島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月10日

(平成28年5月10日(火) 9:24~9:39  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私からは、本日、冒頭、4件お話をさせていただきます。
 まず、沖縄出張についてでございます。先週末、南大東島及び北大東島を訪問いたしました。今回は、沖縄振興一括交付金等を活用した事業など、離島振興の現場を視察いたしました。離島においても、事業が着実に実施されていることを実感するとともに、離島の現状や今後の課題についても、地元の皆様からお話をお聞きし、しっかりと把握することができました。引き続き、沖縄担当大臣として、関係者の皆様と連携しながら、離島の振興を始め、沖縄振興にしっかり取り組んでいきたいと思います。
 それから、同意人事でございます。本日の閣議で、国会同意人事案が閣議決定されました。私が担当いたします原子力委員会の委員であります中西友子委員の再任を含むものでございます。本件については、今後、国会で同意を得る手続を踏むこととなります。
 続きまして、クールジャパンでございます。昨日決定いたしました「知的財産推進計画2016」にも盛り込んでおりますが、我が国の幅広い魅力を効果的に発信するとともに、新たなクールジャパン関連産業を創出する観点から、「クールジャパン拠点構築検討会」を立ち上げて、第1回の会合を5月12日木曜日10時から開催いたします。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えまして、民間において、羽田空港跡地や竹芝地域、所沢地域の再開発が計画されておりまして、クールジャパンを見聞き、そして体験できるような拠点の構築に向けた具体的なプロジェクトが構想されています。この検討会におきましては、私が座長を務め、様々な分野の有識者の皆様にメンバーとして参加いただき、こうした民間におけるプロジェクトをモデルケースとして、クールジャパン拠点に求められる機能や複数拠点のネットワーク化に向けた方策などを議論してまいりたいと考えております。詳細につきましては、内閣府知財事務局にお問合せいただければと思います。
 続いて、東京リケジョイベントでございます。「第5期科学技術基本計画」に基づいて、女性の活躍促進のために、既に御案内を申し上げておりますけれども、5月14日土曜日、「理工系女子の未来を考えようin Tokyo」を、東京理科大学とともに、東京都教育委員会の支援も頂きまして、開催します。場所は、九段下の東京理科大学の富士見校舎でございます。なお、翌5月15日から開催されます「G7茨城・つくば科学技術大臣会合」でも、女性の活躍拡大を議題としておりまして、このリケジョの「in Tokyo」の議論をうまくつなげていきたいと考えています。イベント終了後、ぶら下がり記者会見も予定しております。お手元に開催案内、取材申込書を改めて配布させていただきましたので、メディアの皆様に是非取材して発信していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私からは、まず、以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 二つ教えてください。まず一つ目なんですけれども、第5期(科学技術)基本計画、スタートしましたけれども、大臣、以前から、国民の理解を得なければいけないと。それについて、昔の「伊野辺(イノベ)家の人々」とか、何らかの方策を考えているとおっしゃったんですけれども、その検討についてはどのような状況でしょうか。
(答)当初から科学技術は問題解決や、暮らしを良くしていくという観点で、国民の皆様に御理解いただくというのが大変大事だと思っていまして、こうした観点で10年前に、今御指摘のあった「伊野辺家の1日」が、当時の高市大臣の下で取りまとめられました。
 もう御存じだと思いますけれども、近未来の家庭を分かりやすく説明したものでございまして、私としても、これをもう少し、じゃあその先どうなるのかという続編のようななものをまとめて、国民の皆様にお示ししたいなと思っておりまして、具体的には、「新伊野辺家の1日」、これが正式名称ではありませんけれども、そういったものを、今年の科学技術白書の中で発表できるように今、準備を進めています。
 この中では、第5期の科学技術基本計画で描いた超スマート社会、「Society5.0」が実現する近未来に、人々の暮らしがどう変わるのかという観点で、「伊野辺家の1日」のように物語形式で分かりやすくお示ししていきたいと思っています。
 このスケジュール感なのですけれど、もう少し時間がかかると思いますが、是非御期待いただきたいと思います。
(問)それともう一つは、昨日の知財本部会合を、先ほどクールジャパンのも出たんですけれども、人工知能が自律的に創り出した創造物についての著作権とか発明権とか、そういうものについて、これから内閣府、特に島尻大臣の下で検討していくということなんですけれども、大臣としてはどういうようなイメージで検討されていくんでしょうか。
