島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月20日

(平成28年5月20日(金) 9:15~9:40  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 本日、冒頭発言として、8件まずお話をさせていただきます。
 まずは、G7茨城・つくば科学技術大臣会合、それから、リケジョイベントに関してでございます。5月15日から17日にかけて、「G7茨城・つくば科学技術大臣会合」を開催し、議長を務めました。まず、15日の記念シンポジウムでは、次代を担う若者に向けてメッセージを発信しました。また、地元の高校生らが2月に開催した「ハイスクール・サミット」の提言書を、私を含む各国の大臣が受け取りました。16日、17日の会議では、議長として6つの議題について、各国の大臣と議論を行い、緊急提案した災害リスクに関する国際協力を含む「つくばコミュニケ」を世界に向けて発信いたしました。この大臣会合の機会を捉え、日本の科学技術や茨城県・つくば市の魅力を知っていただけるように、地元の食材を使った歓迎レセプション、科学技術関連施設の視察、「Society5.0」をテーマとした展示など、地元自治体や関係団体には大変な御協力をいただきました。なお、14日には東京理科大学で、「理工系女子の未来を考えようin Tokyo」を開催いたしまして、次代の科学技術イノベーションを担う若い方々の思いを受け止め、G7科学技術大臣会合にしっかりつなぐことができました。G7科学技術大臣会合の期間中には、震度4の地震も発生いたしました。各国の大臣からは、地震発生時の避難誘導など、日本人スタッフの適切な対応に感謝が述べられましたことを申し添えておきたいと思います。
 続きまして、「科学技術白書」の閣議決定についてでございます。本日、平成27年度科学技術の振興に関する年次報告、いわゆる「科学技術白書」が閣議決定されました。本白書では第5期科学技術基本計画で掲げた「Society5.0」、超スマート社会の実現に向けた取組の方向性を記述するとともに、昨年12月の総合科学技術・イノベーション会議での安倍総理からの御指示を踏まえ、文部科学省において約20年後の未来像を分かりやすく描き、イノベーションによる未来の姿を国内外に広く発信する内容を盛り込んでいただいたものと承知しています。閣議の場においても申し上げましたが、「Society5.0」の実現に向けて、今後とも、このような分かりやすい情報の発信に努めてまいります。
 続きまして、「世界最先端IT国家創造宣言」の改定についてでございます。本日の閣議で、政府のIT戦略であります「世界最先端IT国家創造宣言」の改定を決定いたしました。閣議では、私から、この創造宣言の実現に向けて、関係閣僚の皆様に政府一丸となって御協力いただくようお願いをいたしました。今回の改定は、これまでの取組の成果を「国から地方へ」、「地方から全国へ」と横展開し、安全・安心・快適な国民生活を実現できるよう取り組むこととしております。また、本日IT本部を持ち回り開催し、創造宣言の他、工程表の改定、「官民ITS構想・ロードマップ2016」、「オープンデータ2.0」を決定いたしました。ここで、今回の改定の目玉であります、いわゆる「情報銀行」の構想について御報告させていただきます。IoT、AI等の技術を十分に生かすためには、多様かつ大量なデータの円滑な流通を促し、データ利活用による超少子高齢社会の諸課題の解決につなげていくことが必要です。このため、私が担当しているIT本部の下、「情報利用信用銀行制度」の検討を開始することといたしました。スマホやIoTの普及によりまして、個人の購買履歴、心拍数・血圧などの健康情報等が流通している中、データがどう流通しているかを本人が追跡できること、そして、データの提供先について本人が管理できていることなど、国民が信頼できる仕組みが求められています。今後、これらデータが膨大になり、高齢者等がデータを管理することが難しくなります。例えば、引っ越しなどの際、銀行口座のみならず、多くのネットワークサービスの各種変更手続をワンストップで一括して行ってもらうことが求められます。このようなケースが想定される中、この情報銀行は、お金を銀行に預け、管理、運用してもらうように、個人が自らのデータの管理、活用を信頼できる者に託し、個人や社会のために活用する仕組みであります。今後検討を深めていこうと思います。詳細については、事務局であります内閣官房IT総合戦略室にお問合せをいただければと思います。
 続きまして、すべての女性が輝く社会づくり本部の件であります。本日、閣議後に、すべての女性が輝く社会づくり本部の会合が開催されました。私からは、「女性活躍加速のための重点方針2016」には次世代を担う理工系女性人材の裾野の拡大に取り込むことが盛り込まれたことに感謝するとともに、G7科学技術大臣会合において、女性研究者、そして技術者等の活躍拡大に向けた国際的な人的ネットワークの拡充を加速することで一致したことを報告いたしまして、このことを伊勢志摩サミットでも、是非、取り上げていただきたい旨の発言をさせていただきました。
