石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年11月25日

(平成26年11月25日(火) 11:02~11:14  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 どうぞ。

2.質疑応答

(問)大臣、自民党の政権公約についてお伺いしたいんですが、今回は地方創生も公約の中では大きな柱として位置づけられると思うんですけれども、この中のねらいと特に担当大臣としてどのようなところを訴えていきたいかということを教えてください。
(答)今度の選挙は、総理が言っておれるように、アベノミクスを問うということになっているわけですね。株が上がりました、給料が上がりましたと言っても、それは地方では実感が乏しいんじゃないでしょうか。株が上がってうれしいなという人はあまり地方で見たこともないし、給料が上がったねという人もあんまり地方で見たこともない。もちろん有効求人倍率等々、いい数字は出ている部分もあるけれど、実際に生活実感として世に言われるほどのいい感じは持っていないと。
 そうすると、アベノミクスなるものが地方において、これもまた総理の言葉を借りれば、ローカルアベノミクスとは一体何であるのか。それが従来の延長線上の公共事業であり、そして企業誘致でありということには限界があるというのは、当然みんな知っていることであって、これだけ国の財政が厳しい中にあって、もちろんミッシングリンクの解消とか、そういうやらねばならない公共事業はあるが、かつてのような日本国中、良くない道路をみんな直したりとか、ダムを作ったりとかいうことにはなりませんと。マーケットがアジアを中心に移動している以上は、やはり工場も市場に近いほうがいいに決まっているのであって、もちろんこれから先もマザー工場を中心として企業立地をやっていかねばならないが、それもかつてのようにはなりませんと。
 そうすると、ローカルアベノミクスとは一体何であるかということを、それぞれあまり抽象的な話ではなくて、山形なら山形、宮城なら宮城、高知なら高知という形で、どうやって新しい経済政策というものを地方に広げていくか。そして、今回、消費税率の引上げを1年半先延ばしをするということは、正しくそういう地域の経済が良くなっていかなければ、消費税率を上げられる環境にないと。消費税というものはみんな上げるのは嫌なんだけども、それによって次代につけを回さず、そして社会保障のサステナビリティを確保するということですから、そういうものをきめ細かく配慮する必要がある。それで、自民党の政権公約というのは、私も何度か作りましたけれども、広くあまねく日本全体を言うのであって、それが今度の選挙において、それぞれの地区地区においてきちんと語るということだと思います。それが地方創生なのだということじゃないでしょうか。
(問)週末に弊社などが行ったFNNの世論調査で、安倍総理の今回の解散が「適切だと思わない」とした人が7割を超えるという結果になっています。大臣、この週末、ご地元などに入られたというふうに存じておりますけれども、国民の声といいますか、今の空気感というか風というか、そういったものをどのように感じられましたでしょうか。
(答)それは一般の国民感情からすれば、一昨年やったばっかだよねと。一昨年に自公であれだけ数を取ったよねと。そして、昨年は参議院選挙でねじれも解消して、正しく盤石の体制でこれからいろんな課題に取り組めるということになったし、新聞論調もそうだったと思いますよ。そういうふうにお書きになっていたから、世の中の人はそう信じるのは当たり前のことであって、これだけ多数を持っているにもかかわらず、何で今やるのと。暮れでみんな忙しいのだと。そして、もう北のほうは吹雪なのだと。地方議会もやっているのだということで、2年前のように、さあ政権交代だというような、そういう高揚感というものに欠ける。2年前、あれだけ多数を与えて、昨年も参議院で多数を与えて、何なのというのがあるわけです、底流には。私は自分の選挙区あるいは鳥取2区の赤澤さんの選挙区で10数カ所、演説もしてきたけれども、やはり冒頭、この暮れの忙しい時期に皆様方に御審判を賜るということは、本当に御負担をお掛けして申し訳ないというところから始めないと、人は話を聞いてくれない。
 なぜやるかといえば、それは今まで我々がやろうとしてきたことに大きな変更があったのだと。医療・年金・介護の安定のために、また確かな財源を確保するために、そして次の時代に負担を残さないために、消費税率のアップを来年の10月に10%を行うということで、そういう方針を明らかにしておりましたが、今回、経済指標をとってみると、そういう状況にならないと。よって1年半、先延ばしします。ということは、消費税率の引上げが先延ばしになった、良かった良かったという話にはならない。
 そうすると、特に地方において、賃金は上がらない、株も持ってない、人口減少は止まらない。経済の7割、雇用の8割を占めるところのこのローカル経済というものが回復しなければ、消費税を上げられる状況というものにならない。であらばこそ、消費税の引上げを延期します。その間にローカルアベノミクスというものをきちんと断行し、消費税が上げられる環境を作りますということが今までと違う話なので、多数を取っていれば何をしてもいいということではないと。あえてこの時期に国民の皆様方の御審判を頂くということは、税制というのは民主主義の基本なので、政策の変更というものについて国民の皆様方の御理解を頂くということなのだと。
 また、ここは私たちは総選挙においても、あるいは参議院選挙においても、集団的自衛権の行使容認ということは掲げてきたので、これは今まで言ってきたことと違うことをするわけではないのだが、やはりこのことについても国民の御信任というものはきちんと頂かねばならんだろう、あるいは原発の再稼働もそうだろうというように、ここでTPPの交渉に参加をするということも、我々が政権を担当するようになってから決断をしたことでありますので、そういう前回の選挙のときから変わった事象が生じているのであって、そのことについて国民の御審判を謙虚に真摯に賜るために、この12月、お忙しい時期に恐縮であるが、是非とも御理解くださいということだと私は思っています。
(問)自民党にとって、与党にとって、どういう選挙になりそうですかと、以前も聞きましたが、改めて。
(答)これは選挙区によってかなり違いがあるかもしれないと思っています。ですから、やはり自民党に御信任を頂いた方々にしてみれば、繰り返しになりますが、衆議院であれだけの多数を与え、参議院においてもねじれを解消したではないかと。にもかかわらず何なのだという、そこのところから御理解いただくということを、全ての選挙区できちんとやらなければいけない。やっぱり、私も何回もやっていますけれども、選挙というのは本当に大勢の人を巻き込む大変な営みであって、それぞれの地域においてかなり日常生活にいろんな影響を与えることですから。一昨年の12月、去年の7月、今年の12月、来年はまた統一地方選というようなことで、やはり国民の皆様方に大変な御負担を掛けて御審判を頂くわけで、それは我々が政策を変更したからであって、そのことについて本当に真摯に丁寧に御説明をするということをきちんとやる。何でこの時期やるんだろうねという方が7割おられるというのは、あまり等閑視(とうかんし)すべきことだとは思っておりません。だから、なぜ今やるのだということを本当に真剣に御説明するということがまずもって必要だと思います。

(以上)