石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月17日

(平成27年4月17日(金) 9:05~9:21  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 私から三つほど申し上げます。
 まず、ふるさと名品に係る新たな表彰制度の提案について申し上げます。
 地方公共団体と民間事業者とが共同でふるさと名品の開発、販路開拓などに取り組んでおります「ふるさと名品開発促進協議会」がございますが、第2回会合を4月20日、来週の月曜日、執り行うことにいたしております。
 今回の協議会では、参加する民間事業者の方々から、「ふるさと名物オブザイヤー」というものを選出する「ニッポン甲子園」というものを春と夏の2回開催することが提案される予定であるというふうに伺っておるところでございます。なお、「ニッポン甲子園」の名称は更に要検討ではあります。
 この「ふるさと名品開発促進協議会」に集められた約20の事業者の方々が、最近3年間に売り出された商品や旅行の中から、将来の地域ブランドを担う有望な名品を選定し表彰するという提示だと承知をいたしております。
 詳細につきましては、今後の検討を待つ必要があると思いますが、これはまさしく地域が考えて独自のものを創出するという意味で極めて意義のある取組であります。私どもとしても、こういうようなものを支えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 もう一つは、前回お尋ねがございました鳥取県の平井知事などがやっておられます「日本創生のための将来世代応援知事同盟」であります。これの第1回のサミットを岡山県で5月23日開催するということでありますので、状況が許せば私も参りたいというふうに考えております。
 これにつきましては、東京一極集中の社会を変え、人口減少に立ち向かうトップランナーを目指す知事さん方が相図りまして地方創生のために行動するということが趣旨だというふうに理解をいたしております。
 この知事同盟自体につきましては来週月曜日の午後3時以降に都道府県会館にて立ち上げ式が開催されるということであります。状況が許せば参りたいというふうに考えております。
 最後に、既に御案内を申し上げているところでございますが、本日の17時30分より明治大学の駿河台キャンパスにおきまして、明治大学主催のマスコミ交流会が開催をされるということでありまして、小田切先生と対談をさせていただきます。冒頭私が少しお話しいたします。
 小田切先生の岩波新書の『農山村は消滅しない』という本は、増田さんの『地方消滅』に対するアンチテーゼみたいな捉え方をする向きもありますが、私が読んだ限りにおいて、決してそうではないと思っております。切り口は違いますけれども、とにかく今の状況を変えていかねばならない。そういう意識は共通いたしておりまして、ともすれば、二項対立とかそういうふうに捉える向きがございますが、決してそういうことはないと思っております。小田切先生は本当に地域をよく歩かれて実践的な活動をしておられる方だというふうに承知をいたしておりまして、そういうような会がございますので、御案内を申し上げます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)ちょっと冒頭の話とは違うんですが、政府機関の移転についてお聞きします。
 8月末までに道府県を対象に提案を募っているところかと思うんですが、自治体さんに聞きますと結構、まだ具体的にはなっていないところが多いんですが、前向きに、せっかくの機会なので真剣に考えて提案したいというところがほとんどだったんですけれども、8月末以降提案が出てきて、国としてどうするのかという、大まかな年度末までに決めるというスケジュールは出ていますが、選考プロセスが詳細なところはまだ示されていない段階だと思います。実際に国が絞るに当たっては、各省庁の間違いなく抵抗とかがあるかと思うんですが、どのように選考されていくかという点と、あと自治体から移転のメリット、デメリットだとかを説明してくださいというお願いもしているかと思いますが、数値で客観的に測るのもなかなか難しいと思うんですけども、最終的に政治的な決断が必要になる場面が絶対あると思うんですけども、その2点どのように実行していくか教えてください。
(答)今御指摘のように各自治体において真剣に検討がなされているというのは大変歓迎すべき状況だと思っております。やはり地域のニーズというものにかなっているかどうかは、霞が関が決めるというよりも、地域の御提案をいただきたい。それは地域に責任を転嫁するということで申し上げているのではなくて、それぞれの地域が真剣にそれぞれの地域の発展を考え、そして政府機関が地方に移転することによっても、そういうことがあっても東京にあるよりも同等以上の効果が現れるということを立証、という言い方は変ですが、そちらのほうのお考えをお示しいただきたいということであります。
 今までのように中央主導では、御指摘のようにいろいろな抵抗があってうまくいかないということでしたが、地域がそう言っておられるではないかということを我々として真剣に受け止める必要がある。この受け止め手は誰かといえば、それは政府全体、正確に申し上げれば、全閣僚がメンバーとなっておりますまち・ひと・しごと創生本部が受けるという形になります。それをそれぞれA省、B省、C省に持って帰って、さあ、どうなんだというと、それはかくかくしかじかで駄目でありますみたいなことになりがちなので、全閣僚が構成員である創生本部でそれを受けて各省庁に照会をし、そしてまた、それぞれの地域が一生懸命考えてこういうことだと言っているからには、それがそうではないというのであれば何故なのかという説明責任を今度は我々の側が負うわけでございます。これは法令上も含めましてきちんと詰めてまいります。その作業は今やっておりますが、どういう形で受け、どういう形でお返事するかということを示さないままに、それぞれが出してきました、いろいろやった結果駄目でしたということにならないようにしていかねばならないと思っております。結論は、今予断を持って申し上げるべきことではございません。
