加藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月10日

(平成28年5月10日(火) 9:15~9:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 閣議での発言は特にございません。
 閣僚懇では一応、出張の報告という形にさせていただいています。
 まず、米国出張でありますけれども、拉致問題に関しては、ワシントンDCで、現地時間2日、日本政府とアメリカのシンクタンクとの共催により、米国と韓国の人権問題責任者等とともにシンポジウムを行いました。また、ニューヨークでは、現地時間4日、日本政府主催によるダルスマン国連北朝鮮人権報告者などを招いてシンポジウムを開催いたしました。
 私からは、国際社会に対して、安倍内閣の最重要課題である拉致問題に政府の責任において最優先で取り組んでいること、北朝鮮による拉致問題の現状及び悲惨さ、そして国際連携の一層の強化の重要性について発信をいたしました。
 拉致被害者及び特定失踪者の御家族にも御参加を頂き、肉親との再会を希求する切実な思いを訴えていただきました。両行事を通じて、拉致問題を含む人権問題に係る日米韓の連携強化や国連人権プロセスを活用した具体的戦略について議論を深めることができ、一日も早い拉致問題の解決に向けて有益な取組であったと考えております。
 このほか、アメリカ国務省等政府関係者や国連関係者と面会し、拉致問題等北朝鮮人権状況を含む北朝鮮情勢について有意義な意見交換を行ってまいりました。
 また、一億総活躍に関しては、「成長と分配の好循環」について、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学等において、世界的に影響のある著名な経済学者などとの意見交換を行うとともに、政府関係者との意見交換を行ってまいりました。今回得られた知見については、今月中に予定しております「ニッポン一億総活躍プラン」の取りまとめにおいても活用していきたいというふうに考えております。
 2件目は、子供の未来応援基金の寄付総額についてであります。
 昨年10月から子供の貧困対策に関する官公民の連携・協働プロジェクトである「子供の未来応援国民運動」を展開しており、これに併せて、その主事業である「子供の未来応援基金」を創設いたしています。
 この基金は、広く国民の皆様に子供の貧困問題に関心を持っていただき、貧困の状況にある子供たちのために何かをしたいという思いを結集し、子供を支える力にすることを目的としたものであり、これまで各界各層に御理解と御協力を呼びかけてまいりました。5月1日現在で寄付総額が、1億5683万3220円となりました。
 これまで御協力をいただいた国民の皆さんへ、厚く御礼を申し上げます。また引き続き募金運動は続けてまいりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 この基金については、様々な困難な状況にある子供たちに寄り添って、学習支援や食事の提供などの生活支援、また親や子供の就労支援等に草の根で取り組んでおられるNPO等の活動を支援するために使うこととしております。今後は、有識者等からなる基金事業審査委員会で、基金の使途等について御審議いただく準備を進め、6月には公募を行いたいと思っております。
 なお、基金事業審査委員会の人選については、現在最終調整中でございまして、決まり次第、また事務局の方から発表させていただきたいと思っております。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の伊藤です。お願いします。
 子供の未来応援基金についてお尋ねします。今月1日時点で1億5683万集まったということなのですけれども、去年かなり集まらないということが課題になっていましたが、これだけ増えた理由は、大きな理由は何だったのかということと、あと、6月以降公募する事業について、どれぐらいの規模で、どういうふうに展開していかれるおつもりなのか、お聞かせいただければと思います。
(答)これまでも様々な機会を通じて、国民運動また基金についてPRをしてまいりました。また、各企業に対しては経団連(日本経済団体連合会)から、この重要性をそれぞれの会社にも呼び掛けていただきました。また、内閣府からも直接それぞれの会社等にも回ってまいりました。また、NTTドコモではポイントの使用メニューにこの基金への寄付を加えていただき、また、イトーヨーカドーでは全店舗の会計レジで募金箱を設置いただいたと、こんな御協力も頂きました。さらには、個人の方からも900件を超える寄付も頂いております。そうした様々な方々の御協力によって、1億6千万弱の寄付に至っているというふうに思っております。
