島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月1日

(平成28年4月1日(金) 10:27~10:50  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 今日私からは、冒頭、3件お話させていただきます。宇宙、そしてクールジャパンと沖縄振興予算の件でございます。
 まず、宇宙でございますが、本日、いわゆる「内閣官房・内閣府スリム化法」に基づきまして、内閣府宇宙開発戦略推進事務局が発足いたしました。これにより、内閣官房宇宙開発戦略本部事務局と内閣府宇宙戦略室が一元化されまして、その機能が強化されました。また、宇宙開発戦略本部決定であった宇宙基本計画の本文が閣議決定となりまして、位置付けがより強化されました。引き続き、宇宙安全保障の確保、民生分野における宇宙利用の推進、宇宙産業・科学技術基盤の維持強化という宇宙基本計画の三つの目標に向けて、我が国の宇宙開発利用政策を強力に推進してまいります。なお、本日11時30分より、自由民主党、公明党及び民進党のそれぞれの代表と私とで、新たな事務局の看板かけを行いたいと思います。
 続きまして、クールジャパンであります。宇宙と同様に、内閣官房・内閣府の組織見直しに伴いまして、知的財産戦略本部の事務局が内閣官房から内閣府に移管いたしました。これに伴いまして、私の肩書も少し変わりました。気持ちも新たに、引き続き、知的財産戦略とクールジャパン戦略の推進に努めていきたいと思っております。クールジャパン戦略に関して、1点お知らせがございます。この度、お手元にお配りしておりますけれども、日本ファンの外国人や、海外で活躍する日本人など、国際的に発信力のある方に「クールジャパン・アンバサダー」として、情報発信に御協力いただくことになりました。アンバサダーの方々には、クールジャパンに関する情報を、インターネット等を通じて拡散していただくことを期待しております。今回、食やファッション、そして観光の分野で影響力を持つ専門家の方に御協力をいただきます。なお、このアンバサダーは今後も増やしていきたいと考えています。詳細は内閣府知財事務局にお問合せください。
 そして、沖縄関連でございます。振興予算の交付決定等について、御報告いたします。沖縄振興特別推進交付金、ソフト交付金については、昨年4月の交付決定率を上回る、本年度予算の額806.4億円の約8割の625.9億円を交付決定させていただきました。基本的に継続事業を交付決定しておりますが、県の新規事業として、沖縄・奄美の間の航空路等の運賃低減を図る事業や、定住環境整備として、与那国町と国頭村の各家庭で超高速な通信サービスを利用可能にする事業を採択しております。それから、拠点返還地跡地利用推進交付金については、本年度予算で創設されたものでありますけれども、今回は、宜野湾市からの交付申請を受けまして、拠点返還地であります西普天間住宅地区における埋蔵文化財の調査や、環境アセスメントの調査など、4事業について1億6,500万円を初めて交付決定いたしました。それから、沖縄北部振興事業の第1回配分については、継続の2事業についてであります。一つ目は、緊急搬送活動等のための多目的ヘリ運航支援、いわゆるメッシュ・サポートへの支援ですね、及び医師確保のための事業でございます。二つ目は、本部港の地理的優位性を活かして、東京や阪神への定期航路を確保するための実証運航を行う事業であります。以上2件の配分額は1億8,000万円となります。そして、本年度より新たに実施いたします「沖縄子供の貧困緊急対策事業」については、市町村等における実施見込みの取りまとめをいたしました。子供の貧困対策支援員は合計112名、それから、子供の居場所の運営支援は合計107箇所でございまして、その多くが4月から6月の間に開始する見込みとなっております。以上の詳細については、沖縄担当部局にお問合せをお願いします。また、本日の夕方から沖縄出張をさせていただきます。今回は、2日から3日にかけて、伊平屋村、伊是名村を訪問し、離島振興・北部振興の現場を視察する予定でございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 昨日で第4期科学技術基本計画が終わって、それに合わせて3月30日に、科学技術・学術政策研究所の定点調査の結果が出ました。それを見ると、第4期計画期間中に良くなった部分も少しはあるけれども、全体としてはどうも悪くなっているようだと。その現場の状況について、第4期基本計画でかなり頑張ったにもかかわらず、現場の状況が悪くなっているという、この現場の感覚との違いについて、大臣としてはどのように受け止められているでしょうか。
