島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年3月4日

(平成28年3月4日(金) 10:30~10:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 まず、冒頭、私からは2件です。宇宙2法の件と、それからクールジャパンの関係でございます。
 まず、本日の閣議で、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律案」、略称で「宇宙活動法案」、及び「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律案」、これは略称「衛星リモートセンシング法案」が閣議決定され、国会へ提出されることとなりました。「宇宙活動法案」は、民間による人工衛星の打上げが様々な形で発表されている中で、これらの活動に関する安全確保や第三者損害の賠償などの法制度を整備するものでありまして、民間の宇宙活動を推進するために必要不可欠なものであります。また、「衛星リモートセンシング法案」は、民間における衛星リモートセンシングの能力が向上している中、得られた記録の取扱いに関するルール等を定めるものでありまして、国際社会の安全保障上の利益を確保しつつ、衛星リモートセンシング記録の利活用を推進するために重要なものでございます。これらの法整備は、昨年1月に決定されました「宇宙基本計画」にも求められているものでありまして、可能な限り早期の成立を目指していきたいと思います。これら詳細については、内閣府宇宙戦略室までお問合せいただければと思います。
 それからもう一つ、クールジャパンです。お手元に配布しておりますが、3月25日金曜日、東京ビッグサイトにおきまして、アニメ関連企業と製造業・サービス業の連携を図る「クールジャパン・ビジネスセミナー」を開催いたします。このセミナーは国内外から10万人以上が参加する我が国最大のアニメ総合イベント「AnimeJapan」と連携いたしまして、私が会長をさせていただいております「クールジャパン官民連携プラットフォーム」が主催するものでございます。当日は、国会の日程などが許せば、私も是非参加したいと思っております。 このセミナーは、昨年12月に設立いたしましたプラットフォームが開催する最初の行事となります。セミナーを通じて、アニメを活用した新たなビジネスプロジェクトの創出をお手伝いさせていただきたいと思います。このセミナーは、プレスの方にも公開いたしますので、是非お越しいただければと思います。これら詳細につきましては、内閣官房知財事務局にお問合せをお願いいたします。
 私からは、まず以上です。

