石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年12月26日

(平成26年12月26日(金) 11:15~11:31  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 お待たせいたしました。
 改めまして陛下の御認証を賜り、国務大臣の任に就くことになり、また総理からは、地方創生担当を拝命したところであります。引き続きお世話になります。
 閣議前に「第4回まち・ひと、しごと創生会議」を開催したわけでありますが、「長期ビジョン」、「総合戦略」について短い期間に濃密な議論を行い、私としては本当に充実したものができたという感慨を持っているところであります。
 この取りまとめに当たりましては、有識者の方々あるいは関係各省庁、そして事務局、本当に大変なお力をいただいたということで誠にありがたいと思っております。ただ、これができて、はい、おしまいという話でも何でもないのであって、今までと全く違うやり方になるわけであります。まだその認識というものが広範に行き届いているとは思えないのであって、これをどうやって全ての自治体や国民それぞれの方々に御理解をいただくか、これから更なる努力は必要だということはよく認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、今日に至るまでの全ての関わってくださった方々に心から厚く御礼を申し上げるものであります。
 本日の会議を踏まえまして、明日、「まち・ひと・しごと創生本部」で取りまとめを行い、閣議決定を行うと、こういう運びかと存じます。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)大臣再任に当たりまして、安倍総理からは改めて何か御指示等は受けられたんでしょうか。
(答)ございません。
(問)「総合戦略」もいよいよ大詰めですけれども、自治体の取組についてお伺いしたいんですが、一つは、交付金等とありますけれども、交付金の交付に当たっては、その決定プロセスをどのように公平を期すか、例えば透明性を確保するかですとか、運用に当たっては、第三者がチェックできるような仕組みになるのか、大臣、どのようにお考えですか。
(答)公平性、公正性、透明性の確保というものは必要だと思っております。どういうようにしてそれを担保するかというのは、これからの議論になりますが、なぜこういうことになったのかということは、私どもの責任として、できるだけわかるようにしたいと思います。公平・公正ということと透明性の確保が極めて重要であるという認識を強く持っております。
(問)「総合戦略」については、かねてから事後検証、成果の検証というのが大事だとずっとおっしゃっていますけれども、その検証の仕組みを、この政府の中でどのように構築していくのか、既存のシステムを使うのか、あるいは新しいシステムをこれから考えていくのか。それともう一つ、「地方版総合戦略」をつくる自治体に対しては、その事後検証というのを議会、それから第三者機関のところでよくよく検討してもらいたいというのをこの間おっしゃっていましたけれども、政府の中にも第三者機関的なものをつくるような考えがあるのかどうか、この2点をお願いします。
(答)まだ構想段階なので確たることは申し上げられませんが、自治体に対してそういうことをお願いしておって、政府のほうはそういうことがございませんよということでは均衡を失すると思っております。例えば有識者会議というのもございますが、どういう形で、政府の中だけで完結をしないような仕組みをつくるかということは極めて重要なことだと思っております。もちろん議会は当然委員会というものも立ち上がるわけでございます。今回の特別国会、また常会においてもそういうことがあろうかと思いますが、議会においては委員会においていろいろな御議論があるということだと思います。
 私どもとしても、可能な限り議会のチェックというものがいただけるべく努力をしていかねばなりません。それは政府と議会とのこれからのお話し合いということになろうかと思いますが、第三者機関的なものをどういう形でつくるかということは、先程の御質問とも関連しますが、公平、公正、透明ということを期すために、考えていかねばならないと思っております。
(問)今回の地方創生の考え方で、地方の自主性を重んじるという点で、地方分権の話と非常に親和性のある話だと思うんですが、「総合戦略」の中では、真正面から地方分権の記述があるというわけでもないと思うんですけれども、今後の、地方分権と「総合戦略」の関係ですとか今後の考え方についてお話しいただければと思います。
(答)地方分権については、今、分権について議論を進めているところであって、まだその結論が出ない前に、国会の御審議も経ない前に、全てここに書き込むということはしなかったものでございますが、当然、政府として、地方分権というものを積極的に進めていくという姿勢に変わりはございません。一方において、そこはまだ今議論の途上にあるということでございます。
 また、かねてから申し上げておりますように、地方分権なるものは財源、権限というものをなるたけ地方に移譲するということであります。今回の「総合戦略」の中での地方の自主性というものを極めて重視するという記述をいたしました。それは、地方分権というのは、それだけ責任を伴うということでございますから、例えば、KPIを設定し、そしてまたPDCAサイクルを機能させるということは、まさしく地方分権の本質、責任に係る部分であろうかと思っております。政府として地方分権を捨象(しゃしょう)している、忘却しているわけではなくて、まさしく地方分権とはかくあるべしということを含意として盛り込んでいるものだと御理解いただきたいと存じます。
