島尻内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年10月8日

(平成27年10月8日(木) 15:10~15:40  於:中央合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 この度、内閣府特命担当大臣を拝命いたしました、島尻安伊子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 内閣府特命担当大臣といたしまして、沖縄及び北方対策、科学技術政策、宇宙政策を担当いたします。併せて、内閣の担当大臣といたしまして、海洋政策、領土問題、IT政策、クールジャパン戦略の担当も務めます。
 今朝ほど、山口前大臣、山谷前大臣と引継を終えました。両大臣のこれまでのリーダーシップに心から敬意を表しまして、各所管の分野の取組が更に前に進むように、しっかりと任に当たっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村と申します。これからよろしくお願いします。
 5日、6日とノーベル賞を日本人が獲得しましたけれども、それで日本の優れた研究レベルが証明されたわけですけれども、研究成果自体は20世紀に出たもので、21世紀になってからは、日本の国際的な論文の地位というか、それはちょっと低下していると。
 そういう中で、科学技術政策担当大臣として、今後、科学技術イノベーション政策をどのような姿勢で取り組んでいかれるのか、お話しください。
(答)今お話あったように、大変うれしいニュースが続いているわけでありますけれども、こういった流れを途絶えさせないように、また前進を図っていかないといけないと思っています。
 我が国のこの持続的な成長の実現に向けて、官民が総力を挙げて社会を支えていくという、新たな価値の創造に全力で取り組む必要があると考えています。
 現在、2016年度からの5年間で取り組むべき施策の基本方針というのも御存じかもしれませんけれども、第5期の科学技術基本計画の検討を進めております。総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能を十分に発揮して、政策運営を強力に推し進めるということで、世界で最もイノベーションに適した国を目指していきたいと考えています。
(問)NHKの黒川と申します。よろしくお願いします。
 今朝、山口前大臣からも、沖縄選出ということで、とりわけ沖縄振興にとてもお詳しいので頑張ってくださいというエールがありましたけれども、改めて、沖縄県の選出の国会議員として初めてこの振興を携わる沖縄担当大臣になられた感想と意気込みを伺わせてください。
(答)私も沖縄選出の国会議員として、しっかりこの沖縄担当大臣として仕事をさせていただくというのは、この上ない喜びといいますか、と同時に、大変緊張しております。しっかりとこれは前に進めていかなければならないと思っています。
 その中で、沖縄振興特別措置法に基づいて、これまで強力に進められてきたわけでありますけれども、私としましてはこれを、ここできちんと担保している社会的なインフラの整備と同時に、例えば子どもの教育や、あるいは社会保障など、こういったソフト面も充実させていきたいなと思っております。
 それ以外にも、基地負担軽減等と、あるいは跡地利用ですね。ここをしっかりと行っていかなければならない。今、西普天間の跡地利用に関しては、もう事が進んでおりますけれども、そこを強力に推し進めていくということもしっかり行っていきたいと思っています。
(問)北海道新聞の津田と申します。
 北方対策についてお伺いします。
 今日から次官級の平和条約交渉が始まり、進展が期待されるような状況もあるんですが、今年はビザなし交流ですとか墓参が度々中止になる問題もございまして、今後どのように交流事業や国内外の情報発信などを行っていく考えか、意気込みも含めてお聞かせください。
 また、根室市を始めとして、北方領土隣接地域に訪問する考えはありますでしょうか。お考えをお願いします。
(答)北方対策という、国政上大変に重要な課題も担当するということになりまして、大変身の引き締まる思いであります。
 四島の早期返還を目指して、国民世論の啓発や、交流等の事業ですね。そして、元島民の方々に対する援護など、こういったことを通じて、返還に向けた環境整備ということは積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 また、具体的にはおいおいといいますか、私個人としては、早めに現地に行きたいなと思っておりますが、これまで沖縄・北方の委員として、何度か現地に足を運びました。その時に、元島民の方々との意見交換や、あるいは視察等を通して、いろいろと課題があるということも十分承知しておりますので、解決に向けて、全力で取り組んでいきたいと思います。
(問)TBSの金平です。
