山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月10日

(平成27年3月10日(火) 8:59~9:10  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。私の方からはまず個人情報保護法でありますが、本日の閣議におきまして、個人情報保護法及び番号利用法の一部を改正する法律案(個人情報に保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案)、これを決定いたしました。もう御案内のとおりでありますが、この法律案は個人情報の保護を図りつつ、パーソナルデータの利活用促進をすることによって、新産業・新サービスの創出と、国民の安全・安心の向上を実現するとともに、マイナンバー利用事務の拡充のために所要の改正を行うものでございます。

 なお、法案の策定に当たりましては、消費者団体、経済界等の関係団体からのヒアリングや、あるいは与党手続におきまして、十二分な議論をいただきました。保護と利活用のバランスを踏まえたものになっているわけでございます。今国会におきまして速やかに審議がなされ、早期に成立をすることを期待いたしています。

 もう一点は、先般申し上げました、3月7日、地方創生に関わるIT利活用の実態や、あるいは課題解決のための要点等把握をするために、北海道の函館市への視察に行ってまいりました。これは「地方創生に資するIT利活用促進プラン」の策定に向けまして、単に東京の方で会議を実施するだけじゃなくて、私自身地方に出向いて、直接現場の方々と対話をすべきであろうということから実施をさせていただきました。

 函館市では地方創生の取組に関わる問題意識が非常に高くて、IT利活用が課題解決の鍵になると再認識させていただきました。特に地元の公立はこだて未来大学、ここでは若手IT人材の育成に大変力を入れておられまして、また世界シェアを獲得している漁業機器、イカ釣りの自動巻き上げ機のようなものでありますが、これを製造する中小企業や、あるいは地元の医療を支える病院、地域包括ケアということを想定しながら、なかなかおもしろいシステム構築をされたわけでございますが、積極的に地方創生に資するIT利活用に取り組んでおられたという感じがいたしました。いずれにしても、こういった意見交換を通じて、策定に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思っているところでございます。

