山口内閣府特命担当大臣臨時閣議後会見要旨 平成27年10月7日

(平成27年10月7日(水) 12:39~13:01  於:合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 本当に大変皆様方には長い間というか、今日になってみると、慌ただしい1年あまりということで短いような気がするのですが、間では結構これ長いな、しんどいなというのがあったのですが、本当に皆様方にはお世話になりました。とりわけ会見等で、誰とは言いませんが、いろいろ御指摘いただいて、皆様方にも、本当に励みになりましたし、いい勉強にもなりましたし、また、様々な施策のポイントというのですかね、本当に皆様方のお蔭で何とか1年あまりやってこれたわけでございまして、改めて心から御礼を申し上げる次第でございます。本当にありがとうございます。
 先ほど官邸で臨時閣議ということで各閣僚辞表を書かせていただきまして、電話がございませんのでこれで交代ということになろうかと思います。本当にお世話になりました。
 私からはとりあえず以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 大臣、長い間御苦労さまでした。今まで7つの担務があったかと思うんですけれども、それぞれについて感想というか、それと積み残した課題、そこら辺についてお伺いできれば。
(答)7つ全部言えば長くなるかなと思って最初申し上げなかったのですが、それぞれ思いがございまして、沖縄・北方に関しても、沖縄へも5回ほどお邪魔して、知事とは例の集中協議期間も含めて12回だったかな、お目にかからせていただいて話もした。しかし、大変残念な状況下にございます。厳しい状況になった時に、何とか私がしなければいけないという思いはあるのですが、これからは一議員といいますか、そういった立場で何とか沖縄の振興に向けて、あるいは沖縄と国との関係がもっと良好にいくように努めていきたい。沖縄の方が大臣かなという噂があるので、かえって大変だろうと思いますので、とりわけこれから年末の予算編成に向けて概算要求は、おおむね必要な額は要求させていただいておりますが、これをしっかり必要な額が確保できるようにということで御協力もしていきたい。
 北方に関しては、どうもロシアの考え方がよく分からない状況で、若干翻弄されているなという感じがします。しかも、流し網漁の件もありますし、これはもっと道民の皆様方始め1市4町をサポートしていく必要があろうと思っております。
 科学技術に関しても、おかげで第5期、新しい科学技術基本計画に関しても、いろいろと入れていくことができたなという感じはしますが、まだ仕上がっておりませんので若干心残りはありますし、それから、司令塔として科学技術政策をもう少し全体像を把握しながら、かつ例えば科学技術関係の予算にしても、内閣府と一緒にやらないと予算がつきにくいとか、とれるぞというか、そこをグリップすると同時に、各省にもうちょっと信頼を持っていただけるような総合科学技術・イノベーション会議であるべきだろうと。
 とりわけ、例えば自動運転に関しては、今回いわゆる関係府省会議を行いました。その方向で行っていますが、例えば、これからもっと大事になってくる、IoT(モノのインターネット)もそうでしょうし、AI(人工知能)もそうでしょうし、ビッグデータもそうでしょうけれども、そういったものに対して関係府省会議は作ってもらうように後継者にしっかり言っておきますし、例えば自民党の方も科学技術関係の部会はあるのだけれども、残念ながら縦割りなのですね、基本的には。これを、政調会長とも相談して、本当にこれから日本の科学技術どうするのだという思いで取り組ませていただきたいと思っています。
 宇宙に関しても御案内のとおりで、新宇宙基本計画、10か年で5兆円というこれまでにない、ある意味具体性を持たすことができたと。しかも、何年度にこういう衛星を打ち上げます。これはある意味画期的なことなのだろうと思っています。これからはそれにのっとってしっかりと行っていくと。とりわけその中でも準天頂衛星に関しては、これは大きく社会を変える話でもありますので、これはどうしても17年で4機体制というのは入れたかったものですから、18年から運用開始、これができたということは非常によかったと思います。
 これからISS(国際宇宙ステーション)の件も近々結論が出ると思いますが、これからもっと国民の皆様方に理解していただいて、この技術というのは実は裾野が広いのですよと。正に国民生活の向上にも役立つし、経済発展にも資するということを御理解いただきながら進めていく必要があるのかなという感じでした。
 あと、IT政策に関しても、これはマイナンバー、個人情報保護法、それからマイナンバー法改正、かなり苦労いたしましたが、かなり時間がかかりましたけれども何とか成立して、いよいよスタートする。当面、カードの配布等々で総務省の仕事は大変なのでしょうけれども、これからセキュリティをしっかり守りながら利活用をどうやって広げていくか、しかも、つい先日、科学技術、京都で行われた関係大臣会議でも、インクルーシブ・イノベーションという話の中で、例えば、どんどんデジタル化していく中で取り残される人というのは必ずいるし、これからもっと増えていくわけです。こういった皆様方を、インターフェースも含めてどうやってその流れの中で利活用ができるように、決して仲間外れにならないように、いわゆるデジタルデバイドにならないようにいかに行っていくかというのはこれからの大きな課題なんだろうと。
