石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月7日

(平成27年4月7日(火) 8:36~8:49  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 どうぞ、何かあれば。

2.質疑応答

(問)よろしくお願いします。新年度からふるさと納税が拡充されたということでお伺いしたいんですけれども、やはり高額な返礼品競争ということで、所管は総務省であって、総務省も自粛を求めるような通知は出しているんですけれども、今後もなかなかその使い道よりもお金の集め方というところで、その返礼品競争、過熱していくことが予想されるんですけれども、大臣として御見解、どう思っていらっしゃるのかを聞かせてください。
(答)いわゆるふるさと納税の性格は、納税ではないですよね。税金というのは行政のサービスに対する対価として、そのサービスに裨益(ひえき)する人たちが払うというのが税金ですから、これは納税という名前はついているけれど、寄付なのですということになっているわけです。
 そうすると、どこでもいいのだが、今住んでいるところではなくて、そのほかの魅力的なところに寄付をしますと。その寄付の場合に、その地域の住民税が控除されるゆえんは何であるかというと、例えばNPOなどに対して寄付をしますと、それが非常に立派な志を持って活動をしているので、それに賛同して寄付をします、そうであるならば控除しましょうと、こういう理屈の立て方になっているはずなのです。そうすると、例えば福岡市でやっているように、動物園の動物に餌をあげますということで、ああ、それだったらばその動物の餌に私、寄付したいなと、それで控除されると。次は福岡市立こども病院というのがあるのだそうで、お子さんが入院するわけだから、その御両親などが近くに1週間とか2週間とか、あるいはもっと長く滞在したいと。じゃ、そういうものを建てるのにお金が要るなと。そうであれば広くあまねく、そういう病気で苦しむ子供たち、そしてまたそれに一緒にいてあげたい親御さん、そういうものに対して寄付をしましょう、そうであれば控除しましょうと、こんな話になるわけですよね。
 だから、やはりその寄付税制本来の姿というのは、そこに賛同して、それに対して税制上の優遇を行うと。じゃあ、そこの取組とか、そんなことはどうでもよろしい、何かいいものもらえるからということであれば、本来の趣旨から少し外れるというのが理屈の世界ですよね。
 他方、それぞれの自治体でいろんなものがある、食べ物に限らず地域のすばらしい産品があると。でも、それをなかなか自治体の力では広く日本中に周知することができない。じゃあ、これを契機としてそういうものを広めようというのは、自治体として当然持つ動機なのであって、それはこの税制の趣旨に合わないから駄目だと、こう切って捨てるのもいかがなものかと。
 この相克というか、そういう中にこのふるさと納税というのはあるので、だからこそ総務省は余りに過度なもの、換金性の高いもの、そういうものは抑えてくださいということを言っている。片方にこの税制の趣旨があり、そしてもう片方にそういう地方の実情がありということで、極めて難しい話なんだと思っております。
 ただ、都会の自治体も、今日も朝のNHKで放送された墨田区の江戸切子みたいなものを提供しようということでね。だから単純に都会のいろいろな本来納められるべき税金が地方にいっちゃうのだということではなくて、やはりそれぞれの自治体の創意工夫というものが競われるのだということもございましょう。
 あるいは、不交付団体はともかくとして、交付税を交付されていたところは、税金が入らなくて丸々損をしちゃうということではなくて、その分の75%は交付税で手当てをされるということになるから、都会が丸損しちゃうという話にもならない。都会だから、地方だからということではなく、都会においてもそういういろんな、返礼品と言うと言い方が何だが、そういうものを工夫することによって、単に都会から地方へとお金が移るというだけのものではないということだと思っています。
 そうは言ってみても、この納税の趣旨は、とかそういう話を、一般の、こういうものいいなと思ってそういう寄付をされる方々に対して、そもそもの趣旨はですねと言っても、やっぱり違和感はあるんだろうと思います。
 だから、この制度を運営する側として、そういうものだということをよく、そのふるさと納税という制度を作った総務省におかれては、そういうことを認識の上運営をされるべきだし、私たちとしてはそのふるさと納税と称する寄付制度はあくまでインセンティブなのであって、この制度を使って地方の創意工夫というものがより発現をされて、それによって例えば北海道の上士幌町なら上士幌町でいいんですが、そこにこんなものがあるねと、そうであればこれを御縁に行ってみようか。行ってみて、もっと進化形になれば、こんないいところだったらばひと夏滞在してみようか。もっと進化すると、住んでみようかみたいなことで、やっぱりこう、ふるさと納税なるものが一つのきっかけであって、そこから先に地方が活性化するということになれば、私どもとしては大変にありがたいことだという、何か、分かったような分からないような話ですけれど、この話はそもそも、そういうことなのです。
(問)先日、国家戦略特区法改正案が出ましたけれども、徐々に進みだしていますが、現在選ばれている沖縄県なんですけれども、なかなか区域会議一度開いた限りで、その後進んでいない状況がありますけれども、大臣、この状況を考えていらっしゃるのかと、あと、その選ばれていながらなかなか進まないということに対しては、今後どのように進めるべきだと大臣はお考えになりますか。
(答)これはですね、平副大臣が沖縄担当の副大臣でもあるので、時々この件についてお話をするのですが、例えば、道路上に標識を立ててはいけないと法律で決まっている。だけれども、そこに特例として日本語あるいは英語、中国語の表記で標識を立てるとかいう、例えて言えばそういう特例があるわけですよね。
 やはり沖縄の振興というのはもちろん図らねばならない。沖縄は、日本全国で唯一、2025年まで人口が増え続けるところでありますと。あるいは、成長著しいアジアに距離的に非常に近いのでありますと。これから米軍の用地、これは非常にいい場所にあるので、そういうところが返還されると。そうすると、いい場所にいい土地が提供されるということもあって、日本のほかの地域にはない、いろんないい状況があると。
 さすれば、その沖縄の発展はもとより、私は沖縄に行くたびにそういう演説をしているのですが、今までは沖縄が本土に近づくということだったのが、これから先、沖縄の方々の努力があって、あるいは政府の支援もあって、沖縄が日本を引っ張ると、そういう時代であってほしいなということであります。
 そうすると、この特区というのは国全体というものを視野に入れた特区でありますので、私どもとしてやはり沖縄に対して、これから先、沖縄にもっともっと大勢の人が来る。特に沖縄の場合には、あそこの経済の一つの問題は第2次産業というものが経済全体の構成の中でウエートが小さいというところがあるんですけれど、そこは大分上昇の基調にあります。だとすればその多くを占める第3次産業、観光等々にさらなるパワーアップをお願いしたいということなので、沖縄がいろんな事情があってなかなか進まないのかもしれませんが、政府として、沖縄に対して、せっかく特区に指定をしているわけだから、これを十分活用してくださいというお願いはしていかなければいけないことだと思います。
 ですから、我々としては、日本全体のために沖縄が更に発展をする、日本全体を牽引していくような状況に、やがて将来なればいいなという思いも込めて沖縄とは今後丁寧にお話しをし、その特区の効果が最大限発揮できるようにお願いしたいと思っております。

(以上)