甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年8月14日

(平成27年8月14日(金) 17:25~17:27  於:官邸エントランスホール)

1.発言要旨

 平成27年度年次経済財政報告(「経済財政白書」)が本日の閣議で配布され公表となった。
 安倍内閣になって3回目の経済財政白書であるが、今回は、アベノミクスの実行・実現の下、企業活動や雇用・所得分野など、幅広い分野で四半世紀ぶりの良好な経済状況がみられる日本経済の現状を確認するとともに、経済の好循環の拡大と成長力の向上に向けた今後の諸課題を分析した。
 日本経済の現状をみると、デフレ脱却・経済再生に向けた取組が着実に進められる中、企業の収益改善が雇用の増加や賃金上昇につながり、それが消費や投資の増加に結び付く「経済の好循環」が着実に回り始めている。
 ただし、経営者等のデフレマインドが払拭されたとは未だ言えず、設備や人材への投資を通じた生産性の向上とそれに見合った賃金の引上げといった取組を継続・強化する必要がある。また、労働参加の促進やイノベーションの創造など、供給サイドの制約を克服し、成長力を引き上げていくことも重要課題である。さらに、地域毎にみても消費や企業活動にばらつきがみられ、ローカルアベノミクスを展開し、きめ細かく対応していくことも重要である。
 こうした課題を克服し、着実に動き出した経済の好循環を拡大し、デフレ脱却・経済再生を実現する必要がある。本白書では、こうした問題意識のもと、労働参加の拡大や労働生産性の向上、地域の雇用、イノベーションの促進などを通じた成長力向上に向けた取組について分析を行った。
 本報告が、我が国の経済と財政に対する認識を深め、今後の政策運営に貢献することを期待している。なお、副題については、長いデフレのトンネルを抜けつつあるという意味も込めて、「四半世紀ぶりの成果と再生する日本経済」と命名した。

2.質疑応答

(問)本日公表した経済財政白書について、特に強調したいポイントはございますか。
(答)経済の好循環が回り始めているというところ。しかし、この好循環をしっかりと定着させることがより重要です。大事なことは、デフレマインドの払拭がまだ完全にできていないというところであります。でありますから、企業業績を上げる環境づくり、それが賃金の改善にしっかりつながっていく、あるいは設備投資の拡大につながっていく、この環境を、しっかり政府が、自動循環していくまでは手を緩めないということが大事だと思います。
(問)戦後70年談話が閣議決定されたと思いますけれども、文言を御覧になって、大臣個人として何を感じられましたか。
(答)総理が6時から会見をされます。それまで個々のコメントは控えたいと思います。全員了解を閣議でいたしました。

(以上)