甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年6月9日

(平成27年6月9日(火) 8:57~9:07  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)昨日、GDPの改定値が発表されました。市場予想を上回る大幅な上方修正ということで、特に設備投資がよかったわけですけれども、今回のGDPの改定値の評価についてお聞かせください。
(答)1-3月期のGDP改定値が実質で年率換算3.9%、名目で9.4%になりました。どこかの新興国のような数字であります。9.4%については、原油価格の下落がGDPデフレーターを押し上げているという面があります。ただそのげたを外したとしても、5%くらいの名目GDP成長率だと思います。
 この数字が継続的なものとまでは思いませんが、設備投資が押し上げをしている。今後の鍵は、設備投資をどう促進させていくかだと思います。設備投資促進強化税制が、来年の3月で期限を迎えます。それを過ぎますと、減税効果が弱いものになりますから、設備投資はお早めに。
(問)為替の動向についてお伺いします。円安がまたしばらく進んでおりますが、昨日発表の景気ウォッチャー調査でも、円安によって原材料の値上がりや輸入物価の値上がりに苦しむような声が出ています。今の為替水準について、なかなかコメントしづらいところではありますけれども、どのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いできますか。
(答)なかなかコメントしづらいです。円安傾向に振れれば輸出企業にはプラスに働き、輸入関係者にはマイナスに働くということであります。毎度申し上げていますけれども、ファンダメンタルズを正確に反映し、急激な変動でないということが大事だと思います。現状がファンダメンタルズを反映しているかどうか、これは市場が判断されることだと思います。ここのところ、アメリカの雇用統計が事前予測よりもいい数字であって、利上げスケジュールにそれが反映されるのではないかということで、ドルが強くなり、その裏返しで、円が安くなっているということだと思います。
 急激な変動自身は、経済にはプラスに働きませんので、今後の移行をしっかり注視していきたいと思っております。
(問)GDPに関連してですけれども、財政健全化計画についてお尋ねします。
 昨日の改定値ですが、財政再建の前提となる実質2%、名目3%を大きく上回る数字が出たわけですけれども、それに伴って、税収に対する期待感なども高まってくると思うのですけれども、一方で歳出改革に対する意欲がそがれてしまうのではないかという心配も、一部では指摘されています。そのあたり、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)歳出改革が単に一律カットという発想であるならば、それは、歳入増はそちらへの働きかけは弱まるというのはあると思いますが、我々がやろうとしていることは、歳出に対する構造改革をしようとしているわけであります。
 同じサービスを、より低廉なコストでできるように、構造を変えていく。そして一人当たりの賃金や物件費について、無理無理、下押しするような圧力がかからない、無駄をなくし効率を上げていくという手法でありますので、歳入が上振れするからといって、そちらの手を緩めるということではありません。
(問)設備投資の関係で、昨日のシンポジウムで設備投資の後押し策を総理と相談していると御発言がありましたけれども、具体的にどういったことをお考えになっているかということについて、もし何かあればお聞かせいただきたいのと、もう一つ、骨太や成長戦略が6月に改訂がありますけれども、載っけたいという思いで検討を進めていらっしゃるということなのでしょうか。
(答)政労使の話し合いで、内部留保を好循環に活用する。賃金を引き上げ、下請代金を改善するということは、うまく進んでいると思います。好循環の二巡目が回り始めておりまして、実質賃金がプラスという報道もあります。
 いよいよ次なる手立ては、日本の経済自身の競争力を引き上げていくということであります。そのためには、生産性を引き上げるための投資が大事になっていきます。
 少し設備投資が増えてきてはいますけれども、まだ、私の目から見て巡航速度の引上げにはまだつながっていないと思います。この後押しをするという手立てが必要だと思います。
 どういう仕組みで背中を押していくのか。いろいろかなり乱暴な意見も巷にはありますけれども、無理なく経営者の意識喚起をして、競争力をつけていくための方策をいろいろ考えていきたいと思います。具体的に何をするかというと秘密です。
(問)検討のスパンとしては6月の成長戦略などに盛り込んでいきたいというお考えなのか、もう少し中長期的なスパンで考えていることなのか、どちらでしょうか。
(答)もう少し長いスパンになります。
(問)設備投資の関連ですが、乱暴な意見の中で、昨日、シンポジウムで内部留保課税という意見がありましたけれども、それについてはいかがでしょうか。
(答)これはかなり乱暴だと思います。瞬間的な効果はあるのかもしれませんけれども、もっと自然体で、設備投資が競争力を上げ、それが収益を生むという、もう一つの好循環の中で考えていくべきだと思います。

(以上)