島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年8月3日

(平成28年8月3日(水) 14:12~14:28  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 先ほど閣議におきまして、辞表が取りまとめられました。昨年10月7日に国務大臣を拝命いたしましてから10か月足らずでございましたけれども、本当に内閣府の各部局の皆さんに大変お世話になりまして心から感謝をしております。
 振り返りますと、沖縄及び北方対策、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、海洋政策、領土問題、情報通信技術(IT)政策といった多岐にわたる分野を所管する大臣といたしまして、目が回るほど忙しくも大変充実した、非常に充実した10か月だったと思っております。
 昨日も会見させていただきましたけれども、沖縄・北方、それから科学技術イノベーション。沖縄・北方では、沖縄の振興予算として対前年度比10億円増の3,350億円を確保させていただいた。沖縄の子供の貧困対策として10億円、これは10分の10の補助率でありましたけれども、これを確保した。それから、跡地交付金として10億円、一括交付金ソフト806億円などを盛り込むことができたということ。そして、沖縄振興計画の今後5年における沖縄振興の在り方を検討するために沖縄振興審議会に新たに専門委員を設置し、議論を開始させていただいたこと等々が成果として挙げられるのではないかと思っております。北方に関しましては、映画「ジョバンニの島」の上映会に対する経費負担の拡充など、今後、若い世代を対象にした啓発、教育機会の充実に努めさせていただきました。
 それから、科学技術イノベーションに関しましては、昨日もお話をいたしましたが、第5期の基本計画の閣議決定、そして、懸案でありました特定研発(特定研究開発法人)の法案を国会で成立をさせていただいたということ。それから、G7茨城・つくばの科学技術大臣会合で「つくばコミュニケ」を取りまとめたということ等々ございます。それから、私といたしましては、「人工知能と人間社会に関する懇談会」の設置、あるいは600兆円の経済実現に向けて科学技術を最大限活用していくため、CSTI(総合科学技術・イノベーション会議)と経済財政諮問会議の二つの司令塔が史上初めて合同で設置する「経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会」の開催を提案し、この委員会を設置し、検討が開始されたということ等々、大変思い入れのあるといいますか、これをこれからしっかりとまたつないでいっていただきたいなと思っております。
 それから、知財に関しましては「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の設立、あるいはITでは「世界最先端IT国家創造宣言」の改定等、それから、「ITの利活用に関する制度整備検討会」の設置で中間取りまとめを行ったこと。さらに、その検討を進めるために「オープンデータ実務者会議」等を統合して、大臣を議長とする「データ流通環境整備検討会」を設置させていただいたこと。
 そして、海洋におきましては、昨年10月、総合海洋政策本部において、我が国初となる北極政策を決定させていただいたこと。そして、宇宙に関しては、昨日もありましたけれども、宇宙二法に関しては宿題として次の大臣には申し送りをしたいと思う次第でございます。
 とりわけ私は当選以来、沖縄選出の国会議員として、沖縄のもっと住み良い暮らしづくりの実現に向けて努力をさせていただきました。この9年間、与党あるいは野党、そしてまた与党と走り続けてきた感がございます。私の今後の身の振り方は別といたしまして、沖縄には直面する課題が山積しておりまして、政治空白、停滞というのは絶対に許されないことだと思っております。県民の1人という立場で申し上げれば、是非、沖縄で暮らす家族の誰もが笑顔になるよう冷静に現実を捉えて時間の、あるいは時計の針を戻すことなく沖縄の未来を前に、政治を前に進めていただきたいと存じます。これが私の思いでございます。
 私からは、まず以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。島尻大臣、お疲れさまでした。
 いろいろな担務をされていたと思うんですけれども、その中で残された課題として大臣はどのように認識されているんでしょうか。この分野ではこういう課題が残されているので、次の大臣にはこうしてほしいとか、そういう思いを教えていただければと。
(答)多岐にわたるものですから、また一つ一つというよりは、沖縄に関しては残された課題としての人材育成、沖縄の子供の貧困の問題、そういったことから沖縄振興の残された課題として、これを進めることが重要だということをずっと言い続けてまいりましたけれども、この点に関しては、また次の大臣にしっかり引き継ぎたいと思っております。
