山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月3日

(平成27年3月3日(火) 9:13~9:30  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。

 私の方から2点ほど、まずは対外発信のためのロゴマークですが、クールジャパン戦略を始め、我が国の魅力について対外的な訴求力を高めていくということが課題となっているわけですが、早くから指示を出していたのですが、内閣官房を中心にして関係府省等で調整を行っていただきまして、海外の見本市や展示会等において、各府省や政府系機関が対外発信のために使用するロゴマークを統一させていただいて積極的に展開をしたいと思っています。

 具体的にはビジットジャパンの「Endless Discovery」、あるいは「Cool Japan」など多くで使用されている「桜マーク+Japan」に、必要に応じ、政策目的に応じた適切な文言を付したものを「ジャパンマーク」として統一的に使用することにいたしたいと思います。

 今後、官民が協力をして、我が国のブランドを積極的に展開できるように、使用ルールを整備した上で、民間企業にも取組を広げていきたいと考えているところでございます。今まで観光庁、農林水産省などが使っていたのですが、それらを調整してこの形に落ち着いたというところでございます。

 もう一つが、食品表示法の件です。本日、「食品表示法の施行期日を定める政令」及び「食品表示法第15条の規定による権限の委任等に関する政令」を閣議決定いたしました。本政令は、平成25年6月に公布されました「食品表示法」の規定に基づいて、法の施行期日を平成27年4月1日とすること。そして、法に定められました消費者庁長官、農林水産大臣及び財務大臣の権限の一部を、都道府県や地方農政局等の地方支分局等に委任することを定めたものでございます。

 3月2日から食品表示法に基づく食品表示基準等の全国説明会を行っているところでございます。引き続き、法の施行に向けて関係者の皆様方に内容の周知を図っていきたいと考えています。

