有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年5月26日

(平成27年5月26日(火) 9:28~9:46  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆様、おはようございます。
 共生社会政策担当の大臣として御報告をいたします。
 今朝の閣議において、「交通安全白書」を閣議決定いたしました。45回目となる今回の白書においては、昨年の道路交通事故死者数が14年連続で減少したこと、また、昭和45年のピーク時1万6,765人の約4分の1にまで事故死者数が減り昨年末現在4,113人になったこと、その一方で、近年は、全体の死者数の減少幅が縮小しており、その背景として、高齢者人口の増加、またシートベルト着用者率の頭打ち、飲酒運転による交通事故の下げ止まり等の要因があることを白書で挙げております。また、道路、鉄道、海上、航空の各分野において各府省が昨年度講じた交通安全施策、また本年度に講じようとする施策の他に、最近の具体的な事例として、被災地である岩手県大船渡市での「交通ボランティア活動」、また国土交通省が昨年度から開始、公表している自動車の衝突を回避する技術の評価結果を示す「予防安全性能アセスメント」、また内閣府が本年2月に開催しました「交通事故で家族を亡くした子供の支援に関するシンポジウム」等のトピックスを白書で紹介しています。
 交通事故の防止は、国を挙げて引き続き取り組むべき重要な課題です。是非、多くの方々にこの白書を手に取っていただいて、交通安全に関する理解と関心を深めていただきたいと考えております。詳細につきましては、内閣府共生社会政策担当までお問合せをいただきたいと思います。
 1点目は以上です。
 次に、女性活躍担当の大臣として御報告をいたします。
 お手元にお配りした概要のとおり、「暮らしの質」向上プロジェクトの一環として開催をしておりました「暮らしの質」向上検討会において、昨日、有識者の先生方から提言を取りまとめ、また手渡しをしていただきました。
 提言では、女性が暮らしやすくなる空間づくりなど、様々な事柄を取り上げていただいています。とりわけ、トイレ、お手洗いに係る取組については、暮らしやすい空間の象徴として、例えば成長戦略や国際貢献、まちづくり、地方創生、防災・減災の視点など多角的な観点からの具体的な提言をいただいております。このことに関しては、これまで私自身、全ての閣僚の皆様に個別に面談をし、トイレに係る取組について御指南をいただき、また関係省庁の関係部門についての御協力をお願いしてまいりました。本日の閣僚懇談会においても、検討会の提言を踏まえて、改めて閣僚の皆様に本プロジェクトへの協力をお願いした次第です。私の閣僚懇での発言の後、防災担当の山谷大臣、高市総務大臣、地方創生担当の石破大臣からも、このプロジェクトに協力する旨の御発言がございました。今後、本提言を踏まえて、6月中をめどに政府で取り組むべき施策を取りまとめることとしております。
 また、お手元にありますとおり、日本で世界一のトイレ環境を作っていくための取組が広く普及するように、優れたトイレ空間、あるいはその維持活動をしていらっしゃる取組の表彰を行いたいと考えております。
 詳細は、内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室までお問合せをいただければと思っております。
 以上が2点目です。
 次に、3点目の御報告をいたします。少子化対策担当としての御報告です。
 先週23日土曜日、「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットinおかやま」に石破大臣と共に出席をさせていただきました。岡山市です。
 「知事同盟」を組まれている12知事のうちの8知事が御出席をされ、岡山市に一堂に会し、地方・現場の立場から若者世代の希望がかなう環境づくりについて、大変熱心な意見交換が行われました。私も、挨拶のみならずパネリストの一人としてシンポジウムにも参加いたしました。
 国としても、本年3月に、新たな少子化社会対策大綱を策定いたしましたけれども、今回、「イクボス」を尊重する職場・企業文化の醸成、特に、この間出された「おかやま声明」では、知事が異口同音に「イクボス」になることを宣言し、県庁から、男女が共に働きやすい社会の実現を目指して変えるということを高らかに宣言されておられます。そして、若い年齢での結婚・出産の希望が実現できる環境の整備、そして、3人目、4人目というふうに多くのお子さんを授かれる多子世帯への一層の配慮などを重点課題に位置付けていただきました。そして、知事同盟の声明にもこのような観点が盛り込まれており、少子化社会対策大綱をまとめた政府、国としても大変意を強くした次第でございます。
 今後とも、国と地方が一体となって、安心して子供を産み育てられる社会、そして、全ての子供たちが自らの可能性を信じて未来を切り拓いていく社会、男女共に働きやすい長時間労働の是正、男性の育児・家事への積極的な参画が普通にできる社会を目指して、知事同盟及び全国知事会とも連携して、この分野にドライブをかけていきたいと考えております。
 私の方からの冒頭の御報告は以上です。

