島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年10月13日

(平成27年10月13日(火) 11:07~11:22  於:中央合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 私からは、まず3点ですね。沖縄出張を始め、経済再生等について、まずお話しをさせていただきます。
 先週末に沖縄入りをいたしました。沖縄振興の現場を視察するとともに、地元の皆様と意見交換を行いました。沖縄担当の大臣就任後、初めての沖縄入りでございまして、まずは国立沖縄戦没者墓苑を参拝いたしまして、平和の礎を訪問しました。また、11日日曜日、沖縄科学技術大学院大学、いわゆるOISTと、西普天間住宅地区を視察いたしました。OISTの規模の拡充や、西普天間住宅地区における国際医療拠点の構築に向けた取組など、改めてではありますけれども、沖縄振興の大きな可能性を感じ取ることができました。さらに、地元の市町村・市町村議会の代表の皆様、経済団体の代表の皆様とも、沖縄振興について有意義な、有益な意見交換をすることができたと思っております。
 沖縄は私、地元でございますので、今後も度々沖縄入りすることになると思いますけれども、引き続き様々な意見をお聞きして、また現場にも足を運びながら、沖縄の振興について取り組んでいきたいと思います。
 それから、科学技術と沖縄の関係について、申し述べさせていただきたいのですけれども、私、科学技術政策担当の大臣も拝命しているわけでありますけれども、今回の訪沖の際にも、その立場から、新たなこの気づきを得ることができました。
 先週月曜日にノーベル賞の医学・生理学賞を受賞されました大村智先生の研究成果については、沖縄での風土病の治療にも大きく貢献し、沖縄の恩人とも呼ばれているということでございます。ノーベル賞を受賞するような、この地道な基礎研究の成果が、このように私たちの生活の身近なところに関わっているということを、こういうことなのかと実感した次第であります。今後も科技担当の大臣として、しっかりと政策のかじ取りを務めようと、思いを新たにしたところでございます。
 もう一点、閣議後に開催されました日本経済再生本部に出席させていただきました。本日の本部会合では、日本経済が歩むべき道筋を明らかにするために、「未来投資に向けた官民対話」を開催することが決定いたしました。
 私からは、科技担当の大臣の立場から、「不確実性の高まる時代にこそ、官民が総力を挙げて科学技術イノベーションの実現に全力で取り組む必要がある」旨の指摘をさせていただきました。
 その上で、第5期科学技術基本計画の検討の中で、IoT(モノのインターネット)、それからビッグデータ、そしてAI(人工知能)等を活用した未来の産業創造等に向けた議論を進めているとことを紹介させていただきました。
 今後もこのような場を活用して、関係府省とも連携し、科学技術イノベーション政策を積極的に推進していこうと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)NHKの黒川と申します。
 大臣、先週末に沖縄入りされたということですけれど、翁長知事との会談、今回はなかったということです。で、翁長知事、今日、辺野古の埋立て承認を取り消しましたけれども、それについて大臣の受け止め、所管ではないというのは存じてはいるんですけれども、受け止めをお願いいたします。
(答)本日、一昨年末のですね、仲井眞前知事による辺野古移設に係る公有水面埋立て承認の取消しを翁長知事がなさったということは、報道によって承知しております。
 本件については、御案内のとおり、防衛省において、関係法令に基づいて適切に対応されるものと認識しております。
(問)科学新聞の中村です。
 今回、OISTに訪問されたということで、OISTは日本の大学の中では大学運営において非常に特殊な、グローバルスタンダードな方法をとっているんですけれども、実際に視察されて、そのいろんな大学運営の方法ですとか、現場の活性化だとか、そういうことを科学技術政策に今後どのように生かしていきたいのか、そこら辺についてどういうふうにお感じになったのか教えてください。
(答)是非、行って御覧になっていただきたいのですけれども、すばらしい環境に恵まれたOISTだなと改めて思いました。
 その中で、授業は英語で行われたり、特色として、例えばいろいろな研究対象があって、普通だと縦割りになりがちなのですけれども、そこをいろいろな教授たちが一堂に会したり、自分が行っていることはこうだけれども、隣の研究室では何をしているのかなど、すごくオープンな環境だと思っています。それが今までも研究にはかなり効果があると聞いています。
