有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月3日

(平成27年3月3日(火) 9:00~9:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨

 皆様おはようございます。

 少子化対策担当大臣として報告いたします。

 昨日、日本産科婦人科学会など9つの医療系学術団体から、「学校教育における健康教育の改善に関する御要望」をいただきました。

 我が国では、晩婚化、晩産化、あるいは非婚化が少子化の大きな要因になっています。今回、9つの学術団体が一堂に会して、少子化対策担当大臣に御要望いただくという初めての御要望でございましたが、医学的見地から、妊娠、出産に適した時期があること、また、おのずから年齢による妊娠する力に制約があること、加齢によるリスクがあることなどの認知不足という状況に対応していくために、性と生殖に関する正しい知識についての教育を行うことの重要性、必要性を明確に御指摘いただきました。

 こうした事実を、国民の皆さんが若い段階で理解した上で、その上で、個々人でライフデザインを描いていくこと、そしてそれぞれの結婚、妊娠、出産が尊重されることが大変重要だと考えております。

 現在、御案内のとおり、新しい少子化社会対策大綱の策定を進めている段階でございますが、その検討会においても同様の御指摘、御議論をいただいています。この点も受けまして、文部科学省始め関係省庁とも連携し、今後の発信方法について、検討を進めていきたいと考えております。