2.質疑応答

(問)読売新聞の冨山と申します。
 宇宙の2法の関係で、昨年1月決定の「宇宙基本計画」では10年間で5兆円の規模を目指すということで、現在では年間3,000億(円)を5,000億(円)に上げたいということだと思いますが、1つにはこの法律を整備することの、アメリカであるとか、民間が参入して非常に産業が活発になっているところにキャッチアップすることの狙いを改めてお聞かせいただきたいのと、もう一点、ある種の規制法という側面もありますので、産業振興とのバランスをどう図るかということについてお聞かせください。
(答)この法案、人工衛星の打上げに関する政府補償の創設などの内容を含んでおりまして、宇宙産業の事業の環境を整備する法案でございます。今、お話があったように、民間による人工衛星の打上げの可能性、国内においても、そういったことを今後、視野に入れつつ、我が国の宇宙開発ということもしっかり行っていく上での、環境整備の法案だと思っております。
(問)産業振興と規制とのバランスという意味での、今後、内閣府令などでいろいろ基準を設けていくと思います。その辺りの配慮というかは。
(答)宇宙産業の振興に関しては、宇宙基本計画に従って、新産業・新サービスの促進や海外展開のためのタスクフォースの活動が活発に進んでいると。また、宇宙政策委員会においても、今後、宇宙産業ビジョンの検討を鋭意進めていくとなっておりますし、お尋ねのバランスということも確かに大事だと思っておりますので、そのバランスをきちんと確保するためにも、環境整備のための2法だということでございます。
(問)読売新聞の深谷と申します。
 もう一点発表がありましたクールジャパン、今回「AnimeJapan」でのイベントということで、先ほどおっしゃったように「官民連携プラットフォーム」最初の行事、これで具体的な動きがスタートしていくわけですけれども、改めてクールジャパン戦略について、今回のイベントを皮切りに、どのような形で普及啓発等を図っていかれるのか、そこについて所感をお伺いしたいんですが。
(答)まずは、先ほどもお話ししました、昨年12月に「クールジャパン官民連携プラットフォーム」を立ち上げたわけでありまして、いわゆるコンテンツ系のところといろいろな製造業の皆様とのマッチング作業というのが大変重要だと考えておりまして、その点今回、私もこの「AnimeJapan」との連携というのは大変期待しているところでございます。こういったことをまたどんどんいろいろなイベントを企画する中で、製造業の皆様、あるいはアニメ関連の企業の皆様など、いろいろなコンテンツ系の皆様がうまく連携してイノベーションがそこで起きるということ、それがクールジャパンというか、そのエンジンとして、また今後強く進んでいくといいなと考えています。
(問)フジテレビ、和田でございます。おはようございます。
 宇宙関連2法案の関係なんですが、早期成立をというお話だったんですが、国対(国会対策委員会)関係者なんかにちょっと当たってみますと、予算がまだ成立をしていないという状況なもので、必ずしも法案の優先順位のようなものが決まっていないということを聞いたんですが、大臣御自身はこの国会で上げられるというような感触を既につかんでいらっしゃいますでしょうか。
(答)もちろん法律がたくさん立て込んでいるということは承知しておりますけれども、私の立場からは、早期成立をということを切に願っております。
(問)それ以上、もう上げられそうだみたいな感触を得ているわけではない。
(答)そうですね。早期成立を願います。
(問)科学新聞の中村です。
 ちょっと話題が変わるんですけれども、「リサーチデータ・アライアンス」、RDAの総会が昨日まで開かれて、オープンサイエンスとかオープンデータについての様々な議論がなされていたんですけれども、改めて第5期(科学技術)基本計画でも掲げているオープンサイエンスについて、大臣としてどういうふうな環境整備をしていきたいのか、そこら辺について教えてください。
(答)このオープンデータやオープンサイエンスというのは重要なことだと思っています。今、第5期の基本計画の中に「Society5.0」というものを掲げておりますけれども、その中にあって、つないでいくためにはオープンサイエンスやオープンデータの環境をいかに作って、それが皆様の共通認識というところに持っていかないといけないものだと思っています。なので、積極的にこれを進める中で、我が国の科学技術の政策が強力に推し進められるということを期待しているところです。
(問)もう一つ、先日、(日本学術会議)若手アカデミーの人たちと、訪問を受けて議論されたと思うんですけれども、具体的にどのような議論がなされて、大臣としてどういう感触を受けられたか。
(答)まずは、女性や若手の研究者の拡大に向けて、どのような問題点があって、どうしたら良いかというのをざっくばらんにお聞きしました。女性の皆様もかなりおられて、子育てとの両立のことだとか、いろいろな意見が出まして大変参考になりました。
(問)今後、何か具体的に。
(答)また、定期的にとはいかないかもしれませんけど、時々にああいった若手のいわゆる次世代ですから、しかも現場の皆様ですから、そういったことで現場の声を聞いていきたいなと思っています。様々な問題点が出ておりましたので。
(問)(読売新聞・深谷記者)
 今の点に関連して、現場の若手、女性の声を聞いて、様々な問題点が出てきたというふうにおっしゃいましたけれども、これまで挙げられているような育児、出産、介護との両立ですとか、そういった一般的な問題点以外に、大臣から見ても現場ならではの視点だなと思うような問題点とか課題とかというのは何かありましたでしょうか。
(答)本当にざっくばらんな会だったので、若手の皆様の率直な声というのが聞けて良かったのかなとも思うのですけれども、例えば流動性というところなども出てきていたと思うのですけれども、基礎研究などは、ある一定の期間が保証される中で進められると安心して、例えば子育てなど家庭を持っている方もいるわけですから、そういう中で安心して研究開発が進められるけれどな、のような話も一方では出ておりました。

(以上)