有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月31日

(平成27年3月31日(火) 8:57~9:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 まず政策評価広報課より報告をさせていただきます。
 先週27日の閣議後記者会見において、フジテレビの和田記者より会見動画の一部を削除、配信した件について、御質問がございました。
 大臣からも適正な対応をするように指示がありましたので、事実関係をここで報告いたします。
 閣議後の記者会見の動画配信につきましては、原則公開として取扱いをしてはおります。しかしながら先週24日の動画配信については、記者の皆様から御了解を得られたと認識したため、一部のやりとりを削除することとしておりましたが、その後27日の閣議後記者会見の後に、和田記者さんと改めて話をさせていただいたところ、その了解が得られていなかったということが判明したことから、改めて削除した部分も含めて、掲載することといたしました。
 今後、適切な対応を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
 
  大臣発言
 
 皆様おはようございます。
 共生社会政策担当の大臣として御報告いたします。
 子供の貧困対策については、安倍総理の強い関心、またリーダーシップの下で、国民の幅広い理解と協力を得て、国民運動として展開したいと考えております。その一環として、このたび関係閣僚が集い、また各界からの発起人が一堂に会しまして、国民運動の展開に向けたキックオフとなる発起人集会を、明後日4月2日木曜日の17時35分から18時15分まで、官邸2階の大ホールにおいて開催いたします。
 発起人の名簿や式次第については、お手元にお配りしている資料のとおりですが、当日は、実際に学習支援を行っている大学生のボランティアからの取組を御紹介いただくほか、従業員63人中13名が母子家庭のお母さん、それも全員正社員として雇用している長野県の企業から、ひとり親家庭の就労支援活動について紹介していただくなど、実際の現場で様々な取組をされている実例も御紹介させていただく予定です。
 併せて、27年度以降、順次実施する予定の事業を盛り込んだ趣意書を、当日採択する予定でございます。
 詳細については、本日10時から共生社会政策担当が別途説明を行いたいと考えておりますので、そちらにお問い合わせいただければと考えております。
 これが1点です。
 2点目、行政改革担当の大臣として御報告いたします。
 先週、自民党行政改革推進本部無駄撲滅プロジェクトチームの河野太郎座長、また公明党行政改革推進本部公会計・行政評価委員会の若松謙維委員長が、それぞれ大臣室にお越しになり、行政事業レビューの改善に関し、関係の議員とともに御提言をいただきました。
 両党からは、行政事業レビューに対して、定量的な成果目標を徹底すること、その設定をしていただくことを徹底すること、また、レビューシートにおける「タグ付け」、これによって、大きな括りとして、それぞれの事業ごとに何が行われているかを大きなテーマのグループとして省庁横断的に見ることができるのですが、この「タグ付け」とデータベース機能を充実させて検索をしやすいようにすること、また、適切な成果目標としてのアウトカム、結果、その社会に何を残したのかという、より大きな概念であるアウトカムを記載することをしっかりと定義も含めて設定していくこと、そして、基金シート、今回、基金が大きな課題になっておりますけれども、その基金シートを活用することによって、基金の適正な管理をしていくのですが、そのレビューの対象となる基金の定義や解釈を明確にして、基金という名前がついていなくても基金のような機能を持っているものも行政改革の観点からしっかりと見ていくべしという貴重な御提言をいただきました。
 与党である両党からの御提言を重く受け止めまして、事業レビューの実施に向けた改善策に反映したいと考えております。その上で、本日夕方行われます官邸での行政改革推進会議にお諮りしたいと考えております。
 詳細については、行政改革推進本部事務局にお問い合わせいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問) NHKの霜越と申します。おはようございます。
 明日から「子ども・子育て支援新制度」が始まりますが、それについて大臣の御所見をお願いします。
(答) 明日から新年度が始まります。その新年度から御指摘の「子ども・子育て支援新制度」が始まります。そして子ども・子育てをバックアップするための新たな本部が立ち上がります。