2.質疑応答

(問) 共同通信の工藤です。おはようございます。
 日本トイレ大賞の募集についてお尋ねします。この応募は、スタートは今日からということでいいのでしょうか。
(答) はい。
(問) (共同通信・工藤記者)審査方法のところで、日本トイレ大賞審査委員会(仮称)となっていますが、これはほぼほぼこの名称ということでいいのかということと、「応募図書など」とありますが、この応募図書というのは一体どういうものなのか。あと、期待する応募の数、中身もさることながら、この大賞について、大臣御自身どういう期待を抱いていらっしゃるのかというのを教えてください。
(答) はい、分かりました。まず、お手洗いがテーマということにびっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たち一人一人、排泄をしない人間はいません。そういう意味で、命を長らえるために食物を摂取するということは、同時に排泄を毎日行うということにつながります。そして、お手洗い周りで、例えば急にお腹が痛くなったりして緊張を強いられる経験をしたことがないという人もいらっしゃらないのではないでしょうか。そういう意味では、みんなに関わりのある大変重要な暮らしの営みであるにもかかわらず、なかなか政策的に、社会的に日の目を見ることがなかった。そういう日々の暮らしを、東日本大震災も経験した私たちは、特別なイベントではなく、日々の暮らしを丁寧に見つめていこうという一環としてのトイレになっています。トイレは当然、国境も言語も経済力のあるなしも、宗教も超えて皆さん必要なものですから、それを真面目に考え、向き合っていこうという一環です。
 トイレ大賞の御質問がございましたが、世界中の方々が日本に来たときに称賛される日本のトイレは、再開発が進む都市部と、地域、地方の格差がある部分でもあります。そういう意味では、こうやって表彰制度を設けることによって、私たちの足元であるお手洗いに関心を高めてもらいたい、賞を出すことが目的ではなくて、私たちの暮らしを見つめることをより多くの方々と共有をしたいというのが本来の目的であります。そして、その審査方法について、日本トイレ大賞審査委員会は仮称ですが、今後、検討を急いですることになろうかと思います。
 そして、応募図書は何ぞやということですが、私自身が考えるところでは、応募書類と同意義だと思いますので、文書で応募していただくということではないかと思います。
 どのくらいの数かというのは、およそ私が理解している限り、行政がトイレということにこれだけ真剣に向き合うというのは今までなかったことでございます。表彰制度も初めてございますので、当然ながら、できるだけ多くの方々に応募いただいて、我が街の、我が都道府県の、我が学校のトイレに向き合っていただく、そういう老若男女の層を増やしていきたいと思っています。行列解消、また、特に男の子は小学校で大と小、個室か立ってかという違いで、個室に入ってしまうと一日中、同級生からからかわれるなど、いじめの温床になっている、そのために朝食を取らない、というお子たちもいるということが学校現場からの報告としてありました。そういう意味では、いじめをなくす、また、お手洗いでの心ない差別的発言、落書きもやめていく、そういう美しい日本の国民性を「おもてなし」として、オリンピック、パラリンピックに向けても、みんなで心地よい空間を作っていこう、それを大きく加速しようという一つの取組が表彰制度だと理解しております。
(問) 朝日新聞の畑山です。
 すみません、同じ暮らしの質の提言の中で、訪日外国人向けの魅力の発信で、国内の国際空港に日本の高機能トイレを整備していくということが提言が出されたと思うのですけれども、これは政府の政策としてまず盛り込むかどうかということもあると思うのですが、実際に進めるとして、これは省庁の連携もそうですが、民間への協力を呼びかけることも必要かと思うのですけども、そのあたりはどのように進めていきたいと考えておりますか。
(答) 今、御指摘いただきましたとおり、女性の活躍という枠だけではなくて、各省庁、共にお手洗いを始めとする暮らしの穏やかな、心地いい空間をつくっていただくための御協力、御理解は必須だと思っております。そのために、各省庁が関連する部分での大臣に個別に時間をいただいて御相談も進めてきました。これから成長戦略、骨太ということになっていきますけれども、予算にも反映する形にしていきたいと思っております。当然ながら、御指摘のように、民間の御協力、また地方自治体での関心、協力も得て、共に活動したいと思っています。
 女性活躍担当大臣としてのみならず、私も全国区で10年以上活動してきましたが、政治、行政で力がある、意思決定ができる方々は圧倒的に男性が多いという現状において、その方々が、地方で、当然ながら女性のトイレに行ったことがないということで、こんなに地方格差があるんだ、こんなに施設間格差があるんだ、しかも男女差がこんなにあるんだということを私自身、痛烈に感じてきたこともありましたので、有識者の方々の提言を受けて、特に、ここに関心を持って賛同してくださる民間の企業やNPO、あるいはそういう美化運動をされている方々などの御協力も気持ち良くいただけるような環境整備を私自身も進めていきたいと思っております。
(問) おはようございます。フジテレビ、和田でございます。
 ちょっととんちんかんな質問かもしれないのですが、このトイレ大賞なのですが、これは、よく読み込めば分かるのかもしれないのですが、応募資格者として、例えば、トイレの機器をつくっているメーカーなんかが応募してしまうということもあり得るのですか。
(答) ありがとうございます。これから審査委員会があるので、ちょっとまだそこまでできていないと思いますが、当然ながら、民間のトイレ、便器を作っていらっしゃる方々は、今までの議論の中では想定していないのではないでしょうか。当然、その方々は、ノウハウや、どこのトイレがきれいだという情報をお持ちだと思いますけれども、その方々に応募していただいたところで、それを拾っていくかを考えると、当然、民間に増やしたい、また地域に増やしたいということが主眼でございますから、彼らを直接意図しているわけではないということをこの時点で明確にさせていただきます。
(問) (フジテレビ・和田記者)そうしますと、分かりやすく言ってしまえば、日本のトイレって実は外人が感心するトイレの機器ですね、特に便器、いろいろ電動になっていたりみたいなことに注目して、「すげえもんだな」と言ってお買いになる外人の観光客もいるというような状況はあるのですが、例えば、女性に優しいトイレなんというのは、きっとこれからどんどん開発をされていくと思うのですが、このトイレ大賞については、そうしたトイレ機器を作っているメーカーなどは今のところ対象にはしていないという理解でよろしいのでしょうか。
(答) 審査方法などについては、その審査委員会がお決めになられることだとは思いますけれども、当然ながら、それを主眼に置いているわけではありません。トイレ業界の振興でやっているわけではございませんので、そこは審査委員会において、早急に、昨日提言をいただいたばかりでございますから、これからメンバーを組織して正確に詰めていかれるものだと思っております。

(以上)