山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年6月19日

(平成27年6月19日(金) 9:09~9:25  於:合同庁舎第8号館S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今日は私の方から、まず一つが知財であります。本日、安倍総理にも御出席いただきまして知的財産戦略本部会合を開催して、知的財産推進計画2015を決定いたしました。この計画は、第1部の重点3本柱及び第2部の重要8施策の2部から構成されておりまして、重点3本柱につきましては、第1に、地域の中小企業の知財戦略強化、大企業・大学との知財連携強化など、地方知財活用促進プログラムの推進、そして第2は、知財紛争処理システムの機能強化のための総合的検討や中小企業等への支援、第3には、コンテンツ及び周辺産業との一体的な海外展開の推進のための官民による業種横断的組織、官民連携プラットフォームの創設等を盛り込んでおります。重要8施策につきましては、デジタル・ネットワークの発達に対応した法制度等の在り方についての検討や、アーカイブの利活用促進に向けた連携・横断の促進、あるいは著作権制度の整備などを盛り込んでおります。今後、この知的財産推進計画2015に基づいて、政府一丸となって知財戦略における施策の具体化を図っていきたいと考えております。
 それから、科学技術イノベーション総合戦略でありますが、昨日開催されました第10回総合科学技術・イノベーション会議におきまして、科学技術イノベーション総合戦略2015が決定されまして、本日の閣議で科学技術イノベーション総合戦略2015が閣議決定されたということでございます。私からは閣議の場で、そのポイントを述べるとともに、この総合戦略2015を政府一体となって実行していくために、関係閣僚の皆様に御協力をお願いいたしたところでございます。この総合戦略2015では、来年度から第5期科学技術基本計画が始まることを踏まえ、同計画を先取りしながら、大変革時代における未来の産業創造・社会変革、また地方創生、そして、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の機会を利用した科学技術イノベーションの推進等の重点課題を中心に、早急に講ずべき具体的施策を打ち出しました。今後、この総合戦略2015を、中長期的な方向性を示す基本計画と連動させながら来年度の概算要求に反映させて、科学技術イノベーション政策を推進してまいりたいと考えております。
 3点目が、本日の閣議におきまして、消費者白書を閣議決定いたしました。今回は、グローバル化の進展と消費者問題を特集として、消費者と海外事業者との間のトラブルが増加していること、また情報化によって通信サービスの契約やインターネット利用取引に関する相談が幅広い年齢層に広がっていることを示させていただきました。高齢者の相談は引き続き増加傾向にあります。このような状況に対して、消費者がどこに住んでいても質の高い相談を受けられる体制や、高齢者を見守る仕組みの整備が必要と考えておりまして、消費者ホットラインの3桁化「188」、「イヤヤ」による案内を開始して、近くの消費生活センター等に相談いただけるように取り組んでまいりたいと思っております。また、特定商取引法や消費者契約法など、所管法令の所要の見直しが必要でありまして、消費者委員会での調査審議を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。
 それと、明日6月20日、土曜日ではありますが、地方版クールジャパン推進会議、地方の魅力を発掘・発信するということで、随時開催させていただいておりますが、鳥取県鳥取市で開催いたします。会議はオープンとなっておりますので、また皆様方もお越しいただければと思っております。
 最後に、国際医療拠点構想、沖縄の西普天間の跡地利用でありますが、これに関する骨太方針での位置づけでありますが、これは御案内のとおりで、この西普天間の住宅地区跡地の利用に関しましては、昨年度の骨太方針で初めて盛り込まれたわけでありますが、今年度の骨太方針につきましては、現在、政府内で調整中ということでありますが、特に国際医療拠点構想の推進につきましては、つい先般、6月17日、猪口沖縄振興調査会長とか、あるいは山本小委員長、島尻小委員長代理等々、お越しになられまして、いろいろ取りまとめられた党の御提言について説明をいただいたわけでありますが、同時に、骨太方針についても積極的な記述がなされるように御要請がございました。また、それに先立つ10日にも、翁長知事、佐喜真市長、あるいは大城琉球大学学長からの要請もいただいているところでございます。それを受けて私からも、この国際医療拠点構想の推進につきまして、骨太方針の中で明確に位置づけられるように、本日、閣議の前に、担当されておる甘利大臣に直接、御要請をさせていただきまして、今後予定される閣議決定に向けて、引き続きしっかりと位置づけがされるようにいうことで努力をしてまいりたいと考えております。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞、中村です。
 今朝閣議決定した総合戦略2015についてなんですけれども、昨日の総合科学技術・イノベーション会議で甘利大臣とか橋本議員から、間接経費から30%を、原則だけれども、各府省、各省についても措置するように要望があったと思うんですが、大臣としては、これ、どのように取り組んでいかれるでしょう。