 昨日の就任直後の短い記者会見でも質問が出たようですけれども、沖縄選出の沖縄の担当大臣ということで、第三次安倍内閣の最大の懸案の一つはやはり、県政と国の方針が真っ二つに分かれている辺野古の問題だと思うんですね。
 昨日の御答弁でも、普天間の危険除去を最優先に考えたいというお答えがあったようですけれども、島尻さんは、2010年の参議院選でも県外移設というのを公約に掲げられて当選なさった方で、なおかつ沖縄選出の議員であるということで、今現在の辺野古への新基地建設に関する基本的なスタンスをお聞かせいただきたいというふうに思います。
(答)この問題、私が一番重要に感じているのは、普天間基地の危険性の除去というところに尽きると思っております。あの周囲には学校や住宅が密集しているわけでありまして、その環境を変えていかなければならない。危険性の除去ということを一日も早く実現しなければならないと思っております。
 政府としても、この辺野古への移設というのが唯一の施策だと、唯一の選択肢だということで進めておりますので、私としても、何としてもこの普天間、あるいは宜野湾市民の命を守るためにも、これは進めていかなければならないと思っています。
(問)フォローアップですが、2013年に、今おっしゃっていた県外移設の公約を翻された、撤回なさった時の説明と、今おっしゃっていた唯一の選択肢というのは、その当時から一貫してあるものだというふうに考えていいんですか。
(答)我が国を取り巻くこの環境というのは、かなり厳しさを増しているというのは、その認識を私は持っておりまして、当時からいろいろな事故等も起きているものですから、そういう中から、何度も繰り返しになりますけれども、普天間の危険性の除去というのを一刻も早く実現しなければならないという思いの中で、いろいろと見聞き、つぶさに見てまいりましたけれども、政権が代わったりしたところも見てまいりましたけれども、そういう中にあって、今政府が進めているこの辺野古への移設というのが、日米の中で合意されているわけでありまして、これを逃すと、また一番最悪のシナリオは、私はこの普天間の固定化だと思っておりますので、これは避けなければならないという中で、今の立場に立っております。
(問)そうしますと、ごめんなさい、これで終わりますけれども、県政が、翁長知事は、これはあらゆる手段を使っても辺野古には新基地を作らせないというスタンスですね。大方の県民の民意というのも、あらゆる世論調査を見ても、辺野古に作ることについては反対というのがマジョリティーですね。
 そことのギャップについて、県選出の議員でもあられる島尻さんから見て、そういうギャップを埋めることは可能だというふうにお考えになっていますか。
(答)立場上、私、沖縄担当大臣ということを拝命しておりまして、基本的には沖縄の振興を担当する大臣でございます。今おっしゃったような、その基地問題等、これは防衛大臣、外務大臣あるいはその他関係大臣の所掌になるかと思います。
 ただ、おっしゃるように、私も沖縄選出の一参議院議員ということでもありますが、この辺は、これからまた知事とお会いすることもあるでしょうから、その中でまたいろいろなお話ができればいいということは思っています。
(問)共同通信の佐伯と申します。よろしくお願いします。
 今翁長知事の話がありましたけれども、昨日はまだ決まっていないということだったんですけれども、翁長知事との面会の予定は固まりましたでしょうか。あるいは、翁長知事に電話などで大臣就任の報告はされましたでしょうか。その辺をお聞かせください。
(答)日程については、今まだ調整中です。
 お電話はさせていただきましたが、なかなか知事もお忙しいと思います。まだ電話はつながっておりません。
(問)沖縄タイムスの石川です。よろしくお願いいたします。
 先ほど挨拶の中でも基地の負担軽減についてもお話あったかと思うんですけれども、辺野古の新基地問題に関して、一日も早い辺野古への移設というのが政府としての唯一の解決策ということなんですけれども、少なくとも、早くても9年から10年かかると言われています。辺野古の方はですね。その間の危険性の除去について、沖縄担当大臣としてどういったところに取り組んでいくのかということをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)繰り返しになりますけれども、沖縄の振興と、あるいは、跡地利用ですね。これを積極的に進めていくというのが、私の仕事であろうかと思っています。
 なので、基地負担の軽減というのは、基地負担軽減大臣がおられるわけでありまして、私はそこときちんと連携して、例えば西普天間の中で58号線との道路をどう接続していくかとか、そういったところが仕事になろうかと思っております。
 いずれにしても、目に見える形の基地負担の軽減というのは、大臣の方からお話をいただいておりますので、今後しっかりとそこと連携をとって、進めていきたいと思っています。
