島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年11月13日

(平成27年11月13日(金) 10:13~10:31  於:中央合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 本日、私の方からは、まず今日、視察に出発いたしますが、北方領土の視察の件、それからもう一つは、ロボットスーツの件をお話しさせていただきたいと思います。
 まず北方領土視察でございます。この視察については、調整中であるということを以前からお伝えさせていただきましたけれども、本日から明日にかけて、北方対策担当大臣として、初めて根室市を始めといたします北方領土隣接地域の1市4町を訪問させていただくことになりました。現地では、元島民の皆様や地域の皆様と意見交換を行うとともに、各地の展望塔などを視察する予定でございます。なお、この日程の詳細については、内閣府北方対策本部の方までお問合せいただければと思っております。
 それからロボットスーツの件でございます。既に報道で取り上げられておりますけれども、11月10日に厚労省の医療機器を審査する部会において、筑波大学の山海教授が開発したロボットスーツ「HAL医療用下肢タイプ」について、国内で医療機器として製造販売を承認するということが了承されたとの報告がございました。これは、FIRST(最先端研究開発支援プログラム)において山海教授が取り組んだ研究開発の成果です。今回、国内販売に目途が立ったということで、研究成果を国民の皆様に実感していただけるようになり、私としても大変喜ばしいことと感じております。このようなグローバル競争が激化する中で、今回、HALのように我が国発の独創的なイノベーションの種を次々と生み出して、迅速にビジネスとして社会に実装することができる仕組み作りが、なお重要です。第5期の科学技術基本計画の中で、こうした仕組みの重要性をしっかりと位置付けて、イノベーションのスピードにこの制度の適用が追い付くように、そして、何よりも科学技術の成果が国民の豊かな生活に資するように取り組んでいきたいと思っております。
 まず私からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 ロボットスーツHALについてなんですけれども、日本ではようやく医療機器として認可されたのですけれども、ヨーロッパでは2年前に既に認可されている。この社会適用のギャップについて、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)この医療機器の承認等々は厚労省の管轄であるので、私の方からのコメントは控えたいとは思いますが、厚労省なり承認するところが、一日も早く承認できるような環境を整えるというのは、ある意味、私の仕事なのかなということも思っているので、今後、こういったところ、環境作りを、頑張っていきたいなと思っています。
(問)NHKの黒川と申します。
 今週の火・水で国会の閉会中審査が終わりまして、大臣として初めて国会に臨まれたわけですけれども、答弁をされる機会はあまり多くはなかったとは思うのですけれども、御感想等いただければと思います。
(答)初めて大臣としての答弁を求められるというところでございました。大変緊張していたわけでありますけれども、山谷先生の御質問に答えたということで、海洋政策に関してお答えすることができたということでございます。
 1月にも予定されていると聞いておりますけれども、また通常国会でしっかりとした答弁ができるように、研鑽を積んでいきたいと思っています。
(問)立て続けに恐縮です。一部では、いわゆるポスターというか、カレンダーの話が出るのではないかという話もありましたけれども、その辺、今回、出なかったのですけれども、今、おっしゃった通常国会等で、やはりそれに関しての御答弁があるのかどうかというのは、大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
(答)これは質問があれば、しっかりとそこにはお答えするということに尽きると思います。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。
 前段の科学のお話を聞かせていただきたいと思うのですけれども、大臣のお話の中で、国民が実感する研究成果というふうな、これを第5期(科学技術基本計画)の中の仕組み作りの重要な位置付けとして取り上げるということなんですけれども、具体的に大臣として実感する研究開発というのがどういうもので、ということと、もう一つは、今、感じられて、先ほども医療機器の認可が、日本で開発されているにもかかわらずヨーロッパでということで、所管が違うということなんですけれども、どの部分で仕組みを変えていけばいいかということの御所感があればということをお願いできればと思います。
(答)皆様が生活する中で、今まで不便だったものが便利になるなど、科学技術の開発による、あるいは進化によって、こういうことができるんだと感じていただくというのが、まず必要なのだと思うのです。
 ですから、今回のHALは、何かの障害を持っていらっしゃる方が、このスーツを着ることによって、動きたい、動かしたいと思うその意思でもって、ロボットがそれをサポートして動くようになるということで、最初に申し上げた暮らしというところと、これは少し違うところかもしれませんけれども、このように普通の暮らしの中で何か便利になる、こんなことになるんだと感じていただくということが、まず大事なのだろうと思うのです。
 その中で仕組みでありますけれども、この第5期の科学技術基本計画の中で、しっかりと仕組み作りを位置付けるというところが、だからこそ重要なのだろうと思っています。
 つまり、橋渡し機能というのでしょうか、例えば今、法案としてあります特定研究開発法人制度、こういったところをきちんと行って、研究開発の部分と、それから実際に世に送り出すというところの橋渡し、あるいはそういったプラットフォームというのでしょうか、そういったものの充実といいますか、そういった仕組み作りをきちっと行うべきだと考えています。
