山谷内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年5月8日

(平成27年5月8日(金) 8:54~9:09  於:合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。本日の閣議において、内閣府特命担当大臣、有村大臣から、平成27年春の全国交通安全運動の実施について発言がございました。これに関連しまして、私から警察としても各自治体や関係機関、団体と緊密に連携しながら、子供と高齢者の交通事故防止を運動の基本とし、国民の意識啓発を始めとした交通安全対策を一層強力に推進していくことなどについて発言いたしました。
 続いて、5月3日から6日の日程での米国出張の報告でございます。ワシントンD.C.で5月3日から4日にかけて滞在いたしましたが、リンチ司法長官やマヨルカス国土安全保障副長官と会談を行いました。サイバーセキュリティ対策、国際テロ対策、北朝鮮による拉致問題等について意見を交換いたしました。リンチ司法長官は就任後、初めての外国の閣僚による訪問だということで、大変に歓迎をしていただきました。また、FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)、フューゲイト連邦緊急事態管理庁長官と防災関係について会談を行ったほか、米国国務省関係者や有識者とも、拉致・人権問題を含む北朝鮮問題、領土主権をめぐる問題等について、意見交換を行いました。
 ニューヨークでは、5月5日、政府の主催で「北朝鮮による拉致を含む人権侵害に関する国際シンポジウム」を開催いたしました。私も基調講演を行いまして、北朝鮮による拉致問題の悲惨さを訴えるとともに、引き続き、国際社会との緊密な連携の下、COI(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会)報告書やそれを受けた一連の国連決議の着実なフォローアップの取組についても貢献していく考えを明らかにしてまいりました。シンポジウムは満員で、成功裏に終えることができたと考えております。
 このほか、ニューヨークでは、エリアソン国連副事務総長と面会し、防災、拉致関係について広く話合いをし、海洋関係については、我が国の大陸棚延長に関し、しかるべき協力要請を行ったところでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の久木です。
 先ほどの米国出張の関係で、シンポジウム等々を通じて国際社会に拉致問題を訴えられた、改めての手応えと、一方で、北朝鮮のほうは日朝合意の破棄を示唆するような、大臣が出席されたことに対する非難の声を上げておりますが、それに対する受けとめも併せてお願いいたします。
(答)日本といたしましては、日朝合意を誠実に履行しているわけでございまして、北朝鮮の言い方は全く受け入れられないわけでございます。1日も早く正直で誠実な報告を求めているところであります。また、ニューヨークでのシンポジウムは被害者の御家族、横田拓也さんなども発言されまして、会場では涙ぐんで聞かれる方もいらっしゃいました。EUと安倍内閣のリーダーシップによって、この北朝鮮の人権問題、拉致問題に関して調査をする委員会が立ち上げられ、また、COIの報告書が出され、昨年末には賛成116対反対20という圧倒的多数で国連総会で北朝鮮の人権状況、拉致問題を解決しなければならないという決議がなされたわけでございまして、これは国際社会、国連の中で非常に大きな問題となっていると思います。こうした機運、モメンタムを更に強化、維持して、問題の解決につなげていく、その大きなマイルストーン、第一歩になったと思いますし、これからもこのニューヨークでのシンポジウムの成果を踏まえて、更に結果を出すために日本は努力をしていきたいと考えているところでございます。
 今年の1月2日には、オバマ大統領令が出まして、これまで北朝鮮に対して制裁をかけている理由としては、核、ミサイルだったのですが、それにサイバー攻撃と人権問題というのが加わって、そして実際に3団体、10個人が指定されたということで、アメリカもこの問題を非常に重視している。21世紀の人権の世紀において、このような問題が放置されたままであってはならず、解決に向けて、国際社会、国連とそしてアメリカと緊密に連携をとりながら、結果を出していきたいと思います。リンチ司法長官にお会いしたときも、このことを説明いたしまして、拉致問題は米国としても重要案件であるという旨の発言をリンチ司法長官もされたところであります。結果を出すために、ともに連帯を強めていきたいと思っています。
