有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年10月10日

(平成26年10月10日(金) 10:05~10:22  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 皆様、おはようございます。
 直近2回の記者会見は、予算委員会直前となり、極めて限られた時間での運営でございましたけれども、皆様の御協力を本当にありがたく存じます。深く御礼申し上げます。
 今朝は、女性活躍担当大臣として、報告を開始させていただきます。
 本日、すべての女性が輝く社会づくり本部の第1回会合を官邸で開催させていただきました。
 本日の会合では、「すべての女性が輝く政策パッケージ」を決定いたしました。この政策パッケージは、様々な状況に置かれた女性が、自らの希望を実現していただくことによって、我が国最大の潜在力である女性の力が十分に発揮できる、活力ある社会をつくるために、当面、具体的には来年の春頃までというふうに意識しておりますけれども、講ずべき政策を提示するものであります。
 その会合の最後に総理から御発言をいただきました。その御発言の主なものを紹介しますと、指導的立場で活躍される女性を増やしていくことは大変に重要だ、同時に、子育ての不安の解消や母子家庭の生活の安定、非正規の方を含めた働く女性の処遇改善など、全ての女性の活躍推進のための施策の充実と推進に取り組んでいただきたい、また、女性の活躍推進に関する新法の今国会での成立に万全を尽くすように、また、身近な暮らしの質を高めるための改善策の検討を、有村を中心にスピード感を持って進めていくように、という御指示です。
 政策パッケージに掲げられました政策については、関係の閣僚、各省と連携して、できるものから着手し、速やかに進めていきたいと考えております。
 続きまして、政策パッケージに盛り込まれている、女性の暮らしの質向上のための検討について御報告いたします。全ての女性が輝くためには、家庭や地域や職場といったそれぞれの場において、女性が活躍しやすい環境を整え、女性の暮らしの質を高めることが不可欠だと考えています。更に、それによって男性も含めて社会全体の暮らしの質が結果的に高まっていくということも期待されます。このため、私のもとで、例えばトイレの空間とか女性が快適に暮らせる空間づくりや、女性が安心して利用しやすい交通手段の改善など、女性の暮らしの質、時々、医療や介護の世界では、クオリティ・オブ・ライフ、QOLと称されることもありますが、暮らしの質を向上するための官民の取組について検討を開始させていただきたいと考えております。検討に当たりましては、広く国民の皆様から、暮らしの質を高めるための工夫や気付きやアイデアについて、提案を募集させていただきたいと考えております。詳細が決まりましたら、また順次お知らせをさせていただきます。
 以上です。
 もう1点、話題を変えます。行政改革担当の大臣として御報告申し上げます。
 今年度に各府省で実施しました行政事業レビューの状況を取りまとめました。平成25年度に執行した4,727の事業について、各府省で自己点検を実施していただきました結果、この事業は廃止すべき、あるいは縮小すべき、執行等の改善など、見直しがなされた事業は1,966事業。それによって、平成27年度予算概算要求額が平成26年度の当初予算額に比較してどの程度削減されたかを示す反映額について、各省庁が集計したものを足し上げますと約2,800億円となります。
 今後は、行政改革推進会議において、各府省の点検が十分なのかどうかということの検討を実施し、必要に応じて、去年と同じように外部有識者が参画した秋のレビューを実施したいと考えております。詳細につきましては、行政改革推進本部事務局にお問い合わせをいただければと考えております。
 以上、冒頭、私からの御報告でございました。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の高橋です。質問は、女性の活躍の一環で暮らしの質という発言があったのですが、広く意見を募集するとおっしゃったのですけれども、スケジュール的に、意見を募集して、何か検討会を立ち上げてとかがあるのかというのが1点。
 もう一つが、大臣が例を挙げられたのですが、何かもう少しこういうことをというのが、もし方向性みたいなのがあれば、お話しできる範囲で伺いたいのですが。
(答)暮らしの質の向上の具体的な検討についてでございますが、先程申し上げましたように、国民全体の皆さんから工夫や気付きやアイデアを募集させていただきたいと思います。タイムラインにつきましては、今、正にそのタイムラインをどうするかということを組んでおりますので、フィックスしてから報告させてください。
 その中で、具体的なタイムラインはまだ確定しておりませんけれども、各省庁の担当の者をそれぞれ、これは各省庁という分類も行い、そして、フィージビリティも含めて、どれが、取り組むことによってより多くの公益、より多くの方にその福利を享受していただけるかどうかということから設定していく。できることからやっていくということで、官民挙げて、日本の女性の日々の暮らしの質を上げていきたいというふうに思っております。
