島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年11月17日

(平成27年11月17日(火) 10:52~11:09  於:中央合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 冒頭、私からは2件お話をさせていただきます。北方領土視察と、それから沖縄の国保に関しての3大臣の打合せということでございます。
 まずは北方領土視察です。先週11月13日金曜日から14日土曜日にかけて、北方対策担当大臣として北方領土視察のために、根室、納沙布岬を始めとする北方領土隣接地域の1市4町を訪問させていただきました。2日間にわたり、返還要求運動に関わる関係団体や元島民の皆様からお話を伺うとともに、北方館、別海北方展望塔、北方領土館、羅臼国後展望塔などの施設を視察させていただきました。北方領土を目の前にして、近くて遠い4島の返還を願う元島民の皆様の強い望郷の思いというものをお聞きすることで、改めて北方4島の返還に向けた決意を強くした次第でございます。今後とも北方対策担当大臣として、国民世論の啓発や交流などの事業を効果的に推進していきたいと考えています。
 もう一つ、国保に関してでございます。先ほど、閣議の前に菅官房長官、塩崎厚生労働大臣とともに、沖縄の市町村国保に関して打合せを行いまして、今日お手元にお配りさせていただいておりますが、その内容での財政支援を今年度から実施することで合意いたしました。沖縄の市町村国保に関しては、沖縄戦の影響などの特殊事情によって財政が悪化しているために、「沖縄県国民健康保険団体連合会」の古謝理事長、南城市の市長でありますが、そのほか自民党の沖縄関係の国会議員の皆様、「かけはしの会」というものがございますが、一層の財政支援の要請というものを頂いておりました。
 これを受けて今月5日になりますが、私の方から塩崎大臣に直接お願いにあがりまして、前向きに検討する旨の御回答を頂いておりましたが、本日、菅官房長官も含めた3大臣で集まって、支援策の内容について御説明を頂いた次第でございます。国保改革の一環として財政支援の拡充がなされ、その一部が沖縄県下の市町村に交付されるわけでありますが、今回のこの追加支援措置によって全国約30億円のうち、更に追加で約8億円の財政支援が沖縄の市町村に対して行われるということになります。この措置が今年度から適用されるということは、沖縄の国保財政の改善の一助になると思っております。今回のこの措置に当たりまして、特段の御配慮を頂きました塩崎厚労大臣及び菅官房長官に御礼申し上げますとともに、沖縄の住民の方が安心して暮らしていけるよう、沖縄担当大臣として、沖縄振興のために引き続き全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 私の方からは以上2件でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の笠井と申します。
 米軍普天間飛行場の移設をめぐって、本日、石井国交相が辺野古埋立て取消し処分の撤回を知事に求めて提訴しました。沖縄関係閣僚として、国と県が司法の場で争うことになったことについて、どうお考えでしょうか。
(答)本日、国交大臣が、福岡高裁那覇支部に対して訴訟を提起したということは承知しております。本件においては、国土交通省において地方自治法の規定にのっとって進められている代執行の手続の一環であると。国土交通大臣の勧告、そして指示を県知事が拒否したということを受けてのものと承知しております。私としては、やはり沖縄振興を担当する大臣でございますので、今後のしっかりとした振興、そして跡地利用等を含めて、こういった将来のためになる振興ということに県あるいは関係市町村と連携して進めていくと、しっかりと取り組んでいきたいということでございます。
(問)科学新聞の中村です。
 大臣、原子力委員会も担当されたかと思うんですけれども、今、研究用原子炉が例えば京都大学ですとかいろいろなところの研究用原子炉が全て止まっていて、結果として大学院生が研修を受けるのに韓国とかに行ったりしてやっているわけなんですけれども、現在そういう状況について、大臣としてどういうふうな御認識で、それで今後どういうふうに対策を打たれていくのか、そこら辺について教えてください。
(答)私のところに原子力委員会というものがございます。そこでこの原子力の今後の方向性について議論されていると承知しておりまして、今、お話があったことも含めて、この委員会の報告等を勘案して今後の我が国の原子力行政についてもしっかりと方向性を決めて行っていきたいと思っています。
(問)朝日新聞の上地です。おはようございます。
 国保についてお伺いするんですけれども、今年度の交付が決まったというお話ですが、これは今後も続いていくものなんでしょうか。あと、沖縄戦の前期高齢者が少ないという事情はどのように反映されているのか教えてください。
