加藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年12月25日

(平成27年12月25日(金) 10:45~11:01  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 閣議の前に開催いたしました男女共同参画会議において、第4次男女共同参画基本計画の案について、安倍総理から諮問され、意見交換を行った後、妥当である旨、答申されました。
 その後、閣議において「第4次男女共同参画基本計画」を決定をいたしました。
 新しい計画においては、女性が活躍する上では、多様で柔軟な働き方が選択できるかどうかが鍵であることから、長時間勤務や転勤が当然とされている男性中心の働き方などを前提とする労働慣行等を変更することや、あらゆる分野における女性の参画拡大に向けた、女性活躍推進法の着実な施行等により、女性採用・登用の推進のための取組や、将来指導的地位へ成長していく人材の層を厚くするための取組を進めていること、などを強調しております。
 また、効果的な計画の推進を図るため、女性の活躍、安心・安全な暮らし、基盤の整備及び推進体制の整備・強化という4つの政策領域を大きな柱として設定するとともに、それら政策領域を重点的に監視・評価するため、計14項目の政策領域目標を設け、実効性あるフォローアップを行うこととしております。
 この新たな計画に基づき、政府一丸となって、男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)NHKの伏見と申します。
 今お話のありました男女共同参画基本計画についてなんですけれども、改めてになりますが、2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%程度とするとした目標なのですけれども、客観的に見てやはり現実的な目標ではないのじゃないかと。国家公務員でも、なかなか2020年というところには30%に届かないというのが現状かと思うのですけれども、改めてこの目標を堅持することの意味といいますか、この目標の位置付けについてお聞かせいただければと思います。
(答)この間も申し上げましたけれども、12年前の2003年に、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%となるよう期待する」というのがいわゆる「2020年30%」という目標であります。この間いろいろと政策を展開し、そして今、女性の活躍推進に対する取組、民間も含めて機運が高まり、ここ安倍政権の下で進めてきた中で様々な指標もこれまで以上に加速して進んでいるということはあると思います。
 ただ、実態として、「2020年30%」という目標自体は大変難しい水準であるということは、そのとおりだというふうに思いますけれども、ただ、引き続きその目標を堅持して、そこに向けて努力をしていくということは当然のことだというふうに思いますし、それのスタンスは全く変わるものでもありません。
 また、それに向けて先ほど申し上げましたけれども、将来指導的地位に成長していく女性の人材プールを厚くしていくことで、そうした指導的地位にいる女性の割合を少なくとも30%と、そういう数字を着実に実現をしていきたいと、こう思っています。
(問)毎日新聞の山田と申します。
 先日、16日に最高裁の方で女性の再婚禁止期間と夫婦別姓に関する判決が出たと思うのですけれども、その件に関して、今日の男女共同参画会議では、委員の皆さんから何か御意見と御発言等ありましたでしょうか。
(答)いや、特段発言はございませんでした。
(問)日経新聞の島田です。
 今日が年内最後の会見ということで、改めまして副長官から閣僚になるという大きな変化のあった1年だったと思うのですが、今年を振り返ってみてどのような1年だったかと。あと、ちょっと気が早いですが、来年どのように取り組みたいかと、その2点をお伺いしたいです。
(答)本当に1年は早いなという思いがしますし、大臣に就任いたしまして約3か月弱でありますけれども、正にあっという間というふうに思っております。
 副長官時代と比較しても、副長官時代の今年はずっと国会がありましたので、国会がある、ないで随分対応が違ってまいりますけれども、やはり大臣という立場で改めてその責任の重さ、それをひしひしと感じている日々であります。
 来年ということでありますけれども、特に一億総活躍について申し上げれば、11月末、11月26日に緊急対策を決めまして、それを踏まえて、先般、平成27年度の補正予算、28年度の当初予算、また、これから法律の改正が必要なものもありますけれども、そうしたことを着実に成立等を国会で諮るとともに、それを受けて一億総活躍あるいは第二、第三の矢の具体的な実現に向けて精力的に取り組んでいきたいと思いますし、あわせて来年の春には「ニツポン一億総活躍プラン」を策定するということでありますから、それに向けての議論を更にあるいは検討を深めていきたい、そして、正に総理がおっしゃっている少子高齢化というこの構造的な問題を解決していけるその姿をしっかりと現していきたいと思います。
(問)共同通信、瀬野と申します。お疲れ様です。
 冒頭の男女共同参画計画の数値目標について質問なのですけれども、先ほどの御発言で30%に向けて努力することは当然とおっしゃっていたのですが、ということは、この目標というのは、厳密な意味で達成が求められる数値目標というよりは、期待目標あるいはスローガンというか、そういう位置付けという理解をしてもよろしいのでしょうか。
