山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月3日

(平成27年4月3日(金) 11:04~11:22  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 まず、私の方から1点、資源配分の在り方に関する有識者懇談会でありますが、一昨日開催をさせていただきました。これは昨年12月に、私が議長となりまして関係府省の幹部で構成される予算戦略会議を行ったわけでございます。その場の議論を聞きながら、私としては今後の司令塔機能の強化に当たっては、厳しい財政状況の中、関係府省の事業を適切な枠組みで把握をして、限られた予算を必要な政策課題に適切に配分をしていく機能、これを更に高めていくことが重要であると改めて認識したところでございます。その場で各省への引き続きの協力を求めると同時に、事務方には科学技術関係予算の有効活用、戦略的な資源配分の在り方について外部有識者の知見も活用して検討するように指示を出したところでございます。第5期科学技術基本計画に係る検討の進捗状況を踏まえて、今般懇談会が開催されるということになったものでございます。
 この検討の内容につきましては、次期基本計画に基づく毎年度の予算に関する方針の策定とか、あるいは関係府省の調整にしっかりと反映させていきたいと考えています。
 それと、昨日、翁長知事と面会いたしまして、知事の方からは跡地利用特措法(沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法)、これが先般成立を年度内にさせていただきまして、直ちに跡地利用の指定させていただいたところでありますが、この面会につきましては、そのお礼のお話と、かつ3月31日に返還されました西普天間住宅地区、この国際医療拠点構想等々を中心に幅広く沖縄振興について意見交換させていただいたところでございます。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)NHKの木下と申します。
 本日、閣議の前に山口大臣、官房長官とお会いされていたかと思うんですけども、同席された他の大臣と、あと御案件はどういった内容だったか教えていただけますでしょうか。
(答)去年も1回、関係閣僚会議として沖縄の関係閣僚会議を開催したわけですが、今朝もそれがございまして、官房長官の下で岸田外務大臣、それと中谷防衛大臣、そして私、いろいろとお話をさせていただきました。具体的な内容につきましては差し控えたいと思いますが、安倍政権として沖縄の負担軽減、そして沖縄の振興につきましてしっかり行っていこうということを確認して、そういうことを翁長知事にお目にかかった時にはお話をしたいという官房長官のお話もございました。
(問)明日から官房長官が翁長知事に、具体的には5日で調整しているということなんですけども、それに関連して、大臣としては政府と沖縄の関係が今後どういうふうな方向に向かっていくことを期待しているかということと、あと振興の関係で、大臣御自身はどういうふうな形で沖縄と向き合っていきたいというふうにお考えか改めて教えてください。
(答)まずは、面会をするということで、非常によかったと思っています。タイミング的にも、特措法が成立して、これまでで最大規模の基地の返還があったわけですね。これから、さあという時期ですから、非常にタイミングもよかったのかなと思っています。同時に、いかに双方が虚心坦懐に、昨日も翁長知事に申し上げたのですが、肩に力を入れずにお互いの思いをお話していただければなと。これは1回で、はい終わりよという話ではありません。対話を重ねることによって、政治家としてのお互い信頼関係が生まれてくれればありがたいな。というのは、これから我々、西普天間に関しても、跡地利用に関してしっかり取り組んでいくわけですから、その間、沖縄県との対話、打合せ、調整は必須ですので、そこは存分に行えるような環境になっていければありがたいなということで、私は私として、事態がどうあれ、行うべきことはしっかり行っていきますし、同時に、前に沖縄にお邪魔した時にお約束しておりましたので、時期を見て、今回は離島を中心に振興費等々がどう使われているか等々を含めてお邪魔させていただいて、機会があれば向こうでまたいろいろな方にお目にかかりたいと思っています。
(問)科学新聞の中村です。
