山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年1月9日

(平成27年1月9日(金) 10:31~10:50  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。

 私の方からは3点ほど申し上げたいと思いますが、一つは、今朝閣議後に、第9回目になりますが、宇宙開発戦略本部を開催いたしました。そして、新たな宇宙基本計画を決定いただきました。

 会合では、私の方から宇宙基本計画の概要について御報告して、最後に総理から関係省庁あるいはJAXA(宇宙航空研究開発機構)とも連携して宇宙基本計画をしっかり実行してもらいたい。そのために宇宙政策の司令塔機能を一層強化して、必要となる仕組みづくりを早急に進めたいという御指示がございました。

 今回の計画は、昨年9月に安倍総理の御指示を受けまして、安倍政権の新たな安全保障政策を十分に踏まえ、産業界の投資の予見可能性を高める長期的かつ具体的な計画になったと自負いたしております。

 また、安倍総理からは明確かつ強力な御指示がございました。そのおかげで、財政当局との厳しい折衝を突破することができました。おそらく類似の計画では、かなり異例となるような具体的な衛星の機数や、整備年次まで明確に書き込むことができたということで、しかも10年間で5兆円という、官民合わせてということでありますが、等々を書き込むことができたということは画期的なことであろうと思っております。

 例えば準天頂衛星につきましても、長年の課題でありました7機体制の確立にメドをつけることができましたし、宇宙機器産業の事業規模として、先ほど申し上げました10年間で官民合わせて累計5兆円という目標も盛り込むことができたわけでございます。

 今後は、計画に盛り込みました宇宙政策を着実に実現するために、工程表を宇宙開発戦略本部において、毎年これを改定して、より一層具体化に努めていきたいと考えております。

 次に、本日、サイバーセキュリティの基本法が施行されるわけでありますが、内閣官房に内閣サイバーセキュリティセンターが発足いたします。これに伴って、本日午後、同センターの発足式を行わせていただきます。

 それともう一点が、沖縄の振興予算、非常に厳しい状況にはありますが、今日、閣議終了後とまた宇宙開発戦略本部の終了後に麻生財務大臣のお時間をいただきまして、いろいろとお話合いをさせていただきました。いずれにしても、必要な額はしっかりと確保していただきたいということでお願いしたところでございます。大臣の方からは、必要な額を積み上げるようにということを事務方にも作業させたいというお話もございましたので、私としても更に事務方の方にしっかりと必要な額は積み上げて、必要な額は取れるようにということで、指示をいたしたところでございます。

