島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月24日

(平成28年5月24日(火) 9:52~10:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私からは、まず、本日冒頭、3件お話しさせていただきます。
 まずは、沖縄出張についてでございます。先週末、沖縄に出張いたしました。現地では、「沖縄子供の貧困緊急対策事業」の居場所の視察を行いまして、また、子供の貧困対策に関係する方々と意見交換をいたしました。22日に行いましたNPO等の懇談では、取組をブームで終わらせないための方策などについて御意見を伺うことができました。支援員との懇談においては、支援員として採用された皆様に、直接私から事業の狙いやお願いをお伝えしました。学生ボランティア等との懇談においては、日頃の活動を通じて感じている課題について、学生ならではの視点で御意見を伺うことができました。また、居場所の視察では、内閣府の予算を使って開設された、週末や祝日に夜までいることができる居場所の様子を見ることができました。今後も、様々な立場の皆様と連携して、沖縄の子供の貧困対策に取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、「総合戦略2016」でございます。本日の閣議で、「科学技術イノベーション総合戦略2016」が閣議決定されました。これは、5月13日のCSTI(総合科学技術・イノベーション会議)で決定された答申を受け、基本的に内容の変更なく、今般、閣議決定に至ったものであります。私からは、閣議の場で、この「総合戦略2016」を政府一丸となって実行していくため、関係閣僚の皆様に御協力をお願いしたところであります。「総合戦略2016」は、第5期科技基本計画が策定されて初めての総合戦略であり、「Society5.0」の深化と推進、若手・女性を始めとする人材力の強化などを、特に検討を深めるべき項目として位置付けました。5か年の基本計画と各年度の総合戦略を一体的に運用し、実効性のある科学技術イノベーション政策を推進していきます。
 そして、人工知能についてでございます。4月12日の閣議後会見におきまして、AIと人間社会の関わりについて、制度面や倫理面を含めた幅の広い議論を行う懇談会を科学技術政策担当大臣の下に設置する旨発表いたしました。この懇談会を「人工知能と人間社会に関する懇談会」として、第1回会合を5月30日に開催いたします。倫理、法、制度、経済、社会など幅の広い議論を行うことができる有識者にお集まりいただきまして、人工知能が人間の幸せに貢献できるように、人工知能の研究開発及び利活用を健全に進展させて、「Society5.0」の実現に向けた議論を開始いたします。関係省庁にもオブザーバーとして参加していただきまして、懇談会は月1回程度開催し、秋頃をめどに論点整理して内外に発信してまいります。詳細につきましては、内閣府科技部局にお問合せいただければと思います。
 私からはまず以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 総合戦略なんですけれども、この中でも総合戦略と科学技術基本計画を実行していくための研究開発投資を確保するとあるんですけれども、通常の予算スキームだと、なかなか大幅に26兆(円)まで進めるのは難しい。そうなると、補正予算とかが必要になってくるかと思うんですけど、そこら辺の検討についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)「(総合戦略)2016」は来年度に向けて重きを置くべき取組を掲げて行っていくということでございまして、概算要求に先立って、関係府省庁より具体的施策を総合戦略に基づいて誘導し、各省連携による相乗効果が発揮されるということをまずは期待すると。その上で、この「総合戦略2016」の内容が政府の予算に的確に反映されるように、財政当局との調整を図っていくということと、本戦略に沿って取組を進める予定ということでございます。
 おっしゃっていることは十分よく承知しておりまして、これまでも、尾身(幸次)先生を中心とする、ノーベル賞を受賞された先生方からのお申し出はしっかり受け取っておりますので、関係者連携の下でしっかり取り組んでいくという決意は述べさせていただきたいと思います。
(問)読売新聞の深谷です。
 冒頭の沖縄出張の方で、子供の貧困の現場での意見交換等を行ったということですけれども、昨日には、沖縄振興審議会の方で、子供の貧困を含めた振興策についての議論もされました。振興予算について、まだ2か月ぐらいではありますけれども、意見交換等の中で見えてきた今後の課題等、大臣の中でありましたら教えていただければと思います。
(答)今回、視察の中で支援員の皆様のお話を聞かせていただいたり、その前にNPOの皆様との意見交換がありまして、その中で、支援員あるいは居場所もそうなのですけれど、その質の向上ということが議論としてございまして、私としても、昨日の審議会の場でも、そういった居場所があるのであれば、教育というところも含めて、しっかり取り組むべきではないかという御意見も賜りましたので、今後、そういったところも含めて取組をしていく必要性を感じたところであります。
(問)NHKの黒川です。
 冒頭のAI、人工知能の懇談会なんですけれども、例えばメンバーがどういう方だとか、何人ぐらいいらっしゃるとか、月1回程度というお話をされていましたけれども、もう少し具体的に今発表できるものってありますか。
