加藤内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見要旨 平成27年12月24日

(平成27年12月24日(木) 10:19~10:36  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。特に臨時閣議での発言はございません。
 また、臨時閣議で平成28年度の当初予算の概算が決まりました。一億総活躍国民会議で取りまとめられました「緊急に実施すべき対策」がいろいろ盛り込まれております。まだ概算ということもございますので、大体大枠でまとめさせていただいたのが、今お手元に配っている、この資料であります。そういう性格のものとして受け止めていただきたい。あくまでも概算で、大枠でくくったものということで御理解いただきたいと思います。
 ポイントとしては、まず、平成27年度補正予算案では、緊急的に取り組むべき施策として、特に施設整備などを中心に計上いたしましたが、28年度予算案では、教育費の負担軽減やひとり親家庭支援など、継続的に対応が必要な取組の強化に資する予算の確保を行ったところでありまして、必要な予算を確保したというふうに認識をしております。
 お手元に配付した資料のとおりでありますけれども、概括的に申し上げますと、まず第一の矢「希望を生み出す強い経済」の項目では、四つ目でありますけれども、女性・障害者の活躍支援ということで90億円の計上、プラス24億円の増加となっておりまして、「障害者就業・生活支援センター」の体制の拡充等を盛り込んでおります。
 それから、五つ目の「地方版総合戦略」に基づく取組の支援ということで、新型交付金を平成27年度の補正予算、これも1000億でありますが、加えてこの当初予算でも1000億計上しているということであります。
 それから、第二の矢の「夢をつむぐ子育て支援」の項目でありますけれども、まず一つ目として幼児教育の無償化ということで、多子世帯の保育料軽減について、低所得者について第1子の要件を撤廃するということと、また、ひとり親に関しては更に軽減を深めているという中身でございます。
 それから、上から二つ目の教育費の負担軽減ということで、高校生等奨学給付金の充実等を図ることとしております。
 それから、三つ目として児童扶養手当に関しては、2人目、3人目をそれぞれ倍増させていただいておりまして、こうした倍増は、3人目でいえば22年ぶり、2人目でいえば36年ぶりということであります。
 それから、2ページ目でありますけれども、下の方から五つ目になりますが、多様な保育サービスの充実ということで、先般、大臣折衝いたしました事業拠出の形での多様な保育サービスの充実ということを計上させていただいております。
 それから、更にその下の保育人材の育成・確保ということで、「チーム保育推進加算」の創設、あるいは保育補助者の配置費用の助成等を計上しておりまして、トータル、前年度に比べて349億円と大幅な増額を図ったところであります。
 また、ひとり親家庭・多子世帯の支援ということで、今申し上げました幼児教育の無償化等に加えて、ワンストップ化による窓口相談の充実等々によって、トータルとしてプラス405億円の増加を図っております。
 また、児童虐待防止策としても、児童相談所における弁護士の活用促進等でトータル64億円、前年プラス26億円の増加を図らせていただいております。
 それから、第三の「安心につながる社会保障」の主要項目ということで、高齢者の就労・起業支援の強化、そして上から二つ目の介護施設・在宅サービスの整備、これはプラスマイナスゼロではありますけれども、補正に続いて基金にこれだけの金額を算入を続けるということであります。
 また、上から四つ目でありますけれども、介護人材の育成・確保ということで、夜勤等が多い介護職員に対するベビーシッター等の幼児預かりサービスの利用料負担の軽減等で、トータル163億、前年に比べて65億円の増加を図っております。
 更には、介護休業給付の増額ということで、給付水準を40%現行を、育児休業給付と同水準の67%に引き上げるという中身になっております。
 トータルとして、これはどこまでが一億というのはなかなか難しいのですけれども、緊急対策に盛り込んだ関連ということでピックアップいたしますと、約2兆4000億円ぐらいの予算案ということになっております。
 概略、そんなところでございます。以上です。