 続きまして、自動走行に向けた新会社の設立に向けてでございます。 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)自動走行システムのプロジェクトでは、自動走行に必要な高精度な三次元道路地図の開発を進めておりますが、今般その成果を生かしまして、今後のデータ整備、運用に向けた検討を行う企画会社が本年6月に設立されることとなりましたので、お知らせいたします。自動走行用地図は、安倍総理も実用化の促進を言われているところでございまして、引き続き、官民挙げて取組を加速してまいります。詳しくは内閣府の科技部局にお問合せをお願いいたします。
 続きまして、沖縄出張についてでございます。本日、5月20日に沖縄入りをいたします。明日21日土曜日は、宮古島市を訪問し、宮古島市などが主催いたします「平良港からの宮古地域振興セミナー」に参加する予定です。また、翌日22日日曜日には那覇市、南風原町を訪問いたしまして、本年度より実施しております「沖縄子供の貧困緊急対策事業」に関連して、子供の居場所の視察を行う他、実際に様々な支援活動に取り組まれておられるNPO等の方々、子供の貧困対策支援員の方々、そして学生ボランティアの方々と意見交換を行います。沖縄の子供の貧困対策については、事業が動き始めたところでありまして、沖縄担当大臣として、自分の目でしっかりと現場の状況を把握したいと考えております。
 続いて、沖縄振興審議会についてでございます。来週月曜日、23日午前11時から第27回沖縄振興審議会を開催いたします。今回の審議会では、現在、沖縄県において進められております沖縄振興計画、いわゆる「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の中間評価の進捗状況等について、御議論いただくことを予定しております。後期5年の沖縄振興策を考えるに当たって、過去の取組等をしっかりと振り返ることは重要と考えておりまして、委員の皆様に忌憚のない御意見をいただきまして、幅広い課題について、有意義な御議論を賜りたいと考えております。
 続きまして、うるま市の女性行方不明の件でございます。昨日、沖縄県うるま市の女性が行方不明になっている件で、米軍の関係者が逮捕されました。在日米軍が集中している沖縄において、米軍の関係者により、尊い人命が失われたことは極めて遺憾であります。今朝、沖縄関係閣僚会議が本件の関係で開催されました。会議においては、岸田外務大臣及び中谷防衛大臣から、米側に対して申入れを行った状況について御報告がございまして、引き続き、米側に対して捜査への協力、米軍人・軍属の綱紀粛正と再発防止を強く求めていくことを改めて確認いたしました。今回の事件については、昨晩直ちに外務大臣及び防衛大臣から米側への申入れが行われておりますが、私といたしましても、両大臣と連携をとりながら、また沖縄県民の皆様の思いをしっかりと受け止めつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 まず、冒頭として以上でございます。

2.質疑応答

(問)質疑に入る前に、IT戦略本部の持ち回り決定、大臣にではないですが、これ事務方は事前ブリーフか何かやっているんですか。
(答)(事務方)特に、事前ブリーフは行ってないです。
(問)それで大臣が発言されたって、何の質問もできないでしょう。大臣にだって失礼だし、僕らだったら、昼のニュースに入れるんだけど、必要だったら。そんなことできないですよ、こんなものだったら。概要だけ出されて。
(答)(事務方)改めて説明させていただきます。
(問)改めてと言ったって、ニュースバリューがあれば、昼のニュース、テレビとか出すでしょう。出せるでしょうか、こんなもんで。大臣にだって失礼だと思うよ、僕は。
(答)(事務方)終わった後でちゃんと。
(問)化学工業日報の伊地知です。
 今週の大臣会合の件で、改めて2日間の大臣会合について総括というか、御感想があればと思いまして、よろしくお願いいたします。
(答)本会合での議論の成果を「つくばコミュニケ」として、まとめて発表することができたということで、成功裏に終わることができ、正直ほっとしているところです。
 本会合では、科学技術イノベーションに関する国際会議等の動向、あるいはSDGs(持続可能な開発目標)、そしてCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)をフレームワークといたします地球規模課題の解決に向けた国際連携、協調を視野に入れた6つの議題、アジェンダについて議論をいたしまして、共同声明「つくばコミュニケ」を世界に向けて発信することができたと。
 具体的なアクションについては、お手元に当日お配りをしたところでありますけれども、この6つのアジェンダについては一つ一つ大変活発な御議論をいただきまして、前向きな議論ができたということで、私としても大変評価いただけるのではないかと思っております。
 また、ここででき上がった「コミュニケ」に関して、またG7各国の協力の下で実現方頑張っていきたいと改めて考えております。
(問)会合の雰囲気としては、いかがでしょうか。
(答)各大臣には、日本のおもてなしへの賛美をいただいて、私も大変喜んでいるところです。
 また、こういったところの信頼関係を構築することができたのではないかと考えておりますけれども、今後はその信頼関係をより一層強めてといいますか、育てていければいいなと考えています。
(問)読売新聞の深谷です。