 詳細については、内閣府共生社会政策担当にお問い合わせいただきたいと思います。

 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)日経新聞の甲原です。おはようございます。
 先ほどの発言の中で、文部科学省始め関係省庁と連携し発信方法について検討していくと、ここをもうちょっと具体的に、例えばどういうような検討をされているのかとか、文科省、具体的に教育の面で、どういうふうに教育過程の中に入れていくかみたいな話だとも思うのですけれども、今、検討されている内容をもう少し具体的に伺えますでしょうか。
(答)おのずから性と生殖に関すること、また妊娠を脅かすという加齢が最大のリスクの一つであることということでございますから、保健体育の領域になろうかと思います。
 昨日も具体的な提案をいただいていたのは、中学・高校の保健体育ということになります。文部科学省も学習指導要領や副読本という、いろいろなアプローチがございますから、同時に少子化というのは10年後、20年後になればいいという話ではなくて、喫緊の課題、第2次ベビーブーマー世代のお子さんを産んでいただけるようにするかという最後のチャンスだとも思っておりますので、喫緊に手が打てる発信としてはどういうものかということを、文部科学省の教科書関係の方々、そして我が方の性と生殖あるいは少子化関連の、特に女性の体、男女の心身を尊重しようという性教育において、どのような発信ができるかということを、実際に膝を突き合わせて内容をもんでいくことになると思います。
 他に具体的にお伝えしたいことが幾つかございますけれども、先方の御都合もありますし、実際には日本産科婦人科学会などとやり遂げようと思って議論を進めているところもありますので、固まり次第、是非早く国民の皆さんにお伝えしたいと思っております。
 昨日興味深かったのは、今、保健体育では避妊と性感染症のことは教科書に書いて教えてもいるけれども、女性の閉経後の体の変化ということを全く教えていない、それは問題だという指摘もありましたし、そもそもこれだけ危機感を持って9つの医療系学術団体が集まるというのは、医学、医療だけでは何ともならない状況に、現在の日本が来ている。例えば不妊治療もそうなっている。ですから、そういう意味では、早い段階で現実、事実を知ってほしいという、やむにやまれぬ危機感からいらしたとおっしゃっていました。この会話からも、かなり詳細、具体的な話をしているとうかがい知っていただけると思います。
 そういう意味では、何を記述するかということまで、文部科学省とも、あるいは必要に応じて厚生労働省とも連携していくことになるのではないか。また結婚した夫婦が不妊治療を受ける頃になって、あるいは妊娠、授かれないかもしれないという頃になって教えるのでは遅過ぎるということで、かなり早い段階の若いカップルに対して、あるいは10代20代の女性に対しても、自らの心身の変化、ライフステージによる変化ということをお伝えするにはどのような段階で、どこでその情報をどのように国民の皆さんに伝えていくかということを戦略的に考えていく、そういう段階にあると思っています。
(問)フジテレビ、和田でございます。おはようございます。
 今の少子化の関連なのですが、大分細かい話も具体的に詰めておられるようなのですが、少子化対策の大綱に、細かな具体的なものまで入れていくという御発想なのか、あるいは大綱以外に、具体的なものを書き込んだようなものをお作りになるのか、この辺はいかがでしょうか。
(答)御指摘いただきましたとおり、少子化社会対策大綱の策定を現在進めております。そこには、担当の大臣として、痛くもかゆくもない、そのまま本棚にしまわれるような大綱というのは、この時期にある少子化対策としては不足、十分ではないだろうかということのスタンスを明確にしておりまして、多少、賛成反対、議論が万が一出たとしても、出ないように一生懸命、誠実にやっていきたいと思いますけれども、多少、日本が置かれている現実を鑑みれば、とがった意見が出てきても、それは封をしないでおこうということを考えております。
 先ほど冒頭に申し上げた、文科省との細かな具体策については、大綱でございますから、書き込むことはおのずから大まかなものになると思いますけれども、その骨子、特に結婚段階から支援をしていくということ、それから以前から、縷々(るる)お伝えしておりますけれども、多子世帯、一人だけではない、2人、3人、4人産みたいと思ってくださる方が増えるように、またそういう希望があるのであれば、それが叶うようにというような思想は、今、議論していただいておりますけれども、新しい視野として、視点として、大綱の本体に書き込んでいくことになろうと思っております。
(問)(フジテレビ・和田記者)それと毎度で申し訳ないのですが、また政治資金の問題なのですが、相変わらず連日のように新しい話が出てくるのですが、大騒ぎばかりしていてもしようがないので、これはどうなのでしょうか。それこそ補助金をもらっていますよとか、私は外国人ですよという札を下げて来てくれるわけではないので、なかなか難しい問題だと思うのですが、今のままの制度運用でいけるのかどうか。少なくとも運用ぐらいは改善しないと難しいのか、あるいは制度改革もしないと、なかなかこの政治資金、政治家の問題というのが片付かないのか、いかがでしょうか。
(答)まず与党及び私たち安倍内閣の閣僚が最重要なミッションとしてやり遂げなければならないのは、予算を一刻も早く届けて、暫定ありやなしやという御心配の心配度を下げて、地方にその予算を一刻も早く届けること、このミッションを少しでも近づけていけるかどうかということです。ミッションに適うかどうかということで、毎度毎度の言動を進めていかなければならないと思います。
 今朝の朝刊各紙でもいろいろな情報、指摘が新しくなされています。前回、和田さんの御質問にお答えさせていただきましたけれども、実際に寄附をいただく、一般論として申し上げれば、先様は当然に日本人だと思っているけれども日本人ではないということもある。当然、赤字が出ていないと思うけれども、ということもある。例えば私などは全国区ですから、なかなか先様のことを全部つかめるかという課題もあり、「あなたの政治姿勢に賛同したよ」という方で振り込んでいただくということになると、これは、現実の運用問題としてかなり難しいところがあるなということを、偽らざる実感として、前回、一般論として申し上げました。得てして私が申し上げたことが今朝の新聞で「やはり」という感じになっているわけですが、今は閣僚として御質問、御指摘を受けて立つ立場にありますので、とやかくということは強くは申し上げませんけれども、これだけ多くの与野党の議員が政治倫理を正したい、政治資金に関してはしっかりやりたいと思っているにも関わらず出ているという、そこに齟齬があるのであれば、国会での議論として何が適正な運用なのか、現実的にどこをどう改善すればいいのかという議論が出てきても不思議ではないなと思っております。

(以上)