石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月28日

(平成27年4月28日(火) 10:31~10:54  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 本日の閣議で、4月29日から5月2日まで高市大臣が海外出張、5月3日から6日まで山谷大臣が海外出張であります。それぞれの臨時代理というものを拝命をした次第であります。
 連休に入りますが、地方居住推進をはじめといたします地方創生を推進する観点から、5月に集中的にイベントを開催したいと考えております。1つは、お手元に資料があると思いますが、各地の地方創生の取組動画を幅広い方々から募集するという観点で、「あなたのまちの地方創生動画大募集」なるものを5月1日より特集ホームページにて告知を始めます。募集の開始は5月18日から行います。面白いものがたくさん来るといいなと思っております。
 来月18日には、小泉政務官を中心にイベント「丸の内×限界集落」を丸ビルで開催をいたします。東京の中心地でありますところの丸の内と限界集落なるもののコラボみたいな形で「×(かける)」というふうなネーミングになっておると承知をいたしております。
 また、既に御案内のことでありますが、民間の皆様方の主導によります地方居住推進に向けた国民会議、これを5月27日に開催をするという方向で調整中であります。
 また、5月31日には、地方居住をテーマとするフォーラムを東京ミッドタウンで開催の予定であります。これは私も出席をさせていただきます。
 こうしたことを通じまして地方創生の機運というものを醸成し、発揚していきたいと思っております。詳細は事務方よりまた御説明をいたしますので、お尋ねください。
 次に、国家戦略特区に係る提案募集についてであります。
 本日より国家戦略特区における新たな措置に係る提案の募集を開始をいたします。これは民間事業者、地方公共団体等から、単独でも、共同でも結構です、幅広く御応募いただきたいと考えております。その際、区域を限定して規制改革を求める提案のみならず、全国での規制改革を求める提案についても受け付けるということになっております。御応募いただきました御提案につきましては、国家戦略特区ワーキンググループにおいて選定をし、ヒアリングや関係府省庁との調整等を実施し、最終的には国家戦略特区諮問会議における調査審議を通じまして実現に向けて取り組むというような段取りに相なります。
 なお、今回の提案募集では、この提案を構造改革特区法に基づく提案とみなして取り扱うというスキームがございますが、これを活用いたしまして構造改革特区制度との連携をより強化するということでございます。
 明日、そして明後日、島根県海士町及び島根県西ノ島町を訪れたいと考えております。この地域は先進的な取組みが行われているということで既に有名でありますが、関係者の方々から直接お話をお伺いする、また現場を拝見させていただくということになっております。地方創生のモデルのように言われておるところであります。私も隣の県なんですけれども、実は一回も行ったことがないということでありまして、これはいかんねということでございます。急なことでございましたが、現地の方々にもいろいろと御配慮をいただきまして、明日、明後日、訪れるという予定にいたしておる次第でございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭の戦略特区の件でお伺いしますけれども、これまでも累次提案を受け付けていらっしゃったと思いますが、その中で選に漏れたものも過去幾つもあると思うんですが、こういったものを改めて検討し直すお考えがあるのかというのが1点と、また、議論の様子がホームページ等に公開されていますけれども、選ぶ、選ばないの基準を公開されたり、例えば点数で数値化していれば、その一覧を発表されるですとか、選考に係るプロセスの公開性についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)前回は、昨年の7月18日から8月29日まで提案募集をさせていだきました。206件の御提案をいただき、応募団体数は157、民間事業者の方々は109、地方公共団体等が48と承知をいたしております。主な提案としては、医療や介護、あるいは農林水産や都市再生、雇用や教育、創業や外国人の起業者に関するものということを多くいただきました。今回も、このような分野を含めまして、様々な御提案をいただきたいと考えております。
 これをどのようにして取り扱うかということにつきましては、なるべく可視性をもって、なぜこれが採用されたか、されないかということがわかるようにしていきたいと思っております。ただ、数値化するということについては、どのような指標で数値化をしたらいいかということがございますので、そこは検討はさせていただきますが、なるべく可視化を図って、応募される方々にも、また国民の方々にもどういうことをやろうとしているのかということが御理解いただきやすく努めてまいりたいと存じます。
(問)特区の提案募集の件なんですけれども、国家戦略特区の中に地方創生特区もあり、これまでには構造改革特区ですとか総合特区などもあり、若干制度が複雑化しているような印象も受けるんですけれども、こういった点をどのようにわかりやすくするかということについては、どのようにお考えでしょうか。