(問)今のお話の中で、大臣が、国民の一般の皆様に実感してもらう、見せる化とかそういうことだと思うのですけれども、そういう仕組みと、こういうことが科学技術で、我々の生活が豊かになっているんだというふうに国民の皆さんも、そういうところに視点が行くようなのも必要だと思うのですけれども、その辺は、大臣はどのようにお考えですか。気付くということですけど。
(答)そうですね。そういうこともあって、今、考えているのですけれども、10年前に高市大臣の時に、「伊野辺(イノベ)家の1日」というものがありまして、その10年後どうなったかということを検証するなど、あるいは今の科学技術を発展させる上で、発展系のどういう生活が待っているのかというようなことも、今後そういったものを私としてまとめていってみたいなと思います。
 それを見て、国民の皆様が改めて科学技術の発展系ってどういうものなのかというところに気付いていただければ、有り難いなと思います。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 不勉強で恐縮なんですが、先ほどのHALの関係で、一日も早く承認ができるような環境作りに頑張っていきたいとおっしゃったわけですが、これはイメージされていること、あるいは必要なことというのは、規制緩和、規制改革みたいなことなのでしょうか、具体的に。
(答)一方で、規制改革が必要だという声が強くあるということは、認識しているのですけれども、私としては、例えば今回は医療機器でありましたけれども、創薬など厚労省の認可が遅いということは言われているわけでありますけれども、ここについては、コメントは差し控えますけれども、いずれにしても、厚労省もそれなりに努力はなさっていると思うのです。
 ただ、その中で、承認するためのデータだったり、エビデンスなど、そういうものをきちっと確立していくことが必要なのだと思っておりまして、エビデンスを作る上で、何かビッグデータの活用とか、IT政策を担当している大臣としても、その辺のビッグデータの利活用でもって、承認が一日も早くできるようなものになるのであれば、そこに対しての対応ということはきちんと考えていかなければならないのではないかと思っています。
(問)共同通信の佐伯です。
 那覇空港の第二滑走路の建設について、先日、官報で地元業者の受注の割合を20%から25%に引き上げるというのが決まりましたけれども、これについて沖縄振興の観点から、どういうメリットがあるというふうに大臣としてお考えでしょうか。
(答)この件、内容については御存じかとは思いますが、簡単に言うと、JV(共同企業体)を組む時の最低出資比率が従来の20%から25%に引き上げられたということでございます。
 これは、地元の業者からの強い御要望もございまして、私としてもこれに是非とも応えなければならないという思いで、動いてまいりました。
 更には、この背景には、平成24年に採択された沖縄振興特別措置法の附帯決議がございまして、政府は沖縄県における直轄事業の実施に当たっては、地元企業の発注機会の拡大に十分配慮することという一文がございまして、そこを踏まえて、今回の実現に至ったものと思っております。
 いずれにいたしましても、この2本目の滑走路の事業については、平成31年度末の供用開始に向けて、着実に推進していきたいと考えています。
(問)朝日新聞の上地です。
 先日、山本一太元大臣のインターネットの番組に出られて、漫画の殿堂とサイバーセキュリティの拠点というようなお話をされていたのですが、現在、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか、お願いします。
(答)具体的に計画があって、それに向かって進むという段階ではもちろんありませんが、私としては、クールジャパンも担当する大臣でありますし、あるいは、今、お話があったそのサイバーのところなど、いわゆる沖縄振興というもので横串を刺せる政策というのが幾つかあると思いますし、その可能性は十分あると思っていまして、その中の一つとしてアニメや、サイバーセキュリティの人材育成の場を沖縄にというものと考えておりまして、それらも含めて、今後何ができるのか、関係者の皆様と十分に相談して、進められるものは進めていきたいと考えています。
(問)関連で、漫画の殿堂の話だと、麻生政権の時に、これは税金の無駄遣いではないのかという指摘も出ていましたが、その指摘を受けて沖縄でもなかなか振興策というのはありますが、その使い方自体も、今、疑問視されている部分もあると思うのですが、使い方としては適切なものだとお思いでしょうか。
(答)いろいろな事業、アイデアがあって、それを実現して、出口として何があるのか。それがどう貢献していくのかというお話なのだというふうに思っています。
 当時、麻生先生がおっしゃったもの、当時のお話では無駄遣いと言われたかもしれないけれども、では今、現時点ではどうかということの議論はあってもいいのではないかと考えています。
 その上で、クールジャパンの観点からも、これは世界に向けてもう一度発信を考えていくべきだということがあるのであれば、私としては、その議論ということは、積極的に行ってもいいのかなと考えています。
(問)読売新聞の酒井です。
 誰も聞かないので、科学技術系の質問なのですが、昨日、行政レビューでスパコンの開発費が問題になりましたけれども、民主党時代に、これが1位ではなくて2位でいいではないかという問題になったものですが、科学技術の担当大臣として、これは1位であるべきなのでしょうか、2位であるべきなのでしょうか。
(答)このレビューは事業の中での無駄遣いがあるかどうかということであって、政策的にどうかという議論ではないというのが大前提であるということからすると、なかなかどっちがという話にはならないと思うのですけれども、私としては日本の技術というか、世界に対する日本のプレゼンスが高められるものとしては、やはり1位を目指すべきなのではないかと思います。

(以上)