 先ほどの資源配分方針、予算のことなんですけれども、第3期と第4期計画、期間中の予算を比べると、当初予算ベースではプラス2,562億円になっているんですが、実は平成22年度から23年度、4期が始まる23年度の時に国立大学の運営費交付金の一部が科学技術関係経費に組み込まれるようになって、その時に大体1,100億円くらい増えて、その後、効率化係数というのもありましたから、多分平均すると年1,000億円、5年間ですと5,000億円くらい、何もしなくても増える部分があったかと思うんですけど。そうすると、当初予算ベースで考えるとマイナス2,500億円くらいの実態になっているんじゃないかと思うんですけど、これについて大臣、どのように御認識でしょうか。
(答)私も興味があったので調べてみましたが、御指摘のとおりだろうと思います。もう少し詳しく申し上げますと、これ、第4期科学技術基本計画の期間中における現時点の予算の総額ですね、科学技術関係予算、これが約22.3兆円、これに対して第3期の総額というのは21.7兆円で、3期を上回る額を確保することができたということは言えるわけですが、この科学技術関係予算の中核の科学技術振興費の当初予算の総額で見ますと、第3期に比べて第4期では約1,800億円の減です。昨年度の特殊要因、これは一部社会保障関係の方に移したりしたもので、これを除いても1,250億円の減ということですね。これは補正予算とか特別会計で補う形で、お話のような形で総額は確保しているのですが、残念ながら、これは研究開発とか人材育成などの取組の持続性に影響しているという可能性が非常に高いと見ています。
 これまた国立大学法人の運営費交付金等、このうち科学技術関係予算に計上されている予算額は、第3期に比べて第4期は3,500億円増額となっていますが、これは第4期から実は人文・社会科学分を含めて計上ということになっていますので、これは単純な比較はできないなと、増えた、増えたという話ではないと考えています。
 この運営費交付金全体の減額傾向、これを考えてみますと、これは予算の減額が進んでいると言わざるを得ないと思っていますし、それによっていろいろなところに弊害というのですかね、傷んできた部分があるのではないかなということで心配をしています。同時に、国の財政状況というのは非常に厳しい状況にありますので、何とか次の計画では増額要求はもちろんでありますけれども、司令塔機能を更に強化をして、限られた予算を必要な政策課題に適切に配分をしていく機能を確立していくということが大変重要だろうと思っています。非常にいろいろ調べてみて、これではいかんという思いでございますので、頑張っていきたいと思います。
(問)それに関連して、そうやって見た目だけ膨れると、例えば政策運営する際にも、増えているんだからいいんじゃないかとか、例えば諸外国から見て、研究論文あたりの投資効率が悪いんじゃないかと、国民から見ても、日本の研究はレベル低いんじゃないかと、そう見られちゃう可能性があるんですけども、そういうふうな見積方針をころころ変えるということについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)非常に不本意ですね。そこが明確にわかるような形で我々も発信していきたいと思います。財務省ともそこは心して交渉していきたいと思いますし、資源配分の有り方に関する懇談会も、確か財務省にも入ってもらうように……

(事務方)プレゼンで話をしてもらっています。

そうですね。ということで、ちょっとやり方を変えていきたいとは思います。
(問)琉球新報の仲村です。
 先ほど、沖縄の離島を中心にお目にかかりたいとおっしゃっておりましたが、来県の日程等は決まっておりますでしょうか。あと、主な来県の目的等を教えていただきたいです。
(答)まだ国会の日程等がありますので、しかも、統一地方選挙ということで、なかなか日程的には取りづらいのですが、まあ、そうですよね、今国会中、いつまで国会あるかわかりませんが、何とか日時を作って、例えばこの間、久米島で頑張っておられる民間の方がお見えになって、非常にいい話を聞かせていただいたのですね。久米島も行ってみたいと思いますし、大東島も大変御要望が強いと聞いていますし、とりわけ先ほど申し上げたように振興費ですね、いわゆるソフトの一括交付金が結構離島を中心にいい使われ方がしてきていますので、そこを中心に見てきたいなと思っています。
(問)読売新聞の冨山と申します。
