甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年2月10日

(平成27年2月10日(火) 10:03~10:13  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、第16回日本経済再生本部を開催いたしました。「産業競争力強化のための重点施策等に関する報告書」(案)、「産業競争力の強化に関する実行計画(2015年版)」(案)につきまして、日本経済再生本部として了承し、引き続いて行われた閣議において決定いたしました。
 あわせて、「成長戦略進化のための今後の検討方針」につきまして報告し、年央の成長戦略改訂に向けた政策の具体化について、私から各閣僚に協力をお願いしたところであります。
 また、1月23日にロボット革命実現会議におきまして取りまとめられた「ロボット新戦略」につきまして、宮沢経済産業大臣より御説明をいただきまして、日本経済再生本部として本部決定いたしました。これによりまして、政府として同戦略に基づき、施策を推進していくことといたしております。
 最後に総理から、今年はあらゆる改革を大きく前進させる1年である。いよいよ、安倍政権の成長戦略のPDCAサイクルは、二巡目に入る。安倍内閣の改革に終わりはない。この国会には、農業、医療、エネルギー、雇用といった、いわゆる岩盤規制改革を強力に進める法案を始めとして、20本を超える法案を提出する。あわせて、成長戦略のさらなる進化のための検討を、産業競争力会議を中心に本格化させる。ITとロボットの融合により、生活も産業も劇的に変化する新たな時代に、日本が世界の中心で輝くための「ロボット革命元年」としたい。各閣僚においては、成長戦略の実行実現とともに、今後の「検討方針」を踏まえ、新たな検討課題に対応した、政策の具体化に取り組んでいただきたい、などの発言がありました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)本日の日本経済再生本部の会合ですが、まず総理から20本を超える法律を提出するという御発言がありました。これは成長戦略に関する法律で20本ということでよろしいでしょうか。
 また、本年を見通した上で、大臣として最大の成長戦略の焦点はどのあたりになると見据えていらっしゃいますでしょうか。
(答)成長戦略関連法案を20本を超える法律ということで御理解いただきたいと思います。
 それから、成長戦略の本年の大きな課題というのは幾つもありますが、何といいましてもイノベーション・ナショナルシステムをしっかり構築していくということです。これによって上流改革、大学改革が劇的になされる。これは国立大学法人化以来の大改革になると思います。日本を最もイノベーティブな国にしていく上で、大変重要な改革です。その医療、医薬品の切り出し部分が、4月1日に発足する日本医療研究開発機構であります。
 それから、ITネットワーク社会の構築。いよいよマイナンバーの制度も普及に向けて具体的な国民への周知徹底をしていかなければなりません。電子政府も大いに進めていって、日本全体をITネットワーク社会にしていくということが大事であります。
 また、ビッグデータ・AI産業構造改革、これは正に世界全体がビッグデータの活用社会に向けて、大きな変革の中にあると思います。それをしっかり、日本が置いていかれないように先導していく必要があろうかと思います。人工知能ロボット革命、ビッグデータ、それぞれしっかり連携をしながら、経済社会、世界をリードしていく必要があろうかと思います。
(問)農協改革をめぐり政府の議論がようやく昨日決着をみたと聞いておりますけれども、当初、成長戦略で目指していた農協改革の姿と、決着した姿を御覧になっての受け止めをお願いします。
(答)単位農協がより自発的な意思と行動をとりやすいように、全国農業協同組合中央会の指導・監査権限というのがなくなって、いわゆる経団連のような社団法人化していくということであります。これは、一律横並び体制から、それぞれ単位農協の発想と知恵によってそれを大きく伸ばしていくということになります。
 あわせて、全国農業協同組合連合会(全農)が株式会社化を選択できる。現時点では全農は株式会社を選択する予定はないという話でありますけれども、これから農産品を国内外、海外を大きなターゲットとして展開をしていくわけです。本来ならば、全農が株式会社化をして、史上最強の農業、農産品商社として海外に打って出る。そこと単位農協が結びついていく際に、単位農協間の競争が起きて、より自身の強みをブラッシュアップしていくという競争になっていくわけであります。単位農協としては、全農がその能力を十分に発揮できない場合には商社と組むということもあるわけでありますから、全農も従来に安住していると、これは置いていかれる危険性があるということです。
 全てこの農業改革は、農業の成長、産業化のための手立てであります。日本の農産品が実は国際市場においては極めて魅力的な存在であるということを農業者がより認識すれば、いろいろな道が開けるという改革だと捉えていただきたいと思います。日本の農産品のポテンシャルは極めて高い。それを画一的な方式のもとに自らが能力を開花しづらいような体制のもとに置くのではなくて、よりその魅力を開放できるような手立てをつくっていくということが大事であります。その手立てに向けて規制を緩和していくということであります。

(以上)