有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年1月20日

(平成27年1月20日(火) 10:44~10:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S101会見室)

1.発言要旨

 皆様おはようございます。

 冒頭、国家公務員制度担当の大臣として御報告いたします。

 本日、午後1時から、大臣室横の会議室におきまして、各府省の女性幹部職員にお集まりいただいて、霞ヶ関女性幹部職員ミーティングを開催し、女性国家公務員の育成・登用と働き方の改革を進めるための率直な意見交換を行います。各府省の事務次官や局長、審議官等の女性幹部職員、これは以前御報告いたしましたが、指定職における女性の割合は2.8%、一般的に申し上げれば、ベリートップで頑張っている女性の職員の方々です。各府省横断的に、政府横断的に、20人以上が一堂に会して意見交換の場を持つということ自体が初めてのことでございます。

 様々な御労苦を乗り越えて、文字どおり第一線で活躍されていらっしゃる事務次官、局長、あるいは長官、審議官の幹部職員の皆さんは、後輩の女性職員の皆さんにとっても身近なロールモデルとなる存在、目標でもあると思います。それぞれのロールモデルが個々で各府省庁に一人、二人と点在する状況だけではなくて、点を点でつなげて線にし、またそれを面に広げていく、そして身近で見える形としてより大きな改善の声をあげていくことを、今回のミーティングで意図したいと思っております。

 御案内のとおり、女性の活躍推進は政府の最重要課題の一つであり、国家公務員につきましても、隗(かい)より始めよということで率先して取り組んでいけるよう、幹部職員の皆さんとワーク・ライフ・バランス、また女性の信憑性(しんぴょうせい)のある登用の実績を重ねていきたいと考えております。また後輩へのアドバイス、経験談やメッセージも今後発信をしていきたい、省庁横断的にやっていきたいと考えております。

 今日のミーティングは、加藤内閣人事局長・官房副長官とともに主宰させていただきますが、今回開催するミーティングのみならず、昨年には育児休業から復帰した女性の職員の皆さんを対象に、復帰前後のセミナーを初めて試行、実施をいたしました。私、担当大臣としても、また加藤人事局長も、その場に行かせていただいて、率直な意見交換の場に入らせていただきました。若手の女性の職員の皆さんとも、近いうちに私自身が意見交換の場を持つ予定でもございます。

 女性職員が働きやすく、また、活躍できるような、また、結果的にそれが男女問わず責任と誇りを持って働いていただけるような場へと改善していくために、これからも取り組んでいきたいと考えております。