(問)関連で、県の方は、普天間の負担軽減に関して、5年以内の運用停止というのを求めています。それに関して、政府の方から一向に返事がない状況なんですけれども、それに関しても沖縄選出の大臣として、閣内でどういった御意見を述べられていくのかというのをお聞かせ願えますでしょうか。
(答)それが直接の沖縄担当大臣としての所掌ではありませんけれども、機会を見て、それこそ沖縄選出の国会議員としては、そういった点についても、関係大臣にはお話をさせていただきたいなということは思っております。
(問)琉球新報の仲村です。
 先ほどから、大臣の方から振興の話をされていたと思うんですけれども、昨日就任された後に、翁長知事が振興と基地問題をリンクさせないように、混同されたらまずいんじゃないかというようなお話をされているんですけれども、それについて大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)これはリンクをしないということですから、私も、基地問題は基地問題、あるいは振興としては振興ということで、この沖縄振興、それから跡地利用というのを強力に推し進めていくというのが私の仕事だと思っています。
(問)関連なんですけれども、振興について、先日まで行われていた集中協議の中でも、辺野古の集中協議だったんですけれども、その中でも振興の話とかがいろいろ出ていたんですけれども、実際、言葉ではリンクしないというようなふうに歴代の大臣もおっしゃっているんですけれども、そういうふうなことが起きているということにはどうお考えでしょうか。
(答)沖縄担当大臣としては、これはリンクしないということです。
(問)朝日新聞の上地です。
 自民党の部会だったり調査会などでも同じような経済水準だったり、人口規模の都道府県と比べて、沖縄の予算が多いんじゃないかというような指摘も出ていることもあるんですけれども、大臣として沖縄の交付金やこの補助金というのが、同水準の他県と比べてどのように感じていらっしゃるのか。また、党内から、また他の国民からもそういう声があることに対してどのように説明されるのか、お願いします。
(答)今、御指摘があった点はよく耳にすることであります。ただ、1人当たりの国庫支出金の額のみで見ると、沖縄は全国1位であって、全国平均の約2倍の額になっているというデータも出ているわけでありまして、何を基準に考えるかということで、かなり変わってくるのではないかと思っていますけれども、今後もこの沖縄振興を進める上での予算は、しっかりと要求をして取ってくるというのが、私の仕事だと思っています。
(問)読売新聞の山崎といいます。よろしくお願いします。
 予算の関係なんですけれども、例えば、沖縄のハード、ソフト面にしても、例えば公共事業なんかにしても、補助の割合がすごい他県の公共事業に比べて高かったりだとか、そういう沖縄独特の予算の、同じ工事するにしても、国の負担割合が8割から9割に上っていたりという実態についてどう思うのかということと、最終的に沖縄が自立するということが、将来的な長い目で見た目標だと思うんですけれども、その目標を見据えた上で、公共事業とかに偏っているという指摘もあったりする中で、大臣の沖縄振興の予算の使い方について、何かビジョンみたいなのがあれば教えてください。
(答)今、第5次の沖縄振興計画が、実行されているわけですけれども、とにかく沖縄が日本を牽引するぐらいのフロントランナーにならなければならないという、安倍総理もこれはあちらこちらでお話をされているわけですけれども、私としても、例えばアジアへの架け橋である沖縄の位置、あるいはいろいろな意味で、今やっと経済的にも右肩上がりになっているこの沖縄の経済の状況を、もっともっとアクセルを踏んで加速させていかなければならないと思っています。
 その中で、今御指摘の使い方云々のことですけれども、それは、正直もっとアイデアをひねってやってもいいようなところもあると認識しているので、沖縄担当大臣として、沖縄の県や市町村の首長達と意見交換する中で、よりよい施策にこの予算を実行できるように、これはしっかり努力していきたいと思っています。
(問)毎日新聞の樋口と申します。よろしくお願いします。
 政府と沖縄県の関係なんですけれども、先日の集中協議終わった後も、決裂というような表現が使われるようなこともあって、正常でない状態であろうということだと思うんですが、この関係を大臣はどういうふうに御覧になったか、御感想というか、どういうふうにお感じになっているかということが一つと、そういった形で、対立というようなことで語られる中で、政府の方に身を置かれるわけですけれども、このことについて、この対立構造をどう解消できるのか、そこにどうお力を御発揮されるのか、その辺りの決意というか、抱負をお伺いしたいと思います。
(答)私の認識では、翁長知事も仲井眞前知事が作られた沖縄21世紀ビジョンは継承するのだということをお話しなさっていたかと思います。なので、沖縄振興を担当する大臣としては、この線に乗って、県と協力体制を敷いてやっていくというのは、基本的な姿勢だと思っています。