(問)「総合戦略」についてなんですが、作成に当たって、各省の縦割りの排除というのが非常に重要なポイントだと思うんですが、この出来上がっている「総合戦略」の案を見ると、田舎で働き隊とか、わかりやすく名称が統合されたものだとか、制度が統合されたものというのは見受けられるんですが、大臣、全体を見て、この縦割り排除というのは、今回、成果として出せたかどうか、どのようにお考えになりますでしょうか。
(答)それは類似の事業はなるたけ統合するということを方針といたしておりますので、今御指摘の田舎で働き隊との統合等々、類似の事業はなるべく統合するということでございます。これは縦割りの排除といっても、それぞれの省庁が設置法に基づいて設置をされているわけでございます。そしてまた、それに基づきまして各省は施策を行っているわけであって、そういう現実があって、縦割りの排除ということを考えたときに、やはり類似の事業を統合するという形でやっていきたい。あるいはそれぞれの省庁の許認可を受けるのにばらばらであっては、これは地方の負担たるや大変なものがありますので、なるべくワンストップでやっていくという、まず地方の負担を減らしていく。縦割りというものを排除するというのは、そのこと自体が目的なのではなくて、どうやって地方のいろいろな負担を減らしていくかということに主眼を置いて現在考えているものでございます。
(問)地方創生の観点からお聞きしたいんですけども、2016年6月に日本でサミットが開催されます。来年の春までには政府が候補地を決めるということで、現在、広島市とか神戸市とか7市町が名乗りを上げています。地方創生の観点から、地方で開催する意義、今まで東京の開催が多いんですけども、地方で開催する意義をどうお考えになっているかということと、もし、その際、警備面とかいろいろ問題点もあると思いますが、何かポイントというか、どういうものを考えていらっしゃるか、大臣の御所見をお伺いします。
(答)これは政府として決めることなので、一閣僚として、あれこれいうことがあまりふさわしくないというのはよく御承知の上での御質問かと存じます。
 地方で開催することが地方創生につながる、だからサミットを地方で開催するという考え方は、ちょっと違うのかなという気はしております。例えば、小渕総理、森総理のときに沖縄ということは非常に大きな意味がありました。あるいは環境というものを大きなテーマとした福田康夫内閣のときの洞爺湖サミットというのも、あそこでやることに大きな意義があったと思っております。ですので内閣として何を重点のテーマとし、それにふさわしい地域をどう選ぶかということは、これから多くの議論があって、地方創生などでというようなお話にはなかなかなりにくいかなと思ったりしております。
 私、洞爺湖サミットのときに防衛大臣でございましたが、警備というものについては、本当にものすごい時間をかけ、ものすごいオペレーションというものをいろいろと立案をし、そしてまた法的な整理も行っております。私はサミットの期間中ずっと、防衛省の隣のグランドヒル市ヶ谷といいますが、あそこに泊り込んでおりましたが、やはり警備というものが極めて重要な意味を持つということは、まずサミットを行うに当たって最大の眼目とされるものだということは、次回、日本で行うサミットにおいても同様でございます。ですから、今いろいろなところが、7市町村ですか、誘致に向けて活動しておるということは承知しておりますが、それぞれ警備の面においてどうなのかということも政府において十分に検討され、万全を期するものだと考えております。
(問)大臣、この1年を振り返られて、前半戦、幹事長として党にいらっしゃって、その後、内閣に入られたわけですけれども、この一年、大臣として振り返られてどうかというのと、あと、今年は最後選挙まであった一年でした。大臣、幹事長の立場あるいは閣僚の立場として、安倍さんをずっと御覧になってきたわけですけども、安倍総理のこの一年をどう評価されますか。
(答)幹事長であれ、あるいは閣僚であれ、お国のためにというか国家のために、そして次の時代のために自分として最大限のことができるか、そして、それを自分のいろいろな欲得というものがどれだけ捨象(しゃしょう)できるかということだと思っております。そういう点から考えて、いろいろな御指摘はあろうかと思いますが、この一年、幹事長あるいは閣僚という立場ではございましたが、大勢の方の助けをいただいて、自分としてできる限りのことはやったという、そういうような考えは持っておるところでございます。
 また、総理におかれては、いわゆる政治主導、正しい意味での政治主導、それは政治の暴走ではなくて、広く国民の意見に対した上で政治へのイニシアチブをとるということを心がけてこられたのではないかと思っております。
 先の総選挙について、これまたいろいろな御見解はあろうかと思いますが、政治主導というものを行うに当たって、常に主権者たる国民の意思というもの、あるいは政権・与党も主権者の付託を得て政権・与党を構成しているわけでありますから、そこにおけるいろいろな考えというものによく配慮してきたのではないかというふうに思っております。
 物事はやはりスピード感というものが大事でありまして、スピード感というものをかなり重視した政権運営ではなかったかと、そこにおいては国民の意思というものを常に体現する、反映する、そういうような配慮があったのではないかと思います。

(以上)