山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月10日

(平成27年4月10日(金) 9:54~10:08  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。それでは、まず私の方から。
 先ほど閣議の終了後、第8回総合科学技術・イノベーション会議を開催いたしました。本日は、国家重点プログラムの取組につきまして、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)における健康医療分野の割合、またFIRST(最先端研究開発支援プログラム)及びNEXT(最先端・次世代研究開発支援プログラム)の事後評価結果、それぞれの案をお示しして、原案のとおり決定いたしました。また、ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)につきまして、プログラムマネージャーの新たな募集につきまして、有識者議員の皆様方から御提案がございました。続いて、第5期科学技術基本計画につきまして、策定に向けた考え方について審議いたしました。
 そして、最後に、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた取組状況につきまして、私の方からタスクフォースにおける取組について御報告を申し上げた後、皆様方も御覧になったと思うのですが、プロジェクトの一部につきまして、デモを行いました。
 最後に、安倍総理からは、オリンピック・パラリンピック東京大会という夢の舞台において、夢を現実に変える技術力を世界に示せるよう、官民一丸となって取り組んでほしい。IoT(Internet of Things)の進展など、既存技術の枠組の大変革の時代を迎えつつある中で、世界から取り残されないようにしなくてはならないと。そして、安倍政権では発足後間もなく、SIPとImPACTという「国家重点プログラム」を立ち上げました。各省や産学官の間の「壁」を取り払う画期的な仕組みを導入したと。そして、次期科学技術基本計画では、更に一歩踏み込んで、組織の壁あるいは世代間の壁、国境の壁を取り払い、人材の流動化や新陳代謝を阻害する制度や研究資金制度、更に大学改革にまで踏み込むものとしてほしい。以上のような御発言がございました。私としましても、オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、日本の科学技術イノベーションを世界に発信できるよう、更なる取組を進めてまいります。
 また、次期基本計画につきましては、本日の議論を踏まえまして、6月の中間取りまとめに向けて検討を加速してまいりたいと考えております。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 第5期基本計画について、各大臣からどのようなお話があって、どういう議論になったんでしょうか。
(答)しっかり取り組んでほしいということで、文科大臣の方からは、予算ですね、これも含めてしっかり書き込んでほしいというお話がございました。一方、財務副大臣からは、2020年のプライマリーバランスですよね、これに向けてこれから大変なので、慎重にお願いしたいという発言はございました。
(問)予算についてなんですけれども、山口大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)宇宙基本計画でも書いたわけですから、今回の科学技術基本計画に関しても、官民合わせてどのぐらいという目途は是非とも欲しいなということですが、財政当局もかなりシビアでございますので、今、折衝中で、何とかしっかり夢のあるものを、しかも、ある意味予測のつくようなものにしていきたいと思っています。
(問)おはようございます。沖縄タイムスの石川です。
 沖縄関連ですけれども、8日に宜野湾市の佐喜眞市長が来訪して会談されているかと思うんですけれども、会談でどういったことをお話しされたかというのをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)西普天間住宅地区が返還になりました。それに関連をして、特措法(沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法)の改正が年度内に成立をした。このお礼に主としてお見えになりました。返還後の基地跡地のモデルケースになるように、しっかり頑張りたいという市長のお話もございました。私の方からは、国としても全面的に協力していく。いろいろ打合せをしながら行わせていただきたい。国際医療拠点基地、これに関してはまたお互い相談しながらやりましょうと。当面、都市計画決定等々あるわけなので、市の方としても頑張っていただきたいということは申し上げました。同時に、地主の方もお見えになっておられました。一生懸命、地主の会としても協力をしたいというお話でございました。私の方からもお願いをしたところです。
(問)朝日新聞の笹川です。よろしくお願いします。
 今の質問に関連しまして、佐喜眞市長、改めて7月までに跡地利用の計画については取りまとめたいというふうにおっしゃっていまして、国の方に積極的に支援をお願いしたいと。今、大臣も全面的に協力をしていくというふうにおっしゃいましたけれども、具体的に地元と国の方でどのように今後調整をしていくのか、その調整の在り方というか、枠組み、形、あと、いつ頃までにという、その支援の具体的な大枠の取りまとめの目途のようなものがありましたら、現状、お考えを。
