石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年7月24日

(平成27年7月24日(金) 9:56~10:19  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 昨日、軽井沢で「経団連夏季フォーラム2015」に参加をいたしてまいりました。政府と経済界が地方創生に向けた取組状況を共有し、その具体化、強化を図るための場、地方創生実現パートナーシップ会議-今のところ仮称でございますが―この設置につきまして私より提案をいたしたところであります。その後、榊原会長から、積極的に参加するというような発言があったところであります。
 こうした会議を通じまして、政府と経済界が、先ほど申し上げましたように、取組状況を共有するということのもとに、ともに地方創生の深化に取り組んでまいりたいと考えておるところであります。
 本日の閣議前に、第1回であります「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部」が開催されました。多くの閣僚から発言があったところでございますが、私からは、この大会を契機として地方の様々な分野の魅力を発信し、新たな人の流れを創出することは、日本全体に活力を与えるものであり、先般の基本方針-閣議決定をいたしたものでありますが―これを踏まえて地方創生の深化に取り組んでまいりたいと、発言をしたところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨日のフォーラムと、今冒頭でもありましたけれども、経団連とのパートナーシップ会議ですけれども、その会議の構成メンバー、大まかなものかもしれませんけれども、大体のメンバーと、あと開催時期とか開催の頻度とか、どの辺まで詰まっているでしょうか。お願いします。
(答)これから具体的にいろいろ詰めてまいりますが、できれば第1回は大体秋口-秋風が吹くころというか、立秋というよりはちょっと後でしょうか-にも第1回をやりたいというふうに思っております。昨日集まられたトップの方全てがというわけにはいきませんが、このようなことに携わってこられた方を中心に実際の財界の方々、そしてまた、それを支える事務方等々において構成をしたいというふうに思っております。
 やはり昨日話してみて思ったのですが、それぞれの方がかなりこの問題について関心をお持ちであり、そしてまた見識をお持ちであるということがよくわかったところでありまして、もちろん事務方同士のお話も大事ですが、いわゆる政務と財界人との間の忌憚のない意見交換に基づく実質的なものにしたいと思っておりまして、メンバーにつきましても、事務的にも詰めますが、政務の方で経団連とお話をしていきたいというふうに思っております。なるたけメンバーを早急に確定をしたいと思います。
 これは、経団連に限るものではなく、経済同友会でありますとか、あるいは関経連でありますとか、いろいろな経済団体がございます。北海道においても中国においても四国においても、そういうのはブロック別の団体もございますので、そういうブロックにおける会議も開催をしたいというふうに思っております。経団連だけに限るというわけではございませんが、経団連は経団連、同友会は同友会、関経連は関経連みたいなばらばらな感じがないように有機的に実施していきたいと思っております。形が明らかになり次第、また申し上げたいと存じます。
(問)すみません、関連なんですけれども、政務のほうは、この石破大臣をトップに政務の構成をされるのか、それとも、官邸ですとか他の閣僚も入るというイメージなのか、そのあたりはどうなのかということと、大臣、日頃から「産官学金労言」とおっしゃいますけれども、特に経済界に特化して政府とパートナーシップを築くという狙いというのはどこにあるんでしょうか。
(答)これは当面、私どもの地方創生を担当いたします私、補佐官、副大臣、政務官で対応したいというふうに思っておるところであります。
 また、別に経済界に限ってというわけではございませんが、特に本社機能の移転でありますとか、働き方改革でありますとか、あるいは企業子宝率でありますとか、経済界の方々と集中的にやっていかねばならない課題に取り組みたいと思います。これは税制も伴うものでございます。例えて申し上げれば、連合の皆様方ともそういう会議を何カ月か前に持って、各地域の連合でも対応していただいている。あるいは金融機関におきましても、全銀協でありますとかそういうところともやっておるものでございます。したがいまして、これは経済界だけに特化しているということはございません。
 また、昨日議論が出ました、例えば私立大学というものが東京回帰ということになっているわけですが、これをどうしたものだろうかというような御発言もございました。そうすると、「学」でいえば、文科省所管ではございますが、例えば、大学協会のようなものがございますですね。「産官学金労言」の対応の中で、なお関係を強化していき、連携を密にするところや方法は外にもあると思っておりまして、決して経済界に特化をしたということではございませんが、冒頭申し上げましたように、本社機能の移転ですとか働き方改革ですとか、経済界の方々とやることがたくさんあるねということで他意はございません。
(問)関連でお伺いしますけれども、今おっしゃったように、これまでも経団連を含めて経済界との直接対話される場が大臣あったと思うんですけれども、そういう場ではなくて、改めてここで作ったということは、今あったように取組状況確認ということですので、例えば、お互いに目標を作って期限を設けて、まさにKPIのようにしていくおつもりなのか、それとも、要請する場だけなのかということをお伺いしたいのと、あと、取組状況と言うからには、本社機能の移転を促すかわりに、政府側も国の機関移転を進められると思うんですけれども、大臣、昨日おっしゃっていましたが、第三者機関のイメージってどのようなイメージをお考えなんでしょうか。
