島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年10月30日

(平成27年10月30日(金) 11:40~11:57  於:中央合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 それでは、私の方から、今日はまず4つございます。ノーベル賞関係、それから沖縄国保関係の要請、それから、先ほどありましたまち・ひと・しごと創生会議の件、それからITの利活用の制度整備検討会の件、この4つでございます。
 まずノーベル賞関連でございます。昨日、ノーベル賞受賞者の大村先生、梶田先生が安倍総理を表敬されました。私もその時に同席させていただきました。大村先生の業績について話題になった際に、私の方からは、大村先生の研究成果は、沖縄の風土病の治療にも役立っておりまして、「沖縄の恩人」とも呼ばれている、というエピソードを御紹介させていただきました。大村先生からも詳しいお話があって、安倍総理も御関心を示されていたのが大変印象的でございました。また、梶田先生にお会いした際には、「研究成果をあげる上では、持続的、計画的な政府研究開発投資が重要」というお話を伺いました。梶田先生だけに「重みのある」発言と受け止めまして、私としても、「政府研究開発投資目標の設定」などの政策課題にしっかり取り組むという思いを強くいたしました。
 それから、沖縄県内市町村の国保財政支援の要請についてでございます。昨日、沖縄県国民健康保険団体連合会から、沖縄戦の影響などにより、前期高齢者交付金が全国に比べて少ないという沖縄の特殊事情を理由とした、県内市町村国保に対する財政支援についての御要請をいただきました。沖縄県市町村の国保財政の赤字問題については、私としても、大臣を拝命する以前から、大変重要な課題と受け止めて取り組んできたところでございます。昨日の要請を踏まえまして、私としても、制度を所管する塩崎厚生労働大臣にお会いして直接お話し申し上げたいと考えております。
 それから、まち・ひと・しごと創生会議の件でございます。本日の閣議後、「第7回まち・ひと・しごと創生会議」が開催されまして、私は沖縄担当、科学技術政策担当、IT政策担当、クールジャパン戦略担当の立場で出席させていただきました。私からは、こうした政策分野で、地方創生にどのように取り組んでいるのかということを御紹介申し上げました。例えば、科学技術政策では大臣主催の「地方創生に資する科学技術イノベーション推進タスクフォース」を設置しているということを御紹介いたしました。もう既にプレスの皆様にも御案内していると思いますけれども、この後すぐ、12時30分から、この建物におきまして、この「タスクフォース」を開催いたします。もちろん私も出席いたしまして、地域でのイノベーションの成功事例に関する議論を聞きまして、今後の政策展開に活かしていきたいと思っております。ちなみに、今日は福岡の事例をお聞きするところです。
 それから、もう一つ、ITの利活用について申し上げさせていただきます。本日、「ITの利活用に関する制度整備検討会」をIT総合戦略本部の下に設置することといたしましたので御報告をいたします。ITが我が国の経済社会活動の不可欠な存在となっている中で、マイナンバー制度の運用開始やパーソナルデータの利活用に関する法整備など、IT利活用のための基盤が整いつつあります。このような中で、更に国民の一人一人がITの利活用による利便性を実感していただけるように、ITを利活用した情報流通の円滑化を図っていくということが求められております。このために、検討会では、例えば日々の暮らしにおける各種手続の更なる電子化などでIT利活用を総合的かつ計画的に促進していくための基本的な考え方の整理、また、本人の関与の下で安全・安心な情報の流通を担う代理機関、これは仮称でございますけれども、の在り方について、また、シェアリングエコノミーのような新たな市場への対応等について検討することを想定しております。今後、この検討会での議論を踏まえながら、新たな法制上の措置も含めまして、必要な対応を検討してまいります。この詳細については、内閣官房のIT室の方にお問合せをいただければと思っております。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 昨日、大村先生と梶田先生が来られて、先ほど大臣も投資目標の設定とか財政的な投資が大事だとおっしゃったんですけれども、一方で財務省の財政制度等審議会では、そんな投資目標を設定するのはけしからんみたいな、そういうふうな方向の意見が出されているんですけれども、大臣として、例えば麻生大臣に申し入れるとか、何かしらの財政投資目標をしっかりするためのアクションを大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)この場でも何度も申し上げておりますように、この研究開発投資の目標の設定というのは大変に重要なことだと思っております。今、鋭意その検討、議論を重ねて、年末までには答申案をまとめたいと考えております。その議論の中で必要だと私の中で考えた際には、もちろん財務大臣のところにあがって、是非お願いしますということも可能性としてはないことはないのではないかと思っていまして、それだけ大事なところであると私が認識をしているということは御理解いただきたいと思います。
(問)朝日新聞の上地です。よろしくお願いします。
