島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月26日

(平成28年4月26日(火) 9:11~9:20  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私からは冒頭、本日は2件、お話をさせていただきます。
 週末の沖縄出張に関してでございます。クールジャパン官民連携プラットフォームの協力により開催されました「沖縄の未来とエンターテインメントの役割」をテーマとしたシンポジウムや、沖縄国際映画祭の閉会式に出席するとともに、中城湾港新港地区東ふ頭岸壁の暫定供用開始の歓迎式に参加いたしました。沖縄国際映画祭については、日曜の夜になって雨が降ってしまいましたけれども、それ以外は天候にも恵まれて、県内・県外、そして国外から、メディアも含めて大変多くの方々が来られて、沖縄のエンターテインメント文化を楽しんでいかれたと思います。エンタメを活用したクールジャパン戦略の好事例と再認識いたしました。
 もう1件でございます。かりゆしウェアについてでございます。本日の閣僚懇談会において、環境大臣から、今年は「クールビズ」を5月から9月末まで実施するとの御発言がありまして、私から、関連して、「クールビズ」期間中、服装の選択肢の一つに沖縄のかりゆしウェアを加えていただくよう、御協力をお願いいたしました。例年6月1日が「かりゆしウェアの日」とされております。また、6月最初の閣議では、閣僚の皆様にかりゆしウェアを着用していただく予定でございます。
 私からは以上2件であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 先週金曜日に生命倫理専門調査会が、ヒト受精胚へのゲノム編集の適用について、一部の基礎研究については容認するという考え方を出したと思うんですけれども、大臣としては、今後、ゲノム編集を使ったこうした研究について、司令塔として、どういうふうに規制していくのか、あるいは奨励していくのか。そこら辺、どのようにお考えでしょうか。
(答)先週の金曜日もお話をさせていただきましたけれども、今回の中間まとめでは、ヒト受精胚へのゲノム編集技術を用いる研究について、まず、今お話があったように、生殖補助医療や先天性の難病の治療に資する知見等が得られる可能性から、胚の初期発生や発育、分化における遺伝子の機能解明に資する基礎的研究については容認される場合があるとしていることと、他方、臨床利用については、現時点では容認できないということとさせていただきました。
 社会的に妥当性を持つ範囲で基礎的研究が進められるように、研究者コミュニティによる議論や、それから研究動向に留意するとともに、関係省庁も交えて、引き続き、当該考え方を更に深めていきたいと思っています。その中で法規制云々という話になると思うのですけれども、現時点で、今回の中間まとめでは、臨床利用を法律で禁止するということにはなっておりませんので、今申し上げましたように、この基礎研究について容認する余地を残して、研究者コミュニティ、あるいは国民等における関心を喚起して、議論を促すということでいきたいと考えています。
(問)NHKの黒川と申します。
 今のゲノムの話だと、先の人工知能、AIのお話にも関連するんですけれども、法規制は考えていらっしゃらないという御発言ありましたけれども、研究と法規制の関係性、やっぱりどこかのタイミングで、将来的に法規制が必要になってくるケースもあるかと思うんですけれども、現時点で法規制はまだいいかなというところの大臣のお考え、改めて伺ってもよろしいでしょうか。
(答)ある意味、そのスケールというか、何で計ったらいいか、どうしたらいいかということが全くなかったわけですよね。そうすると、研究する方々も、進んでいいのか、どうしていいのか分からないという現状もありましたし、他方、いろいろな皆様の御意見の中で、本当に生命の倫理に関わることなので、これで本当に良いのかというところもあって、いわゆるブレーキとアクセルを一緒に踏むような状況になるところ、私としては、議論は行わなければならないということで、この中間まとめを促したということであります。今回、この中間まとめがあったわけですけれども、今お話ししたようなことが盛り込まれた中間まとめになったということです。
 なので、これで終わりではなくて、今後、今申し上げたような、国民の世論を喚起する、あるいは研究者のコミュニティの中での議論ももう少し活発に行っていただく。あるいは、今回、基礎研究については、容認する場合があるというまとめでございますので、では具体的にどういったものが考え得るのかといったところも、今後の議論の中で出てくればいい話ではないかと考えています。
(問)重ねてで恐縮なんですけれども、大臣御自身としては、こうした研究に関して、いわゆる法規制がなければ罰せられないということで、何か悪用なり、そういうことを考えるような人も出てくることもあるかと思うんですけれども、どこかのタイミングで、こうした分野について法規制が必要になるケースも考え得るとお考えですか。それとも、やはりこういう分野は法規制というのはあまりしない方がいい、ガイドライン等で留めていた方がいいという。どういうお考えなのか、ちょっと伺ってもよろしいでしょうか。
(答)基礎研究はしっかり進めていくべきものだと私は考えています。というのは、背景に、それを進めていくに当たって、いろいろな疾病、病気に対応する可能性はあるわけでありまして、そこを度を超えた、何でもかんでも駄目よということは少し違うのではないかと。研究ということは、行っていくべきだと思います。ただ、繰り返しになりますけれども、生命の倫理、人としての倫理というところに関して、大変大事な領域でもありますので、そこはしっかり、常に議論をするということは大事なのだろうと。これが私の基本的な考えであります。
 ただ、法律に基づいて規制を行う場合、技術の進展に機動的に対応するということが困難になるのではないかという課題、あるいは議論もあるわけでありまして、ここはしっかり、こういったところも含めて、研究者コミュニティの中での活発な議論ということは期待していきたいと思います。

(以上)