島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年1月22日

(平成28年1月22日(金) 10:31~10:54  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私からは本日は冒頭、2つ関連しておりますけれども、お話をさせていただきたいと思います。
 まず科学技術基本計画についてでございます。本日の閣議で、平成28年度からの5か年を対象とする「第5期科学技術基本計画」が閣議決定されました。私からは閣議の場で、第5期基本計画を政府一丸となって実行していくため、関係閣僚の皆様に御協力をお願いしたところです。第5期基本計画では「超スマート社会」の実現に向けた取組の推進、若手や女性の研究者の活躍促進、オープン・イノベーションを推進する仕組みの強化などを掲げております。また、政府研究開発投資の目標として、対GDP比1%、総額約26兆円を明確に掲げました。これにより、「生産性革命」の実現に不可欠な科学技術イノベーション政策を強力に推進するという安倍政権の基本姿勢を国内外に示すものとなりました。今後、この基本計画を政府、学界、産業界、国民といった幅広い関係者が共に実行する計画として位置付けをさせていただき、「世界で最もイノベーションに適した国」の実現を目指してまいりたいと思います。
 もう一つでございますが、「沖縄リケジョイベント」についてでございます。今、申し上げたような、第5期の基本計画の閣議決定を受けて、いよいよ実行段階の第一弾として、女性の活躍促進に関して、来週1月30日土曜日、女子中高生などの理工系選択への興味関心、あるいは理解を深めるためのイベントとして、「理工系女子の未来を考えようin沖縄」をOIST(沖縄科学技術大学院大学)とともに沖縄県立博物館・美術館で開催いたします。もうお手元に配られていると思いますが、詳細についてはそれを見ていただければと思っております。先週もお話をさせていただきましたけれども、宇宙飛行士の山崎直子さんの講演に続きまして、地元出身の研究者、玉城絵美さん、そしてOISTのディルワース・マチ副学長、日程が許せば私もパネリストとして加わって、シンポジウムを行う予定でございます。本イベントは、こうしたリケジョの活躍促進に向けた必要な取組として、第5期計画がスタートする年初に、私自身、汗をかいていこうということで、キックオフとして開催するものであります。本件については、沖縄県の教育委員会や高等学校等に御紹介し、大変関心をいただいておりまして、私自身も大変楽しみにしております。次代の科学技術イノベーションを担う若い人たちに、自分の言葉で、しっかり思いを伝えたいと考えております。
 今後につきましては、現在検討中ではありますけれども、加藤大臣とも連携しながら、可能な限り機会を捉えて、このような取組を進めていきたいと思っております。
 まず私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 リケジョの関係なんですけれども、理工系を選択するような生徒を増やすために、今ネックになっているのが、その親たちが、どうせ理系に行ったって、学校も大変だし、仕事もあまりないわよとか言って、進路選択をする際にネックになっているかと思うんですけれども、そういう女子中高生たちの親たちに対する理解増進、そこら辺については大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)今おっしゃったこと、私もあちこちで聞いておりまして、なので、今回も主に学生さんたちにお知らせしておりますけれども、この親御さんたちにも是非聞いていただければいいなと思っています。なので、今おっしゃったようなネックをどう解消していくのかということも今後真剣に考えてみたいと思っています。私も、子育てをした親としても、そんな感覚も持ちつつ行っていきたいと思っています。
(問)読売新聞の冨山です。
 発言に関連してなんですけれども、一つ確認したいのですけれども、沖縄でのこのシンポジウムというのは、昨年からおっしゃっている私的な懇談を、いわゆるリケジョ懇談会と言っていいのかどうか分かりませんけれども、それとはまた別ということでよろしいですか。
(答)そうです。例えば山崎さんに参加していただこうと思ってはいるのですけれども、このシンポジウムというか、これとはまた別です。なので、今、検討中ではあるのですけれども、私としては、科学技術イノベーションというものが、拓いていく未来の姿について、分かりやすく国民に向けて情報発信を行うという観点から懇談会を立ち上げるというもので、今お話ししたようなイベントとはまた別物で考えています。なので、別の発信の仕方を考えています。
(問)懇談会の方の見通しといいますか、予定みたいなものはいかがでしょうか。
(答)今まさに検討中でありまして、効果的に発信していくためのものとして、どんな形があるのか、人選も含めて、検討中です。
(問)この30日のイベントなんですけれども、沖縄で開く理由というのはどういったことがあるんでしょうか。
