山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年9月12日

(平成26年9月12日(金) 11:44~11:59  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は朝から会議が続きまして、若干遅くなりまして申し訳なく思っております。
 私の方で担当しております宇宙開発戦略本部の会合がございました。これは、私の方から宇宙政策委員会における検討状況を報告させていただいて、最後に総理の方から、宇宙が安全保障上、その重要性を増大させていることを踏まえて、宇宙産業基盤の強化に資する形で新たな宇宙基本計画を策定するという御指示がございまして、年末をメドに、今年の年度末ではなくて年末をメドに新たな宇宙基本計画をまとめていくということになりました。
 新計画につきましては、安倍政権の新たな安全保障政策を十分に反映するとともに、産業界の方からもいろいろ御意見がございまして、投資の予見性が欲しいということがございまして、宇宙産業基盤を強化するために10年の長期整備計画といたしたいと思っております。併せて、厳しい財政状況下でございますので、できる限り優先順位を明らかにしていきたいと考えております。
 今後、宇宙政策委員会において精力的に検討を進めていただくと同時に、私も関係閣僚とも連携をしてしっかりと策定に取り組んでいきたいということでございます。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 新しい宇宙基本計画についてお聞きしたいんですけども、一番最初、宇宙基本計画は、麻生政権の時の計画では、事業規模2.5兆円というのが明記されました。安倍政権になって第2期の宇宙基本計画ができたんですが、議論としては、ほとんど民主党政権で行われて、その時には事業規模を明記せずに予算を縮小の方向のようにも取れるような書き方をされています。今度作る新しい計画では、そうした事業規模とか予算の拡充ですとか、そこら辺についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)基本的には、事業規模の明示ということは今のところ考えていませんが、今回、よくわからんではないですかという産業界の御意見等も踏まえて、10カ年計画ということできちんと先の見える形にさせていただきたい。同時に、今の財政状況等もございますし、例の消費税等の問題もあるということで、優先順位をしっかりしていくということで対応していきたい。おそらくその都度、財務省とは予算のやりとりがあると思います。しっかりと今進めることが大事ですので、ようやく第2次安倍改造内閣になって本格的に動き出して、今度、基本計画の見直しも行いますので、頑張っていきたいと思います。
(問)共同通信社の須江と申します。
 宇宙の関係で、今の予算の規模の話に関係しまして、8月にやった宇宙総合戦略小委員会の提言の中でも、やはりいわゆる5年間、2.5兆円、つまり年間約5,000億円という金額がついていまして、それは予算確保が一つの小委員会での大きな議論にもなっていったと思うんですけれども、今後その計画をまた見直すに当たって、そういった与党、党内でのそういう調整というものも、予算規模感に関しては必要になるのかなとも思っておりますが、その点に関してはいかがでしょうか。
(答)一つには、与党でもいろいろやっていただいて非常にありがたいと思っております。先程も申し上げましたように、厳しい財政状況ですから、しっかりと予算を確保する上でも、大変ありがたい。規模的にも、おそらくいろいろ過去の例を踏まえてお出しになったんだろうと思いますが、御提言は御提言として、当然しっかりと踏まえて頑張っていきたいと思いますが、そこで、じゃ5,000億円ですよということには直ちにはなっていかないということは御案内のとおりです。
(問)あともう一点。今回、冒頭の安倍首相の発言で、安全保障の話と産業基盤の強化という話を特に重要視されていると思ったんですけれども、現行の計画では更に宇宙科学に関する分野が三本柱のもう一本として挙げられております。そういった、いわゆるISS(国際宇宙ステーション)ですとか有人宇宙探査について、そういった宇宙科学の分野については新しい基本計画ではどのように盛り込みたいと思って、もしくは盛り込んでいくべきとお考えか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これから本格的に御議論いただきますので、どういう形になるかというのは今定かではありませんが、当然このISSですか、宇宙ステーション、今、文科省も我が方もいろいろと議論させていただいております。若干の方向性は10年計画になりますので、出していくような話になるんだろう。探査についても、文科省のお気持ち、文科大臣もこの間アメリカで御発言があったようですが、わかっております。我が方は同時に非常に財政的に厳しい状況の中で、コストとかいろいろな面を考えて判断していきたいと思っていますので、これから協議してからの話になると思います。
(問)科学新聞の中村です。
