甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年9月11日

(平成27年9月11日(金) 9:06~9:23  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、第11回健康・医療戦略推進本部を開催いたしまして、「平和と健康のための基本方針」を取りまとめましたので、御報告いたします。
 本基本方針は、「健康・医療戦略」におきまして、健康・医療に関する国際展開の促進がその柱の一つに掲げられていることを踏まえまして、2月に閣議決定いたしました「開発協力大綱」の課題別政策の一つといたしまして、世界の保健課題の取組に一層貢献すべく、今般、本部において取りまとめたものであります。
 日本が持つ強みを総動員しまして、途上国の人々の健康を向上させ、ひいては、社会の安定・平和を導くための基本方針となっております。
 詳細につきましては、本日、記者ブリーフィングを行う予定でありますので、事務方に聞いていただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)後ほど記者ブリーフィングということではあったのですけれども、先ほど取りまとめられた基本方針について、特に強調したい部分や、このあたりが特に強い部分だという部分があれば、大臣からお願いできますでしょうか。
(答)例えば、先般もエボラ出血熱の事件がありまして、これを世界が封じ込めることに極めて手間取ったわけでございます。このようなエボラ出血熱、あるいはSARSやMERSなどがありますけれども、公衆衛生危機への対応体制を、途上国において構築していく、あるいは同じく途上国における全ての人への生涯を通じた基礎的保健サービスの提供等を目指すものでありまして、日本の知見や人材を、そうした途上国のこの種の危機管理対応に貢献すべく、対応していくということであります。
(問)TPP交渉の関連で、森大使がアメリカに渡って自動車分野での交渉を再開されまして、今、やっている最中だと思いますが、今回のアメリカとのやりとりで期待する部分と、この内容が目指している月内の閣僚会合開催、ここに影響する部分があればお願いいたします。
(答)月内あるいはカナダの総選挙が行われる月に若干はみ出しても可能かどうか分かりませんが、大筋合意のための閣僚会合は、これは必ず成功させなければなりません。それに向けて残っている課題が数点ございますが、その中の一つとして、自動車協議があります。森大使を派遣しまして、日米あるいはそれ以外の関係国との議論をさせているところでございます。
 非常に厳しい話し合いになっておりますけれども、何とか解決への道筋ができるよう、我が国としても最大努力はしているというところです。
(問)昨日、財務省から与党に、マイナンバーカードを使って軽減税率分のポイントを還元するという消費税の軽減税率の案が出てきました。これについて、大臣はどう評価されるのかお伺いしたいと思います。
 特にマイナンバーというのは、漏えいしないように、企業にかなり厳しい義務を課したり、刑罰もかなり厳しくしていると思うのですけれども、そのような番号が書かれたカードを毎回、店で出さなければいけない、持ち歩かなければいけないという点について、マイナンバー担当としてどうお考えになるのかお聞かせください。
(答)与党の税制協議のたたき台として、財務省案が提示されています。いろいろ危惧も提示されておりますけれども、それらを含めて、与党協議で十分に議論し、方向性が出されるのではないかと思っておりますので、当面その議論を見守りたいと思っております。
(問)昨日、機械受注の統計結果が出まして、足元の景気についてお伺いしたいのですが、先月の月例では、基調判断を維持されましたが、消費も輸出も悪かった、下方修正されました。今回、設備投資の先行きも悪そうだということで、余りいい要素がない状況にありますが、足元の景気をどう見ていらっしゃいますか。
(答)機械受注の指標は、3か月プラスが続いて、2か月マイナスが続いているということであります。
 一方で、法人企業景気予測調査では四半期ごとに内閣府と財務省が企業の景況感調査をやっております。7-9月期、10-12月期、1-3月期とどう見ているかといいますと、7-9月期に関しては、よくなっていくというのと悪くなっていくというものの引き算をしますと、プラス9コンマ幾つになっております。それから先もプラス7ぐらいを維持していますから、かなり高い数字でプラスが続いています。10%近い数字が今後3四半期見通しで出ておりますので、これは悲観的なものではないと思います。ですから、その見通し、景況感に見合った投資が実際に行われていくということが大事だと思います。