 それから、沖縄でいうと跡地利用ですね。これを今の西普天間地区の住宅地区跡の跡地利用を成功させることで、次の普天間の飛行場跡約480ヘクタール、それからキャンプ・キンザーに関しては約270ヘクタールあるわけで、そちらにしっかりとつながっていくようなものにしないといけないと思っています。
 また、大きいところで、科学技術イノベーションに関しては、ナショナルイノベーションシステムとしてしっかりと第5期(科学技術基本計画)にも掲げさせていただきましたけれども、大学改革も含めて人材の育成、「リケジョ」をやらせていただきましたけれども、そういったところも含めてしっかりとナショナルイノベーションシステムという方向に向かって様々な課題の解決に向けて頑張っていただきたいと思っております。
 科学技術に関しては、いろいろな仕組みといいますか、これは何とかすることができたのかなと。あとは実行をどのようにそれを実現していくのかということだと思います。予算も含めてしっかりとまたこれは引き継いでいきたいと考えております。
 こんなところでしょうか。
(問)琉球新報、池田です。大変お疲れさまでした。
 沖縄選出の議員として、この沖縄振興を担当する大臣、担当するというのは約20年ぶりだったと思うんですけれども、先ほども時計の針を戻すことなくという形もおっしゃっていたように、非常に今、国と県との溝が少し深くなっている中で、大変な思いとか大臣になってから逆に大変になった思いとか苦しかったこともあったと思うんですけれども、そこの気持ちなど、逆に良かったことも含めてお聞かせ願えたらということが1点と、あと、参議院議員としては9年間やってきたと思うんですけれども、大臣も10か月だったとは思うのですけど、一番思い出深く残っていることというのをお聞かせ願えますか。
(答)まずは、今、大臣としても最後の会見に臨むこの場に立っておりますけれども、万感迫る思いというところだと思います。今、御指摘のように、苦しかったことも大変多々ございましたし、あるいは一つ一つずっと沖縄の暮らしを良くするためにいろいろな施策で実現したこともございますし、そういったところをまたてこに、更なる沖縄の発展につないでいただければいいなと思っています。
 それから、9年を振り返ってでありますけれども、今、第5次の沖縄振興法、跡地利用法も含めて施行されておりますけれども、当時、野党自民党の時に、改正に向けて、沖縄振興調査会の会長、川口順子先生を中心にこれを取りまとめたということが、私としてはかなり印象深く残っています。くしくもそれをバックに今回私は沖縄担当大臣として、いろいろな施策の実現に向けて走ることができたわけでありまして、そういうことからすると、継続的に、その場その場の職務を全うしていくことは大変大事であって、是非とも沖縄の未来に向けて、また政治が前に進んでいくことを期待したいと思っています。
(問)もう一点だけ。後任の大臣は鶴保さんじゃないかと言われてはいます。もう発表があったかも分かりませんけれども、大臣に託す思いというのをお聞かせ願えますか。
(答)たくさんございますけれども、先ほども冒頭お話ししましたように、沖縄で暮らす誰もが笑顔になるように、そして、そのために冷静で、現実を捉えて、是非、政治を前に進めていただければなと思っています。
(問)朝日新聞、山下です。
 改めてなんですけど、今後の政治活動も含めて、今後の大臣自身の展望についてお考えをお聞かせください。
(答)まずは選挙後も地元の御挨拶回りもしていなくて失礼しているものですから、来週から地元に戻って御挨拶周りをまずはさせていただきたいと思っています。
 その後は、先輩方としっかりと御相談をして、その方向性についてはしっかり私自身もよく考えてみたいと思っています。
(問)もう一点なんですけど、重ねてなんですが、次、もし国政選挙があった場合に出られるかどうかも含めて、今のところ白紙だという理解でよろしいでしょうか。
(答)全く白紙です。
(問)読売新聞の酒井です。
 新しく内閣改造の顔ぶれが報道でいろいろされていますが、今、新しい陣容についてどのような印象を持っているかお聞かせください。
(答)総理のお気持ちといいますか、堅実に事を前に進めていきたいというお考えの表れだと思っておりますけれども、すごくしっかりした皆様がおそろいだと思っています。また、政治が安定することが国民の幸せにつながっていくと私も大変そこは感じているところでございまして、また、皆様には国家国民のために御尽力いただけるものと思っています。
(問)それともう一つなんですが、10か月間、沖縄担当の大臣をやられて、やはり辺野古への米軍基地の移設というのが度々出てきまして、もちろん振興と基地問題は別ということですが、最後になりまして、辺野古への移設についてどのようにお考えか聞かせてください。
(答)これに関しては、今、現在進行形で、政府と、それから沖縄県が和解条項をお互いにのんで円満解決に向けて進むということでございますので、とにもかくにも誠意を持ってお互いが協議していくということを誠実に行っていただきたいと思います。

(以上)