 詳細につきましては、内閣官房内閣人事局にお問い合わせをいただきたいと思います。

 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)日経新聞の甲原です。今の、幹部職員のミーティングなのですけれども、もうちょっと具体的にどんなことを意見交換されたいのかというところについて教えていただけますでしょうか。
(答)基本的には、各府省横断的に初めての会をさせていただくということで、顔合わせというところがあります。それで、あらかじめ私も名簿を拝見しましたけれども、各省で本当に責任を負っていらっしゃる方々だなと、実感として思いました。実際にその方々が、単に努力だけではなくてそこにいらっしゃるわけですから、各省庁で、あるいは内閣人事局で共通に進めるべき具体的な方策、あるいは政策、ワーク・ライフ・バランスをこの霞ヶ関において前進させるための具体的なアイデアを伺いたいと思っております。
 また、各省において職員が推進役となって、自ら「ザ・リーダー」となって進めようとしていることを、それぞれ一人ずつ発言をしていただくことをお願いしています。
 また、あらかじめ、単にその場で感想を言い合うというのではなくて、その府省庁において若手職員がどういう考え方や、どういうワーク・ライフ・バランスの課題に直面しているのかという意見を聞いて、若い世代の、あるいは若い職員の方々の意見を聞いて、その若手の御意見も御紹介いただきたい、ということをあらかじめ申し添えておりますので、皆さんへ、私たちが点として、また線として、ラインとして、面として何ができるかということを、当然これを開催すること自体が最終目標ではないので、今後に生かしていくためのキックオフになるかと思っております。
 私自身がとりわけリクエストを出しているのは、当然、皆さんの人生、ここまで来るには順風満帆だけではなかったと思っています。そして、すこぶる優秀な能力だけでここにいるということはできなかったであろうと思っておりますので、能力のほかに、例えば強靱な体力とか、あるいは家族のサポートがあったとか、上司の一言があったとか、いろんな巡り合わせがあると思いますので、それを単なる経験談にするのではなくて、言語化していただいて、共通項を見ていく、見つけていく、そしてそれを今後に生かしていく、特に引っ張ってくれた上司が良かった、上司との理解があったということを皆さん異口同音におっしゃるのですが、その上司が部下のワーク・ライフ・バランス、介護や育児や不妊治療といったことに対して理解を示し、その方が人事的に評価されてきたかどうかということも見ていきたいと思っています。以上です。
(問)(日経新聞・甲原記者)今回がじゃあ、第一回目ということで今後定期的に開かれるということなのですか。
(答)定期的かどうかは、相当皆さん忙しいところで職責を担っていらっしゃるので、今日の評判、評価をみてみなければなりませんけれども、そもそも省庁をあげて横断的にやるということ自体、我が方のコミットメントを明確にしているつもりでございます。
(問)共同通信、高尾です。大臣、冒頭でおっしゃった、若手の方からの意見の交換の場を持ちたいとおっしゃったと思うのですけれども、これはいつ頃をめどにというのは何となく見えているのでしょうか。
(答)今月中に行います。
(問)(共同通信・高尾記者)もう月内に。そうですか、わかりました。そのときにまた伺わせていただきます。また発表なり多分されると思いますので。
(答)恐らく本当に若手で、いわゆるその明確な肩書きということで勝負している方々ではないので、その方々のプライバシーも、幹部とは違って、より切実なお話も出てくるでしょうし、そういう意味では、個々に誰と会ったということをどこまで公表できるかというのは、彼ら彼女たちのプライバシーということを少し配慮しなければいけないなとは思いますが、そうやって実際に20代、30代、40代前半の一番負荷がかかるところで、これから結婚したい、これから家族も育みたいと思っている優秀な国家公務員の皆さんが、何にぶちあたり、何をきっかけにしてその困難を克服していこうとしているのかということを、率直に、国家公務員制度担当として、また行政改革担当大臣としても、できることはしっかりと率直に話せる信頼関係を、彼女たち、彼らと一緒に築きたいという思いで、できれば国会開会前後にゆったりとした時間を持ちたいという思いでございます。
(問)共同通信の工藤です。関連して、こういった意見交換をしたことをどういった形に具体的に落とし込んでいくのか、例えば冊子にするとか、何か公表の場を持つとか、そういった御予定というのはいかがですか。
(答)縷々(るる)考えております。例えば今日のミーティングも、それぞれの個々のケースの苦労話で終わるのではなくて、そこにはおよそ働く女性が直面する典型的な課題が必ず出てくるので、それを出版できるというぐらいの精度のいいものに仕上げていってこそ意味があるのではないかということを最初の段階から私は申し上げています。
 現在のところ、それを出版して取り上げようと思ってくださる勇気ある会社がまだ名乗りを出ていただいていないわけですけれども、そのぐらいの内容であって、後輩に私たち自身も引っ張っていただいてここにいるわけですから、私たち自身も力を付けて、足腰を強くして、自らの適材適所、男女ともに適材適所でその能力を発揮するというところで、次の世代を引っ張っていく意志と技術的なノウハウ、それから協力応援団の取り付け方、それから、共感しない人との交渉術なども含めて、なるだけ本質的なところでみんなが共感してもらえるような具体的なノウハウもあり、また、いざというときに子どもが病気、怪我をしたらどうするかという、四苦八苦しながら、みんな泣きながら編み出したノウハウを世に問うていきたいなという思いは当然持っております。今日の内容にもよると思います。
(問)(フジテレビ和田記者)大臣は能力以外に何がおありになってトップに上り詰めたのでしょう。
(答)私自身トップに上り詰めたという認識は、実は持っておりませんけれども、必要としていただいていることは大変ありがたいと思っております。
 一般論で申し上げれば、能力があることは極めて大事ですが、能力以外の部分もかなりあると思っています。政治家として実感することは、「天の時、地の利、人の輪」と言われますけれども、タイミングや時流、その時々、困難に直面したときに、会って言葉や励ましや発想の転換を促してくれるような上司や同僚も含めた人脈、配偶者との巡り合わせ、体力、それから、今の言葉でいうと鈍感力、それから、あえて私が申し上げるとすれば、忘れる力も大事だなというふうに思っております。
 これだけに限りませんけれども、やはり目的に堅固であろうとすること、ボトムラインはどうなのか、最終的に何をすれば成功と言われるのかという自らに課されたミッションを明確に、冷徹に、自らに言い聞かせ続けて、そのミッションをクリアする、し続けてきた人、そして言っていることとやっていることを一致させるという人間的な信用、信頼、安定感がある人が、そのポジションに就いていらっしゃるなあと私自身は周りの男女を見てみて学ばせていただくことが多々ございます。

(以上)