甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年8月28日

(平成27年8月28日(金) 9:04~9:17  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、持ち回りで、第10回の健康・医療戦略推進本部を開催いたしまして、平成28年度の医療分野の研究開発関連予算の要求・要望を取りまとめましたので、報告いたします。資料につきましては、お手元にお配りしているとおりであります。
 健康・医療戦略推進本部におきましては、先般取りまとめました「平成28年度医療分野の研究開発関連予算等の資源配分方針」等に基づきまして、総合的な予算要求配分調整を行うこととなっておりまして、今回、9つの重点プロジェクトについて更なる連携強化等を図ることとしまして、日本医療研究開発機構対象経費として1,515億円、インハウス研究機関経費としまして781億円を計上することとしたところであります。
 今回は、この4月に日本医療研究開発機構が発足してから、初めての予算編成になります。新たな仕組みのもとに、基礎から実用化まで切れ目のない研究支援が一体的に推進されるように、本日取りまとめました予算要求を年末までにしっかりと仕上げていきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)研究開発予算の概算要求の関連ですが、具体的なポイントとして何かあれば、お教えください。
(答)看板であります創薬の支援です。基礎研究から実用化・製品化までを一気通貫でつなげていくというものです。
 それから、再生医療であります。これは、企業による製品化を後押ししていくということです。
 それから、ゲノム医療。ゲノム情報を解析いたしまして、いわゆるオーダーメード医療ができるようにする。
 それから、難病克服プロジェクトがございます。難病患者由来の疾患特異的iPS細胞によりまして、創薬研究等を行うということであります。
 これらがその中の目玉と言っていいかと思います。
(問)先程発表された7月の消費者物価指数ですが、横ばいということで、25カ月でプラスがとまりました。日銀が掲げている2%の物価上昇とも大分開きがあるようですが、デフレ脱却が遠のいているようにも見えますけれども、御所見如何でしょうか。
(答)エネルギー価格を除きますと、そのまま推移しているわけであります。0.6でしたか。でありますから、エネルギー価格がここでまた、ここのところ一段の下げをつけておりますから、そういう特殊要因を除けば、そこそこで推移しているのではないかと思っております。
 日銀の政策対応は日銀の御判断で行われると思います。
(問)エネルギー価格の状況は、現状ではまだ更に下げる可能性があるとなると、マイナスに踏み込む可能性が出てきたと見ている人も多いのですけれども、物価が上がるという見通しを持ってもらうという意味では非常にマイナスのような気もするのですが、その辺どうお考えですか。
(答)急激に下がっているエネルギー価格を込みで、この時点で余り強いコミットをしますと、エネルギー価格が急激に戻ってくる場合には、今度はインフレ調整ということにいきなりなるわけであります。安定的に物価上昇目標を目指すということであるとすると、急激な変動要因、特段急激に変動する要因というのは、一応割り引いて考えた方がいいと思っております。
 消費が若干回復してきました。将来にわたって、物価上昇を超えていく家計収入が見通せるという状況を早くつくっていくことが重要だと思っております。アベノミクス秋の陣で、いろいろな場面を通じまして、企業が獲得した収益を、好循環を回していく原資として使っていくということについて、広範な理解を得たいと思っております。
(問)維新の党の橋下最高顧問と松井顧問が離党するということになりました。東京組と大阪組で意見が違っていて、東京組は民主党に近く、大阪組は安倍官邸に近いという話もあるのですけれども、大臣はこの状況をどう見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)維新の党の内情は、維新の党でしかるべき対応をされるものと思っております。とにかくまとまっていられるだけの政策・政治スタンスが、党として抱え切れなくなってしまったのかと思いますが、それぞれ信ずる立場で日本のために貢献をしていただきたいと思います。
(問)自民党の総裁選挙についてですけども、党内で、まだ一部では、やはり選挙はすべきだという声もある一方で、今、全ての派閥が安倍総裁の再選を支持して、無投票で再選されるという見方が強まっていますけれども、大臣から見て、党の総裁選挙、どうあるべきか。今の流れをどのように御覧になっているか。お願いします。
(答)今の日本の情勢は、経済有事にどう対処するかということであります。平時であるならば、いろいろなことがあって、それが政治への刺激、社会への活力になるのかもしれませんけれども、現状で国際的な評価、日本の政治に対する評価というものは、かつてと違って、頻繁にトップが交代しない安定感・安心感というものが、その評価につながっているのだと思います。この経済有事を乗り越えていくという時点では、政策の継続性というのは何より必要だと、そのように国際的に評価されているのではないかと思っております。それを我々は評価したいと思っています。
(問)家計調査では、ひとり暮らしを除く世帯で、実質でマイナス、2カ月連続だということですけれども、消費が伸び悩んでいるという見方がかなり強まっていますけれども、大臣としてどのように見ていらっしゃるか、お願いいたします。
(答)実質賃金がどういう傾向をこの先たどっていくのかということに対して、いま一つ確信が持てないということなのだろうと思います。実質の総雇用者所得は4月、5月はプラスになっています。ボーナス支給月が昨年と比べて6月よりも7月にずれ込んでいるという影響があって、6月が一時的に落ち込んでいますが、昨年の支給と同率だとすると、6月もプラス1.7になっているわけであります。着実に全体としての所得は、物価上昇を超えて上昇しているわけであります。
 ただ、家計の肌感覚としては、原油等を含めた物価ということよりも、日々購入をしている生鮮食品等々食料品の物価が上がっているということが、肌感覚でより強く感じている。全体の家計を閉じた計算ではないのだと思っております。
 でありますから、日々の肌感覚の物価上昇を超える、肌感覚の賃上げということを感じてもらえるという状況をつくり出す。あるいは、将来見通しもそうなっていきます、賃上げというのは一時的なものではなくて、経済の好循環を牽引していく連続的なものであるという認識を肌感覚で感じてもらえるように、環境整備をしていくことが必要だと思います。

(以上)