 昨日、辺野古の本工事が着工されていますが、振興にしても基地問題にしても、どんな施策をするにしても国と県の信頼というのが重要になってくると思いますが、現状、大臣としてどのように御覧になっているのか、今後大臣として何か橋渡しなどをされるお考えがあるのか、お願いします。
(答)本件に関しては報道等で私も承知しており、所管であります防衛、あるいは国交などの関係省庁によって法令の規定にのっとって所要の手続等が進められるものと認識をしております。
 私は沖縄振興を担当する大臣として、更なる沖縄の振興と、それから、この米軍の基地跡地の利活用、跡地利用の課題についてしっかり、県や関係市町村と連携して取り組んでいきたいと思っています。
(問)NHKの黒川と申します。
 きょうの沖縄振興審議会、おそらく多分1年半ぶりぐらいで、翁長知事が就任されてから初めて開かれますけれども、大臣としてどういったことを重点的に話し合いたいとか、そういうのはありますでしょうか。
(答)今日の午後、沖縄振興審議会が開催されます。翁長知事も出席される予定であります。この審議会については、御案内のとおり、今後の沖縄振興に関する重要事項について審議をするということでございまして、ちなみに、今日の議題でありますけれども、平成26年度の沖縄振興一括交付金の事後評価について、それからもう一つは、沖縄県が策定いたしております沖縄振興計画、いわゆる沖縄21世紀ビジョンというものがありますけれども、この中間評価の進め方について御議論いただくことになっております。
 私としては、そこで御挨拶をさせていただきますが、特に、子供の教育、子供に限らず沖縄県におけるあらゆる分野での教育、それから子供の貧困の問題等々、そういったソフト面の充実も含めた中での新たな沖縄振興の在り方というものについても御議論いただきたいということはお話ししたいなと思っています。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 ちょっと事務的なことも含めてで恐縮なんですが、先ほどの沖縄の国保の件で塩崎さんととおっしゃっておられましたが、今後、日程が決まっているんでしょうか。あるいは、決まった場合には御案内いただけるのでしょうかという点が1つと、それから、研究開発投資目標なんですが、これは私、不勉強で恐縮なんですが、年末とおっしゃっている答申そのものに盛り込むような性格のものなんでしょうか。別に答申に入れるという性格のものではないんでしょうか。この2点でございます。
(答)まず国保の件については、来週、祝日もあって、今、塩崎大臣の御都合との調整を図っているところなのですが、来週中にお会いできればいいなと思っております。なお、この件に関しては御案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それから、開発投資に関してでございます。この件に関しては、この計画の中にもちろん盛り込むものとなっております。ですから、実は昨日も会議がありまして、いろいろあったのですが、その部分、ちょっとペンディングになっていたので、こういった質問が出ているということですので、よろしくお願いいたします。
(問)盛込み方もこれからの議論次第だと思うんですが、はっきり計数といいますか、数字のような形で答申にも入ってくるんでしょうか。
(答)この件に関しては、各経済団体などから強く申し入れもあるところでございますので、私としては、その数字も含めてきちんとしたものを入れ込むというところを努力していきたいと思っておりますし、この数値目標の設定というものは不可欠であると考えています。
(問)もう一度、科学新聞の中村ですけれども。
 先ほどITの利活用の制度整備検討会、今日10時半から開かれたんですけれども、それのシェアリングエコノミーとか、あと代理機関の話と、午後の科学技術による地域活性の話なんですけれども、実態的には実は似たような部分も、重なる部分も結構あると思うんですけれども、そういうところのいろいろな会議がある連携の仕方については、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)そうですね。こういった検討というのは様々なところでなされていいものだと思っています。ただ、おっしゃるように、それをどう連携させるのか、どう取りまとめていくのかということも大事なところですので、そこに関しては、また要所要所での責任者の皆様にお集まりいただく中で、しっかりとした取りまとめができていくように努力していきたいと思っています。
(問)沖縄タイムス、石川です。
 辺野古の問題についてなんですけれども、政府は行政判断が済んでいるとして手続を進めていっているかと思うんですけれども、県側の反発は強まっているように思います。昨日は翁長知事が「強権極まれり」という発言をしたり、「県民に寄り添う姿勢が見られない」という発言をされています。安倍総理が県民に寄り添って沖縄施策を進めていくという発言をしているんですけれども、その総理の発言と、今政府が進めているやり方について合致すると思われるかというのをお聞かせください。
(答)この普天間飛行場の辺野古移設に関しては、県内においても、それこそ様々な意見があるということの私は認識でおります。その中にあっても、私は沖縄振興を担当する大臣として、本当の意味で将来の沖縄に役立つ沖縄振興を進めるということをしっかりと行っていきたいと思っています。

(以上)