 今まで、それぞれ別個に向き合ってきた厚生労働省の保育園、あるいは文部科学省の幼稚園、あるいは認定こども園、あるいはそれ以外にも、地域型保育など、それぞれの所管であったものを、全て内閣府が責任を持って公定価格をお示しし、2年かけて、何があるべき姿なのか、何がこれからを生きる子どもたちの安全と安心、そして保護者の安定につながるのかということを積極的に議論してきました。その上で、いよいよ実施のスタートラインに立つということで、緊張感を持って進めていくという最後のチェックをしているところでございます。
 同時に、なかなか保育士のなり手がいない、あるいは潜在保育士が保育園に戻っていただけない、幼児教育の場に戻っていただけないという現状がありますので、処遇改善も含めて、引き続き担当大臣として移行がうまくいくように願っておりますし、またアンテナを広げて、問題がないように見ていきたいと思っている次第でございます。
 今回消費税の引上げが延期される中で、本来難しかった子ども・子育て支援新制度に必要な5,127億円を確保して、質の向上と量の拡充、すなわち受け皿を確保し、保育、幼児教育の現場の質を上げるという、その両方を満たすことができたことは幸いなことだったと思います。最初のスタートは予算的にはグッドスタートを切れると思いますけれども、その中で出てくる課題や現実的問題をしっかりと拾い上げて、今後につなげていくためにも、4月1日から円滑なスタートを切りたいと思っている次第でございます。
(問) フジテレビの和田でございます。おはようございます。
 この問題は早く切り上げたいと思っているので、コンパクトで結構ですから、お答えをいただきたいと思います。お時間もないということですので。
 先ほどの動画配信の問題、事務方から説明がありましたが、先週、大臣は「事実関係を確認させていただいて、然るべき適切な対応をできるように指示をいたします」とおっしゃいました。そういう意味では、私は、大臣の判断を評価させていただきたいと思います、率直に。
 ただその上で、ここ一連の中で私は2点ばかり指摘をさせておいていただきたい点、しておかなければいけない点がありましたので、2点お答えください。
 私はこの問題、それから記者の取材に支障にならないようにという問題は、前にもちょっと触れましたが、前大臣の時にはこういう経験をしたことがなかったものですから、場合によっては大臣のリーダーシップであるとか監督の問題もあろうという思いから、会見で質問をさせていただいたわけであります。
 にもかかわらずここ1週間余りの間に、大臣おっしゃるところの事務レベルから、「そういう質問は会見でしないでくれ」ということが、毎日のように私に電話がありました。それは大臣の御指示でしょうか。
 まず簡単にで結構です。時間がないようですから。こんなことは事務方が答えないでください。
(答) 分かりました。御指摘、しっかりと受け止めました。私としては、和田さんから初めてお伺いして、事務方からは、そもそもこういう事前ブリーフの時間を何時にセットしたというのは全く聞いておりませんし、また動画を一部削除したということも聞いておりませんでした。
 そもそもは、広報課においてハンドルすべきことでありまして、いちいちそのことが大臣に上がってこないというのは、大変恐縮でございますが、組織が弛んでいるとか、あるいは大臣のリーダーシップが広報については欠けているというようなことではないと思いますが、そもそも、例えば都合が悪いからその動画を削除したというふうに見えることはよろしくないですし、また表現の自由ということを貴んでいかなければいけないという観点からは、お互いにとって、私たちが仕えるべき主権者たる国民にどのような情報を的確に、どのようなタイミングでお伝えしていくかということを、第一義的に大切な広報の本義というふうに思って、引き続きやっていきたいと思います。
 私の方からは、和田さんおっしゃるように、その応答も含めて、何ら問題がないので、出してもらうことが当然だと、そういうことで変に私に配慮する必要はないということも明確に申し上げました。そうなることというふうに思っております。
 もし可能でありましたら、皆様含めてお気付きの点は、広報課がしっかりとその職責を負いますので、そこにお伝えをいただきまして、私も率直に申し上げれば、広報課の皆さんに対する日々のコミュニケーション不足、これが問題だと、私が怒っているのは和田さんがとやかくおっしゃるというのではなくて、1回目ではなく、2回目、3回目の御指摘を受けているという、これを放置しておいたところこそが問題だということは、しっかりと部局に対して明確に叱責をし、またそれを正すような再発防止を彼らに言ってもらい、そして皆さんの安心をつくっていこうということで、その意思をお互いに確認をしております。