(答)特にKPIを設けてというつもりはございません。それは、政府として昨年末お示しした「総合戦略」において、KPIもお示しをしているところであって、そのような数値目標というような意味合いも持っていると思いますが、それをきちんと共有する、そしてそれの積算根拠なるものについても、絵に描いた餅みたいなことを言っても仕方がないので、それが実際に実現可能なものなのかどうかということは経済界とのお話が必要だと思っております。
 また、政府機関の地方移転につきましては、もう7月も下旬になるわけでありまして、締切りといいますか期限が一応8月末ということになっているわけでございます。週明けにも我々政務と事務方でどういうような第三者的なものを作るか、そこにおいて必要なのは、透明性であり、そしてまた、どのような基準でということでございます。透明性、公平性、公正性ということが見ている方々に分かりやすくしなければいけません。それが実現できるような人選というのを行わねばならないのでありまして、7月のうちにそのような対応方針を決めたいと思っております。
(問)今の第三者機関、追加でお伺いしたいんですが、最終的に移転はまだまだ先の話かと思うんですけれども、この結果は我々を含めて公表されるお考えはありますか。選考基準、例えば、機関移転に至った理由、至らなかった理由を含めて、第三者機関の評価を含めて、国民の中に公表されるお考えというのは。
(答)透明性と申し上げたのはそれを含むものでございます。それぞれの自治体がこういうものをと言うからには、もちろん、なぜなのかということが明らかにされるわけでありまして、それに対するお答えが、何が何だかわからないけれども、駄目でございますみたいな話には絶対なるわけがないのであります。防衛省であれば話は別ですが、国会において御指摘もいただきましたが、実際に自衛隊のそういうものの移転というものを含むものではございません。これはまた別の観点でございますから。それ以外のものであれば何らそれを公にしてはいけないという事由は私自身、今のところ見当たらないものでございます。
(問)自社のことになってしまって大変恐縮なんですけれども、日経新聞がイギリスのフィナンシャルタイムズを買収することになりまして、それに関しての御所見を伺いたいんですけれども、地方でも、日経は今回買収することになったのは、やはり国内での競争が厳しい、市場が縮小していくということで海外に出ていこうということだと思うんですけれども、地方では地方紙の方々は大変厳しい状況にも置かれているかと思うんですけど、地方創生では、「言」の部分も重要だということで、言論機関、紙媒体はなお特に厳しいとは思うんですけれども、そこら辺、メディアの置かれた状況に関して、今回の日経の買収も含めて御所見があればお願いいたします。すみません。
(答)何とも難しい御質問でありますが、報道で知る限りにおきまして、紙媒体でもございますが、フィナンシャルタイムズが持っている電子媒体的なものを使って、より正確かつ洞察的なといいますか、そういうような報道をしていきたいということで今回の額もかなり驚くような金額でございますが、日経新聞が決断をされたというふうに承知をいたしております。
 このグローバル化する経済の中において、地方経済というものをどのように考えるかという点において、それぞれの地方の報道機関の状況等々については私が言及すべきことでも全くございません。この日経さんの今回のことにつきましては、よりグローバル化に対応した報道がなされる。そしてまた、それが日本経済を更に牽引するというような、そういう情報が提供されればいいなということでございます。そのことにおいて、地方における紙媒体がどうなるかということについて、私は申し上げるだけの知識を持ちません。
(問)来週、大臣も出席されると思うんですが、全国知事会議があります。そこで話される内容は別にして、全国知事会といえば、かつて闘う知事会と呼ばれたこともあったんですが、今はなかなか陳情・要請が中心になっていて、存在感をよく問われることもあるんですけれども、大臣から見て、全国知事会という団体の持っている意味、意義、どうお考えになるでしょうか。
(答)地方政府というのは二元代表制をとっているものでございます。時々雑誌等で全国47都道府県知事支持率ランキングなんというのが出ますが、みんな7割とか8割とか、5割を切っている人は余り見たことがないですね。やはり直接選ばれるがゆえに、その地域地域における発信力とかは強いものがあると思っております。この地方創生を行うに当たりまして、都道府県にはかなり大きな役割を期待しておるところでございまして、闘う知事会が何を意味するのかよく分かりませんが、それぞれが国家全体のことを考えて御発言をいただくというふうに段々なってきたように思います。うちの県がこうなるためにはこうなのだというお話も、それはそれで結構なんですが、国家全体の経営というものを考えた場合にどうなるのかという視点で御発言をいただく方が増えてきたなというふうに思っております。知事さん方が、これは市町村長さんもそうなのですが、直接有権者から選ばれることによって発信力というものに強いものを持っている。それが国全体を考えたときにどうなんだろうねということ。もちろん国全体の代表者は日本国憲法によって国会議員ということになっているわけですが、知事さん方におかれても、そういうように国全体の行く末を考えたときに、これから先、中央と地方の在り方はどうなのか、特にこれから先、これは私、就任当初から申し上げていることですが、結果平等を志向してきた地方交付税制度、それによって今日の日本があるわけですが、これがこれから先どう変わっていくべきかについて、本当に真摯な議論というものが交わされる、そういうようなパートナーとしての知事会であってほしいなと思っております。