(答)激励をいただいたと思っております。御案内のとおりで、文科省としては了承ということでありますが、一部、各府省、あるいは民間の方の御理解もしっかりいただかなければならないということで、これに向けて鋭意努力をしてまいりたい。大事なテーマですから、しっかりと位置づけされるように行っていきたいと思います。
(問)あともう一つ。今回、科学技術イノベーション総合戦略で初めて防衛省についての記述が入ったかと思うんですよ。この意義について教えてください。
(答)元々科学技術というのは、宇宙もそうだったのですが、デュアルユースということが常にあるわけですよね。例えが悪いかも分かりませんが、例えば包丁にしても、見事なシェフがさばくとすばらしい料理ができますが、犯罪者が使うととんでもないことになる。常に科学技術というのはそういうところがあるのだろうと思います。
 ただ、とりわけ国土強靭化というか、これだけ災害が相続く中で、しかも福島の問題もあるということで、そこは災害という側面からもしっかり書き込んだほうがいいだろうということで、今回位置づけをしている。今後、基本計画の方でも更に議論はしていただきます。いわゆる、軍事転用みたいな議論は、ここでは全くしていません。
(問)NHKの木下です。
 ちょっと話題違うんですけれども、大臣の担当に直接関わっているのかも含めて確認したいんですけれども、今日一部報道で、マイナンバーに関して、医療費控除について領収書不要になるようにマイナンバー活用、2017年以降、進めていくというような報道がありましたけれども、それについて、そういった方針があるのか、ないのか含めて、教えていただけますでしょうか。
(答)直接私の方というのではありませんが、議論としては、今回、社会保障・税等で利活用できるようにということで、今法案審議もやっていただいておるわけですが、そういう中で医療費ですよね。これを税額控除云々というのは、マイナンバーが動き出した段階でできるようになります。ですから、それについて、どういう形でということの議論が行われていくのだろうとは思っております。
(問)テレビ朝日の朝日と申します。
 特商法(特定商取引法)の関係でなんですけれども、先週の消費者委員会で、特商法の専門調査会で、新聞社とか太陽光パネルの業者の方々呼んで意見交換しましたけれども、出席した新聞社の方から、新聞社から、調査会で笑われたという理由で、議事運営に関して抗議と謝罪を求める文書が大臣のもとに届いたという話ありますけれども、事実関係と、あと、対応はなされるのかどうかということについて、お願いします。
(答)そのお話は私も聞いております。事実とすれば、これはけしからん話なので、そこの事実関係を今、私としても消費者委員会に言って調べさせているところで、しっかりと、事実関係を踏まえて対処していきたいと思っております。せっかく来ていただいてヒアリングするわけですから、真摯にそういったお話は受け止めて、きちんと聞くということが大事だと思いますので。
(問)(読売新聞・斉藤)トランス脂肪酸のことについてなんですが、アメリカでは3年後に、主に工業用の方だと思うんですが、添加物の方ですが、そちらを禁止するという話が出ています。これを受けて、日本の現状を踏まえて、消費者へのメッセージをいただきたいんですが。よろしくお願いします。
(答)これも参議院の消費者問題の審議の時に質問として出て、あの時にもお答えしたのですが、我が国の場合は、トランス脂肪酸の摂取量が国際基準よりかなり低いわけですね。ですから、通常の食生活ということを考えた場合には、影響は少ないのではないかということで、今聞いているところでは、厚生労働省としても、直ちにこの使用について禁止ということは考えていないと聞いております。
 表示を義務づけという議論もありましたよね。コーデックス委員会ですかね。これは、トランス脂肪酸の摂取の水準が公衆衛生上の懸念となっている国では、栄養表示においてトランス脂肪酸の表示を考慮する必要があるということで、我が国の場合はかなり小さいのですよね。ですから、当面その必要はないのではないか。確か、アメリカは摂取量が5.6で、日本は0.67ですよね。そういった状況ですので、今のところは考えておりません。
(問)科学新聞、中村です。
 知財推進計画2015についてなんですけれども、それで地方知財活用促進プログラム、今回初めて作られたと思うんですけれども、結局、中心になるのは知財をつなげる、大臣がよくおっしゃっている御用聞きを、中小企業に御用聞きをする人だと思うんですけれども、今までの例えば行革の流れとか経常経費の削減とかの流れの中で、そういう御用聞きの人材は、ほとんどの場合、大学とか研究所にはいないので、外から雇ってきて、しかも任期付きで、現役というよりも現役を退いた方でというような条件が付いてしまっているんですけれども、そういう状態の中で、本当はもっと現役でバリバリの人を、任期付きでなく連れてきたりしたほうがいいと思うんですけれども、そういうことについて、どうお考えでしょうか。
(答)確かにそういう側面はあって、コーディネートできる方というのが一番大事なのですよね。そういった人がいるところは動くのですね、知財にしても。ただ、任期付きだからレベルが低いということは決してないと思います。私の地元の徳島大学でも、そういった方が来て、雰囲気が変わってきたのですよね。ですから、ケース・バイ・ケースということにもなろうかと思いますが、必要とあらば、そういう人材をどう考えるかということも検討したいと思います。

(以上)