甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月6日

(平成27年3月6日(金) 8:47~9:00  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 いよいよ今年の10月から国民の皆様一人ひとりにマイナンバーが通知されます。マイナンバーは、住民票の住所に郵送されまして、社会保障、税、災害対策等の分野で生涯にわたって利用する大切な番号であります
 民間事業者の方々には、税や年金などの手続で、従業員などのマイナンバーを扱っていただきますので、その準備を進めていただく必要があります。
 このために政府といたしましては、来週の週明け、3月9日月曜日から、タレントの上戸彩さんに御出演いただきまして、「一人にひとつマイナンバー」というキャッチフレーズで、キャラクターのマイナちゃん、ウサギのキャラクターでありますが、このマイナちゃんと一緒にマイナンバーに関するテレビCMを開始いたします。
 また、このテレビCMを皮切りに、新聞、雑誌、インターネット、さらには新聞折込広告などでも、マイナンバー制度に関する情報を順次お届けしていきます。
 報道機関の皆様におかれましては、マイナンバー制度について是非取り上げていただいて、国民の皆様に周知徹底できますように、御協力をお願いいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)TPPの交渉が始まりました。この交渉の進捗や見通しをお願いします。
(答)昨日、そして今日も、アメリカUSTR次席通商代表代行のカトラーさんと、大江首席交渉官代理あるいは森経済外交担当大使との間で、残されている課題、農産品5品目と自動車並行協議につきまして、最終的な詰めに向かって協議いたしております。
 なかなか大きな進展とまでは言えないのでありますけれども、残されている問題点の確認、それからそれへのアプローチについて、いろいろとアイデアを出してもらっているところであります。
 今回の日米事務レベル協議、そして引き続き週明けからはCN(首席交渉官)協議が始まります。事務スタッフ、日米ともに、協議の場をハワイに移しまして、引き続き議論していきたいと思っております。
(問)マイナンバーですけれども、10月からナンバーが交付されるということですけれども、CMを打つぐらいですから、周知というか、なかなか国民の認知度というのはかなり低いと思うのですけれども、その辺の認識についてお伺いできますでしょうか。
(答)マイナンバーという言葉を聞いたこともないという人が、まだ3割いらっしゃいます。7割の方は内容を御存じか、あるいは名前ぐらいは聞いたことがあるということであります。
 来年の1月に利用開始、今年の10月には通知されますから、送られてきたときに「何だ、これ」ということで、ぞんざいに扱われないように、生涯にわたって自分自身を証明するカードであります。身分証明書であり、各種行政サービスの利便性を高めるためのツールであります。生涯付き合う番号でありますから、その認知度を高めるために、テレビスポットを初めとしてラジオ、新聞等々の広報手段を使って、取り組んでいきたいと思いますし、これはまず第一弾でありますから、10月までの間に2弾ないし3弾と広報に努めていきたいと思っております。
(問)先ほど大臣も、民間の企業の対応が必要になってくるとおっしゃっていましたが、そういった意味で、民間などではクラウドを使ったシステムの提案などが始まっていますが、企業にはどのような対応が今後必要になってくると、具体的にお考えでしょうか。
(答)企業はまず従業員の方々のいろいろな社会保障や税について、直ちに必要性が生じてくるわけであります。あるいは企業自身にも付番をされるわけであります。
 現在、税、社会保障、災害時等の利用が想定されておりますが、これから、個人情報を保護する委員会の設置も含めて、個人情報の保護をしっかり図りながら、民間活用により、利便性を高めていくことになります。無限の可能性がありますから、企業としては将来の利用範囲、活用範囲の拡大に向けて、いろいろと検討していただく機会になろうかと思っています。
(問)アメリカの上院のハッチ委員長が、TPA(貿易促進権限)の法案について4月以降というような趣旨の発言をされています。TPP交渉がかなりリミットに近づいている状況で、日本政府においては成長戦略のかなめでもあるわけですが、日本国内においてその遅れがどのような影響を与えそうかということについて、どうお考えになっていますか。
(答)TPA法案、つまりこのTPPの賛否を一括して、イエスかノーかということでまとめ上げる法案でありますけれども、この法案が成立しているということが、アメリカの議会と政府との関係で必須のようであります。だとすると、一刻も早くTPA法案が成立するということが、TPPの妥結にとっての大きな前提となってくるわけであります。
 上院から審議が始まるという順序のようですが、上院のハッチ委員長が、上院としての協議をしている中で、イースター休暇の前に提出、審議するということは、なかなか難しい状況である旨、お話されました。その報道については承知いたしております。
 4月の春の休暇前か休暇後かということは、全体のスケジュールにかなり影響してくるわけであります。その後に予定されるであろう12か国の閣僚会議が、それによって後ろにずれ込む可能性があります。
 全体のスケジュールがアメリカの大統領選のスケジュールの枠内に、つまりアメリカ政府、議会が大統領選モードに完全に入ってしまわないうちに対応しなければならないということを考えますと、かなりぎりぎりのスケジュールになってくるのではないかと思っております。
 ただし、スケジュール感が、しっぽが切られていますから、それに向けて日米間あるいは他の10か国対アメリカという協議も、そのスケジュール感に背中を押されて、協議が進んでいくのではないかと思っています。
(問)これを過ぎてしまうと漂流することにもなりかねないわけですが、そうすると日本の成長戦略という意味でも、TPPは非常に重要な役割を果たしてきたと思うのですけれども、その辺どうお考えですか。
(答)成長戦略の中の何本かある柱の一つに、TPPを据えております。TPPによって投資のルールができる、インバウンドあるいは外への投資について予見可能性が高くなってくるなど、そもそも市場アクセスについて、より開かれた道ができ上がってくる。日本の企業が、この他のTPP11か国の市場にアクセスがしやすくなる、政府調達に参画できる等々のメリットがあるわけであります。そのスケジュールが、過大に遅れていかないように、しっかり取り組んでいきたいと思っております。

(以上)