 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)フジテレビ消費者庁担当の工藤です。消費者庁の担当大臣としてお聞きします。
 改めてになりますが、マクドナルドの商品に異物の混入が相次いでいる問題で、担当大臣としての問題の受け止めのお考えを1点お聞きしたいのと、そしてマクドナルドは身近な店舗数も多いファストフードチェーン店ですけれども、会社を呼んで報告を受けるということは考えていないのでしょうか。
 最後に、そういったことも含めて、今後何か対応を考えていることがあれば教えてください。
(答)この件につきましては、日本マクドナルド及び各保健所ですね。特にこの青森県の上十三保健所及び東京都江東区の保健所の方で、今、調査が行われていると承知いたしております。これは本件に限らず、食品関係業者というのは、異物混入を防ぐように最大限の努力をしていただきたい、すべきであると思っておりますし、消費者の皆様方の安全・安心を確保するために、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 消費者庁におきましては、今後とも必要に応じて厚生労働省等々との関係機関と連携をして、情報の収集に努めてまいりたいということでございまして、もう少し状況を見守っていきたい。
 ただ、マクドナルドに限らず、最近そういう例が目立つのかなというな思いもしますので、そこは、しっかりと注意喚起するということも含めて検討させていただきたいと思っております。
 今のところ、お目にかかる予定はございません。
(問)科学新聞の中村です。
 宇宙基本計画策定されて、ただ、この策定過程においてパブリックコメントを行ったかと思うのですけれども、そのパブリックコメントで寄せられた意見がほとんど反映されていないではないかという、そういうふうな批判もあるのですけれども、大臣としてはここら辺はどのように受け止めているのでしょうか。
(答)これも前に会見でも申し上げたのですが、今回寄せられた意見の特徴としましては、計画の中身に踏み込んだ上での具体的提案が多かった。よく御覧になっていただいているなと思うのですが、それと特定のトピックに意見が集中することなく、多様なトピックに関して意見が寄せられたなということでございますし、今回もう一つが、この新宇宙基本計画そのものを否定するような意見は、ごくごく少数だったなという感じがしています。
 前にも御質問が出たのですが、いわゆる安全保障に偏り過ぎているのではないかというお話もあったわけですが、これは全体の1割程度でございました。そういったことで、決してパブリックコメントを踏まえていないということではないのだろうと。ただ、多様な御意見をいただいておりますので、今後も参考にさせていただいて、これからの宇宙政策、工程表等々行っていくわけですから、そこにも反映をさせながら、更に国民の皆様方の御理解をいただくように努めていきたいということでございます。
(問)今日の会合で、総理から必要となる仕組みの構築ということの指示があったかと思うのですけれども、それは、例えば司令塔機能を強化するために宇宙庁のようなものを作るとか、そういうようなイメージのことを大臣はお考えでしょうか。
(答)そういった意見は党にはありますが、総理のお話は、今回しっかり具体的に実現をしていくために、毎年工程表で、今回も6月ぐらいをメドに、また本部を開かせていただいて、工程表というものを通じて、より具体的にしっかり実行していくようにということが一つあるのだろうと思います。
 もう一つが、いわゆる条約等々の裏打ちの法案がいるのだろうと、これから宇宙外交等と。更には、リモートセンシング関係の様々な情報をどうするのかということも、法案として考えていくべきだろうと。そういったこともにらんでの御発言だったのだろうと思います。
(問)読売新聞の知野です。よろしくお願いします。
 先程の御発言の中で、今回の計画は異例に、具体的な機数とか整備年限を書き込んだという御説明がありました。それで10年、それから統括表を見ますと、20年間に及ぶものまで書いてありますけれども、この20年というと、相当社会情勢、経済情勢、科学技術の情勢も変化すると思うのですけれども、1年毎に毎年見直しでは、この20年のトレンド全体をつかむことにもならないと思いますので、具体的に時代の要請に合わせていくためには、どのような方法をとっていこうとお考えでしょうか。
(答)10年間の、今回ある意味長期の予見可能性のできるような計画にするというのが、一番の眼目でございました。同時に、その後のいろいろな話もあるわけですね。ですから、20年ということも踏まえながら行ったわけですが、ただお話しのとおり、状況というのはどんどん変化していく、あるいは科学技術の進歩というのもあるのだろうと思いますので、そこは工程表の議論をする中で、おそらくいろいろな御意見も出てこようかと思います。
 そういったのを踏まえて、本部で議論すべきことが出てくれば、しっかりそれは対応していきたいと思いますが、今考え得る範囲の10年間の計画ということでは、大変画期的で、しっかり、まずは進めていくということだと思います。
(問)産業界の予見可能性ということでこういう計画をお作りになられましたけれども、これは、基本的には日本の産業界と考えてよろしいのでしょうか。
 というのは、準天頂衛星みたいなものに関しては、海外がもっと安いもので、同じような仕組みを作っていたりとかいろいろありますし、ここまで計画がはっきりしていますと、海外の企業としても参入したいというようなことが出てくるのではないかと思うのですが、その辺については、大臣はどうお考えですか。
(答)これは政府調達云々の話もありますので、最初からだめよということにはならないと思いますが、基本的には、我々日本の宇宙産業ということをベースに置きながら、これを検討していきたいと思っていますので。