(答)私としても、沖縄選出ということがあって、あるいは、OISTなどはあるのですけれども、あまり宇宙飛行士の山崎さんや、こういう方が実際に来られてお話するということがないような印象があったものですから、本物に会っていただくという意味もあって企画しました。
(問)最後に1点、少し漠然とした話になりますけれども、おっしゃったみたいに、女性の研究者の新規採用割合を増やすのが今回、5期計画にも入っていまして、女性の研究者がいかに活躍するかというのはかなり広範な、助成とか、出産とか、育児とか、そういったところも含めて、社会的な施策とかなり連動すると思いますので、多分それで加藤大臣とも連携してというお話をおっしゃったと思うのですが、いわゆる理工系の研究者とかをサポートする意味で、今、お考えになっているようなことはありますか。
(答)過去、(自民)党の政調の中でも、「202030」の中でも、この理工系の学術的なというか、アカデミアの方々からのブリーフィングも受けて、具体的な応対も聞いたことがございまして、私としては、あのことも思い出しながら、その問題を確認しつつ、では何が解決策になるのか、たり得るのかということをまた考えていきたいなと思っています。子育てなど、いろいろありますよね。家庭との両立をどうするのだとか。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。よろしくお願いします。
 第5期の基本計画、本日閣議決定ということで、でき上がったということなんですが、改めてお聞きしたいのですが、ともすると、いわゆる政府の科学技術政策の柱、基本計画だということで、意外と閉じられた形での計画設計が見えてしまうところがあるんですけれども、冒頭でも大臣がおっしゃったように、各ステークホルダーが一体となって、オールジャパンでという計画にしたいというような、基本計画策定段階でそういうお話が出ていたと思うんですけれども、産業界に対して求める、多分、産業界はこの計画を見て、税金を使ってイノベーションの種を作ってくれと、このタマを受けて、では我々も産業界としてビジネスへつなげていこうという形の受け身的なイメージを受けてしまうようなことがあると思うんですけれども、いわゆる産業界の役割が多分重要だと思うんですけれども、改めてその部分を大臣のお言葉として聞きたいのですが、よろしくお願いいたします。
(答)第5期計画をまとめるに当たっては、もちろん産業界の皆様の御意見も十分にお聞きしたと思っていまして、そういう意味からは、政府からの押し付けみたいな計画ではないと私は確信しています。したがって、今後5年間の計画ができましたので、官民一体となって進めていくということが大事なのだと思っています。その中で、私としては科学技術マインドといいましょうか、国民の、広い意味でのマインドを上げていくという努力をしていかなければならないと思っていまして、そういう中で、政府は政府、企業は企業のような、そういうものではなくて、一体となって行っていく。いわば明るく、お祭り騒ぎではないのですけれども、そういうマインドを私としては牽引しつつ、だけれども、きちんとした基礎研究も含めて、地味なところにも、世界もあるということを国民の皆様に認識していただきながら、皆で盛り上げていくというようなものにしていきたいと思っています。なので、そういう意味で、科学技術が我が国の経済を牽引していくという、力強いエンジンたり得るものにしていきたいと思っています。
(問)続けてなんですけれども、その中で、基本計画の中で、政府の投資目標として、対GDP1%、26兆(円)ということで。ただ、官民全体という形で4%というのを掲げているんです。確か、こういう形での基本計画の中で、いわゆる政府がコントロールできない部分を含めて4%という形で、要は3倍。今まで2割・8割のものを、3割・7割にしようということで、政府が投資的なものでも力強くやっていくということを出していると思うんですけれども、これというのは、マスト、いわゆるコンセンサスがとれているものなのかということなんですが。要は3%分ですよね、民間の。これというのは、何かちょっと違和感を感じて。政府の計画なのに、ここまで言っていいのかなという気はするんですけれども、その辺はいかがですか。
(答)そうですね、ですから、GDP1%、26兆円というのをここに入れるということが、要は、民間投資の呼び水になるという議論も確かにありましたし、安倍総理も、「未来投資に向けた官民対話」において、活発な投資を民間に呼び掛けているということもありますので、それこそ皆が一体となって科学技術に投資するということの、面白がってもらえるような、面白がるというか、ちょっと表現が、的確な表現が今思い付きませんけれども、そういう意味もあって、先ほどお話をしたような、マインドを上げていくというのでしょうかね、この何か旗振りを科学技術担当大臣としては一生懸命行っていきたいなと思っています。
(問)朝日新聞、須藤といいます。
 この基本計画の関連なんですけれども、「超スマート社会」というのが重要なキーワードに挙げられているんですけれども、分かったようでなかなか分かりづらいキーワードなんですが、大臣としてはどのようにイメージされ、大臣であればどのように説明されるのか。まず今、みんなで盛り上げていくとか、マインドを上げていくというお話もあったんですけれども、計画を浸透させていくための何か方策について、お考えをお聞かせください。