 宇宙政策の関係で一つお伺いしたいんですけれども、先日、ロシアのタス通信が、宇宙庁とNASA(アメリカ航空宇宙局)とでISS(国際宇宙ステーション)の運営協力について合意したというような報道が出ていまして、事実関係をどう把握されているかということと、先日同様の質問をした時には、まだロシア宇宙庁の中の科学技術評価委員会の話であって、宇宙庁としての決定ではないと聞いていると。現段階でも、おそらくまだ政府の決定ということではないと思いますけど、段階は一つ上がったのかなと思います。日本の参加についての影響をお願いします。
(答)お話のとおりで、段階は一歩上がったなということで、政府の決定ということが念頭にはありますけれども、そういった動きを踏まえて、我々もそれぞれ、それこそ各国の状況あるいは様々な要素を踏まえて検討はしていきたいとは思います。
(問)ネットニュースサイト、ガジェット通信の藤井と申します。
 知財関係についてお伺いします。知財本部でデジタルアーカイブの在り方やコンテンツの海外展開について評価・検証を進められているかと思います。それで、交渉中のTPP等の知財関連の合意いかんによって推進計画の策定自体の内容であったりスケジュールに影響が出てくるのかどうか、今現段階でのお考えをお聞かせいただければと思います。
(答)まずは、TPPの中身については残念ながら十分な情報が入ってきません。ただ、伝え聞くというか、皆さん方の報道等も通じて、基本的には大筋、これまで我が国がやってきた方向に近いのかなという感じはしていますが、例えば削除にしても、アメリカあたりは当然全部削除と、うちは結構自主的に任せています。そこもありますし、これはあまり言うべきことではないかもわかりませんが、70年というような話も聞こえてくるのですが、これもトータルとして、我が方としてはそんなに問題ではないのかな。ただ、中身によってはおっしゃるとおりで、若干ずれてくる可能性はあると見ています。
(問)ちょっと別件になってしまうんですけれども、知財本部の有識者委員で、以前の会見で、竹宮さんについて大臣御自身は触れていらっしゃいましたけれども、KADOKAWA・DWANGOの川上会長も入っていらっしゃって、どのような観点や役割を持っていらっしゃるのかというふうなところもお聞かせいただければと思います。
(答)詳しくはまた聞いていただいたらいいと思うのですが、KADOKAWAさんの場合、著作権等々と流通云々ということを非常に前々からいろいろ発信をなさっておられて、私も何度か話が聞いたことがございます。そういった意味で、コンテンツに関して大変見識を持たれていると思いますので、楽しみにはしております。
(問)共同通信の須江と申します。おはようございます。
 理研(理化学研究所)の関係で改めて。松本理事長が就任されましたが、今後、例えば研発法人の法案提出などに向けて、松本さんとお会いしたり、若しくは既にお会いなさったとかそういったことはありますでしょうか。
(答)松本新理事長は、一昨日、前の理事長、野依さんと一緒にお見えになって、いろいろお話を聞かせていただきました。基本的には、前々から考え方は変わっていませんで、今国会中を目途に特定研発(特定国立研究開発法人)の法案は出していきたい。これからの日本の科学技術体制を考えた場合に非常に重要な話になってくるわけで、人材確保から研究体制の整備等々、是非ともやりたいという思いです。ただ、今回理事長が代わったからといって、では、いきましょうということではなくて、更に与党との調整あるいは話合い、更には全体として今回の理研のアクションプランしっかり行っているのだろうかと、あるいはいわゆる評価が出ましたよね。これに対して、国民の皆様方がどうお考えなのかということも含めて十分総合的に、当然、文科省と関係府省とも相談しますが、判断しながら進めていきたいということです。
(問)その与党調整との関係で、私が見ている限りでは、いわゆる科技のイノベーションですとか文科部会ですと皆さん前向きかなという印象を受けるんですけれども、この特定研発の法案を作る時、結構行革側といろいろ調整が大変だったと思うんですが、例えば、行革本部などですとかその辺とのまた改めて説明、調整などは考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)当然、それは考えています。ただ、先に科学技術関係の与党の皆様方の動向というのも踏まえてからになりますので、今後ですけれども。最終段階に来たら当然話をします。

(以上)