 そういう意味では、10月中にも開催されるであろう総理主催の官民対話ということが極めて重要になってくると思います。
(問)TPPの話に戻るのですが、今、自動車の交渉をやっている最中だと思うのですけれども、今月若しくは来月の冒頭までに、確実に閣僚会合が開けるのか。一部報道でニューヨークとかという報道もありましたけれども、今のところ調整状況はどうなっているのか、その辺をもう一度お願いします。
(答)場所と日付が確定しているわけではないと思います。議長国アメリカがいろいろなケースを打診しているのかと思いますが、そこに向けて残されている、先ほどの日本にとっては自動車の協議や、あるいは日本以外、米国、カナダ、メキシコもそうでありましょうが、乳製品の残されている課題や、あるいは全体を巻き込んでいる知財の課題など、それ以外にも若干、積み残しの案件があるかと思います。
 それを関係国別に、今、水面下で、事務協議で解決を図っているところでありまして、次に閣僚会議が開かれれば、そこで決着がつくという見通しが立った時点で、スケジュールがコンクリートしていくのではないかと思います。まだ現時点では、何とも言えない状況です。
(問)かなり迫っているのですけれども、来週ぐらいにはめどが見えてくるということでよろしいでしょうか。
(答)そうですね。そのようにしていかなければいけないと思っています。
(問)仮に10月初旬まで開けなかった場合というのは、どのような見通しになるのか。オバマ政権の間は、合意するのは難しくなるという認識なのかどうか、その辺のところはどう見ていらっしゃいますか。
(答)完全に漂流してしまうとまでは思っておりませんが、やはり年単位の時間を要する事態になりはしないかと危惧しておりまして、であるがゆえに、カナダの総選挙前に決着をさせたいと思っております。
(問)先般、安倍総理が総裁に再任されまして、その日に同じ閣内の石破大臣が、次の政権構想を練るために自ら派閥を立ち上げるということを表明されて、昨日、準備会合まで開かれたわけですけれども、この一連の動きを閣内からどのように御覧になっているか、お願いします。
(答)安倍総理の後の人材が、党内に多数意欲を示しておられる方がおられるということは、自民党の活力だと思います。ただ、この節目節目のタイミングを、もう少しうまく選ばれたらよかったのに、とは思います。
(問)今日、経済財政諮問会議で、この秋の経済対策の議論が始まると思うのですけれども、官民対話もあるとは思うのですけれども、今、中国の減速などで外需が厳しい中で、この秋の経済対策の方向性といいますか、どのようなイメージになるのか、その辺を教えてください。
(答)外需、特に対外リスクとして、今、取り沙汰されています中国経済が、かつてのような高度成長には至らずとも、ある程度の安定的な成長を確保する。そのために中国当局は、まだカードはたくさん持っているということをおっしゃっていますから、適宜適切にそのカードを切って、高度成長ではないけれども、中程度の成長を維持できるような対応をしてもらうことを強く期待しておりますが、同時に日本経済も、外的要因に影響されることがより少ない、内需中心の強靱な経済にしていかなければならないと思っております。
 そういう意味では、まずは官民対話を通じて、経営側が内部留保をどう有効に活用するかということ、政府はそれを活用するための環境整備を具体的にどう準備していくかということ、投資する方、そしてそれを要請する方の呼吸がしっかり合っていくことが大事だと思います。
 そして、アベノミクスの成果を、まずは財政再建に貢献する。そして、ずっと前から申し上げていますけれども、成長の加速に貢献する。ばらまきでない構造的な加速にどう貢献できるか。いろいろなアイデアがあろうかと思います。議論を尽くしたいと思っています。
(問)石破大臣の話に戻ってしまうのですけれども、もう少しタイミングをうまく選ばれた方がよかったのではないかということですが、10月上旬にも内閣改造があるのではないかと言われているのですけれども、この改造の前のタイミングということで、閣内から去った方がいいのではないかという指摘や、若しくは閣僚として残留するのではないかという話、両方出ているのですけれども、閣僚としての去就については、大臣はどのように見ていらっしゃいますか。
(答)それは石破大臣御自身がお考えになることです。タイミングの件は、グループに参加されている方々、それから党内からいろいろな意見が聞こえてくる。その中にタイミングは、もう少しうまい計り方があったのではないのかという声が随分多かったものですから、私もそうなのかなと思ったということであります。

(以上)