 また、この使い道につきましては、これから、先ほど申し上げましたように、基金事業審査委員会で御議論いただくということでありますけれども、現時点で集まっている金額を念頭に、NPO等に対する支援を検討されていくことになるのだろうというふうに思います。
(問)共同通信の原口です。
 北朝鮮についてお伺いします。党大会が終了しまして、金正恩第一書記が党委員長に就任しました。核強国としての立場を打ち出すという方針も決まりましたけれども、これの受け止めと、拉致問題に与える影響をどうお考えかというところをお願いします。
(答)核の保有に関しては、これまでも核保有、弾道ミサイルの開発については、これまでの国連決議等にしっかり対応して、そうした対応をとらないようにということを再三日本からも申し上げて、また、それを日本の安全保障にとっても大変な脅威であるという、我々は認識をしております。引き続きそうした開発がなされないような対応をとっていく必要があるのだろうと思っております。
 その中で拉致問題に関しては、今回のアメリカでのシンポジウムを含めて、国際社会における認識、拉致問題あるいは人権侵害問題というのは、私も実際に行ってみて、かなり理解というのは深まってきている、機運は高まっているとの実感をいたしました。更に日米韓の連携、あるいは国連との連携をとりながら、圧力の中で対話を求め、そして、一日も早い拉致被害者の方々の帰国に向けて、今度、委員長になられるという金正恩委員長ですか、今、第一書記という言い方、どっちか分かりませんが、そうした判断が行われるように、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
(問)(共同通信・原口記者)今回の北朝鮮の決定が、拉致問題にマイナスの影響を与えるですとか、逆にプラスの影響になるですとか、そういうことは今のところは、お考えはないでしょうか。
(答)まだプラスマイナスということの判断をする状況にはないと思っておりますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げた我々の姿勢をもって、拉致被害者の方の帰国に向けた道筋をしっかりと模索をしていきたいと思っております。
(問)日経新聞の三木です。
 パナマ文書についてお伺いしたいのですけれども、未明にパナマ文書の情報公開がされまして、日本の会社も400社ほどペーパーカンパニーがあるということが判明し、大企業も名を連ねているのですけれども、この問題が今後、日本社会に、経済に与える影響として、大臣、どのようにお考えでしょうか。
(答)パナマ文書等について、ちょっと私も直接承知をしておりませんので、何ともコメントし得る立場ではありません。ただ、それぞれにおいて大変高い、日本のみならず世界において大変高い関心を持って、この問題が見られているということは承知しています。
(問)テレビ朝日の柊と申します。
 パナマ文書関連なのですけれども、一部報道で加藤大臣の御親族に関する関連があったというような記事も出ています。そういったことについては、どう考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)いずれにしても、私が直接関与していることではないので、実態も承知しておりませんので、何ともお答えができないということです。
(問)朝日新聞の池尻です。
 消費税についてお伺いしたいのですけれども、ゴールデンウイーク中とか昨日の決算委員会でも、麻生大臣や与党幹部からも消費税について考えが述べられているのですが、大臣、改めて、この消費税についてどのように認識されているのかと、あと、消費税を上げなければ、一億総活躍の政策や骨太の方針もやり直しになるのではないかという指摘もあるのですが、その点についてどのように考えられているのか、教えてください。
(答)消費税に関しては、総理も官房長官もおっしゃっているように、これまでの基本的な考え方、すなわち、大規模な災害やリーマンショックのようなことがなければ実施していくということには変わりがないとおっしゃっておられますから、そういった方針の中で御判断をされていくのだろうというふうに思っております。
 それと、消費税が上がらなければっていう、その仮定の計算で物事は進められないと思いますけれども、ただ、私自身、一億総活躍を進めていく中においては、安定的な財源を確保しながら施策を展開していく必要があるわけでありますから、そういった立場で、どうした状況であろうと財源の確保とりながら、安定財源の確保を図りつつ、一つ一つのこれからプランのまとめる政策を具体的に実施すべく、努力をしていきたいと思っております。

(以上)