(答)今、鋭意選定をしているところでございまして、今日は名簿については発表できないのですけれども、広い御意見を賜りたいと思うのですね、広い見識の。ですから、技術者、研究者も含めて、例えば、それを実際使う方々もそうなのですけれど、経済界の方々など、そういうところから広く御意見を賜りたいなと思っております。なので、私としてはこれから各所各所で、このAIに関する意見交換の場というのはできていくのだろうと思っていまして、そういうところときちんと連携がとれるようなものにしないといけないと思っていまして、つまりは、広い見識を集めていきたいと、そういう懇談会にしていきたいということは考えております。
(問)毎日新聞の阿部です。
 日本学術会議が、軍事目的の研究を否定してきた原則の見直しに向けた検討を始めて、年内にも見解を出すということですけれども、大臣の受止めをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)今、御指摘のとおり、日本学術会議において、5月20日に幹事会があって、「安全保障と学術に関する検討委員会」の設置が承認されたということは承知しております。この委員会では、安全保障に関わる事項と、それから学術のあるべき関係について、我が国の学術界が採るべき考え方を改めて検討すると聞いております。
 日本学術会議が独立の立場で行うものでありますので、大臣としてのコメントは差し控えたいと思っております。
 今週木曜日に、日本学術会議の大西会長から記者の皆様には説明があると承知しておりますので、是非そこにてお聞きいただければと思います。
(問)朝日新聞の竹石といいます。
 話が戻って恐縮ですが、AIについてなんですけれども。自民党の部会などでも、いわゆるビッグデータを拡大する形でのAIと、ワトソンみたいな形のAIと、いろいろなAIが検討されていると思うんですけれども、懇談会では秋口ということなのであまり時間がないと思うんですけれども、どちらに焦点を当てて倫理とかそういう制度というものを設計される、若しくは提案されるという御予定でしょうか。
(答)検討項目としてはたくさんあるのですが、例えば、人間の尊厳を尊重した人工知能とは何かとかいう倫理的な論点や、あるいは利活用での法的な位置付けなどの法的な論点、それから、利活用の進展による産業構造あるいは就業形態の変化に対する課題などの経済的な論点、それから人工知能が受容される社会に関する社会的な論点、それから人工知能の研究開発に当たって考慮すべき項目などの研究開発的な論点、ざっくりそういうところが論点としては挙げられると思っております。
(問)そうすると、ビッグデータ型のものも、ワトソン型のものも、全部包含した形でということですね。
(答)はい、そういうことです。
(問)山陰中央新報の鎌田と申します。
 先日、島根県知事が重点要望の際、5月29日に島根県隠岐の島町で開館する予定の竹島の資料収集施設、この開館式に出席するかもしれない、鋭意調整中とおっしゃっておられましたが、出席の方はなさるんでしょうか。
(答)このオープニングセレモニーに関する政府の対応については今調整中でございまして、今日はここで明確には申し上げられないのですけれども、調整中ということでございます。
(問)政府からはどなたが派遣されるという予定は。
(答)それも含めて調整をさせていただきたいと思います。
(問)東京新聞の新開といいます。
 昨日、沖縄の翁長知事が上京されて、振興審議会の前に総理と会談されて、改めて地位協定の見直しを強く求められましたけれども、その要請に対する大臣の受止めを聞かせてください。
(答)地位協定に関しては、過去、沖縄県で発生する軍人・軍属の事件・事故が発生するたびに、これについては取り上げられているということは承知しておりまして、私自身、この地位協定に関しては、これまでも県選出国会議員の立場で抜本的な改定ということを要請してきております。
 他方、政府といたしましても、外務省が米国政府と本当に努力を積んでいただいているということは承知しております。ただ、こういった残忍なといいますか、シリアスな事件に関しては、身柄の引渡し等、そこに関する地位協定というものが立ちはだかってしまう可能性ということはあるものですから、今後、また自民党県連としても、その辺の改正、改定については求めざるを得ないということだと思います。
(問)NHKの黒川です。
 今の地位協定に関連してなんですけれども、大臣というお立場もありますが、県選出の国会議員というお立場で、地位協定の抜本的改定というのを求めていくというお立場だということでよろしいんでしょうか。
(答)そうですね、自由民主党県連としては過去からも地位協定の抜本的な改定を求めるということは表明をしておりますので、その文脈の中で、今回に関しても、そこは変わらず求めていくということだと思います。
(問)沖縄タイムス、石川です。
 県内での米軍属の事件に関して、県内では、来月にも抗議集会を開催する動きが出ています。自民党の県連会長としてどう対応していくかというようなお考えをお聞かせください。
(答)この件に関しては、まだこの県民大会の詳細について出ておりませんので、今この現時点でコメントは控えたいと思います。
 ただ、県議会としての動きもあると聞いておりますので、そこはしっかり見ていきたいと思います。
(問)県連会長として、意向に沿う大会であれば参加したいという御意向はございますでしょうか。
(答)ですから、その辺のコメントは控えたいと思います。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 先ほどの地位協定の抜本改定のお話なんですが、これは、自民党の沖縄県連の会長として動く場合に、具体的な行動としては、いつ、どんなことをされるんでしょうか。
(答)今、詳細については決定しているわけではございませんけれども、今後の動き、今、県議会の動きもきちんと見なければいけないということはお話をいたしましたけれども、そういったことを含めて対応していきたいと考えております。
(問)今、何か要請とか具体的な行動を日米含めてお決めになっているわけでは。
(答)ではないです。

(以上)