(答)何が国家戦略特区で、何が総合特区で、何が地方創生特区でというのをわかるようにしゃべってくれと言われて、なかなか紙を見ないでしゃべるのは難しいねということであります。それぞれ特性があって、国家戦略特区というものが最上位という言い方はおかしいですけれども、一番取扱いとしてはいろいろな問題点というものをクリアしたやり方でありますが、国家戦略特区で使えないものもございますので、それぞれが何なのだということを、どっちかというと名は体を表すみたいなネーミングができないかしらねと思うんですけれども、これはまたそれぞれ法律になっているもので、名前を変えるだけで大騒ぎだみたいなことに相なります。ですので、名前は今までどおりでやむを得ないのですが、もう少し趣旨を分かりやすくしたいなというふうに思っておりまして、事務方と協議をいたしておるところでございます。
 どこかの機会で、これはこういうものですということを報道関係の方々に御理解いただかなければ、一般の方に御理解いただくのは難しいと思っておりますので、今の御指摘も踏まえてもう少し努力をさせてください。
(問)関連でお伺いしますけれども、今の質問と全く同じ話なんですが、例えば地方創生特区、3地域指定されましたけれども、やはり第1弾で国家戦略特区の養父市ですとか、ああいうところを地方創生特区という概念として、第2弾目の愛知県ですとか、そういったものが国家戦略特区という扱いにするほうが、非常にわかりやすいと思うんですけれども、改めて今から見直すお考えというのはないんでしょうか。名称だけでもということで。
(答)先ほどのお答えと重複したら恐縮なんですが、どうしたらわかりやすいだろうねということは、虚心坦懐にやらせていただきたいと思っております。それぞれの特区にいろいろな趣旨があって、仕組みが少しずつ異なるようになっております。最初から全国を相手にするものと、地域を相手にするものと、それが横展開していくものといろいろな形がありまして、今の御指摘は最初からずっと思っていまして、名前を変えるのはなかなか難しいかなとは思っているのですけれども、これがどういうものなのだという理解がないと、これから先、応募していただく方々にとっても何だかよくわからないということになってしまうのではないか。
 特区というと、すぐ誰でも「どぶろく特区でしょう」と、こういう話になるんですけれども、いや、そうではないのだと。例えば養父市、あるいは新潟市において行われている取組が、これから先どういうようなプロセスを経て全国に展開をするものであるのか、それとも、それはその地域においてのみ効果を持つものであってということなのか、何が国家戦略という名にふさわしいものであるか等々、要は特区というのは、そこで認められたらばいいことだねということで全国展開されるタイプと、そうではないものというのがあるんだろうと思います。実際に応募される方々にとって使いやすい制度というものは考えなければいけなくて、それが少し理解が難しいような状況は少し生じているのかもしれません。説明されれば、なるほど、そうだよねというのはわかるんですけれども、もう一回紙を見ないで同じように言ってごらんと言われるとなかなかつらいところがありまして、そこはユーザーフレンドリーということから考えれば、工夫の余地はあろうかと思っております。
(問)特区に関連してなんですけれども、間もなく第1弾の正式な指定があってから1年を迎えます。今6地域あるわけですけれども、この進捗状況を、もともとは成長戦略の柱として期待されたということから比べてみた場合の今の評価、お願いします。
 もう一点、集中取組期間はあともう1年を切っているわけですけれども、この期間に成果を出すための鍵は大臣から見て何なのかというのを教えてください。
(答)成長戦略の鍵というのは、国家戦略特区がございます。あるいは規制緩和というものもあって、大胆な金融緩和あり、機動的な財政出動があり、3本目の矢が特区、あるいは規制緩和であると、こういうふうによく言われます。その集中取組期間があと僅かじゃないかということを言われるわけですが、特区が特区であるだけに、それがどのような効果を発現するか、そんなに短い期間で、なるほど、こんなに劇的に変わったねということがあるとは限りません。もちろん3本目の矢として極めて重要なものでありますがゆえに、この特区の推進というものはよく進捗状況を見極めていかなければいけないと思っております。また、それを特区に指定したゆえんというものをきちんと実現するために、いろいろな手だてが講ぜられているかどうかもよく点検をしてみなければいけないと思っております。
 残り期間がそんなに長くございませんが、それまでそういう努力を集中いたしますとともに、あと半年しか残っていないんだと、とにかく何でもかんでも何か成果があるようにやってくれというのは本来の趣旨と外れますので、よく特区の指定されたところの実施状況というものを早急に把握をしたいと思っております。それは3本目の矢たる規制改革、構造改革なるものが遅れているとか、そういうことを申し上げているのではありません。それがきちんと効果を発現するようによく点検をし、更にエンカレッジするような必要があるとすれば政府としても取り組みたいと思っております。
