山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年10月10日

(平成26年10月10日(金) 11:55~12:10  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 お疲れさまです。今日は官邸で会議がございまして、すべての女性が輝く社会づくり本部、まち・ひと・しごと創生本部、閣議等々あり大変遅くなりました。
 私の方からは、まずH-IIAロケットの25号機についてでありますが、10月7日にH-IIAのロケット25号機によって静止気象衛星の「ひまわり8号」の打ち上げに成功いたしました。衛星は広く利用されておりますが、特に気象衛星は天気予報とか台風の予測など、特に国民生活に深く浸透して、安全、安心に不可欠なものとなっております。今回、非常に精度も向上しておりますので、私どもも大いに期待をしておるところでございまして、衛星の運用が順調に進むということを期待しております。
 今般の成功によりまして、我が国の基幹ロケットの打ち上げが24回成功した。アメリカ等と比べますとまだまだでありますが、24回連続で成功したということで、今後自律的に私ども、我が国が宇宙活動を行えるように、担当大臣として積極的にこういった取組を推進してまいりたいと思っております。
 また、もう御案内だと思うんですが、IT政策担当大臣ということで、私の選挙区ではありませんが、徳島県の地元の神山町では、SO(サテライトオフィス)が展開をして、非常に成果を上げているということで、現地視察を計画しておりますが、ただ、当日、台風の関係でちょうど暴風圏に入りそうなんですね。もしそういうことであれば、先に東京に帰って、中継でテレビ出演するということになろうかと思いますが、注視をしておるところでございます。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)琉球新報の問山です。
 今朝、沖縄の関係閣僚会議が開かれたようですが、会議ではどのような報告やお話があったのか、11月の知事選も迫ってきているんですが、知事選についても話題になったのかというのをお聞かせください。
(答)実は、関係閣僚会議という程のものではないといいますか、むしろ懇談会のような感じで、官房長官の方からお声がかかって、とりわけ江渡大臣と私が新任でありますので、初顔合わせ的なことで若干懇談をさせていただいたということで、知事選云々の話は全く出ておりません。とりわけ私が沖縄振興ということで、しっかり頑張ってくれというようなお話がございました。
(問)テレビ朝日の吉野と申します。
 今大臣がおっしゃいました神山町の件なんですけども、もう少し詳しく教えてもらってもよろしいですか、どういったことを御予定されているのかとか、どういった狙いがあるのかとか。
(答)一つは、神山町にお邪魔をして、シンポジウムが予定されております。その後半参加をさせていただいて、いろいろな皆さん方の御意見を踏まえた上で、IT政策担当大臣としてどう思うかというようなことでお話をする予定にしておりました。その後、実際、各SOが入っている家とか、あるいはセンターみたいなのがありますので、視察をして、地域の皆さん方、またおいでいただいているSOの関係者の皆さん方とお話し合いをさせていただいて、御要望等を聞かせていただいてというような予定にしております。
(問)重ねてなんですけども、そういった神山町の取組について、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
(答)実はこれ、正確に今調べていますが、私が総務副大臣の時かと思うのですが、神山町のほうから御要望があって、光ファイバー網を敷設する補助事業を、採択させていただいたんですね。あの当時は、実はこんなところに光ファイバーを引いても、サルが見ているぐらいじゃないかみたいに悪口を言われたんですが、しかし、当時、しっかりああいった情報通信網を基盤整備するということに力が入っていましたので、それだけにその後町が県とも協力をして、SOをやりたい。とりわけ大南さん(大南信也NPO法人グリーンバレー理事長)、大変やる気のある方がおいででして、私も親子代々存じ上げておるんですが、一生懸命力を入れてあちこちにお話を持っていって、最初は大阪からですかね、来ていただいて、最初は心配したんですが、地元に溶け込んで、しかも、前もって地域の皆さん方との懇談会みたいなのをやられるんですね。わかっていただいた上で来てくださいみたいなことで非常にうまくいっているなと、これはIT利活用という意味でもうまくいっていると思いますし、同時に、地域おこしというのか活性化でも非常におもしろい試みだと思っています。ただ、最初の反応が、いや、こんな山の中で、こんな早い速度で見られると感激したわけですよ。ところが、御存じのとおり、人数が増えるとスピード落ちますから、これは今後の課題なんでしょうけれども、しかし、非常にいい試みなので、地方創生担当の石破大臣も大変興味を持って力を入れておられると聞いています。
(問)時事通信社の中山と申します。よろしくお願いします。