(問)新型交付金についてお伺いいたします。一昨日、石破大臣、テレビに出演された際に、新型交付金について質と量の両方を確保することが重要であるというようなお話をされましたけれども、これについて改めてお伺いしたいんですが、今既にある交付金よりも、より対象なり基準なりを絞ったメリハリのついたものにする一方で、その量といいますか、その財源の厳しさというものがある中で、そういう中での金額についてもそれなりの額を確保していきたいと、そういうお考えなのかどうか改めてお伺いします。
(答)まず、何のための新型交付金なのかという概念を明確にしたいと思っております。それぞれの地方公共団体において、今、「地方版総合戦略」の策定中であるわけですが、そこにおいてキー・パフォーマンス・インジケーター(KPI)というものを明確に設定をしてくださいということをお願いしております。そのものにもよるのですが、そのKPIを実現するためには、このような新型交付金の活用がぜひとも必要だというお話になってくるんだと思うんですね。それぞれのKPI実現のためには、それが縦割りでバラバラということでは効果がなかなか現れない。この新型交付金によって、横連携というものを確実なものにしていくとか、この新型交付金は何のためのものなのだということをクリアにしていかないとお話は進まない。新型の新型たる所以は何であるのかということでございます。それが明確になってきますと、こういうものが必要なのだ。そして、それぞれの自治体においてKPIを明確に設定をし、PDCAサイクルというものをワークをさせ、そして、あらゆる立場の方々が参画してこういうものができたのだ。よって、これを実現するためには、これだけのものが必要ですという立論の仕方になるのだと思っております。
 もちろん現実問題として、財源をどこに求めるかということはあるんですが、質と量というのはそういう意味で、まず何のためのものなのだということを政府部内で明確にする作業がまず要るのだろうと。新型交付金とは何のためのものだということが漠然としたままでは、「財源がないじゃないか以上。」というようなことになりかねないので、これがなぜ必要か、そして、それを必要とする環境がこのように醸成をされているということをお示しをして、概算要求、そしてまた暮れまでの予算編成に向かってまいりたいと思っております。質と量が相関関係にあるということを単純に申し上げているわけではございません。
(問)今日の午後、沖縄県知事と総理が初めて面会します。沖縄県は特区にも指定されていますし、地方創生のモデルケースとすべきだというような意見もあるかと思うんですけれども、この会談の受け止めをお願いいたします。
(答)それは率直に、知事と総理が会談をするというのは実にいいことだというふうに思っております。先般、官房長官が沖縄県に行き、翁長知事と面談をした。今回、総理との会談が初めて実現をするというのは、ごちゃごちゃ余計なことは考えずに、それはいいことだと思います。とにかく話をしないままに立場の違いが鮮明とか、溝埋まらずとか、そういうことばかり言っていても仕方がない。やはりまず会うということが大事だと思います。
 会談の内容がどのようになるか私は全く承知をいたしておりませんが、普天間基地の移設の問題、そして、移設の問題は単に安全保障のみならず、今米軍が使用しております土地というのは、商業的にも、あるいは誘客施設という面においても極めていいロケーションにあるわけであって、そういうものを有効活用していくことによって沖縄県が日本全体を牽引する時代というのが来ねばならない。安全保障の面と、沖縄県が今まで本土に追いつくんだということだったのが、やがて2025年、かなり例外的ですがそこまで沖縄県の人口は伸びるので、沖縄が日本を引っ張る時代というものを展望して広範なお話がなされる。そこにおいて特区の活用ということも、これはそこまで細かい話が出るかどうかはわかりませんが、私どもとしてはそういう位置づけをしておるところでございます。
(問)冒頭の発言にありました、「ふるさと名物オブザイヤー」の件ですけれども、この表彰制度を設けるメリットというか、仮に表彰されていい評価を得た自治体には何らかの国からの更なる後押しがあるとか、またホームページなどで国が発信したりとかそういうことで宣伝してもらえるのか、表彰された自治体に対してはどういったメリットがあるかというのはお願いできますか。
(答)これは取組自体は民間の取組でございますので、政府として予算面等々において支援をするということは当面考えておるものではございません。ただ、「ふるさと名物オブザイヤー」が明らかになるということによって、これを私どもとして紹介をするとかそういうことはやっていかねばならんだろうと。交付金について、それぞれの地域の特色が生かされていないではないか、バラマキではないか、効果が一時的にとどまるものではないか等というような御批判があるわけでございます。いや、そうではないと。こんなにすばらしいものを開発をしたのだということが世間に知れることによって、それじゃうちも頑張らなきゃというようなことになる。また、そこが広くこういうものがありますよということを世間に紹介することによって、それをやった方々が更に前向きな取組をするということが期待をされているわけであって、政府として特に予算的に、例えば賞金何百万円とかそういうことをやるつもりはございません。ただ、こういうものが広く紹介をされるということ、またそれによって、次の取組が更に有機的に広がっていくことを期待しておりまして、民間の取組であるということをよく認識した上で政府としてできる支援をしてまいりたいということでございます。

(以上)