2.質疑応答

(問)NHKの伏見と申します。
 冒頭いただきましたが、補正予算に続いて当初予算も、一億総活躍というのを強く打ち出した予算編成になっているかと思うのですけれども、改めて緊急対策を取りまとめて、大臣のこの予算に対する受け止めといいますか、御感想を教えていただければと思います。
 もう一点は、すみません、2.4兆円という今説明があったかと思うのですけれども、これ、細かいところになりますが、充実分として計算している部分と、もともと既存の部分も含めた根っこからの部分も含めた計算と、どうしているのかというところをちょっと教えていただけないかと思います。
(答)感想としては、今日の一般会計全体として、一般歳出が全体で0.8%増という、財政再建を一方で図りながらという予算編成という中においては、今回の一億総活躍の緊急対策に盛り込んだ施策をかなり進めていけるように必要な予算の確保が、そういう中において図ることができたと、こういうふうに考えております。したがって、補正予算、そして今回の当初予算、こうした予算に計上された、これから国会での御審議もありますけれども、それを踏まえて、一億総活躍をまず緊急にやるべき項目について、加速化して取り組んでいきたいと、こう思っております。
 それから、先ほど申し上げたように、今回のやつは、なかなか正直言って集計するのは難しかったところでありますので、ややそこは便宜的にやらせていただいているところがあります。充実としてきちんと切り分けられるものと、もともと根っこの中に入っているものと、いろいろありますので、そこは適宜やらせていただいたので、そういう性格のものとして、ですから、総額ということよりは、今言った項目としてこういうことがあったということで一つ受け止めていただきたい。そして、粗々まとめてみると大体2兆4000億、正確には約2兆3650億円という数字もはじかれておりますけれども、そういう数字になっています。
 ただ、これは、何でこれが入っているか入っていないかとぎりぎり言われると、非常にボーダーライン的なところがあるのは事実でありますので、それはそういうふうにお受け止めいただきたい。あくまでも緊急対策に盛り込んだものがどうなったかということを、なるべくわかりやすくまとめさせていただいたと、こういうことであります。
(問)日本経済新聞の島田です。
 一億総活躍関連の政策の一つの肝は、横串を通すというのがキーワードだったと思うのですが、今回の緊急対策及びこの予算編成に当たって、その目的がどこまで達成できて、今後の課題を残した点はどういった点だったのか、お聞かせください。
(答)やはり補正予算のときに申し上げましたけれども、それぞれ各省ごとというのがこれまでの予算編成でありましたけれども、こうやって一覧的につくる中によって、こういったもの、例えば介護の施設、介護関係でいえば、いわゆる特別養護老人ホーム等々だけじゃなくて、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)についてどうだろうか、あるいは、ここにありますように、何か物事を進めていくときには相談体制等の充実等も当然必要になってきます。その辺、バランスを見ながらやっていくというのが横串という意味でありますから、そういったことに十分配慮しながら取り組ませていただきましたし、そういった中身にもなっていると。それぞれの施策についても充実を図りましたけれども、全体としてのバランスを見ながらつくらせていただいたと、あるいはつくることができた予算だと、こういうふうに思います。
(問)読売新聞の有泉と申します。
 この予算の総額について、先ほど2.4兆円のところを、もう少し億円単位で細かくいうと2兆3650億円というような御説明がありましたけれども、これの第一の矢、第二の矢、第三の矢の部分のそれぞれの内訳の額というのは、億円単位でもし分かれば教えていただければと思います。
 あと、昨日、財務省の方でレクがあったのですが、そのときの説明では、前年度から一億総活躍関連で0.5兆円ほど伸びたという説明がありましたけれども、これについての受け止めをお願いできればと思います。
(答)先ほど申し上げたようなことが前提になっていますので、かなりざくっとしたと言うと正確じゃありませんけれども、大枠的に盛り込んでおりますから、そこを前提に受け取っていただきたいと思いますが、トータルとして約2兆3650億円、第一の矢について約6600億円、第二の矢について1兆4700億円、第三の矢について2350億円という形になっております。合計として、先ほどありましたように、前年の予算に比べると約4250億円、この分野だけ見ると約2割を超えるアップになっているわけでありまして、そういう意味では、先ほど平成28年度当初予算、一般歳出の0.8%増という中で、あるいは社会保障全体が確か1.4%という状況の中で、この一億総活躍に関して2割の増加を果たすことができていると。また、それぞれ第二、第三についても1割5分から2割ぐらいの増加になっているということで、特に緊急で実施すべき対策について充実した予算を組むことができたと、こう思っています。
(問)ちょっと予算の話から話題が変わって恐縮なのですけれども、昨日、自民党の宮崎議員と金子恵美議員が結婚式を挙げまして、その関連で、宮崎議員が育児休暇を取得したいという旨の意向を示しました。ただ、衆議院の規則には育児休暇の規定はなく、また、それから自民党内からもかなり否定的な声も上がっていますけれども、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)議員の場合には、何時から何時までという、いわゆる民間でいう就業規則とか、いつが休みだとか、そういう観念がありませんから、そこのところはそのまま当てはめるというのは難しいのかもしれませんけれども、ただ、やはり育児休業を女性がより取りやすくしていくという施策も盛り込んでいますけれども、同時に男性側が取っていくように促していきたい。今、育ボスとかいろいろな展開をしていますから、そういう意味において、我々国会議員がその先頭に立ってやっていくというのは、私は大事なことだというふうに思います。ただ、それをどう国会の中の制度に入れるかというのは、まだ今申し上げた制度が違うので、そこはよく国会の中で御議論していただくことだろうというふうに思いますけれども、ただ、やはりそういう姿勢自体、正に我々が進めていきたいと思っていることでありますから、大いに率先をしてもらいたいなと思います。
(問)関連して、テレビ朝日の長谷川です。
 ただ、そういった流れがある中で、自民党内から否定的な意見が上がっているという、自民党内のそういった考え方についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)いや、否定的ということではなくて、さはさりながら、国会の中における一票、そして国民から負託を受けている一票というのは大変重たいものですから、それをどういうふうな形で行使をしていくのか、そこのバランスの問題だというふうに思いますから、そこの部分をしっかりと担いながら、しかし同時に子育てに対応していくということは、別に誰も否定はしていないのじゃないでしょうか。ただ、どこのところに重きを置いてお話しになっているかの私は違いではないかなと思って、様々な報道を見させていただきました。
(問)NHKの伏見ですが、すみません、話は戻るんですけれども、財源の確保という観点からいうと、今回、企業からの拠出なんかも含めて財源を確保しているかとは思うんですけれども、今後、希望出生率1.8とか介護離職ゼロという野心的な目標に向けて、財源の確保が課題となっているとは思うのですが、今回十分に確保できた、あるいは目標達成に向けて十分だというふうにお考えなのでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたように、緊急に対応していくべきという中においては必要な予算額を確保できたと思っていますが、ただ、緊急対策の中にも書いておりますけれども、やはり財源を確保しつつ対応していくという基本方針があります。それを踏まえて、また春に向けて議論していきたいと思います。

(以上)