のこの一億プランについては、消費税の増税分ということではなくて、むしろこれまでのアベノミクスの成長の果実を分配に使って、こうした施策を進めていくということを申し上げている段階であります。
 直接その消費税を引き上げるとか、引き上げないということとは、直接には絡んではいないということでございます。
(問)NHKの伏見ですが、保育士の処遇改善をめぐっては、野党から、今の水準と、女性の全産業平均の水準を比べて間を埋めようというのは、性的役割分担という観点から見て、押しつけているのではないかといったような批判も出ていますが、女性の全産業平均と比べて4万円上げるというような考え方について、大臣としてはどういうふうな。
(答)今回の議論は、どこからスタートしたのかということを、やっぱりしっかり認識しておく、その原点が大事だというふうに思います。
 今申し上げたように、今も保育士の方々が不足をしている、さらにこれから待機児童解消を進めていくためにも、保育サービスを拡大していく必要がある。受皿の整備を増やしていく。当然、そういう中では保育士の方々が、しっかり確保していかなければならないわけであります。では、その保育士の方々を確保していくためには処遇改善が必要だということ、こういう議論がこれまで国会でなされていたわけでありますから、そういう観点に立って、まずは考えていくべきだというふうに思います。
 そうなると、保育士の方々がどういう選択をされていくのか。そして、保育士の方々の、もう9割以上が女性の方でありますから、その立場に立ったときに、具体的にどういう比較をされるのかということであれば、現在の中で他職種との比較ということにつながっていくのではないかと。そういう意味で、まずはそれを開始、保育士を確保するという意味での処遇改善という議論においては、決してその選択肢の中でどういう選択肢があるかという意味から見れば、まずはそういうところからやっていくのが具体的な、現実的な対応ではないかなと。
 そして、国会ではそのことが男尊女卑等と、かなり強い言葉をおっしゃっておられたと、思いますけれども、それは全く関係ない話でありまして、それは別途、男女の格差というものをどう是正していくのかということで、安倍政権でも女性活躍推進法等に基づいて議論を進めて、今、具体的な施策の展開を、お願いをしているわけであります。
 さらに言えば今、先ほど申し上げた非正規で働く方々の待遇改善に向けた同一労働同一賃金の実現に向けた取組といったことにも、かなり非正規の中における女性の方の割合が高いということになれば、資していくことにつながっていくということで、我々は別にそういうことを言われることではなくて、むしろそうした男女間格差の是正に向けてもしっかりと取り組んでいるということが、はっきりと申し上げられるのではないかと思います。

(以上)