(問)話題変わるんですが、参院の合区についてお伺いしたいんですけれども、本日にも参院本会議で採決されると思うんですが、大臣は4県の関係議員で会合を持たれたと思うんですけれども、結果的に、この合区の問題は、大臣がおっしゃるように、地域代表としての意味合いとおっしゃいますが、他府県の人口減少の県にこの動きが共感というか、動きが広がっていかなかった理由は大臣、どのようにお考えでしょうか。
(答)そこはわかりません。私自身、この4県の会合を持ちますときに、かなり早い時点で、この4県のみならず、確かに12県であったかと思いますが、このような合区には反対であるような、そういうようなことが取りまとめられておったかたと思います。ですから、4県の議論の中でも、これを広げるべきだというお話をいたしました。私は公務の関係で全部の会議に出ていたわけではありませんが、そういうような県からも随分と積極的な御発言があったと思っております。これは、今問題になっているのは4県なので、4県で足並みをそろえていかねばならない。間違っても、その4県の中で対立があるようなことがないようにということを優先してやってまいりましたので、これを拡大するということは、運動論として次の段階ということではなかったかなというふうに思っております。
 しかしながら、選挙制度調査会等々において発言したのは4県だけということではなかったわけでありますし、そして、やはり4県は、このままいく限り、自然減というものも、当然これは決まっていることでございます。つまり、出生率を上げたとしても、生まれる方が18歳になるまでに18年かかるわけですよね。そこで社会増を図ったとしても、これが議員定数に大きな影響を及ぼすということについて、次の選挙までの4年間にそれができるかというと、それはそうではない可能性も高いだろう。そうすると、もともと地方の人口を増やせばいいんでしょうと、地方の選挙権を持った方を人口を増やせばいいんでしょう、その努力をしなさいよというお話は少しおかしいのであって、やはりこれは日本国憲法の国民によって選挙せられた代表者でもって構成するというような条項も変えなきゃいかんということについても、これに異論を唱えた人を私は見たことがありません。そうすると、ともすれば4県はこういうことになったねと、また次の選挙が近くなったら考えようねというようなことであれば、いつまでたっても根本的な解決にはならない。
 いつも申し上げていることですが、ほとんど同じような選挙制度で、ほとんど同じ権能を持つ二つの院が存在するということが、日本国の民主主義にとってどうなのかということです。このままで結構ですと言う人を私は余り見たことがなくて、そうすると、そういう議論にチャレンジをしていく。この話って何十年とは言わないけど、十数年前からある議論なんですよね。それを今回こそきちんとやるんだということだと思います。そこにおいては、4県以外の方々の御賛同、あるいは我が党的に申し上げれば、地方というのに都会も田舎もないんですよね。それぞれの地域を代表する者を出すということは、やはり我が党の在り方として、これから先更にきちんと国民の前に明らかにする必要があるんじゃないかと思っておりまして、広がらなかったことについてということについては、事実の認識として私は違うものを持っておるところでございます。
(問)今の合区の関連なんですけれども、今回、結局、合区に該当する4県の理解が十分に得られないまま採決に至るという形になりましたけれども、今回のそういった党執行部の進め方についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
(答)これは「緊急避難的」という言葉が全てを表しているのだと私は思っております。選挙制度調査会において竹下大臣、私、山口大臣が続けて発言をしたのですけれども、そのときに「緊急避難」若しくは「緊急避難的」という言葉を使いました。
 違法性ということを言うのは、別に法律の議論をしているわけではないのですけれども、違法性阻却事由的なものが必要だろう―法律的にはそういうことになりますが―と申し上げました。今回のいろいろなことの展開が、かなり予期せざるをものになったということは、否めないと思っております。しかしながら、やむを得ないのだということであるとするならば、私自身は、まず、それぞれの我が党の組織と合意の上で、参議院議員が出られるということを保証されたいということが1点。それぞれの県から当然参議院議員です。衆議院と参議院は違いますので。
 それから第2点は、来年の参議院通常選挙において―これは他党は関係ないです、我が党の話ですから―我が党が、参議院は地域並び職能の代表者によって構成されるというような条文が必要だということを掲げるべしというのが私自身の考えであります。それを違法性的なものを阻却するため―何か日本語難しいですけど―そういうものだと思っております。ですから、私自身、党の取りまとめの立場に立ったこともございまして、そういう人たちの苦労も苦悩もよく承知の上で申し上げております。あくまで「的」ということを申し上げましたが、やはりそういうことがなければ、今回のことはなかなか難しいのではないか。一昨日の選挙制度調査会において、選対委員長がその旨おっしゃり、そして幹事長はそのとおりだとおっしゃったわけでございますので、来年には間に合わないにしても、4年後の選挙までにどうするのだということについて、我々は重い責任を負っているということだと思います。

(以上)