(答)いや、ですから、最初に申し上げた2003年のときには、なるよう期待するということでスタートしたものであります。それを踏まえて、それぞれ実施すべき具体的な項目の設定は各計画ごとになされてきているわけでありまして、この第4次計画の中でもそれは盛り込ませていただいております。
 ただ、総枠として見たとき、全体として見たときに、では期待する水準にいくかといえば、なかなか厳しい状況にあるのはそのとおりだというふうに思いますけれども、しかし、そうした目標をしっかり掲げて、具体的なここで掲げた指標をまず実現をし、そして、更にその上を上回る努力を重ねていくということは当然だということであります。
(問)NHKの伏見と申します。
 先日もお聞きしたかと思うのですが、自民党の宮崎議員が育休を取得する考えを明らかにされまして、まず、育休を取得することに対しての大臣の賛否が一つ目ですね。
 それから、国会規則の改正で対応すべきじゃないかというような声があります。その一方で、産休といっても、民間の場合は給与ではなくて保険給付みたいなのがあるだけで、歳費に関しては、もしそういう休暇を取ったとしても100%支給されるというのが恐らく産休の場合なんかは現実かと思うのですが、そういう規則の改正で対応することへの賛否についてお聞かせいただければと思います。
(答)国会の話でありますから、どういうふうにするべきかどうかということを政府側から申し上げるのは、適当ではないというふうに思います。
 ただ、前の会見でも申し上げましたように、国会議員の場合には、今御指摘があるように歳費という形で頂戴をしているわけでありますし、別に就業規則として何時から何時まで働くあるいはいつといつが休みとかいうことがあるわけではありませんから、必ずしも一般のいわゆるサラリーマンあるいは雇用されている方々と同列にはなかなか議論はしにくいんじゃないかなと。その辺も含めて、国会等でよく御検討されることだろうというふうに思います。
 ただ、それはそれとしながら、やはり男性側が育児にしっかり関わっていくということは非常に大事だというふうに思います。今日の男女共同参画の計画の中でも、これは再生戦略の中にもありましたけれども、2020年までに男性の育児休業取得率を確か13%という水準も入れさせていただいておりますし、また、男性の育児、そうした参加が高ければ、女性というか配偶者の方の就業継続あるいは第二子、第三子の出生率が高いということも具体的に指摘されているわけでありますから、そういったことも含めて、正に政府としてイクメン、イクボス等で育児休業の取得を積極的に推進をしていくわけでありますから、女性活躍推進担当大臣あるいは少子化担当大臣としても、正にそうしたことでこうしたことが関心を持ち、更に一歩進んでいくことを強く期待したいと思います。
(問)共同通信の原口です。
 今年の振り返りと来年の目標、拉致についてもお願いできますでしょうか。
(答)拉致については、様々な機会に申し上げさせていただいておりますけれども、昨年の5月のストックホルム合意、また、7月に拉致被害者を含む全ての日本人について調査をすると言って以来、もう1年半経とうとしているわけでありまして、残念ながら帰国の実現あるいはそれに向けての道筋が見えていないというのは、全く遺憾な状況でありまして、他方でこの間、国際社会あるいは国連において、先般も総会での決議がこれまでにない賛成を得て可決される、議決されるということもあり、高まりが出てきております。
 そういう機運の高まりというものを更により高める努力もしながら、やはりこれまでと同様に「対話と圧力」そして「行動対行動」これを貫きながら、やっぱりどういう対応、拉致被害者の帰国に向けて北朝鮮側の行動を引き起こしていくためにはどういうことがいいのかということをしっかりと追及していきたいというふうに思います。
 私も就任以来3か月、様々な国民集会にも行かせていただき、また、拉致被害者の御家族や特定失踪者の方々の御家族ともお話をさせていただきました。本当にお話を聞けば聞くほど、また、そうしたお姿を見れば見るほど、やはり一年一年、年を重ねておられる、そして、当然拉致の被害者の方々も大変厳しい環境の中で年を重ねておられる、そういう意味では、本当に一刻の猶予も許される問題ではないなということを常に認識をさせていただいているところであります。
 来年、具体的にということを申し上げることはできませんけれども、今申し上げたような姿勢を貫いて、拉致被害者の全ての方々の一日も早い帰国に向けて、全力で取り組んでいきたいと思います。
(問)NHKの伏見ですが、拉致問題に関して一部報道で、外務省のアジア大洋州局長と北東アジア課長が拉致問題対策本部の職務を兼務されるという案を検討されているというような報道があったかと思うのですけれども、事実関係と、もし事実であれば、どういった狙いで今回の人事をこういうふうに検討されているのかというあたりをお聞かせいただければと思います。
(答)人事に係るまだ決まっていない話について、要するに辞令がおりていない話について申し上げるのは控えたいというふうに思います。
 ただ、これまでもそうでありますけれども、この拉致被害者の全ての方の帰国実現に向けて、政府の責任においてこれを進めていく、そして、関係省庁が連携して政府一体となって取り組んでいくということでこれまでもやってまいりましたし、今後もそうした姿勢をしっかりと堅持をし、強化をしていきたいと思います。

(以上)