(問)冒頭発言で、移住促進の国民会議の話と、あとフォーラムの話がありましたが、国民会議のほうは、この配布資料の中にないんですけれども、総合戦略に書いてある移住促進の会議のことだと思うんですけれども、もう少しその詳細というか、どういった趣旨のもので、どういったことを狙ったものなのかということをお願いできますか。
(答)この国民会議というのは、名前をどういうふうにしようかというのはいろいろな議論があったのですが、地方でお暮らしいただくということについて、これはもう就任早々から申し上げていることですが、首都圏にお住まいになっている多くの方々が、年代層によって分かれますが、移住を希望しておられるということです。そして、地方に移住するということが、各自治体の努力もあって、着実にという言い方をしていいかどうかわからないけれども、少しずつ成果を上げてきているとは思っております。ただ、いわゆる政府の側や自治体の側だけでいろいろなことをやりましても、なお、この移住なるものを国民運動として展開をしていくためには、もう一工夫要るのではないかと思っております。
 このフォーラム、あるいは国民会議というのは、あくまで民主導でございますので、民間の方々のいろいろな知恵、取組を御披瀝をいただきながら、我々も気づかぬところはたくさんあるんだろうと思っております。実際に移住をされる方々がどういうような懸念をお持ちなのかということを、政府の中だけではなくて、あるいは議会の中だけではなくて、こういう国民会議を通じて広く大勢の方に共有をしていただき、政府として課題を取り除く知恵みたいなものもいただきたいと思っています。
 これは国民運動ですが、それを更に力強いものにしていくためには、もう少し工夫が必要かなという思いを持っておりまして、この事務的ないろいろな仕事は私どもでいたしますが、あくまで民間の方々のいろいろな御意見を承りながら、「ああ、そうだね。そうだね。」というような、そういうような運動になっていくために、これを一つの仕組みとして使えたらいいなと思います。
 ですから、どこかでそういうような会議をやって、それでおしまいということではなくて、国民会議ですから、東京だけではなくて国民会議があちらこちらに支部みたいな形でできていくということがあってもいいんじゃないだろうか。また、いろいろな世代の方が参加されてもいいんじゃないか。いわゆる、これが広がっていくためにはどうしたらいいんだろうということを考えていきたいと思います。ですから、会をやって、何だかいろいろな人がお話をして時間が過ぎていきましたということにするつもりはございませんので、ぜひ皆様方におかれても、取材をしていただいて、ここはこんな工夫が要るんじゃないか、ああいうふうにしたらいいんじゃないかという御指摘をいただければありがたいと思います。
(問)関連なんですが、地方移住を促進することは非常に重要だと思うんですけれども、一方で、難しいとは思うんですが、東京圏への人口流入を防ぐというのも同じぐらい取り組まなければならないことだと思うんですけれども、地方への移住はすごく表沙汰にされていると思うんですが、食い止めるという表現が適切かわからないですけれども、ここについては余り施策が見えてこないんですが、「総合戦略」の目標値を掲げられていますけれども、大臣、どのように進めていかれる考えですか。
(答)これは、先般運用を開始しました「RESAS」に基づいて、それぞれの自治体において、どの年代のどういう方々が転出しているのか、例えばこの間は奥能登の例を出しましたが、あれっと思ったのは、意外と金沢市で止まっている。東京に行く人はそんなに思ったほどは多くないということがありました。それぞれの自治体において、どういう年代のどういう方々が東京に行っているのか、あるいはその地域の近隣のいわゆる中核市みたいなところで止まっているのか。あるいは、例えば我々の中国地方で言えば岡山とか広島で止まっているのかというのをよく分析をしていただくという作業も私は必要なんだろうと思っております。
 一番多いのは、学生さんが18才になって東京に出てというのが一番多い。東京への流入という意味で言えばですね。あるいは、地方の大学を出て、あるいは地方の高等学校を出て東京に行くというのがその次になるんでしょうか。ですから、その一番最初の18才になって東京に来ますという方々に対しては、地方の大学で学び、そして地方において職を求めるということについて、例えば奨学金制度のいろいろな拡充等々のやり方があるだろうと。
 あるいは、広島なんかはそうなんですけれども、世界のトップ企業って一杯あるんですけれども、でも広島の子たちはそこに勤めないというのは一体なぜなんだろうかということ。私は東京への流入というものを別に全面的に否定するつもりはありませんし、東京に優秀な人材が集まるということも国家のために必要なことだと思っておりますが、ただ、地方において勤めていただくためにはどうしたらいいんだろうねというお話を、まさしく「RESAS」を使ってそれぞれの自治体がよく状況を把握をしていただいて、それに対する対応が何だろうねというお話をいただく。
 今御指摘のように、それが見えないとおっしゃいますが、それはまだ見えないのが当たり前で、出ていっちゃう側で実態を把握をし、どうしたらいいだろうかということを施策を講じていただく。それの効果が出るまでにもう少し時間がかかるのかなというふうに思っております。

(以上)