(問)共同通信の須江と申します。よろしくお願いします。
 中期基本計画の関係で、パブリックコメントの話に戻って恐縮なのですけれども、先程の御発言の中にも安全保障についての意見で、全体の1割程度というお話でしたけれども、事務局が分類した項目、細目を見ますと、宇宙安全保障の確保の項目だけに限ってみますと、半数ぐらい軍事利用に反対だとかそういった分類の意見が出ているわけですね。宇宙安全保障が全部で125件、意見がありまして、半数以上はそれに対して懸念を示す声があるということですけれども、このことに対して、改めて山口大臣としてはどういうようにお考えか、このような懸念をどう払拭していくおつもりがございますでしょうか。
(答)これは安全保障ということですが、いわゆる3本柱ですよね。安全保障と、民生、そしてそれを支える宇宙産業・科学技術基盤ということにしていますので、とりわけ、安全保障に大きなウエートがいったという理解はしていませんし、同時に軍事利用というと、ちょっと違うのではないかなと思うのですね。ただ、リモートセンシング等々、いろいろな情報収集ができるわけで、それをどういうふうに、政府として日本として利活用していくかということは、一つあるのだろうと思いますが、決して、いわゆる軍事利用という話にはつながらないし、そこは御理解いただけるように、今後とも御説明をしていきたいと思いますし、その都度、いろいろなものを打ち上げた時に、しっかりと御理解いただけるような発表もしていきたいと思います。
(問)あと、パブリックコメントの意見の中では、やはり期間が短いですとか、ちょっと広報の仕方についてという意見もあるようですけれども、今後例えば工程表の改定なども見据えて、その辺の改善点は大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)確かに今回、年内にという総理の方のお話もあって、作業を急がせていただきました。そういった意味では、パブリックコメントの期間が若干短かったなという思いも、私もありますので、今後は気をつけていきたいと思いますし、同時にその分しっかりと御理解いただけるように努力もしていきたいと思います。
(問)沖縄タイムスの大野です。よろしくお願いします。
 大臣が冒頭で触れられた沖縄振興予算についてお伺いします。
 昨日も自民党の会合で、国会議員や県連から満額を求める声が上がったのですけれども、今朝の麻生大臣とのお話合いを踏まえて、具体的な額というのは見えてきていますでしょうか。
(答)具体的な額は、お話をしておりません。麻生大臣の方からもありません。
 ただ、昨日、沖縄選出の自民党議員団の皆様方からも強い御要望をいただきましたし、公明党の方からも頑張れというようなお話もございました。そういったことを受けて、今日、麻生大臣とお話をさせていただいたということで、基本的には前にも申し上げた、厳しい財政状況というのは分かっています。ただ、必要な額まで削るというのはおかしいではないですかと。積み上げでやっていますから、そこは、理屈が通るような格好でお願いをしたいと、麻生大臣も、先ほど申し上げましたように、必要な額を積み上げていこうということで、御理解をいただいたと思いますので。
 自民党の議員団の皆様方も朝の沖縄関係の会合でも、必要な額を確保してほしいというお話でしたので、そういった思いで最後まで頑張り抜いていきたいと思います。
(問)関連でもう1点お聞きします。
 昨日夕方、大臣が首相官邸で安倍総理とお会いになったと思うのですけれども、一部報道で、その際にこの予算について上積みを求めたと、安倍総理大臣とそういうお話をされたということがあるのですけれども、この事実関係を教えていただけますでしょうか。
(答)昨日も総理とお目にかかった後、出てきた時に、ぶら下がりがあったのですが、あの時にも申し上げたのですが、宇宙基本計画のお話でお邪魔をさせていただいて、沖縄の予算のお話をしておりません。
 というのも、その時にも申し上げたのですが、我々大臣として、やはり財政を担当しておられる麻生大臣にお願いをするというのが筋道であって、総理に直接お願いというのは、本来おかしいのですよね。そういったことのないように、まずは財務大臣にしっかりお願いをする。財務大臣と御相談をしながら、それ以上のことをやるということがあれば、やります。
(問)関連しまして、今日麻生大臣とお会いになられたということですが、その後に、例えば総理と、この予算について話をしたという事実はありますでしょうか。
(答)ありません。
(問)琉球新報の問山です。
 関連ですが、先程大臣のお話で、麻生大臣に対して必要額まで絞るのは理屈が通らないという発言もありました。現在報道では、3,100億円前後で調整しているという報道も出ています。この必要額まで絞るという御発言の意図というのですか、現在、その財務省としては3,100億円をメドに検討されているということなのでしょうか。これに対して、必要額まで削られているという認識なのでしょうか。
(答)私、いろいろな報道を拝見して、これは困るなという思いがあったものですから、先程のような発言が出たわけですが、ただ、財政当局との折衝の中で、基準点をどこに置くかというのはいつもありますよね。何年度、何年度。そこで、おそらく報道のようなことになったのだろうと思いますが、我々としては必要な額を積み上げていって、これだけ必要ですよということをやらせていただいています。
(問)その必要額なのですけれども、今年度は3,501億円なのですが、この3,501億円というのは、下回るのか上回るのかというところの基準というのはどのように考えているのでしょうか。
(答)あえて基準点と申し上げたのは、3,500億円ではなかったからあのような報道になったのだろうと思うのですね。今年度の予算をどう見るかということで、我々と財務省との方とで、かなり誤差がありましたが、そこは何とか話をしながら積み上げてきているのだろうと思います。

(以上)