甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年10月31日

(平成26年10月31日(金) 8:37~8:50 )

1.発言要旨

 2点の報告があります。
 本日の閣議におきまして、平成27年4月1日に設立を予定しております独立行政法人日本医療研究開発機構、かつていわゆる日本版NIHと呼んでいたものでありますが、この理事長となるべき方に、慶應義塾大学医学部長の末松誠さんを本日付で指名することが閣議了解されました。
 併せて、これは閣議人事ではありませんけれども、この機構の監事となるべき方に、公認会計士の間島進吾さん及びお茶の水女子大学ヒューマンウェルフェアサイエンス研究教育寄附研究部門教授の室伏きみ子さん、このお二方を本日付で指名することになりました。
 もう一点の御報告であります。
 社会保障制度改革推進会議専門委員を内定いたしました。社会保障制度改革推進会議におきましては、主に医療・介護サービス提供体制の改革を議論いたします医療・介護分野の専門委員を選任することといたしておりましたが、本日、内定いたしましたので、発表いたします。
 お手元の資料にあるとおり、合計11名の方々であります。今後必要な手続を経まして、11月6日付で正式に総理から任命する予定であります。
 今回の医療・介護の専門委員につきましては、基本的には医療・介護サービス提供体制の改革に関わる議論をいたします際に、必要に応じ、社会保障制度改革推進会議に出席いただくことにいたしております。
 次回、第3回の社会保障制度改革推進会議は11月6日木曜日に開催する予定でありますが、医療・介護分野の改革の進捗状況の確認と意見交換を行うことといたしておりまして、今回任命する11名の専門委員の方々にも参加いただく予定であります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど厚生労働省から発表されました9月の有効求人倍率ですが、1.09倍と3年4カ月ぶりに若干ですが前月を下回りました。これについての受け止めを教えてください。
(答)企業の新規求人者数が若干減っているということもあるかと思います。
 一方で、15歳から64歳までの就業者数の率、これは昭和43年統計開始以来の最高値を示しております。つまりこれは、15歳から64歳までの人口に占める、働いている人の比率が、統計開始以来最高になったということです。
 それから、雇用者数も増えておりまして、よく比較されるのですが、政権交代前と現在ではどのくらい違うかというと、136万人増えています。民主党政権ができて、民主党政権が終わる間で雇用者数は増えていないです。1万人ぐらいしか変わらないと思います。
 我々が政権をとって136万人雇用者が増えたということでありますから、前向きに考えるならば、働こうという人たちが、意欲を持った人たちが増えているとも理解できると思います。
(問)先ほど発表されました家計調査では、実質個人消費が、前年度よりマイナス5.6%と、マイナス幅が拡大いたしました。個人消費の低迷が続いているようにも見えますが、家計分野についてはどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)将来見通しで、若干守りに入っているという点があるのだと思います。
 7~9月期のGDP速報が来月17日に出ます。そこを子細に分析する必要があろうかと思います。今まで私が知り得るデータですと、所得層の下位部分が、収入・消費の割合でいうと消費をうんと絞っております。これは今後、消費税が2%上がるであろうという予測と、それから賃金の改善が今後も続くということに対して、不安が生じているという、この二つがあると思います。
 でありますから、一つは経済の好循環が二巡目も回っていくと、企業業績の改善が賃金の改善に二巡目も向かうのだという環境を作ることは、非常に大事だと思っております。
 あわせて経済を分析して、それによってどういう対応をするか。する、しないもまだ決まっていないわけですけれども、仮に何らかの対応が必要だというときには、分析をしっかりして、ピンポイントでそこに対策が行くような手を打つべきだと思っております。
 消費の低迷、不安を払拭するようなピンポイントの対応が必要になってくるか、こないか、それは17日に7~9月期の一次QEを見て、詳細分析をする必要があるかと思います。
(問)本日、日銀の展望レポートが出ますが、恐らく1.0%の実質成長率の見通しは、恐らく0.6%ぐらいに下がると各紙報道しています。そういう中で、先ほど大臣もおっしゃいました景気対策が必要か必要でないかということですが、やるとすれば、いろいろ来年のPB(プライマリーバランス)との関係もありますし、どのくらいの規模が必要だとお考えでしょうか。若しくはやる必要がないとお考えなのか、先ほどお答えできない感じもありましたが、今のところどう考えていらっしゃるか教えてください。
(答)必要に応じて万全を期すというのが、安倍政権の経済に対するスタンスであります。その必要に応じてということが生じるのか生じないのか。生じるとしたらどのくらい生じるのか。そこは、7~9月期の数字等を子細に分析して、総理と御相談したいと思います。
 規模について一部報道がありましたが、まだその点は全く決まっておりません。第一、やる、やらないもまだ決定していないわけですから、中身について、総理から指示があれば私が調整をするという役になりますから、私のもとで検討しているわけではありません。一部報道がありましたから、機会があれば総理に聞いてみたいと思います。
(問)来週、甘利大臣も外遊がありますけれども、総理も1週間以上いない、帰ってくるのは17日ぐらいだと思うのですが、そうすると総理と御相談するタイミングというのは、いつごろになるのでしょうか。来週とか再来週ですか。
(答)一次QEの発表までに間に合うように、何らかの連絡はとりたいと思います。
(問)一次QEが17日に出るということで、以前、消費税率を引き上げるか上げないかの判断は、12月1日の法人企業統計を見てからとおっしゃっていましたけれども、今でもそのお考えに変わりはありませんか。
(答)間違ったニュアンスが出るといけないのですが、これは私が判断するわけではありません。総理が年内に判断されるということを言っているわけです。
 一次QEとか二次QEとかいろいろ話が出ました時に、二次QEは一次QEに、12月1日に発表される法人企業統計が加味されたものが主要な改定の要素になります。二次QEの数字が必要だということになった場合には、予算編成との関係でかなり無理が生じるのではないですかということは、財務大臣、財務省が懸念されているわけです。
 だとすると、二次QEの数字も見たいが、予算編成との齟齬を来さないということであれば、ぎりぎりならば法人企業統計を見ると二次QEの推定ができるのではないですかということを申し上げていたのでありまして、あくまでも判断されるのは総理でありますから、その前に判断されるのか、あるいはそこまで待たれるのかは総理のお考え次第だと思います。

(以上)