有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年7月14日

(平成27年7月14日(火) 9:06~9:23  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆様おはようございます。冒頭、国家公務員制度担当として御報告いたします。
 今月、7月1日からスタートいたしました国家公務員の「ゆう活」について、初日の実施状況を御報告いたします。
 本府省等内部部局の職員約4万人のうち、5割強の約2万人が、いつもより1~2時間早く7月1日に早朝出勤をしました。そのうちの約65%の職員の方々が16時台や17時台に定時退庁をしています。
 また、職員約4万人のうち9割弱が夜8時、20時までに退庁しています。「ゆう活」実施前の6月24日、ちょうど1週間前と比較すると、20時までに退庁できなかった職員が約6割減少した計算になります。
 各府省等においては、政務三役や事務次官始め幹部職員の見回り、また勤務終了時間を見える化するポップの導入、これは内閣人事局からお借りしてきたものですけれども、皆さん「朝方勤務実施中 4時15分に退庁します」というポップをパソコン、ノートパソコンの脇に貼っておられたり、あるいはなかなか国会などで遅い時間になると、だんだん色がレッドカードに近づいてくるのですけれども、「今日は定時退庁します」から「7時に帰ります」「8時に」「9時に」「10時までに退庁します」「残念ながら10時以降に退庁します」ということなのですけれども、それぞれの帰る時間を見える化していく努力をしていらっしゃる部署も、私自身が見回りをさせていただいたときに確認をしています。
 啓発のポスターや様々な工夫によって、それぞれの部署、また個々人においても積極的に定時退庁を実施するよう、早期の退庁を実施するよう促してもいますし、また努めていらっしゃる職員の姿がここかしこに見られることは、いいスタートだなと思っております。
 御案内のとおり「ゆう活」は、安倍内閣が重要で取り組みたいと思っている長時間労働の是正を始めとする働き方改革の一環です。家族との時間を楽しむ、あるいは自己研さんを積む、あるいは大切な時間、英気を養うということなどを目指しています。当然、来年以降も持続可能な取組となるかどうかを注視していますので、国会会期中ではありますけれども、楽しくかつ実効性のある取組となるように祈っておりますし、期待もいたしております。
 このように「ゆう活」が始まっての7月1日の御報告をさせていただきました。私の方からは以上でございます。ほかに御質問があれば、心してお受けいたします。

