甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年2月13日

(平成27年2月13日(金) 10:42~10:52  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 ありません。

2.質疑応答

(問)昨日の経済財政諮問会議では、財政の方が盛り上がりましたけれども、格差についても議論がありました。民間議員の指摘では、再分配後のジニ係数は横ばいになっているとのことですが、例えばOECDによると、日本は相対的貧困率が先進国の中では高い方ではないかとの指摘もあります。成長の果実をどう均てんさせるかというのは、いろいろ議論があるところですが、格差についての所見はいかがでしょうか。
(答)ジニ係数の原数値は上がっていますけれども、御指摘のとおり、再分配後はほとんど全くと言っていいほど、変化がありません。上がっていません。ですから格差が拡大しているということではないと思います。
 ただ、世帯数が細かくなっている。高齢化世帯が増えている。それから若者世帯、核家族化の世帯の中で、若者の格差が拡大しているということは、注視していかなければいけないと思います。
 相対的貧困率は厚生労働省の調査ですと、OECDの中では貧困率が高い。しかし総務省の調査ですとOECD標準以下です。厚生労働省のサンプル数は3万で、総務省のサンプル数は6万であります。サンプル数が多い方が、実はOECD平均よりも貧困率は低いということになります。これは何かというと、サンプル対象が厚生労働省は福祉事務所ですから、どうしても300万円未満の層が高く出るのです。その300万円未満の所得層が一番多い。34%ぐらい出ていると思います。そこの違いだと思います。真実はその間あたりにあるのではないかと思います。ですから、OECDの指摘ほど相対的貧困率は高くないというのが真実だと思います。
 若者の格差については、やはり非正規から正規に、積極的に企業が雇用形態を希望者には変えていくということの環境整備を、政府がしていくことが必要だと思います。キャリアアップの助成金等々、環境整備ができつつあります。
 55歳未満のいわゆる働き盛り層では、前政権下では、正規から非正規、非正規から正規の統計を取りますと、正規から非正規になる方の方が多かったわけですけれども、安倍政権になって直ちに今日まで、連続して、非正規が正規になる方の方が多くなっています。これは、ファクトであります。
 それから、いわゆる問題は、非正規の中の2割と言われている不本意非正規の変化です。不本意非正規の変化はここ2年くらい、20%から17%までに落ちてきています。これはいい傾向だと思います。
 安倍政権になって、野党が指摘する格差についても、むしろそれ以前よりも改善されているということが事実として示されているということですから、この道をしっかり押し進めていくことが必要だと思います。
 なお、ピケティさんの共同研究者が、日本は格差の問題は深刻ではない。むしろ経済成長することが課せられている課題だとおっしゃっていることも、注目する必要があると思います。
(問)今日、毎日新聞に、西川農林水産大臣の政治資金の問題が記事になっています。要は補助金を受け取っていた企業の社長から、補助金の交付決定を受けた会社が献金を禁止されている1年間以内という中で、献金を受けていたのではないかということですが、この問題は、今日の閣議の中で話題になったのかどうか。大臣はどのようにお考えになっているか。もし御所見があれば教えてください。
(答)閣議、閣僚懇ではその話は出ておりません。私も本人に確認していませんけれども、適正でないという事実が確認できた時点で、すぐ返金をされたということです。森羅万象、政治家には献金先企業の実態がわかるわけではないのですけれども、献金ができない対象であるということがわかった時点で、直ちに行動をとるということが大事だと思います。
 それから、私ども事務所では、献金のお話があるときには、こういうことに該当しているところは献金できませんということを、書面をつけて出していますけれども、若干失礼になるかなということも思っております。
(問)TPPに関してですけれども、昨日、安倍首相は、施政方針演説で「いよいよ出口が見えてきた」とおっしゃっており、甘利大臣も経済演説では早期妥結に向けて大きなモメンタムができたとお話ししていました。改めて交渉の現状について、特に農産物関税協議ではいろいろと報道も飛びかっておりますが、現状認識と交渉妥結に向けた姿勢、決意、今後の日程感についてお聞かせいただければと思います。
(答)総理が「いよいよ出口が見えてきた」とおっしゃったのは、北京での首脳会合の席上での、「終局が明確になりつつある」ということを言いかえたことだと思います。
 結論から言うと、最終コーナーを回った。競馬でもそうですけれども、最終コーナーを回らないとゴールは見えないのです。ただ、そのゴールが100メーター先か、50メーター先かは目視ではわからないということです。これからだんだん距離が詰まってきます。走っていますから。
(問)日程感は。
(答)春の早いうちに12か国の閣僚会議ができるのがベターという話をしておりました。その日程どおりにいくかどうか、若干ずれ込むかは、まだ現時点では断言することができません。12か国の前に日米閣僚会合ができることになれば、まさにゴールまで50メーターなのか100メーターなのかは、はっきりしてくると思います。
 今、その前段の事務折衝の環境整備をしているところです。それができて、二国間大臣会合ができれば、ゴールは見えているのですけれども、そこまでの距離がはかれると思います。
(問)まだ最終コーナーを回っているところでゴールは見えていないということでしょうか。
(答)最終コーナーはもう回ったと思います。向こうにゴールは見えます。そこまでの距離はわかりません。そこまでの距離の間に、大統領が辞めてしまうまでの距離なのかどうなのかわかりません。
(問)障害物があったりするのでしょうか。
(答)サッカーではないのですけれども、観客が時々、場内に出てくることがあります。

(以上)