 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。今朝閣議決定された個人情報保護法の改正案について、その中で特定個人情報の、個人情報保護法委員会への届け出が、12月の基本方針では届け出だったんですが、それが届け出なくて、法案では公表になっています。その辺の意味・意義について教えていただきたいんですけれども。
(答)先程申し上げたように、保護の立場と利活用の立場、あるいは双方に関係するそれぞれの団体の皆様方の御意見、また与党の方の御意見等を踏まえて、決めたということでありますが、届け出ではなくてもしっかりと公表していただくということによって、個人情報保護も守られるし、同時に利活用も進むのではないかということで、そういう結論に達したところです。
(問)公表というと、例えばホームページで簡単に、チラッと出しただけでも公表でして、小さい字で出しても公表ですし、あるいはCMのような形で広くやる、いろんな公表の仕方があると思うんですけれども、その公表の仕方というのも、今後こういうような公表でないといけないとか、そういうようなこと、考えていかれるんでしょうか。
(答)ガイドライン、またこれからの議論を踏まえた政令ということになっていくのでしょうけれども、保険のいろんな規約ではないですけれども、できるだけ分かりやすいようにしてもらうということが大事なのだろうと思いますし、同時に動き出して、これはちょっとということがあれば、また3年後の見直し等もありますので、しっかり見直していきたいと思います。
(問)読売新聞の冨山と申します。所管される特定国立研究開発法人指定の法案の関係で、月内にも理化学研究所が組織改革の進展についての評価をまとめるというふうに予定されています。その結果を踏まえてということになると思いますが、現況、国会の日程がかなりタイトであると思います。提出等々について今、どういうお考えでしょうか。
(答)お話のとおりで、これは外部の有識者で構成されるこの運営・改革モニタリング委員会ですか、この評価を待っているということでありますが、確かに日程的に非常に厳しくなってきたということで、いろんなことを想定しながら、ちょっと頭の体操もしてみたいと実は考えていますが、基本的には当初の方針のとおり、そういった経過を見ながらアクションプランに沿って、しっかり理研がいろいろ取り組んできていると、大丈夫だろうという判断ができた段階で法案ということになってくるのだろうと思います。
(問)大丈夫だろうとなった段階でということなので、それは今国会では必ずしもなくてもということでしょうか。
(答)できれば今国会でということは変わっていません。今度の評価の公表が3月末ですから、それを踏まえて判断をしていきたいと思います。
 まだ諦めておりません。
(問)共同通信の須江です。今の理研のことに関連して、野依(良治)理事長が辞意を示されたよという話があるんですけれども、例えば任期途中でお辞めになるということについて、区切りであるという見方もできますし、逆にアクションプランの道半ばで辞められるのはどうかという見方もできるかと思いますけれども、大臣としてはどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
(答)辞意の表明というのですか、私も報道を通じて存じ上げていますが、お話のとおりで、報道で見る限りは責任をとられてなのか、一段落なのか、そこがよく分かりません。これは、文科省の方でしっかりと対応していただいていると思いますので、文科省の方のお話も聞いて、我々はやはり特定研発(特定研究開発法人)の話もありますので、判断をしていきたいと思います。
(問)というのは大臣として、重ねての話で恐縮ですけれども、ガバナンスがちゃんと効いているということを判断する材料として、理事長の交代、若しくは野依さんが最後まで責任持って見るということは一つの基準になり得ますでしょうか。
(答)後の話になると思うのですよね。お辞めになるとして、その後、では、どういう体制で本当にしっかり行えるのですかということはあるのだろうと思います。お辞めになる理由というのが、万が一、ないとは思いますが、まあ投げ出したみたいな話であると、これは問題引きますよね。そこは、真意を含めて確認をしていきたいと思います。
(問)話が変わって、函館の出張についてなんですけれども、実際に函館は割と積極的にIT利活用している。利活用している地域なんですけれども、そこでもう何らかの課題が見えてくるかと思うんです。今回の出張で、地方におけるIT利活用の課題というのはどういうものが見えてきたでしょうか。
(答)人材育成も頑張っておられるのですが、例えば広がりというのですか、地元の、例えば中小企業の皆様方としっかり連携をして、同時にこういった目標を持ちながら、あるいはこういった効果を期待しながら行っておられるというのがいまいち明確でない部分もあります。その辺が、課題なのかなと思ったのですけれども、ただ、一生懸命行っておられるし、例えば先ほど申し上げたイカの自動巻き上げ機も、市の方も非常に力が入っていて、ガッチリ歯車が回っているなという感じはしました。
 非常におもしろかったですよ。LEDを、いわゆる集魚灯みたいな格好で使うというのが、イカって難しいのですね。何か光に敏感らしくて、指向性があまりに強い光で、波で揺れたりすると、逆に逃げるらしいですね。サンマはものすごくうまくいって、LEDで8割ぐらいの省エネが達成できたというお話でした。
 漁業もああいうので省力化と効率化ができる中で、後継者も育つなという感じはしましたね。
(問)共同通信田窪です。話が変わりますけれども、明日で東日本大震災から4年ということになるんですけれども、大臣の所管分野、あるいは所管分野でなくても、今後どのようにして復興が進んでいったらいいなというの、ありましたらお願いします。
(答)明日、4年ということで、いろんな報道にも出ていますが、復興しつつあるところ、まだまだというところ等々あるということで、政府を挙げてということで、安倍総理も大変力を入れておられます。私も私の守備範囲内でしっかりやれることはやっていきたい。とりわけ、例えば消費者関係で風評被害ですよね。しっかり取り組んでいきたいと思いますし、同時にクールジャパン等で被災地の様々な物産等々もいろんな形で売り込めていけたらいいなと、等々、いろいろ考えています。
 科学技術のILC(国際リニアコライダー計画)はこれからの課題でございます。

(以上)