(問)共同通信の関と申しますけれども、ちょっと話が変わりまして、今朝の人身取引対策推進会議の件でお伺いしたいんですけれども、まず1点、年次報告、本日決定ということでよろしいのかという点と、あと東京五輪、パラリンピックも控える中で、その対策強化に向けたアピールという点もあると思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
(答)年次報告を了承いたしました。そして、「人身取引対策行動計画2014」に基づいて、政府を挙げて各種施策を推進しているところでありますけれども、年次報告は、我が国の人身取引に係る取組をまとめて、公表して広く示すものであります。警察としましては、年次報告を踏まえながら、引き続き、関係機関・団体と連携し、人身取引事犯の的確な把握、被害者の適正な保護・支援、人身取引撲滅に向けた厳正な取締り等、各種対策を推進して参る所存でございます。
(問)NHKの川田です。
 2点ありまして、1点は箱根の山の関係ですけれども、今日も火山性の地震が多い状態が続いていますけれども、まず防災担当大臣として、住民の方とか、観光客も多い土地柄ですので、どのような呼びかけをしたいかということと、政府としての対策についてお伺いできたらというのが1点と、もう1点、大臣が訪米された際の海洋関係でお伺いしたいんですけれども、先ほど国連の副総長ともお会いになられた際、協力を呼びかけたということでしたけれども、去年、政令で大陸棚を広げる決定をした際に、菅官房長官も早期に国連の委員会が勧告をなされるように、関係機関に働きかけていきたいということでしたけれども、大臣、この中身、会談の中身は、要は国連の小委員会というか、国連の委員会が勧告するように働きかけを行って、そして協力を得られたというような感じなのか、中身をもし言える範囲で。
(答)まず箱根についてでございますけれども、4月26日以降、火山活動がやや活発になり、5月6日午前6時に気象庁から、今後、大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火の可能性があるとして、噴火警戒レベル2、これは火口周辺規制ですが、発表されています。これを受けて、地元の箱根町では、火山防災協議会での事前の検討を踏まえまして、直ちに大涌谷周辺の避難指示、立ち入り規制等を実施しております。また、内閣府においても、防災ツイッターにより、国民の皆様への情報発信を行っております。政府としては、引き続き、気象庁を中心に火山の活動状況をしっかりと監視し、地元自治体とも連携しながら、適切な情報発信などの対応してまいります。
 なお、観光への影響を心配されますけれども、噴火した場合の影響は大涌谷周辺とされており、安全のために必要な措置は講じられております。国民の皆様には、政府、地元自治体からの情報を注視して、冷静に対応していただきますようお願いしたいと思います。
 今、具体的な対応・体制でございますけれども、常時観測火山である箱根山については、気象庁において、24時間の監視体制をとっておりますが、特に活動が高まってからは、機動観測班による現地調査を実施するなど、監視体制を強化しております。具体的には、例えば5月6日、ヘリによる上空からの観測を実施、また、本日午前6時半に現地に向けて出発しておりますが、地上からの観測を実施予定としているところでございます。6日午前6時には、噴火警戒レベル2が発表された6日午前6時ですが、内閣府情報連絡室を設置しているところでございます。
 海洋政策、大陸棚関係についてでございますが、私からエリアソン副事務総長との面談の際に、我が国が大陸棚の延長を申請した全ての海域について、大陸棚限界委員会から、早期に勧告が行われるよう、協力を要請いたしました。また、我が国を含む多くの国の大陸棚の延長申請に対して、同委員会が勧告を先送りする現状を踏まえまして、各国も懸念を示すそのような現状の打開に向けて、国連事務局の協力を要請したところでございます。これを受けまして、先方からは日本の海洋分野における国連への貢献に感謝、日本の考えは承知した。国連としても、日本の懸念がどうすれば解消できるか、でき得る限り協力したいとの発言がございました。今般の面会を契機といたしまして、我が国が大陸棚の延長を申請した全ての海域について、大陸棚限界委員会から早期に勧告が行われることが期待されるところでございます。これからも取り組んでまいります。

(以上)