 私の関心事としては、そこで研究開発されたものが、どうアウトプットされていくのか、どのように、そのイノベーティブなものが社会貢献できる、社会で利用されていけるのかというところが今後、関心がありまして、例えばその橋渡し役として、我々が、政治の側が何ができるのかということを、いろいろ意見交換をしてまいりました。
(問)テレビ朝日の吉野と申します。
 沖縄の件に戻ってしまうんですけれども、閣僚としてすごく大変な胸中だとお察ししますけれども、辺野古の件についてですね、大臣、政府の一員としてはですね、今後どのように沖縄に向き合っていかれますか。こういう辺野古の件で埋立て取消しというような事態にはなっておりますけれども、閣僚としては、政府としては、大臣はどうやって今後沖縄に向き合っていくおつもりなのか、お聞かせください。
(答)あくまでも専ら私は沖縄振興担当として、未来志向で、より着実な沖縄振興を進めたいと思っています。あえて申し上げれば、この普天間飛行場の危険性除去ということは、ずっと私も取り組んできた課題でありますので、しかも政府あるいはその沖縄の担当者、本当にたくさんの人がこの件に携わって努力を重ねてきたということも、つぶさに見てまいりました。なので、専ら沖縄の振興担当ということではありますけれども、他方、沖縄といいますか、その普天間飛行場の危険性除去については、心を配って行っていきたいと思います。
(問)琉球新報の仲村です。
 先ほど翁長知事が埋立て承認の件で記者会見を開いたんですけれども、その中で、沖縄振興に関する影響はというような質問も出たんですけれども、大臣としてはどのようなふうに受け止めておられますでしょうか。
(答)この埋立て承認取消し云々と、沖縄振興というところでの、影響というか、悪影響というのは、私はないと思っておりますし、これまでもそうであったように、この沖縄振興をとにかく尽力していきたいと思っています。
(問)共同通信の佐伯です。
 沖縄振興の担当ということなんですけれども、大臣がその閣僚に起用されるに当たって、沖縄県選出の議員ということで、政府の方針を沖縄県民に説明するという役割も期待されていたかと思うんですけれども、そのあたり、この危険性の除去、辺野古への移設について、県民に対してどういうふうに今後、大臣として説明をしていかれるお考えでしょうか。
(答)繰り返しになりますけれども、沖縄振興を進めていく、未来志向で着実に進めていくというのが、私に課せられた使命、仕事だと思っております。
 ただ、おっしゃるように、辺野古云々の政府としての対応というのは、これはもう私も政府の一員でありますから、そこは県民の皆様に御説明するというのは、責任としてあると思いますけれども。
 もし今回の埋立てに関する取消しということが、私としてはこの普天間飛行場の危険性除去に、水を差すようなことになれば、非常に残念だなというのは思います。
 ただ、専ら私は沖縄振興、ここに注力をしていくということでございますので、そういう観点からの県民への御説明というのは、きちっと行っていきたいと思っています。
(問)朝日新聞の上地です。
 今、大臣、今回の取消しというのが普天間の危険性除去に水を差すことになれば残念というお話があったんですけれど、その残念とおっしゃる具体的な、今、もうちょっと詳しく、なぜ残念と思われるのかというのをお話しいただきたいのと。
 あと、知事が会見の中で、政府は埋立てに関して、県民に寄り添う姿勢が薄いというような発言もされているんですけれども、内閣の一員として、その点は、また沖縄選出の議員としての、その点の発言についてはどのように思われるのか、教えてください。
(答)特に私は、普天間飛行場の危険性除去はどうしても、一日も早く実現しなければならないと思っております。その意味で、その流れの中で、この危険性の除去に水を差すようなことがあったら、非常に残念だなと、率直に思うということです。
 県民に寄り添う姿勢も、つまりは、危険性の除去が、特にあの飛行場の周りに住んでいる住宅密集地というふうにも言われていますので、宜野湾市民への寄り添いだとも思っておりますし、ひいては、これは沖縄県民に寄り添うものだと考えています。
(問)NHKの黒川です。
 沖縄振興に悪い影響はないと思っているとおっしゃっていましたけれども、沖縄振興、基地問題を含めて、また政府と沖縄県と側で、対話がもしかしたらまた少なくなってしまうかもしれないという懸念もあると思うんですけれども、その場合はやはりその沖縄選出の議員としてそれに大臣になられている、大臣がその、何かこうパイプというか橋渡し役になるような、対話の糸口みたいな、そういうお考えというのはありますでしょうか。
(答)そこの考えについては、是非、むしろ翁長知事とですね、今後お会いすることがあると思いますので、お話をしっかりしてみたいと思います。
 ただ、私としては、繰り返しになりますけれども、何よりも沖縄県民のために沖縄振興を着実に進めていくと、未来志向でですね、行っていくということでありますので、そこを基本として、働かせていただくというのは、当然のことだと思っています。

(以上)