 詳細につきましては、消費者庁の方にもお尋ねをいただきたいと思います。

 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)消費者庁関連でお聞きします。
 機能性表示食品制度について、昨日ガイドラインが示されました。これについて大臣の所感をいただきたいということと、機能性表示食品制度は国の審査がない届出制となっているため、どこまで消費者庁が監督して管理して、消費者の食の安全を守れるのかという疑問の声も出ていたやに聞いております。その辺も含めて、大臣の所見をお願いします。
(答)この食品表示基準や新たな機能性表示制度の運用の事項を示すガイドラインについては、今、正式な公布発出に向けて手続を進めています。これは食品表示基準というのは内閣府令でありますので、公布には官報掲載が必要になります。ガイドラインの発出は食品表示基準の公布後に行いたいということで、今のところ4月1日までに公布をする必要上、印刷局にも既に入稿していますけれども、800ページに及ぶということで、若干時間がかかりますが、おおむね3月20日ぐらいには整うであろうと考えています。
 御指摘のお話ですが、確かに今回、届出ということになりますが、その資料等に関しても認められている論文等を根拠にするとか、あるいは成分表示、更には事業者でしっかりと様々な形での試験、研究等を行っていただいて、それをつけて届出をしていただくと。もちろん届出制ということで、事前チェックではないのですが、事後のチェックはしっかり行っていきたい。届出ですが、書類を拝見しますから、明らかにおかしいというのは、そこで何らかの対応をとりたいと思います。同時にいろいろな形で、消費者の皆様方からの御意見等を踏まえて、その都度しっかり調査をして、事後の対策を行っていきたいと考えています。
(問)科学新聞の中村です
 ロゴマークの統一について、知財戦略本部でやったかと思うんですけれども、知財戦略の中で、例えば特許なんかは、7割の特許を大企業が持っていてほとんど死蔵されていると。活用されないで死蔵されている例が多いのと、あと大学等でも特許をどんどんとっているんですが、それもあまり使われてないと。今までの知財戦略の中では、特許をとることはいろいろやっているんですけれども、特許を活用することが不十分だったと思うんですけれども、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)御指摘のとおりで、この間も中村さんからお話があったとおり、死蔵しているのですよね。いろいろお話を聞いてみると、大企業には顕著なのですけれども、数十億円単位で物事が動くような特許でないと活用せずに置いておくらしいです。それはおかしいじゃないですかということで、この間御指摘いただいた富士通さんは結構特許の活用に力を入れていただいているのですが、中小企業等々に技術の移転という格好でいろいろ持っていく、お話をする、やる気のあるところに行っていただく、そこの動きを加速させていきたい。
 同時に大学、研究室等も同じようなこともありますので、これもしっかり企業に移転して、そこでその知財がそれこそ大きな成果を上げるように、これは行っていきたいと思います。
 実は、徳島大学は相当TLO(技術移転機関)による活動がうまく進んでおります。大学としての収益というか見返り、それも相当出てきているという状況で、動きはじわじわと出てきています。
(問)ガジェット通信、藤井と申します。
 的外れで、改めてお聞きする形になってしまうと思うんですけれども、知財戦略と情報通信技術戦略とクールジャパン戦略、これは密接に絡んでいるかと思うんですけれども、これらが大臣の中でどういうふうな位置付けであるのかということをちょっと改めてお伺いできればと思います。
(答)それぞれおっしゃるとおりで、関連が相当あると思っています。同時に安倍内閣の一番大きな課題というのは、経済再生、デフレ脱却ということにあるのだろうと。そして、特に、先般の委員会等でも御指摘いただくのが、3本目の矢、持続的な経済成長に向けての民間の動きが弱いのではないか等々の御指摘、これに対してもクールジャパンであり、あるいは科学技術であり、知財の問題というは非常に大きな役割を果たしていくのだろうという認識を持っています。地方創生にも見事に関連しているわけです。
 ですから、私の方でITも地方創生に資するようなITとはどんなものがあるのですかということで会議を始めました。クールジャパンもこれまで以上に地方版というものも取り入れながら、地方の様々な物産等々をしっかり世界並びに国内に発信していくことによって活性化を図っていきたい。そこで非常に関係がありますので、できるだけ有機的に進めていきたいと思っています。
(問)広い意味で関連すると思うんですけれども、現在TPP交渉で著作権の保護期間の70年延長であったり、非親告罪化、そういった方向で進んでいると一部で報じられています。
 今、おっしゃられた知財関連、クールジャパン関連にも影響があると思うんですけれども、こちらの大臣のお考えもお聞かせいただければと思います。
(答)おっしゃるとおり大きな影響があると思っています。私としてはTPP交渉がどこまでどういう形で進んでいるかという詳細は分かりませんので、甘利担当大臣には知財の方も影響しますよと、我が国にとって大きな問題ですというお話はまたしてみようと思います。
(問)その交渉が進んでいる状況が外から見ていると、全くちょっと見えない状況で、特に著作権関係ですと、ちょっと影響を心配する声が高まっていますけれども、そちらの方もどういうお考えかお聞かせいただければと思います。
(答)同じことなのですけれども、マスコミ報道等でしか承知していませんが、知財にしても、基本的に我が国のルールというのは堅持しながら進めているような、そういった捉え方はしています。
 これまでいろいろあって、例えば私もちょっと党でそういう担当をしていたのですが、ミッキーマウスでも、いざ切れそうになると、アメリカが延ばしてくださいと来るわけです。これは本当に国家戦略に関わる大事な話なので、しっかり対応していきたいと思います。
(問)読売新聞の斉藤です。
 機能性食品の話に戻るんですけれども、効果的な面ではどういったこと、経済的なものでも期待されているのかと伺いたいのが1点と、事後チェックというお話が出ましたけれども、その前に書類の形式的な不備なり、明らかにおかしい、この論文はあまり見ない、おかしいとか、その面でのチェックが働くと思うんですが、その事後チェックはどういったものを考えていらっしゃるのか。
 ホームページに公開して、消費者団体などチェックしてくださいというお話を聞くんですけれども、消費者団体としてもそのような人材も予算も十分にないと。アメリカの方では、業界団体がチェックするような機能もあるようです。そういったものを活用するのか、事後チェックというのは行政として何かされるのか、あるいは何か他の団体がする活動に対して、支援なり助成をするのか、どういった形をお考えなのか。あと問題が起こった時は、どういうふうに対応されるのか。その形がよく見えないというのがよく聞く不安なんですが。
(答)当然これは消費者の安全・安心が第一義でありますが、これによっていろいろな効能をうたうことができるということで、新たな事業というか、新たな展開がいろいろなところで進んでいくのだろうと思います。
 昨日も、某テレビ局のニュースを見ていたのですが、事業者の方がこれはもう革命的な変化ですと。これからが楽しみですというコメントが出ていました。そういったことがまず一つあるのだろうと思います。
 事後チェックですが、これは非常に難しい問題もあるので、私自身が問題意識として持っているのは、機能性表示食品といった場合に、効くか効かないか、短期的にはよく分からないわけです。ですから、本当は効かないのだけれども、消費者が気がつかない。これまでのように消費者センター等に御意見、苦情等があまりないという事態も考えられるわけなので、今後動き出してからまたしっかり検討していきたいと思いますが、例えば、ビッグデータ、これなんかはしっかり活用できるのではないかと思います。
 当然、各職員に関してのそういったものがビッグデータにも出てくると思いますので、そういったことも含めて今後の課題として考えています。意識しています。
 それともう1点、問題がある時、これは機能性表示食品という表示ができなくなり、措置命令を聞いていただけない場合は裁判になって、刑事罰もあります。

(事務方)消費者庁の食品表示企画課長でございます。
 事後チェックのことで、少し事務的に補足させていただきたいと思います。私ども、取締りという観点から来年度新たに予算を要求しております。その予算は市中で流通している商品をランダムに買い取ってきて、表示が正しいかどうか。あるいはうたっている成分がちゃんと入っているかどうかといったことを事後的にチェックすることを考えてございますので、そういった現場でもきちんと行っていきたいと思っております。
(問)今のことに関連してなんですけれども、医薬品なんかではこの成分が効くのか効かないのか、そういうことをやるためのレギュラトリーサイエンスがかなり進んでいるんですけれども、健康食品に関してはそういったレギュラトリーサイエンスというのはほとんど進んでないし、消費者庁でもほとんど取り組んでないというふうなことを聞いたんですけれども、今後そういったレギュラトリーサイエンスみたいなことをどのようにお考えでしょうか。
(答)医薬品等ではないものですから、例えば出していただく資料等にしても、病気の人に効いたというのは駄目なのです。健康な方、若しくは境界線の方ということで、そこは区別をして考えていますので、若干違うのかなと思います。
 これも今後、表示がどういう格好で出てくるかということもあると思うので、そこも今後の状況を見て判断していくようなことになると思います。

(以上)