(答)我々としては、「超スマート社会」の定義を、「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細やかに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」と定義をしております。
 その実現のために、この「Society5.0」ということを出しているところでありまして、新しい社会、工業社会、情報社会に続く、今まで狩猟、農耕、工業、情報とあったわけですけれども、それに続く新たな社会を生み出す変革ということで、科学技術イノベーションが先導していくということでありまして。今言われているのは、例えばAIや、あるいは、それに伴った自動走行だとか。今、バスの事故が続いてありますけれども、では、この解決に向けて科学技術としては何ができるのだろうという中で、自動走行というのが問題解決策としては出てくるのではないかと思っていまして、そういったように、超スマート社会の実現に向けて、皆様に分かりやすく、私としても説明していかなければならないかなと思っています。
(問)共同通信の佐伯です。
 大臣直接の御所管の話ではないんですけれども、昨日、国会で甘利大臣が、週刊文春の報道で1,200万円の金銭の授受を受けたという報道がありまして、それに対して大臣としてどのようにお考えでしょうか。御所感をお願いします。
(答)甘利大臣、私もずっと(自民)党の役職、女性局長などをやらせていただいた時もそうですし、ずっと尊敬する先輩でして、今回の一連の報道についても、私としては、そこに一つ一つコメントする立場にはないと思っておりまして。ただ、尊敬する先輩ですので、きちんとした説明責任と御自身がおっしゃっておられますので、そういったところはちゃんと、国民に向けての説明ということはなされるのだろうと思っています。
(問)今のお話で、与党側からはもう既に辞任を求める声が出ていまして、与党からも今後のTPP関連法案の審議などに影響が出るという懸念もあるんですけれども、甘利大臣の進退についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)私がそこにコメントする立場にはないということです。
(問)すみません、NHKの黒川と申します。
 大臣も就任直後にそういう週刊誌報道がという話もありましたように、こういった週刊誌の報道というのは、事実かどうかは分からない部分も含めて、表に出るということについて、大臣、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
(答)いろいろとこれまで、週刊誌のみならず、いろいろな出版物によっていろいろなことを書かれた、報道されたということはございますけれども、でも、いずれにしても、私はもう公人の立場でありまして、そういうことに対して自分を戒めるというか、しっかり襟を正すというか、そういったところを見つつ、自分の行動、言動については気をつけていきたいなと思います。
(問)毎日新聞の樋口です。
 今週末、宜野湾市長選、投開票ありますけれども、大臣も出陣式で陣営の方でお話しされましたし、相手陣営の方で知事が先頭に立って運動されていますけれども、情勢は今非常に拮抗していると言われている中で、結果いかんによらず、今後、真っ二つに割れてしまった知事との関係、沖縄振興策を講じていく上で何か影響というのはないのかどうか。その辺り、どうお考えかをお聞きしたいんですけれども。
(答)これは宜野湾の市長選挙でありますので、この結果いかんで沖縄全体の振興に何か影響があるかといえば、その全体としては、あまりそれはないのではないかと思います。
(問)全体としてはということは、一部、例えば具体的なところで、宜野湾市内の町とか、そういったところで何かしら影響は出る可能性もあると。そういったことも含めて今おっしゃったのでしょうか。
(答)今、候補が2人立たれておりまして、現職の市長の計画、これまでの、例えば西普天間などについては、十分よく市長の御意向というのは承っておりますけれども、他方、もうお一方の候補者の考えていることというのは詳しくは聞いておりませんので、その方から計画を聞くことになる時には、また詳しく承りたいとは思っています。
(問)読売新聞の酒井です。
 関連で、宜野湾市長選で、大臣が所管する跡地利用という観点では、やはり現職の、現在の佐喜眞市長が勝った方が進めやすいということでしょうか。
(答)いや、一概にそれは、今日ここのこの場ではコメントしづらいお話ではあります。なので、先ほどお答えしたように、またこの選挙が終わった後に、もう一方といいますか、現職ではない方の計画や御意向というのをもし聞く機会があるとすれば、そこはしっかりとお聞きしたいと思います。
(問)あともう1点。もし宜野湾市長選で志村さんの方が勝つと、翁長知事が支援する志村恵一郎候補者が勝つとなれば、名護市と宜野湾市と、それと県の、3首長がいずれも辺野古への移設反対ということになりますね。それに関しては、もう政府が何らかの影響を受けるということはあるんでしょうか。
(答)いや。沖縄担当大臣としてはコメントしづらいところなので、すみません。

(以上)