 相当の時間をかけて対応したいというふうに部局も思いますし、私も引き続き皆さんのお問合せに対しては、しっかりと政策内容で答えしたいというふうに思っておりますので、お互いが気持ちよく仕事を遂行できればありがたいというふうに思っております。
(問) 時間がないと言われて、叱られておりますので、コンパクトにお願いしたいと思うのですが、大臣の御指示ではないということは分かりました。
 ただ、電話の主は、これは官僚でありますから、官僚が会見でこういう質問をするなというようなことは、私はそんなことをこれっぽっちも関知しませんが、私は官僚の圧力だと思っております。こういうことはないように御指導いただきたいと思います。それが1点です。
 それから大臣は事務レベルと話せとよくおっしゃいます。これは私、大臣お忙しいですし、もっと大所高所の問題に取り組んでいただきたいという気持ちはあります。ただ、そこまでおっしゃるなら申し上げます。
 大臣恐らくおっしゃるとおり、事務レベルというのは広報課長であったり、あるいは秘書官であったりと思うのですが、広報課長、あなたは、武士の情けですが、どんな蛮行をしましたか。私に対して。私が言いますか、あなたが言いますか。いいです、私が言います。時間がないですから私が申します。
 私は、鈴木さん、事務レベルと話せとおっしゃるので鈴木さんと電話で真摯に話をさせていただいておりました。コンパクトに話します。そうしましたら私はその時点で広報課長とは何の面識もありません。名刺交換もしたこともありません。突然その広報課長が鈴木さんの電話をもぎ取って、私にガーガー、ガーガー、怒鳴りまくるわけです。こんな事務レベルとまともな話ができるでしょうか。
 それからもう一つ、秘書官、待ってください。秘書官、私はそもそも申し上げたのは、記者の取材に支障のないように会議等セットしていただきたいと、当たり前のお話をしたつもりであります。
 ところがある日の19時半、これは安倍総理も甘利さんも三顧の礼を尽くして就任していただいた岡議長の記者会見、規制改革会議議長の記者会見がセットされておりました。そこにあろうことか、大臣と、これそのものを否定するわけではありません。大臣と記者との懇談会を同じ時間帯に、これは大臣ではなくて秘書官だと思いますが、それは分かりません。セットしました。僕は、僕の名前を出していいということを、鈴木さんを通じて何と馬鹿なことをするのだと、岡さんに対して失礼ではないかと。和田の名前を出していいから俺が悪者になるから秘書官に言ってくれと、馬鹿だと言って、ようやくそのセッティングがとまったのであります。
 こんな秘書官を置いておいて、私が申し上げたような、会議が重ならないような努力というのはできるのでしょうか。つまり申し上げたいのは、こういう事務レベルと記者なんていうのは話をしておけばいいということなのでしょうか。大臣はそうおっしゃるので、あえて申し上げました。
(答) お互いに限られた時間でございます。総理にこれからお時間を1対1でいただいておりますので。
(問) 時間がなかったら、次でも結構です、その答えは。
(答) 真摯に受け止めさせていただきますが、私の信頼する広報課長も、鈴木さんも含めて至らざる点があったら、お詫びしたいと思いますが、彼らとて一生懸命やっているところもあります。大変恐縮でございますけれども、私も大変多くの仕事を抱えておりまして、毎週毎週が闘いでございます。どうか私の大臣としての仕事に専念できるようにお力を貸していただきたい、御理解をいただきたいというふうに思います。
 そのためにはやはり彼らに現場のことは処理させるというのは、私の判断でございます。引き続きしっかりと御意見を承って、適切にするようにということを、いま一度彼らにもしっかりと指示をいたします。
 以上です。
(問) 朝日新聞の畑山です。おはようございます。
 「子供の未来応援国民運動」なのですけれども、一部報道で、この中で民間の出資を募った基金をつくられるということなのですが、それについて趣旨などを伺えるとありがたいのですが。
(答) 今回の発起人集会ということでございますが、官民を挙げて子供の貧困の現実に目を向けて、そしてみんなでバックアップをしていこうということで、いろいろな立場の方々に御参集いただきます。
 そして、その基金でございますけれども、御指摘の報道の内容も含めまして、今後、それぞれ国民各層また各地域の方々も巻き込んで御協力をいただくということですので、その方向性については、発起人集会において採択される予定の趣意書において定めるため、現時点でのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 この発起人集会で趣意書が採択されたら、心して御報告させていただきたいと思います。

(以上)