 私自身、高橋さんにおっしゃっていただいたように、暮らしの質というのは、新しい言葉として出てきたわけですけれども、やはり東日本大震災を経験した日本としては、特別なハレの日、祭りの日の幸せもあるけれども、実は、日々の何気ない、何もない、何事も起こっていない日常こそが、実はかけがえのない暮らしの基盤であり、そこが、何もない平穏な暮らしということを、丁寧に暮らしていくということが、やはり心の安寧にもつながるということを、震災やそれ以外の様々な災害や事故を経験した私たちは、実感としてお持ちの方も少なくないと思いますので、そういう意味では、特別なシーンというのではなく、日々の暮らしの中で、朝起きてから夜寝るまで、どのような行動をしているか、どのような状況で不便や不満、あるいは心配が起こっているか、ここを直したらもっと良くなるのかについて、私たちのセンサーを磨いていきたいとは思っておりますけれども、より多くの目で、より多くの五感で感じていただいたことを、国民の皆様からフィードバックもいただきながら、進めていきたいという思いが背景にございます。
(問)朝日新聞の中山です。このパッケージの内容なのですけれども、多くはこれからやることが決まっている政策かと思うのですけれども、これをまた改めてパッケージとしてまとめたその意義と、今後どう活用していくのかということ、まず教えていただけますでしょうか。
(答)はい、分かりました。
 9月3日に改造内閣が発足しました。9月12日に官邸に来るようにという御指示があり、安倍総理から、全ての女性が輝く政策のパッケージを早急にまとめるようにという御指示をいただいております。改造内閣が発足してすぐでしたから、総理としても強い思い入れ、すごく強い思い入れをお持ちなのだということを改めて認識しました。
 10月の上旬までにということで鋭意努力をしてきましたが、今回、御指摘のように、今までやってきたこともあるのではないか、各省庁が概算要求で発表したものもあるのではないか、というのは御指摘のとおりです。
 ただ、明確に御報告させていただきたいのは、男女共同参画という概念、1980年代前の雇用均等法の概念の始まる前、この分野が、いわゆる婦人問題というふうに位置付けられていたときに、行動計画という、理念的な、将来的にはこういう社会になったらいいですね、ということは編纂されました。けれども、今回のように、この1年、なかんずく来年の春頃までに、女性の活躍のため、具体的にできる政策を、それぞれのシナリオで生きている方々を意識して、各省庁横断の情報を一元化してこの1冊にまとめるというのは、この30年間で初めてのことでございます。そういう意味では、各省庁ばらばらに、時期もばらばらに持っていたものを、この1冊を見ていただければ、日本国の政府全体で、女性活躍や女性の健康支援などのために何ができるのか、何をしようとしているのか、そして具体的にいつまでにしようとしているのかということが明確になるという意味では、第一歩を踏み出せたというふうに思っております。
 今回出させていただく女性の雇用・登用の新法案というのは、雇用、いわゆるキャリアをどうするかというところに主眼を置いていますけれども、今回の「すべての女性が輝く政策パッケージ」というのは、就業したい、したくないにかかわらず、その部分も重要でございますけれども、それ以外の女性の様々なシーンでの、こうあったらいいなというお気持ちに応えていきたいということで、各省庁挙げて出していただいている。そこに当然ながら、内閣府、内閣官房の思い、私の思いも、それから関係部局の思いということも入っております。そして、これからも、そこを発展・拡充していきます。そういう位置付けでございます。
(問)テレビ朝日の内田と申します。今日、ノーベル平和賞の発表ということで、憲法9条がノーベル賞の候補に挙がっているということなのですけれども、それについて大臣はどういうふうにお考えかというのと、もし憲法9条がノーベル賞を受賞した場合に、今後、憲法改正に、どういったことに影響を与えるのかということでも、お聞かせ願えますか。
(答)今日発表でございますよね。仮定の話には、やはり軽々に発言すべきではないというふうに思っております。また発表がなされた後に、必要であればコメントをさせていただきます。
(問)(テレビ朝日・内田記者)みません、今の御質問の関連なのですけれども、今回、日本国民全員がノーベル平和賞の受賞対象になっているということで、これについては、閣僚の一人として、どのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)ありがとうございます。やはり仮定の話なので、今日の発表を待ちたいというふうに思います。
(問)(テレビ朝日・内田記者)候補に挙がっていること自体は喜ばしいことだと思いますが、いかがでしょうか。
(答)まだ確定していないので、コメントを控えます。
(問)NHKの霜越です。またパッケージの話に戻って恐縮です。先程の問いに、大臣は、これからは発展・拡充というふうにおっしゃいました。第一弾の政策パッケージは、とりあえずここで提示して、今後、第二弾とかということは考えていらっしゃいますか。
(答)第一弾の政策パッケージというのは、当然、それぞれの承認もいただいて、今日発表ということでございます。もちろん、その中に、今後やりたい思いもさりげなく入れておりますけれども、第二弾のパッケージ、第三のパッケージということは考えておりません。
 ただ、拡充して発展して、私も入閣させていただいてから5週間ですから、これから私の成否も問われるところ、成果も問われるところだと思っておりますので、そこにつきましては、先だって発足を決めていただきました、「すべての女性が輝く社会づくり本部」を中心に、男女共同参画局とも連携をして、発展・拡充、いわゆる有村カラー、新しく大臣になったというカラーを出していきたいというふうに思っております。
(問)(NHK・霜越記者)今後の政策全体としてはいかがでしょうか。
(答)パッケージの中に含んでいることをどうやって実施していくかという、そのフォローアップも含めて、その本部が中心になって、各省庁に働きかけていくことになるというふうに認識をしております。

(以上)