(答)今回決まったことは、沖縄に対しては8億円の市町村配分ということです。この内容については通知としては11月から12月上旬に示すと。今日、3大臣で最終的に決定されましたので、今後は県内の市町村の交付額についてどうなのだという議論になっていくと思いますが、これは3月に決定されると聞いております。今、御指摘のことでありますが、前期高齢者の交付金、つまり沖縄の特殊事情で前期高齢者の数が少ないということでの要請ではあったのですけれども、他方、未就学児が多いということでの検討がなされた。その結果のこの8億円の追加配分ということだと私は承知しておりまして、もちろん全体を考える上では沖縄の特殊事情、今おっしゃったような沖縄戦における理由で前期高齢者が少ないというところも十分勘案されての今回の結果に至ったと考えています。
(問)関連してなんですけれども、古謝市長の方からも、沖縄戦の特殊事情を勘案してということで、これは今年度8億円付くんですが、例年として毎年毎年少なく、約8億から十数億ぐらい足りないという試算が出ていると思うんですが、今後抜本的に解決するためには大臣としてどのようにされる御予定でしょうか。
(答)平成27年度は、国全体の支援として低所得者の数に応じた財政支援を拡充するというものがございます。これは全国1,700億円の支援が決まっているわけです。沖縄に対してもこのうちの一部が制度として支援がなされるものと認識しておりますし、それから、国保の都道府県への移行が平成30年度に決定しておりまして、その時にも全国規模で1,700億円が実施を予定されておりますので、この時にも沖縄の事情を踏まえて、この交付額が決まっていくのだろうと思っています。なので、トータルとして、今、沖縄の国保が抱えている赤字については改善に向かっていくだろうと考えています。
(問)NHKの黒川と申します。
 多分すごくたまたまだと思うんですけれども、辺野古の話と、またこういうふうに沖縄に支援を手厚くするという話が同じ日になってしまって、大臣として、たまたまだとは本当に思うんですけれども、どういうふうに考えていらっしゃるかというのを伺ってもいいですか。
(答)おっしゃるように全くたまたまであります。国保の件に関しては、ずっと懸案事項で、実は最初に前期高齢者の話があったのは約8年、9年ぐらい前です。というのは、なぜ覚えているかというと、私、那覇の市議会議員であった。その次に国会に出してもらった時に那覇市の方からも那覇市としての要望というのがあって、その辺から始まっておりますので、たまたまその結果が今日出たということでございます。
(問)読売新聞です。(酒井記者)
 関連で、ここ先ほど県に国保の運営が移管されるのが平成30年度。陳情の段階では平成三十四、五年ぐらいまでの継続支援というのを求めていたと思うんですが、この8億円規模の支援というのは、その辺りまで継続して続くというスタンスでよろしいんでしょうか。
(答)先ほどお話したように、これはトータルで考えて県が抱える赤字の解消の一助になるということですので、今年度、今お話ししたように全国規模の1,700億円の支援も決定している。そして、平成30年度の財政支援も決定しているという中で、沖縄に対しての特殊事情も踏まえての詳細が決定されるものだろうと私も期待しているところでございまして、あくまでもトータルでの赤字解消という方向だと理解していただければと思っています。
(問)それと関連なんですが、全国の市町村国保の調整交付金を計算式というか枠を書いたということですが、それもやはりこれは沖縄のためにこういう制度を書いたという認識でよろしいんでしょうか。
(答)先ほどもお話ししましたように、この中には未就学児が多いことについての検討がなされたと認識をしておりまして、この未就学児が多いということも沖縄の別の特殊事情ということとしての捉え方ができるのだろうと思っています。
(問)もう一点よろしいですか。
 あと辺野古の関連なんですが、国と県の争いが法廷闘争という形になって、振興とは別というのは御存じなんですが、今回の争い、法廷闘争が激しくなっていることが振興に与える影響というのについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)従来からお話ししているように、基地の問題と沖縄振興というものは別物だということですので、私としてはきちっとした将来に向けての本当の意味で沖縄の役に立つ振興ということに力を尽くしていくということでございます。
(問)度々すみません、朝日新聞の上地です。
 今も基地と振興は別というお話があったんですけれども、大臣、国会議員になられて一貫して普天間の早期返還というのを訴えられていると思いますが、今、現状として、この法廷闘争に及ぶことになり対立が激しくなっていますが、これは今、普天間の早期返還の一助に今の事態というのはなっているというふうな御認識でしょうか。
(答)振興を担当する大臣としてはコメントを差し控えたいと思っておりますが、立ち位置としては、あるいは私の希望としては、一日も早い普天間の危険性の除去ということでございますので、宜野湾市民の気持ちをこれからも大事にしていきたいと思うところです。

(以上)