山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年8月21日

(平成27年8月21日(金) 9:43~9:52  於:合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 まず、私の方からは「こうのとり」、H-ⅡBロケットでありますが、8月19日にH-ⅡBロケット5号機によりまして宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機の打ち上げが成功いたしました。残念ながら、私は(打ち上げの)延期で日程の調整がつかず行くことができなかったわけですが、大変すばらしい結果を出していただきました。
 これは、我が国の宇宙政策におきましても、国際宇宙ステーションは宇宙分野での国際的な発言力を維持する等、重要な取組でありまして、中でも「こうのとり」はその高い信頼性が国際的に評価されておりまして、今後とも国際宇宙ステーションの運用に大きく貢献するということで期待いたしております。とりわけ、先般、アメリカにしてもロシアにしても、うまくいかなかった中での今回の成功で、非常に存在感を示すことができたのだろうと思っております。
 また、H-ⅡBロケット等の基幹ロケットの打ち上げ成功は我が国の宇宙活動の自立性を確保するためにも大変重要な意義を有するものでありまして、担当大臣としても、国際宇宙ステーションや基幹ロケットの取組を含めて、今後とも引き続きまして宇宙基本計画に基づいて着実に宇宙政策を推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 先日、科学技術・学術政策研究所が、日本の研究論文のベンチマーキングを出したかと思うんですけれども、その中で、日本の論文の存在感が、トップ論文でも普通の論文でもかなり順位を落としている。それについての受け止めと、その背景にどのような政策的な課題があるのか。多分、他の国がいろいろインプットを増やしたり、政策的ないろいろな取組をする中で、日本は立ち遅れたせいでそうなったかと思うんですけれども、そこら辺についてどのようにお考えでしょうか。
(答)数字といいますか、傾向については、大変重く受け止めております。理由はいろいろあるのでしょうが、急速に中国などが伸びてきたということが一つあるのだろうと。そこも種々いろいろ分析もしておりまして、これはしっかり取り組まないと、我が国の正にこれからの科学技術の地盤低下につながっていくのではないかと深刻な思いを持ちながらしっかり対応していきたい。当然、大学改革の件などいろいろ絡んできますので、そこはトータルでしっかり進めていく必要があるのだろうと思っています。引用数も問題なのですよね。
(問)NHKの黒川と申します。
 マイナンバー法案について伺いたいんですけれども、修正協議等も動き始めているという話もありますが、大臣として、今の段階でどういう状況なのかというのを、大臣のお言葉で説明をいただきたいんですが。
(答)私も修正の案については拝見をしています。ただ、中身については、これは国会の判断というか、今、与野党協議等々いろいろ行われているようですが、前向きに進みつつあるやに聞いておりますので、これは特に個人情報保護法の改正がありますよね。これは本当にいろいろなところからの強い要望を受けて、せっかく匿名加工情報など新たな類型を作ってきちんと対応したつもりですので、一日も早い成立をということで考えておりますが、近日中に与野党協議も調うやに聞いておりますので、そこは注視していきたいということです。
(問)関連でもう一問よろしいですか。ちょうど昨日、年金機構の報告書等も出ましたけれども、そのマイナンバー法案と年金の連結を遅らせるという一部報道もありましたが、その点に関しましてどのように大臣、今お話しできますでしょうか。
(答)いろいろ期間等々協議をしておられるようですが、当時、私も答弁で、年金に関しては慎重に見極めて、紐づけ、考えていきたい。だから若干ずれる可能性も含めて答弁してきましたので、そこは与野党でしっかり御協議をいただいてそのとおり我々も進めていきたいと、合意がなされれば、そういうふうに考えています。
(問)日経新聞の高橋です。
 宇宙政策についてお伺いします。宇宙基本計画によると、今年度の上半期のうちに宇宙システム海外展開タスクフォースを開催するとしていますが、こちらのスケジュールがどのようになっているのかというのと、改めてどのような地域を対象にインフラ輸出を行っていくのか、大臣の意気込みについてお聞かせください。
(答)時期は近々中にということでお許しをいただきたいと思います。早急に立ち上げたいと思っています。産業界の皆様方からの期待も大きいわけですので。また、先般、カタールにお邪魔した時に、産業界、宇宙産業関係の皆様方とも御一緒したのですが、例えば、カタールも日本の宇宙技術にものすごく期待しているのですね。もちろん、これ、使途などいろいろな衛星が考えられますが、これは特に限定せずに、結構幅広くいろいろ行っていきたい。そのための、まずタスクフォースを立ち上げて、そこで戦略も含めてしっかり議論していただいて早急に動かしていきたいと思います。今回の成功も受けてチャンスだと思っていますので、早急に行います。
(問)(科学新聞・中村記者)
 今週開かれた地方創生科学技術のタスクフォースがあったかと思うんですけれども、あの中の議論で、基礎的な研究開発をずっと長く続けなきゃいけない。その中間段階のはもう少し短いタームで、産業界にてこ入れする時は単年度の補助金でという、そういう成功事例があったかと思うんですけれども、ただ、実際には、今の予算構成の中では、大体3年から5年くらいのプロジェクトしか、基礎的であっても3年から5年、非常に応用的であっても3年から5年と、同じようなルールで作られているんですけれども、そこら辺のゲームのやり方、ルールの作り方自体を今後変えていくお考えとかはあるんでしょうか。
(答)大変参考になる御意見をいただいたと思うのです。それで、一つは、福井県もすごく頑張っていたということがあるのですよね。その都度その都度、経産省の補助金が非常に助かりましたみたいな話があって、これは考えていかなければならない話なので、これからは地方創生に資する科学技術の中でいろいろ議論をしていただいて、方向性を出して、必要だということであればしっかり行っていきたいと思っています。この間の本当に参考になりました。
 希少糖にしても、長年の基礎研究はあるのだけれども、チャンスというか、いろいろな状況にうまく乗っていけたというところがあるのですよね。そこもしっかり踏まえて対応していく必要があるだろうと思います。

(以上)