(問)フジテレビ、和田でございます。よろしくお願いいたします。
 2点、簡単に確認をさせていただきます。
 一つが、思いの問題と、一つは基本姿勢であります。
 先ほど来、沖縄関係の質問が出ていますが、やはり沖縄選出の議員でいらっしゃると、他の所掌と比べて、この沖縄の問題というのは、思いが違うものなのかどうかですね。というその思いの、気持ちの部分が1点。
 それから基本姿勢なんですが、先ほど来、所掌はあくまでも振興と、沖縄ですが、跡地利用とおっしゃる一方で、沖縄選出の一議員としては、関係の例えば閣僚ですとか、場合によっては沖縄知事と会われた際に物申すことも、基地問題の方です、あるかもしれないというようなお答えをいただいて、分かったような、分からないようなものですから、基本姿勢なんですが、あくまでも振興と跡地利用の問題に限定して大臣として活動されるのか、そうではなくて、例えば官房長官などと連携をされて、仮に知事と会われるというような時には、この振興や跡地利用だけではなくて、基地問題に踏み込んでお話をされるようなこともあるんでしょうか。
 以上2点です。
(答)ごめんなさい、その思いのところの。
(問)つまり、所掌の中で、沖縄問題について、他の分野、所掌されていることと思いの違いは、お気持ちの中であるのかどうかという、気持ちがですね。
(答)大変多岐にわたるお役をいただいております、今回。一つ一つこれを大事にしていくということは、これはもう変わりません。
 その中で、沖縄の問題というのが、これだけ特別というものでは、私はないと思っていまして、他のお仕事も大変大事なことですし、我が国の将来を考えた時に、どの仕事も大変な重要なものだと認識しております。
 それから、もう一つのよく分からないという御指摘でありますけれども、とにかく、沖縄が今よりよくなっていくように、明日よくなっていくように、明後日もっとよくなっていくように、これに向かってしっかり頑張っていくという姿勢でまた取り組んでいきたいと思います。
(問)それでは、全く逆戻りしてしまってよく分からないんですが、具体的にお伺いをしますと、繰り返しになりますが、例えば県知事とお会いになった時に、今後、直接所掌とおっしゃった振興、跡地利用以外に、例えば事前に関係の閣僚、官房長官も含めてですけれども、連携をされた上で、知事とお会いになった時に、基地問題についてお話しになるようなことはあるんでしょうか。
(答)それは全くないとは言えないと思います。ただ、そのために、その基地問題を話すために長官と連携してというのは、ちょっと将来のことですし、今現時点では、これは何ともお話しできないところだと思います。
(問)いやいや、連携してもしなくてもいいんです。つまり大臣御自身が、その問題を例えば知事とお会いになった時に、基地問題の方をお話しになるお考えが、今おありになるんでしょうか、ないんでしょうか。
(答)これは沖縄担当大臣としての所掌を超えていると思いますので、今はそのことは何とも言えないとしかお答えできないと思います。
(問)いや、何とも言えないということはないんじゃないんですか。基本姿勢をお尋ねしているんですから。
(答)沖縄担当大臣としての所掌は超えておりますので、基地問題に関してのことであれば、例えば総理、それから基地負担軽減担当の官房長官、大臣がおられますし、あるいは外務大臣、そして防衛大臣の所掌になるという認識で私はおります。
(問)お話しにならないということですか、知事とお会いになった時には。私、どっちがいいとか悪いとかお伺いしているのではなくて、現実に知事にはお会いになるわけですから、その時にお話しになるのかならないのかという基本姿勢を問うているのであります。
(答)そういう場面があるかどうかもまだ分かりませんので、何ともこれはお話ししがたいと思います。
(問)そういうのは非常に誠実ではないと思います。会われる方向で調整をされているとおっしゃっているんですから。
(答)その調整はありません。
(問)ないですか、知事と会われるというのは。
(答)知事とはお会いしますけれども、例えば官房長官と一緒にということはありません。
(問)いえいえ、ですから官房長官とかじゃなくて、大臣がお会いになるわけでしょう、知事と。その時の基本姿勢を伺っているだけなんです。その時に基地問題をお話しになるのか、官房長官とか関係閣僚なんてことはお話しにならなくて結構ですよ。大臣が基地問題について知事とお会いになった時に、お話しになるおつもりがあるのかないのかということだけを伺っているんです。
(答)それは、人同士の会話ですから、それは会話の中にいろいろなものが盛り込まれると思います。ただ、沖縄担当大臣としましては、基地問題に関してお話があったとしても、沖縄担当大臣としてそれを解決したり、何か解決策を一緒になって考えていくという立場にはないということです。

(以上)