(答)もう既に始まっていますけれど、AIなくしての、この生活というか、我々の暮らしはもう考えられないと言って良いのではないかと思っていますけれども、そういった人工知能の進展、発展ですね、その開発によって、知財的な切り口からすると、この人間による創作物と、AIが作ったものとが、見分けがつかないというようになっておりまして、そういう時代がもう到来しつつあるというか、していると言っても過言ではないと思うのですけれども。
 今後どのようなAIによる創作物が生まれて、どのように市場で価値を得ていくのかということをきちんと見て、注目をして、この知財保護の在り方について、関係府省とともに議論を進めていきたいと思っています。
 なので、その方向性というか、どのような議論が必要かというのが今回の「(知的財産推進計画)2016」に盛り込まれたわけでありまして、約1年かけてきちんとその辺を見据えていかなければならないと思っております。
 バランスをとるというのが大変大事ですから、そこはきちんと見ないといけないとは思っています。
(問)読売新聞の深谷です。
 先日、日露首脳会談で北方領土に関しまして、新たなアプローチで今後、問題解決に向けて進めていくというようなお話がありました。北方担当大臣として、今回の日露首脳会談への受止めと、今回のその会談を受けて、今後、大臣としてどのように取り組まれていくか、そこについてお伺いしたい。
(答)今のお話のとおり、安倍総理とプーチン大統領と、日露首脳会談が行われたということは承知しております。会談の結果、北方領土問題については、今までの発想にとらわれない新しいアプローチで交渉を精力的に進めていくということ。そして、次回の平和条約締結交渉を6月に、事務的に東京で実施するということで一致したと聞いています。
 そして一方、プーチン大統領の訪日については、引き続き、最も適切な時期を探っていくとともに、9月にウラジオストクで両首脳が再度会談することになったと聞いています。
 私も北方対策担当大臣としては、引き続き、国内世論の啓発、そして強化を図っていって、この返還に向けた、より一層の環境整備に積極的に取り組むことで、こういった外交交渉を強力に後押ししていきたいと考えています。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 クールジャパンの拠点構築検討会なのですが、これは意見を聞くだけなんでしょうか。それとも、何がしか回数を重ねて取りまとめのようなことにするのでしょうか。
(答)民間において、2020年を見据えて様々な動きがある中で、先ほども申し上げましたように、羽田空港の跡地の再開発計画、あるいは竹芝地域のデジタル特区、そして所沢地域の「COOL JAPAN FOREST」という具体的なプロジェクトが構想されておりまして、こうした民間プロジェクトをそのモデルケースにして、様々な分野における有識者に集まっていただいて、より効果的な情報発信を可能にしていきたいと思っておりまして、例えば、この検討会では、クールジャパン拠点に求められる機能、あるいは複数拠点のネットワーク化ですね、ネットワーク化していくための方策などを議論する予定であります。
 この民間のプロジェクトに対して、政府としてどういう後押しができるのかということをしっかり議論して、2020年に向けて、こういったプロジェクトを成功させていきたいと思っていまして、そのための意見交換の場、議論する場だと捉えていただいて。
(問)現実的な、その方策をまとめるということではないんですか。その出た意見を参考にしていくという感じなんですか。
(答)いえいえ、民間で今、進んでいる具体的なプロジェクトがあるわけですね。それに対して、政府としてクールジャパンの観点で、どのような後押しができるのか、応援隊として、政府が何をしていったらいいのか、あるいは、これを進める上で、民間の皆様が政府に対してどういうリクエストがあるのかということを議論する場と捉えていただいて結構だと思います。
(問)いや、私、その伺っているのは、議論して、そのまま吸い上げていくのか、何かこう発展的な取りまとめのようなことをするのかということだけなんですよ、お伺いしたのは。
(答)いや、それも含めて、第1回会合ですから、いろいろなその意見交換をまず始めましょうということですよね。まあ、予算的な財政的な支援に対するリクエストが出てくるかもしれませんし、あとは、いろいろな制度的なところで行っていただきたいという、そういったリクエストが来る可能性もございますし。
 この議論の結果については、6月末をめどに中間取りまとめをして、年末をめどに最終取りまとめを行うという予定であります。
(問)NHKの黒川と申します。
 昨日、沖縄県の翁長知事が、大臣、あと官房長官に、骨太の(方針)2016の件で要請をされていましたけれども、4点ありまして、そのうち3点は、もう(骨太の方針)2015にそのまま盛り込まれていって、4点目も子供の貧困というと、どちらかという大臣から発信をしたようなイメージがあるものが盛り込まれて、何でしょう、県側から新たにこういうのがというのが、ちょっと今回はなかったかなと思うんですけれども、その辺について、もっと担当大臣として、県からもっと来てほしいなという、いろんな要望をしてほしいなみたいな思いというのは、率直におありでしょうか。
(答)沖縄振興を担当する者としては、より積極的にどんどん球を打っていきたいなということは考えておりますけれども、継続的に、今回、県から御要望を頂いたものは、今現在進行中のものですので、私としては県からの要請を受けて、これをしっかりと着実に進めていくというところだと思っています。

(以上)