 安全保障の議論についてお聞きしたいんですけれども、普通、安全保障といったら、安全保障の中のツールとして、例えばITとか宇宙とかがあると思うんですけども、今回の新しい計画を立てる議論の中では、国としての安全保障の一つのツールとして宇宙を取り出して考えるという考え方でよろしいでしょうか。つまり、安全保障に直接かかわる宇宙と、例えばさっきのISSとか、他の小型衛星探査、そういう直接はかかわらないけども、間接的にはかかわるかもしれない宇宙とあると思うんですけれども、そこら辺は、安全保障と、そういった宇宙科学あるいは産業基盤、そこら辺は切り分けてそれぞれ議論して、最後に集めるという感じなのか、それとも一体的に議論するのか、そこら辺はどうなんでしょうか。
(答)まあ、両方でしょうね。それぞれの議論はあるんでしょうが、トータルとしては一連のものみたいな形で取りまとめるということになっていくんだろうと思うんですね。
 安全保障に関しては、党の方からもいろいろな御意見があるのは承知をしておりますし、中国の衛星破壊の話がありましたよね。ああいうのを契機にして、宇宙のごみがあまりにひどい状況なんですね。そんなのを含めた広い意味での安全保障。準天頂衛星にしてもかなり精度がこれで高まりますから、いろいろな意味での安全保障に資すると、当然災害も含めてですね。そういう話になっていくんだろうと思います。アメリカみたいに切り分けてこうだという話にはちょっと。
(問)あと、優先順位をつけていくということなんですけども、例えば昨年の概算要求の時点で、衛星ネットワーク、宇宙のがあったんですけども、その予算要求があまりにも各省との協議ができていないとか、そういうのがだめで、80億円を要求したんですけど、調査費何億円かになったんですけども、例えば、そういうような、優先順位は非常に高かったんですけども、内容が詰まっていないせいでそうなったと。今の宇宙政策委員会の評価のシステムとして、それは機能していないんじゃないかという疑問もあるかと思うんですけれども、そこら辺についてはどう思われますか。
(答)昨年のお話、詳しくは知りませんが、おっしゃることもあるだろうと思いますね。いろいろな意味で、内閣府というのはもっと司令塔というんですかね、総合調整を行っていかなければいけないのですが、おかげで総合科学技術・イノベーション会議の方は、御案内のとおり三本柱でようやく機能し始めたのかな。これは前大臣の功績だろうと思うんですが、宇宙政策にしても、きちっとそこら辺はやらせていただきたいと思います。今後、検討してみます。
 同時に、この際申し上げますが、情報通信関係も本当にこれは司令塔なんですかという思いが外にいてしていたものですから、これもいろいろ検討していきたいと思います。内閣府の役割をしっかり果たしていくように、そうしませんと、一方において、自民党の方でも議論がありますから、私の所掌がなくなってしまう可能性がありますので、しっかり頑張ります。
(問)TBSの加古です。
 今日午前、官邸でまち・ひと・しごと創生本部の初回会合が開かれました。これは、担当の大臣は石破さんなんですけれども、地方創生という意味で、大臣御担当の沖縄の振興ともリンクしてくる部分があると思うんですが、大臣御自身、地方再生に長年携わっていらっしゃった身として、今後どのように沖縄の地方創生に組み入れていきたいか、考えを聞かせていただけますか。
(答)以前にも申し上げたように、広い意味で沖縄も地方創生の枠組みの中で振興策を考えていくということもできると思いますし、同時に、情報通信に関しても、これまで総務省がいろいろやってきているんですが、地方活性化とものすごく密接にリンクしているんですよね。ネットワークだとか、あるいは遠隔医療でござれ、なんでござれという話の中で。
 実は、クールジャパンも御承知のとおり地方の物産、伝統芸能等々も入ってきているわけですよ。ですから、いろいろと本部では発言もしていきたいと思いますが、担当は石破大臣ですから、個人的にいろいろお話をしてしっかり連携をしながらやれればいいなと思っています。
(問)すみません、ちょっと関係ない質問で恐縮なんですが、一連の吉田調書をめぐる問題で、昨日、朝日新聞の社長が会見されました。慰安婦報道の件も含めて大臣御自身の御所見を聞かせていただけますか。
(答)私もちょうど昨日のニュース、あちこち拝見をしたんですが、もう一言で、非常に大変残念ですね。一般論としてマスコミュニケーションというのは幅広い影響力を持っているわけですよね。ある意味で、いろいろな考え方を作るベースになる大事な大事な役割をお持ちになっておられる。もちろん政府というか、こちらサイドからとやかく言う話ではありませんので、非常に残念であるし、会見を聞いておりましたら、検証するというようなお話もありましたので、しっかり検証していただいて、御自身の力で是非とも立ち直っていただきたいなと思います。
(問)共同通信の須江です。
 また宇宙の関係に戻って恐縮ですけれども、先程宇宙政策委員会評価システムの話の質疑がございましたけれども、そちらに関連して、評価システムが昨年あまりうまく働かなかったということの一つに、なかなかどういう評価をされているのかが外から見えづらいかなと感じた部分がございまして、いわゆる公開の方法も含めて、よりオープンな議論を進めるでありますとか、その辺の公表・公開の在り方については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)そうですね、やはり積極的にこれを公開して、皆さんの御理解をいただくというのが大事ですから。結構技術的な話なんかわかりづらいですよね。ものすごくそこら辺は工夫するように、私の方からも指示していきたいし、私自身も気をつけてしっかりやっていきます。
 ありがとうございます。

(以上)