甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年11月20日

(平成27年11月20日(金) 10:47~10:56  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)月内に官民対話で、政府としての環境整備も示すと思うのですけれども、法人減税について、このところ一番早い、来年度に20%台という議論も出ていると聞くのですけれども、その可能性についてと、その場合の財源は、やはり単年度で税収中立というのを見るのか、あるいは、民間にいうような、多年度で税収中立というものにする可能性もあるのでしょうか。
(答)総理は、できるだけ早期にということで、まだ具体的な年次は示されておりません。それは、財源との関係で、どこまで前倒しができるかという精査が必要なのだと思います。
 多年度税収中立か、初年度かについては、いろいろと御意見はあろうかと思います。個人的には景気の動向を見つつ、しっかり足腰を強化していくためには、減税先行でもいいと思いますが、いずれにいたしましても、多年度ではきちんとつじつまが合うようにしていかなければなりませんので、その辺の精査を、官邸それから財務省を含めて、これから精査・調整をしていくことになろうかと思います。
(問)いろいろなところで議論が、内部留保と設備投資等との関係の件ですけれども、設備投資や賃上げに使われないのであれば、以前からある議論ではありますが、内部留保自体に課税をしてはどうかという方法、以前もこの場で話があったかもしれないですけれども、官民対話やGDP600兆円に向けた議論の中でも設備投資や内部留保で様々な意見が出ておりまして、改めてこの内部留保に課税するという考え方について、その現実可能性や問題点など、大臣の御意見をお願いいたします。
(答)内部留保課税の話は出ておりますが、余りいいアイデアではないと思います。
 理由が二つあります。
 一つは、税の理屈からいって二重課税になるということです。法人税を払った後の純利益に更に課税をするということになるわけであります。これが税の理屈上、筋が立たないということ。
 それから、もう一点、効果の点であります。内部留保、税を払った後のものについては、そこから配当が支払われます。その残ったものが内部留保として、設備投資に使われたり、その他いろいろなものに使われる財源になるわけであります。かつて、内部留保課税をやった国がありますけれども、それは配当を増やすための圧力としてやっております。ですから、配当に回して課税対象を減らすということはあると思いますけれども、それによって、投資が増えるという効果は余りないと思います。
 ですから、税の理屈の上、それから効果の上、二つの点で疑問だと思います。
(問)本日、自民党がTPP対策を正式にまとめますが、これまで大臣はいろいろ御見解を述べていらっしゃいましたけども、改めてこの対策への評価と、今後の政府の対応、この2点について御見解を伺わせてください。
(答)党の提言につきましては、政府とほぼ平仄が合っているのではないかと思います。「新輸出大国」、「グローバル・ハブ」、「農政新時代」、この三つのキーワードがあります。
 「新輸出大国」、世界経済の4割の中でのグローバル・バリュー・チェーンができるわけであります。輸出品については、工業製品だけではなくて、力を入れていく農産品、それから従来から指摘のあるコンテンツ等々があります。輸出拠点になるということは、そこから市場に向けて、関税が低い、あるいはルールが日本と同じように整備されていて、予見可能性が高い、その地域がどれくらい広くあるかということです。ですから、EPAを結んでいる対象が多いところほど拠点としての魅力があるわけであります。そういう意味で、輸出拠点になるということだと思います。
 「グローバル・ハブ」であります。これは、研究開発の機能にどれだけ革新的な取組が見られるかということが一つ。それから、輸出先の関税がどれくらい低くなっているか、あるいはアクセスがどれくらい便利になっているかという二つの要素があります。イノベーション・ナショナルシステムで、研究開発拠点としての魅力を各段に引き上げると、あるいはAMEDで、再生医療をはじめとする世界のハブになっていくということで、アメリカの研究開発、再生医療の企業の中には、本社をアメリカから日本に移す、これからは再生医療の世界の拠点は日本だという判断をしているところがありますから、そういう意味で「グローバル・ハブ」、投資の拠点になっていくのだと思います。
 「農政新時代」、もちろん不安に対して答えるというところもありますけれども、特に農業後継者の皆さん方が攻めていく農政ということです。これは政治の世界、行政の世界でも、発想を切り替えて、守るは守りますけれども、むしろ攻めていく。そして、2020年までに農産品輸出1兆円という目標がありますけども、これを前倒しをしていくということでありますから、極めて意欲的な取組だと思います。
 党と政府は一体として取り組んでいきたいと思います。
(問)マイナンバーについてなのですけれども、通知カードの配送が今25%余りということと、あと配達時のミスも相次いでいるということで、大臣の見解をお聞かせください。
(答)私は、全体の指揮をとる大臣でありますが、具体的に配送、それから自治体の対応については、総務大臣に担当していただいております。若干の遅れがあるかもしれませんけれども、遅滞なく、年内にしっかり作業が終わるように、総務大臣に要請をしていきたいと思います。

(以上)