2.質疑応答

(問)読売の上村です。おはようございます。
 実際、「ゆう活」について霞が関の職員の方々にお話を伺ってみると、外務・防衛両省などは安保法制の関係で審議への御対応に追われて、なかなか早く帰れないとか、あと参議院の議院運営委員会でも、若干、農水省の対応に疑問があるというような声が出たというふうに伺っております。
 国会議員の先生の中には、やはり立法府がなぜ行政府の都合に合わせなければいけないのかとか、なかなか理解が進んでいないようなのですが、大臣の方から国対(国会対策委員会)の方に何か働きかけをされるという御予定はありますでしょうか
(答)大事な御指摘、現実的な御指摘だと思います。そもそもの長時間労働の是正に関しては、少子化対策担当大臣として、また女性活躍担当大臣として、幾度となく与野党の関係の方々にお話もしてきましたし、答弁でも国会対応で非常に負荷がかかっているということは、臆せず申し上げてきたつもりでございます。
 今回の「ゆう活」一般に関しては、両官房副長官から要所要所で政党や与野党の先生方に「ゆう活」をさせていただくに当たっての御報告、御挨拶が行っていると理解いたしております。
 御指摘のように、今、安全法制を国会で審議している中で外務、防衛は相当負荷がかかっていると思いますので、どのくらいの負荷がそれぞれの省庁でかかっているのか、例えば26時、27時といった時間帯なっているのか、見える化していくことも大事なことだと思います。
 同時に、立法府がどうして行政の、という御指摘があるのも事実でございます。そもそも国民の代表として立法府に身を置いていらっしゃる議員の方々、与野党問わず、その方々が国民の声を代弁して質問に立たれる、答弁を待たれる、政府を正されるというのは当然のことでございまして、その質問権という権能を最大限尊重した上で、ただ、持続可能な社会を目指していけば長時間労働、あるいは超過勤務が常態化している霞が関で、やはり質問は前々日の夕方6時までに出していただくと、本当に有り難いということを、率直に公務員の皆さんからも聞いていますので、そこは与野党挙げて尊重していただけると、私たちにとって大事な国家公務員、あるいは行政官の健康や持続可能な勤務が守られるのではないかと思っております。
 聞くところによりますと、質問をする当日となる12時過ぎて初めて第一報が出るというところも、そう昔ではない、現在もそういう方もいらっしゃいます。基本的には一人でも最初の通告が遅ければ、全員が残っていなければいけない。全員の通告が出てくるまで、うちが解除になるのか、解除にならないのか、ということで、スタンバイしておかなければいけないという現状を考えますと、これは与野党の取組というよりは、みんなで持続可能な働き方を追求し、実現をしていくという、実のある取組につなげていきたいなと思います。
 もとより、くどいようですが、国会の質問権は最大限尊重しようということは明確に申し上げておりますし、急遽、質疑がセットされる場合に対して、不満や、あるいは泣き寝入りというような言葉を聞いたことは、私は国家公務員の皆さんからも一度もありませんので、そこは皆さん、やはり国権の最高機関としての立法府に大変敬意を持ちながら、仕事をしておられるという現状も御報告させていただければと思います。
(問)時事通信の樋口です。おはようございます。
 「ゆう活」についてお伺いします。今回、早期出勤実施者のうち、65%が定時退庁したということでございますが、この数字について、原則定時退庁というようなことをおっしゃる中で、多いと感じていらっしゃるのか、少ないと感じていらっしゃるのか、大臣の率直な感想を聞かせてください。
(答)分かりました。まず今申し上げたのが、最初、7月1日初日の集計であるということで報告を受けたときに、かなりいい数字が出ているなと私自身思いました。やはり私自身、明確に大臣として申し上げてきたことは、数値が信憑性のあるものでなければならないということです。数値を良くしようという、よもやの改ざんが絶対あってはならないということは、明確に申し上げてきましたので、その信憑性のある数字として16時台17時台に帰る人たちが65%ということは、非常に高いなと思いました。
 また約4万人の職員の方の9割弱が20時までに退庁したということも、思った以上に皆さんが、「初日は絶対に」、「終わり良ければ」だけではなくて「始め良ければ」という、初日が肝心ですからということをかなり酸っぱく言ったので、初日に力が入ったなと、有り難かったなと思っています。
 ただ、やはりその数値に信憑性があること、また持続可能性も大事な観点だと思っております。つまり初日だけではなくて、今後も続ける仕組みになっているかどうか。「帰ります」と言って帰りやすい雰囲気を作っていけるかどうか。その中で「ゆう活」の味を占めた皆さんが、7月8月という「ゆう活」の期間を終えても早く帰ろうというふうに、お互いに励まし合って、限られた時間で成果を出すという働き方スタイルを維持していただきたいなと思います。
 そのためには、楽しんで「ゆう活」を活用すること、メリットをそれぞれが実感できることも極めて大事だと思います。
 来年につなげられるかどうかということは、メリット、それから実務上の課題であるデメリットも、私たちは虚心坦懐、耳を傾けて見ていきたいと思っていますので、いろいろな現場の声をお聞きしながら改善あるいは持続可能性に向けて手を入れていきたいと思っております。
(問)毎日新聞の山田です。
 続いて「ゆう活」の話なのですけれども、国家公務員の方々でやられるのは、象徴的な意味合いがあるかと思うのですが、この取組を民間企業まで広げるために、今後どのような方策を打っていかれるのか、お考えをお聞かせください。
(答)基本的に民間企業の方々がどのように仕事を進められるのか、どのように社員の方々を評価するのか、というのは民間の意思、経営判断によるものと考えますが、有り難いことに、この「ゆう活」をやると政府が安倍総理のリーダーシップの下で発表してから、政府がやるのであれば我も続かんと試行してくださっている、あるいはこの数年、早朝勤務を奨励している企業の方々が、報道などでも多く露出していることは大変勇気付けられることでございます。
 やはり先ほど申し上げたように、一人一人が家庭と向き合ったり、自己研さんをしたり、健康のための手入れをしたりと、メリットを実感していただいて、そしてそれが長時間勤務の是正や、あるいは企業業績の改善につながるという、その公益、公的なメリットにもつなげていくというところに、経営判断なり経営手腕を活かしていただきたい。私たちもその意思に負けないように実効性を霞が関で高めていきたいと思っております。
 同時に、例えば保育園の開所時間、あるいはファミリーマネジメント、あるいは地方の公務員の方々で、やはり市民、国民にサービスをしなければいけないというのは、なかなか時間が変わらないというところもありますから、そのサービスの質を下げるということを私たちは是としていませんので、そういう意味では「ゆう活」を全員で始められるわけではないということ、参加できない、したくてもできない方々もいらっしゃるということも考えながら、全体としての前進を図ってまいりたいと思っております。
(問)日経新聞の甲原です。おはようございます。
 話題、全然違うのですけれども、参院の方で選挙制度改革が今、議論がされていると思います。大臣、参議院議員の御一員として、今の議論にどういう御感想を持っているか。自民党は四つの選挙区で合区をして、ということですけれども、公明党との議論の差というのもあるようですが、今の議論の御所見など。
(答)分かりました。参議院自民党で、幹事長も国対委員長も私の同期でございます。交渉の前線に当たっている仲間が、今後の日本ということ、そして参議院の存在意義ということ、それから地域の声を代弁するという大事な使命、それから各政党との兼ね合い、それから最終的には数で議決をするわけですから、その多数派をどうやって折り合って作り上げていくかということを、何か月も本当に厳しい議論の中で向き合ってきているわけでございますので、一人でも多くの賛同が得られるような、そういう交渉を丁寧に作り上げていただきたいなという思いで、よく頑張っておられるなと同僚としては感じておりますが、最後はやはり結論を出していく、歯を食いしばって進むべき道を切り開いていく、その方向性を明示するというのが政治家の使命でございますから、もう少し頑張っていただくことを、やはり閣僚の一人として、また同僚の一人として、その動きを固唾をのんで見守っていきたいと思っております。

(以上)