 冒頭発言の最後にありましたけれども、うるま市の事件に関してですけれども、今回この事件で米軍の軍属の男性、容疑者が逮捕されておりますが、このことが普天間飛行場の移設問題に関して、何か影響を与えるかというところに対して、大臣のお考えをお伺いしたいのですが。
(答)そういうことではないと思います。つまり、この事件が本当にあってはならない事件だと思っておりまして、特に、まずはそのことに関しての、私としては米国側に、先ほども申し上げましたけれども、今後も綱紀粛正、そして再発防止については強く求めていきたいと考えております。
(問)続けて、同じようなお答えになるかもしれないんですけれども、参院選や県議選に対しての影響というところでは、どのようにお考えでしょうか。
(答)もう本当にあってはならない事件が起こったということに関して、繰り返しになりますけれども、もう二度とこういうことが起こってほしくないと思いますし、特に、こういう事件が繰り返し、されているということに関して、もう本当に強い憤りを私としては感じております。
(問)日本経済新聞社の出村と申します。
 G7の科技大臣会合についてなんですけれども、期間中のバイ会談で、どのような国とどういう議論があったかということについて、お聞かせ願えますか。
(答)バイ会談については、EUと、それからUKの、二国と行わせていただきました。それから、一昨日ですけれども、カナダの大臣、それから昨日はドイツの大臣が大臣室に来られまして、話合いをさせていただきました。
 どの大臣からも、今回取り上げたアジェンダに関して、大変的を射たものだということを評価いただいたのと同時に、どの問題についても一国ではできるものではないので、引き続き、G7の各国で連携をとっていくことが大切であるというところで一致したところであります。
(問)(読売新聞・深谷記者)
 先ほどのうるま市の事件の話に戻ってしまうんですけれども、本日から沖縄出張に行かれるということですけれども、今回の事件を受けて、今回の沖縄訪問で、関係者と面会されたりですとか、現場に足を運んだりだとか、何か事件を受けた日程の追加等はありますでしょうか。
(答)今のところ、それは日程には入っておりません。
(問)日本経済新聞社の中山と申します。
 先ほどのうるま市の事件を受けて、今の段階で、来週30日に開かれる予定の沖縄協議会を先送りするなどの見込みはありますでしょうか。
(答)沖縄協議会についての日程については、詳細は、今、把握しておりません。
(問)東京新聞政治部の新開といいます。
 今朝の沖縄関係閣僚会議というのは、閣議後に開かれたのかということと、この会議での大臣の発言がもしありましたら教えてください。
(答)この沖縄関係閣僚会議は、閣議の前に行われました。繰り返しになりますけれども、岸田大臣、それから中谷大臣から、昨晩の米側に対しての申入れの御報告がありまして、私の方からは、繰り返される事件、事故に関しての憤りを感じるということ、それから、米側に対して、両大臣からも引き続き、強くまた申し入れていただきたいということは、発言をさせていただきました。
(問)それは総理も出席されていましたでしょうか。
(答)いえ、総理は出席されておりません。
(問)NHKの黒川と申します。
 うるま市の事件の関連なんですけれども、沖縄県選出の国会議員として、今後何か、こちらの東京の方で訴えていきたいこととか、伝えていきたいことを、もしありましたら教えてください。
(答)もうとにかく、本当にあってはならない事件が再び起きたというところへの、本当、強い憤りを感じています。
 もう言葉にならないと言いますか、もう本当に、正直、私自身の気持ちの整理がつかないぐらい、極めてその遺憾だということは、あらゆるところでお話しはさせていただきたいと思っておりますけれども。
 今日、県選出、そして(自民党沖縄)県連会長としての立場で、各関係大臣のところには伺いたいということは思っています。
(問)朝日新聞、山下といいます。
 関連なのですが、今回の件で、翁長知事と面会されたり、また、アメリカ側の関係者と大臣が面会されるような予定はありますでしょうか。
(答)現時点では、何も決まってはおりません。
(問)読売新聞の深谷です。
 確認ですが、本日関係大臣のところにお伺いされて、そこで求められることというのは、どういった内容になるのでしょうか。
(答)あってはならない事件が繰り返されるということに関しての、強い憤りは表明させていただきたいと思いますが、その上で、関係大臣には、特に防衛大臣には、米軍関係、それから同じく外務大臣にも、米側に対して、また引き続きの、より一層の軍人軍属の綱紀粛正と再発防止ということを訴えていただきたいということを強く求めたいと思います。
(問)時事通信の田中です。
 同じうるまの事件の関係なのですが、沖縄では21年前と同じで、再び県民大会を開くという動きも出ていますが、もし開催される際、大臣は出席されるお考えはありますか。
(答)その趣旨等、何も詳細は分からないので、その件については、今はここでコメントすることは控えたいと思います。
(問)(読売新聞・深谷記者)
 確認ですけれども、先ほどの関係大臣への今日の訪問なんですが、お立場としては、どのような立場で伺われるということでしょうか。
(答)これは、(自民党沖縄)県連会長としての立場で伺いたいと思います。
(問)(フジテレビ・和田記者)
 確認なんですが、関係大臣って、具体的に、どなたとどなたに。
(答)防衛大臣、外務大臣、それから、河野大臣のところですね。国家公安委員長。

(以上)