(答)昨日の会合に私も出席いたしました。第4期科学技術基本計画の過去5年を振り返る調査結果を伺いました。昨日の議論では、短期的な研究資金と、それから中長期的な研究資金のバランスの話が多く出ていたと思っておりまして、今日、衆議院の内閣委員会、先ほどまであったのですけれども、こういった文脈での質問もございました。このバランス、どちらも大事だと私は先ほどの委員会ではお答えしたのですけれども、このバランスのとり方は極めて難しい課題ではありますけれども、今国会には、御案内のように、特定国立研究開発法人法案も提出しておりまして、特定法人のトップに給与設定や、そのガバナンスについて大きな裁量を与えるということとしています。まずは、こうした取組で、中長期的な研究資金が効果的に使われるようにしていきたいと考えています。そして、その他、この第5期の基本計画にも書かれておりますけれども、あるいは、第4期からの宿題ということだと思いますけれども、女性や若手の活躍拡大というものも頑張っていきたいと思っていまして、今後、この科学技術イノベーション総合戦略の2016においても、その施策の具体化を進めていきたいと考えています。
(問)(読売新聞・冨山記者)
 関連した内容になるんですけれども、昨日出席された有識者会合の報告の中で一つ気になったのが、短期的な成果を出そうとする研究が多いとか、あと、じっくり腰を据えて研究する人が減ったという感想があって、どうしても外部資金が増えて、運営費交付金が減っている以上は、時限のプロジェクトが増えるので、そういう結果になるのかなと思うし、国の財政状況も限られているので、それを元通りに増やせというのは難しいと思うんですが、5期計画の中で議論されてきたことというのは、国立大学の改革であるとか、大臣がおっしゃったみたいに、柔軟な使い方とかによって、そこを何とかしていこうということだと思うんですが、改めて今、担当大臣として、そこをどう、基礎科学というのはなかなか何ていうか、必要性を認めにくいけれども、やっぱりそこに手当てしていかないと、後々、全体が困ってしまうということもあると思うので、そのあたりをどうお考えとか、どうやっていきたいかを改めて聞いていいですか。
(答)昨日の議論の中でも、様々な意見があったと思います。それぞれの立場による御主張があって、ですから私としては、全てを包括的にバランス良く行っていくというのが、それがあるべき姿というか、理想形だとは思いますけれども、その予算の配分については、結果論として、あの時ここにもう少し重点的にやった方が良かったのではないかなど、そういう御意見が出てくるだろうということは、想像に難くないと思うのですけれども、そういう中にあって、先ほどもお話しましたけれども、新しい法案も出して行っていきますので、今後は、よく議論に出てくるのですけれども、例えば企業とそれから大学をどう連携をとっていくかなど、どこにどう落とし込んでいくのかということは重要になってくると思いますので、私としては、もっと現場の皆様の声というか、実情というのをきちんと把握しないといけないと思っていまして、また今後いろいろな機会を捉まえて、企業もしかりですし、大学の方もしかりですし、こうだったらいいのになと思っている皆様のその実情、あるいはいろんな御意見等、細かくお聞きしていく機会を作っていきたいと考えています。
(問)共同通信の佐伯と申します。
 クールジャパン・アンバサダーについてお聞きするんですけれども、これは資料を見ると、SNS、インターネット等で発信というふうにあるんですけれども、SNS以外はどういった発信を期待されるのかということと、効果として、こういった方たちが発信することでどういった効果を大臣として期待されているのか、お聞かせ願います。
(答)まず、このクールジャパン戦略に関しては、日本ファンを増やしていく、そして、日本に訪れてくださる方をウエルカムするということなのだと思っていまして、その中で、今回クールジャパン・アンバサダー、合計37名の方にお願いしました。食、日本酒の分野の方19名、観光、文化の分野の方12名、ファッション、デザインの方3名、メディア、コンテンツ3名ということで、それぞれにこれまでも十分に活躍されている方なので、その活躍をまた応援というか、後押しをさせていただきたいとも思っておりますし、発信というのは、様々なやり方があると思っていますので、SNSのみならず、いろいろな効果的な発信を今後考えていただければいいのかなと思っています。
(問)先日、政府が観光戦略、新しいのを定めまして、(20)20年までに4,000万人という話があったんですけれども、それにもつなげていきたいというふうにお考えでしょうか。
(答)もちろんそうです。そもそものクールジャパン戦略は、そういったことだと思っておりますし、ですから、日本に興味を、何でもって興味をまず持ってもらうかということだと思っていますので、あらゆるところで、クールジャパンの中では、コンテンツ、非コンテンツというワードでもって、いろいろと政策を考えているわけでありますけれども、いずれにしても、いろいろな形で日本に興味を持って、日本ファンになっていただく方を多く作っていくと。その延長上になると思うのですけれども、観光として日本を訪れていただく方を増やしていくということだと考えています。