 それと、ITに関しては、いわゆる地方活性化、これにしっかりつなげていきたいということで行わせていただいておりますし、各地でいろんな芽が出つつあるなと思っております。
 それと、消費者関係ですが、これも新たにいわゆる機能性表示食品というのが登場しまして、これは第1号が誕生してどんどん今広がりつつあるわけで、これについても、今までにない概念だけに、国民の皆様方の間に戸惑いや誤解などあるわけで、これはできるだけ今までも発信してきたつもりなのですが、この機能性表示食品をうまく利活用することによって、消費者の皆さん方の利便性も向上するし、業界の皆様方にとってもいろいろな利点を宣伝できるということで、展開の仕方によっては非常におもしろいことになっていくのだろうと思っています。
 同時に、生鮮食料品が出てきたというのは非常によかったなと思っていますし、これからもっとそういったところに広がって、同時に中小企業の方からも出していただけるように、これによって全体が活性化していければいいなという感じですが、いろいろと就任早々マクドナルドの話があったりして、いろいろ大変だったのですが、本当に大事な身近な行政でありますので、とりわけいろいろなところからプレッシャーがかかる部分もあると思います。これをしっかりと守っていってあげなければいけないし、消費者庁としても自信と誇りを持って、正に消費者のためという心構えでこれからも行ってもらいたいと思っております。
 クールジャパンも御案内のとおりで、これも相当裾野を広がらせていただきました。とりわけ日本食が無形文化財、ユネスコの世界遺産ということで、これを機に一挙に日本のいろいろなものをもっと知ってもらおうということで行わせてきていただきました。おおむねそういった雰囲気、土壌というのはできたのだろうと思うのです。ただ、これからの課題としては、個々に頑張っておられる皆様方をどうやって把握しサポートできるか、これをしっかり行っていく必要があるのだろうと思います。
 とりあえず、目に見えてお手助けしているのはクールジャパン機構なので、クールジャパン機構がもう少し守備範囲を広げて、例えば地方の中小企業や地方の物品の海外展開等々をお手助けできるようになっていけばいいなと、そんなことも考えていますが、官民共同のプラットホーム作りというのも有識者の皆様方と一緒になって議論してきて、非常にいい案が出たと思いますので、この官民共同プラットホームをしっかり行えるようになっていきたいと。
 実は先日も大臣室で皆様に来ていただいて懇談をしたのですが、非常にやる気満々でありますので、これからもお願いをしますということでお願いしているところでございます。前の稲田大臣のような格好はできなかったのですが、国会の都合でミラノの万博でちょっと仕掛けもしたのですが、そこは残念でしたけれども、これからも党の方でお手助けをしていきたいと思っております。
 再チャレンジに関しても、これは非常に難しい話でした。とりあえずいろいろな形で、こういう方法がありますよ、もし失敗しても、こういうところへ相談に行けますよ、こんな制度がありますよということで、広報はこれまでになく充実させたつもりなのですが、ただ、いわゆる就職時期を後ろに倒したということで、まだ精査はしていませんが、いろいろな問題点も出てきているようで、それを整理して、これをどういうふうにしていくのか、変えていくのか、あるいはそのままいくにしても今の方法だけではちょっと厳しいのだろうと思いますので、そこの課題が残ったのかなと考えております。
 大体そういうところでございます。大変幅広い中で、お蔭で私も結構いろいろなところへ首を突っ込むのが好きなもので、非常にある意味楽しくやらせていただきました。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。いろいろお世話になりましてありがとうございました。
 今年もノーベル賞お2人がこれまでにとって、今日は自然科学系最後の化学ということになるんですけれども、ノーベル賞の傾向として、大村先生は社会実装というか、更に一歩進んで世界に貢献するというところの評価になりましたね。それから、物理の梶田先生の場合は真逆の純粋科学の基礎研究の真理の探求というところ、両方必要かなというふうには思うんですけれども、過去にノーベル賞30人なんていうお話もあったに近づいたぐらいのところではあるんですけれども、いずれも過去の成果というふうな理解がとれると思うんですけれども、これから、今の状況、科学技術の振興という部分ではやや危惧される部分があって、逆に言えば失速してしまうと。中国国籍で初めてとられたりとかということもあるわけですから、その辺の危惧はされているんですけれども、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
(答)お蔭で私、ノーベル賞に始まってノーベル賞に終わるみたいな感じで、御案内のとおり、就任直後に中村教授始めお3人、今回お2人ということで、5人ノーベル賞受賞していただきました。過去、一大臣では最高のようです。