 産経新聞の前ソウル支局長が在宅起訴された件で、大臣の受け止めをお願いします。
(答)基本的には官房長官と全く同じで、表現の自由、報道の自由というのは、ある意味基本的な話なので、そこに対して疑義を生ずるというか、非常に危機意識を感ぜざるを得ないなというようなことで、外務省等々が適切に対処しておるようですが、私としては大変遺憾なことであるとしか言いようがありませんが、そういうことでございます。
(問)読売新聞の山本です。よろしくお願いします。
 1点、御嶽山の関係で、昨日、予測の精度とかを上げられるように国の方で対応してほしいというような要望等もあったんですけれども、直接の担当かどうかあれですけど、その辺についてお考えをお願いします。
(答)基本的には防災担当あるいは国土交通大臣等々が対処していかれると思うんですが、やはり予測の精度というんですかね、そのための材料となるのが、例えば今回の気象衛星なり、また将来打ち上げる準天頂衛星なりがお役に立つのではないのかなと思うんですね。しっかり予算もおそらくつけるようになると思いますが、もっともっと精度を上げていくということが大事なんだろうと思います。だから、予測というのは非常に難しいと思いますけどね。
(問)共同通信社の田窪です。
 ノーベル賞に関してなんですけど、先日、ノーベル物理学賞で日本人3人が受賞して、大臣からも喜びの声がありましたけれども、今日関連してノーベル平和賞で、憲法9条を保持してきた日本国民が候補に挙がっていると、閣僚の一人としてどう思われますか。
(答)仮定のお話なので、コメントは今は差し控えたいと思います。
(問)共同通信の須江です。
 ノーベル賞の関連で、物理学賞の受賞がありまして、改めて今後の科学技術政策に関連して何かバックアップするような施策のお考えがあればというのと、あと今回の事例、青色発光ダイオードは、要するに、シーズが事業化まで結びついたすごくいい例だという話もありますけれども、その点も含めてお考えがあればお聞かせください。
(答)やはりおっしゃるとおりで、例えば青色発光ダイオードで、しかもLEDでかなり実用化されてきていますよね。ですから、非常にわかりやすい事例ということで、本当によかったなと思います。しかも、シーズからといいますか基礎研究から応用までというのがよくわかるんですよね。だから、是非ともこういったことを機にしっかりと基礎研究から応用までということで、我々バックアップしていきたいというか、体制作りに努めていきたい。ただ、基礎研究の期間が結構長いんですね。その辺に関しても目配りをしていかないと、かえって芽を摘んでしまうことになってもだめですので、それも含めて検討していきたいというか、しっかりと進めていきたいということですね。
(問)例えば基礎研究といいますと、ちょっと所管も外れるかもしれませんが、運営費交付金の減少などなかなか基礎研究に使えるようなお金が取りづらいという指摘もあったりしますけれども、そういった基礎研究に使えるようなお金の拡充ですとか、何かそういったお考えはございますでしょうか。
(答)今日もこういう議論があったんですが、即予算を増やすという話にはなかなかなりづらいので、その辺しっかり精査をして、本当に値打ちがあるものなのかというのを見る人材ですよね。その辺も含めていかにちゃんと見つけ出していくかということが大事だと思うので、文部科学省とも相談をしながらやっていきたいと思います。
(問)日刊工業の小川と申します。
 関連してノーベル賞の話なんですけれども、今回の受賞の研究成果自体は、正直40年から20年ぐらい時間をかけてようやく結びついた成果で、非常に日本が勢いがあった時期の成果でもあったと思うんですけれども、一方で、今、中国など新興国で非常に学術論文の被引用数が伸びていて、日本が伸び悩んでいるという現状があって、それに対して危機感という形で総合政策でまとめられた特定国立研究開発法人の話とかが出ていると思うんですけれども、今後もというか、今の研究成果で、例えば20年後、30年後にノーベル賞をとるためには、改めてどういったことが必要なのかというのをお聞かせください。
(答)改めて、微調整等はあるのかもわかりませんが、基本的に今の進め方を更にしっかりやっていくということなんだろうと思うんですね。とりわけ私個人的に、例のImPACT(革新的研究開発推進プログラム)のような考え方、やり方というのは非常に興味があるものですから、しっかりそこは見極めていくようにしなきゃならないし、同時に、例えばそれぞれの受賞者の方のお話を聞いても、大学の中でどうだ、企業との関係でどうだというのがありますよね。その辺も含めて検証させていただいて、本当にしっかり研究ができるような形というのを作っていくべきなんだろう。これも文科省とも相談をしながらということになると思うんですけれども。ということです。
(問)検証というのは、CSTI(総合科学技術イノベーション会議)とかもしくは両省でやるということなんでしょうか。
(答)例えば今回の受賞者の皆さん方のお話を分析して、大学との関係がどうだったのかな、あるいは企業との関係がどうだったのかな、置かれた地位、立場というのはどうだったのかなというのを、こちらの方でやらせていただきたいと思います。大学の方は文科省がやるでしょうけどね。

(以上)