(問)日経新聞の出村と申します。
 今、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の科学衛星で、X線天文衛星の「ひとみ」が通信できないということで、ここ1週間、大変心配な状況になっていると思うんですけれども、これについて何か大臣の下に入っている情報はありますでしょうかというのが一つと、あと今後の運用について、大臣の考えをお聞かせください。
(答)もちろん、宇宙の担当の方から、いろいろな説明は受けております。この「ひとみ」については、衛星からの電波を正常に受信できない状況にあると。何らかのトラブルが発生している状況と聞いております。JAXAにおいて、理事長を長とする対策本部が設置されて、衛星の状態の詳細な把握、そして原因究明を実施していると聞いています。
 我々内閣府といたしましては、この「ひとみ」が宇宙基本計画に位置付けられているということも踏まえまして、関係機関において速やかにこの原因の究明、あるいは衛星の復旧に全力を尽くすようにお願いしているというところでございます。
(問)今回、この「ひとみ」でもし観測ができないというふうになると、宇宙基本計画全体にはどういうような影響があるというふうに考えられるんでしょうか。
(答)今、申し上げましたように、この計画に位置付けられているということはございますので、ただ、今まだどういう状況にあるかというのが、きちんと把握できているところにはなっていないので、まずはこの原因の究明と、どんなトラブルが発生しているのかも含めて、この状況をきちんと把握するということが、まずは大事なのだろうと思っています。
(問)おはようございます。沖縄タイムス、石川です。よろしくお願いします。
 沖縄の子供の貧困事業の見込みについての数字の発表が先ほどございましたけれども、支援員の配置で112人、子供の居場所運営支援で107箇所ということなんですけれども、予算としては、約10億円の予算措置がされたかと思うんですけれども、そのうちの大体何割ぐらいを充ててのこの数字になるのかというのを教えていただきたいのと、あと市町村からのリクエスト、要求具合と言うんですか、について、大臣としてどう受け止めているかということをお聞かせ願いますでしょうか。
(答)人員や箇所については、これは各市町村から上がってきているものを、今、合計でのデータをお話させていただいています。なので、この人数等についても、最終的にこの人数で寸分たりとも違わない人数になって、結果的になるのかというのは、正にこれからだと考えておりまして、予算についてもしかりです。各市町村の関心はかなり高く持っていただいていると私は認識しておりまして、また、今後県ともきちんとすり合わせて、整合性を持つ中で、対応していきたいと考えています。
(問)今回、支援員と居場所の運営なんですけれども、大臣も何度も沖縄に行かれて、現場の声も聞かれているかと思うんですけれども、この居場所であったり、支援員じゃない、更なる範囲というんですか、その辺の今後の支援等について、何か受止めであったり、こういうところもやっていきたいなという思いがあるんでしたら、お聞かせください。
(答)この沖縄の子供の貧困の、いわゆる負の連鎖をどこで断ち切るかの策をどう講じていくかという話だと思うので、これはまずは初年度予算措置もできて、動きも出てきたというところなので、こういったところをまずスタートさせて、精査する中で、より効果的な施策を実行していくということだと思います。
 ただ、いろいろな方のお話を伺う中で、あるいは現地を視察する中で、この居場所づくりで、例えば夜間の子供の居場所だとか、具体的にいろいろな御意見を頂いているので、何とかそういったところにも対応できていくように、私としては努力していきたいと思っています。
(問)別件です。沖縄県の初めての調査で、辺野古移設に関する県民に対する意識調査を行いまして、辺野古移設に関して反対の数字が58%で、賛成が約25%という結果が出ているんですけれども、大臣、受止めとして、所感で何かコメントできないということではなくて、県選出の国会議員の1人としてコメントいただければと思います。
(答)今のお話があった意識調査ですね。この結果が公表されたということは承知しております。それこそ、沖縄には様々な御意見がある、考え方があると。その一端が現れたものではないかと受け止めております。私としては、普天間飛行場の危険性の除去というのが、極めて重要だと考えておりますので、その方向に向かって努力していきたいと考えております。
 ただ一方、沖縄振興を担当する大臣として、本当の意味で沖縄県民に喜んでいただける、そういった施策を実行していくということです。

(以上)