(答)これからの話で、まだ公共用のための未取得用地が多いものですから。もう一つが、例えば重粒子線等のお話もあります。県が行うべきこと、国として支援ができること、市が行うこと、そこの整理をしながらということになっていくと思いますので、正にこれからですね。
(問)読売新聞の冨山です。
 先ほどの2020年の技術の話なんですけれども、これは元々タスクフォース、大臣の下に設けた諮問機関というか、私的な検討会というふうに伺っていまして、その報告書を提出されて、それは今日、決まったといいますか、これはやっていくというようなことの決定があったという理解でよろしいんでしょうか。
(答)そうですね。以前にも御報告してましたので、今回、こういうことを行ってますと、ここまで進んでますというお話をして、御了解を頂きながら進めているということで。いろいろあるのですが、その中でもデモをしやすいものということで今日行い、総理も感心をしていただいたと思っています。少し機械音を更にマイクで増幅しようとしたので、聞こえにくい部分はあったのですけれども、以前と比べたら、レスポンスも相当早くなってますし、分かりやすいなと。ただ、これからは大変だと思うのですよ。更にもっとレスポンスを速くしていきたいし、同時に方言対応というのもあると思うのですね。高市大臣が、大阪弁で行った場合には、「まいどおおきに」と言ったら、「まいど」というのがうまく訳してくれないみたいで。等々、これから更にシェイプアップというか、技術開発をしてもらいたいと思っています。
(問)タスクフォースがまとめた時点ではまだ予算的な裏付けというのはなかった状態だと思うんですけれども、現時点で来年度以降というのは、これをもって各省検討に入るみたいな、そういう位置付けと考えてよろしいのでしょうか。
(答)そうですね。同時に、これは民間の皆様方の御協力がないとできませんので、今日もパナソニックさんに来ていただいて行ったわけで、NECさんや、そこへの働きかけを強めながら、正に官民一体となって行うということになると思います。
(問)共同通信の須江と申します。
 第5期計画の関係で伺いたいんですけれども、今日、有識者の方から出されたペーパーの中で、さっきも総理の言葉で触れられていましたけれども、大学改革に踏み込んでという話がございましたが、今日のペーパーにもいろいろ論点、ガバナンス改革とか研究資金改革との一体的推進などがありますけれども、山口大臣として、大学改革に踏み込む場合に、特にこの辺に注目している、重要と思っているというような分野はありますでしょうか。
(答)今日も壁の話が出ていたと思うにですね。これは非常に大事だと思いますし、それと人材育成ですよね。もっともっと若手がというか、キャリアアップを含めて、キャリアパスも含めて、もっと行っていかなければいけない。同時に、交流もあるでしょう。そこがすごく大事だなと思うのが。また、科研費と研究費の配分の在り方というか使い方というか、お話を聞くのが、研究費は何とかなるのだけれども、結局、絞られて、研究者が雑用まで全部行わざるを得ないなど、いろんな話を聞くのですね。そこはしっかり踏み込んでいただきたいと、第5期計画で。いろんなところでこの議論を行ってますので、これはしっかり書き込んでいただきたいと思っています。
(問)その今おっしゃったように、文科省の方でも研究費改革に関する有識者会議を設けて議論とかしていますけれども、例えばその辺の結果を取り込んでいくというようなことも視野に入れているということでしょうか。
(答)そうですね。そうなっていくと思います。例えば、研究費等の在り方として、大学の位置付けみたいな議論も行ってますよね。これは世界的に頑張ってもらいたい研究中心の大学、あるいは地方に貢献をするなど、あるいは教育に特化する、そんな議論もしていますので、そこも踏まえてしっかり文科省とも相談をしながら踏み込んでいきたいと思います。
(問)朝日新聞の野瀬でございます。
 今の点で少し追加の質問なんですけれども、大学の改革でいうと、若手の皆さんの処遇の問題というのが基本的に大きな問題だということは大臣も御認識だと思うんですけれども、その一方で、それを変えていくためには、シニア層の給与体系みたいなものにもう踏み込んでいかないとという状況があるかと思うんですが、その点については、かなり政治なり政府がおそらく主導していかないと、なかなか物事は進んでいかないんじゃないかというふうにも思えるんですけれども、その点について今後どのようにされていきますか。
(答)まだ議論の途中なのですけれども、その経過の中で、例えば65歳定年ということで、高齢化というか、なんですよね。そういった皆様方に、では例えば年俸制のようなものを導入したらどうかや、いろんな議論、アイデア等も出てきています。これをしっかり行っていくためには、おっしゃるとおり、政治の主導というのは大事だと思いますので、まとめる過程もそうなのですが、しっかりそういう方向性が出た時には取り組んでいきたいと思います。
(問)科学新聞の中村です。
 今のこととも関連するんですけれども、そういったアイデア、今まで第4期までの科学技術基本計画の検討の中でも、本文の中でもいろいろなアイデアが出て、書かれているんですけれども、結局それがいい形で実現してないというか、結果的に書いたはいい、課題は出したはいい、でも、結果として何も残らなかったというか、何もできなかったということが多いんですけれども、それを変えていく政治の力というのが今回は発揮できそうなんでしょうか。
(答)ほとんどないと言ったら少し言い過ぎだと思いますけれども、確かにそういう側面もあるので、予算も含めて、これはしっかり、ある意味で第4期の反省もしていかければだめなのだと思うのです。そういった反省の上に立って、正にリーダーシップの問題だと思うので、内閣府として司令塔機能をいかに発揮していくか、私の役割も大きいと自覚はしています。

(以上)