 そういった意味で非常に印象深かったのですが、確かにお話のとおり大体前の研究というのが多い。ただ、21世紀に入ってからのみならず、例えば湯川さんにしても、かなり前の研究なのですよね。ですから、十分これは注意をしなくてはいけませんが、だからといって失速するというものではないと思っています。ただ、研究環境をいかにしっかり整えてあげるか。聞きますとアメリカの方が研究しやすいという声が相変わらず圧倒的なのです。まだ全く改善されておらないということありますので、そこを含めて、いかに研究者、特に若手ですね、これからの皆様方、ポスドクも含めて、彼らがしっかり活躍できる場所を作ってあげるということが大事なのだろうと思います。
 昨日は大村先生、今日は梶田先生にお電話もさせていただきました。とりわけ梶田さんはまだお若いですから、まだやってくださいよと、特にダークマターはどうですかみたいなお話もしたのですが、非常にまだまだ意欲のある方ですし、大村先生はお年はいっておられますが、まだまだお元気ですよね。やる気満々で、今も新しい微生物など探しているんだというお話で、現役としてまだまだ御活躍いただけるなと思いましたし、同時に、いわゆる後進の指導をしっかりお願いしますというお願いもしたわけですが、おっしゃるとおりで、環境をしっかり作ってあげることをしないとだめなのだろうと思いますが、しかし、悲観すべき要素ばかりではないのだろうと思っています。
(問)フジテレビの齋藤です。
 沖縄の件なんですけれども、振興大臣として携わって、改めてその沖縄問題に関する難しさを感じた点というのはどんな点ですか。
(答)気持ちのずれというのかな、前申し上げた、違う歴史を歩んできたのですねと翁長知事はおっしゃるわけですよね。そういったところがおそらくあるのですね。だから、実際問題、沖縄の発展にとってどうだというだけじゃなくて、そういった背景にある気持ちというのをしっかり察しながら、よく言う沖縄の皆様方の気持ちに寄り添いながらというのが、口ばかりじゃなくて姿勢として必要なのだろうと。それがない限り、なかなか沖縄の皆様方の御理解を得ることは難しいだろうなと、これはつくづく思いました。
 そういった意味で、振興関係に関しては、前々から申し上げていますように、決して基地問題とリンクをさせないという強い姿勢で行っていってほしいなと。私も党の方でそういう態度、立場で行っていきたいと思います。
(問)朝日新聞の毛利と申します。
 消費者庁の関連でお伺いしたいんですが、設立して6年とまだ日が浅いと、比較的短いんですが、先ほどいろんなところからプレッシャーもあるし、自信と誇りを持ってほしいと。今後その消費者庁が一つの省庁としてしっかりやっていくために必要なことというのを改めてお伺いしてもよろしいでしょうか。
(答)一番大事なのは、消費者の立場に立って、ある意味でユーザーといいますかね、消費者の立場、国民の皆様方の立場に立って、しっかり物事を考え、判断していくということなのだろうと思います。
 また、さきほど申し上げたように、ある意味、業界のプレッシャー、あるいは政界のプレッシャー、あるいは消費者関係の方からのプレッシャー、いろいろあると思うのです。そこは、きちんと誠意をもって対応しながらも、背筋はしゃんと伸ばして行っていただくというのが一番大事なのだろうと。そういった意味で、委員会の委員長等々非常に大事な立場なのだろうと思うので、そういった方々を我々がサポートしないとだめなのだろうと思いますね。
(問)科学新聞、中村です。
 これまで1年間、科学技術イノベーション行政という、ちょっと普通の政治の世界ではあまり出てこない、そういうものをやってられて、科学技術担当大臣に求められる素質とか、そういうあるいは能力って、大臣実際1年ちょっと経験されて、どんなものが必要だと思いますか。
(答)どうですかね。私自身にあるかどうかは別ですよ。別として、一つは科学技術が好きというか、興味がある人がいいと思うのです。同時に、リーダーシップがないと到底できません。これは各府省にわたる話なので、そこをいかにうまく取りまとめていけるか。これは非常に大事な部分なのだろうと思います。あと、これからは、非常に国際化の時代の中で国際会議等々も増えてきていますし、海外との協力というのは非常に大事な要素になってきていますので、その国際性も必要なのかなと。
 私にないものも大分あるなという感じはしますけれども、それともう一つ、あえて言えばコーディネートする能力ですね。これがすごく大事だと思います。前から申し上げている、日本人というのはコーディネートが下手なのですよね。コーディネーターやプロデューサーというとあまり評価されないという、つらいところはあるのですけれども、AIにしてもそこをしっかりコーディネートして、一つのものにまとめ上げていくという、ものすごく大事だと思うのです。
 その点、例えばインダストリー4.0(第4の産業革命)も、元々日本は実施しているのですよ。ドイツのある担当大臣が、日本も実施していますねということもおっしゃるわけです。ところが、ドイツの専売特許のようになって、日本はいかにもインダストリー4.0が遅れているような話なのだけれども、違うのですよね。そこはだからもっと自信を持って、ただコーディネートしていかないとだめなのだろうと思います。いかにうまく概念を売り込むかでしょうね。
 本当にお世話になりました。ありがとうございました。

(以上)