甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年10月14日

(平成26年10月14日(火) 8:55~9:06  於:合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)TPPの日米事務協議が開かれています。現時点でどのような報告があるのか、妥結に向けてどういった課題があるのかについて教えてください。
(答)前回のワシントンでの大臣協議が物別れに終わりました。それを受けての協議再開の事務協議であります。日米共に極めて真剣な話し合いが行われたと思っています。スケジュール感を考えると、シドニー閣僚会合が極めて重要になってきます。その前段として、日米で処理しなければならない、そこがシドニー会談を成功に導くかどうかの大きな要素になっているということを考えますと、日米共に、これまでにないくらいの真剣な話し合いが行われてきましたし、今日も行っていくと思います。
 ただ、まだ懸案事項が残っておりまして、閣僚会合での案件、つまり政治的に対処する案件のみに絞られたかといえば、まだそこまではいっておりません。今回の協議の経緯については、日米共に評価できるものだと思います。この努力を、今日からシドニーまで続けていくことが大事だと思います。
(問)日米の事務協議ですけれども、大体いつ頃まで東京で開催しそうか、その辺のめどはついているのでしょうか。
(答)今、アメリカからカトラー次席代表代行、ベッター首席農業交渉官が来日しております。両交渉官の日程はぎりぎりまで確保されると聞いております。その後のシドニー会合への準備に入るぎりぎりまで協議を続けるということになっていると承知いたしております。それだけ両国がこの残されている時間をカウントしながら、今まで以上に真剣な協議を続けているということであろうと思っています。
(問)前回、大臣がワシントンに行かれたときは、うまくいかなかった。今回は進んでいるようですけれども、前回とどこが違うのか、何が原因なのか、その辺のところをもう少し詳しく教えてください。
(答)物別れがあったからこそ今日があるのだと思います。前回は閣僚レベルで真正面からぶつかり合いました。そして、結局、閣僚会合は物別れに終わったということで、より交渉官にマンデートを与えるという手順に至ったということだと思います。大臣間の協議が物別れに終わった後、安倍総理、バイデン副大統領との間で、正に政治家としての協議が行われました。それも非常に良かったと思っております。大臣間の協議の物別れ、そしてトップ、準トップによる政治協議、それらの経緯があって、事務レベルが名実共にマンデートを与えられたものにつながっていったのだと思っております。それにより、事務レベルが従来の事務レベルよりも広範に物を決められるという実務協議につながっていったと思っております。私が知る限り、日米間でこれだけ事務レベルにマンデートを与えて行われた協議は、過去にはなかったと思っています。
(問)今朝の物価問題に関する関係閣僚会議で北海道電力の値上げが了承されたと思いますが、これで予想される地域経済への影響や大臣の受け止めをお聞かせください。
(答)電力価格がもう既に民生で2割、産業で確か3割くらい上がってきております。産業経済、国民経済に与える影響が相当大きくなりつつあります。特に北海道電力は、原発依存比率が半分近くでありましたから、これが全て止まっているという状況は、電力価格にダイレクトに跳ね返ってくるわけであります。今後とも、原発再稼働が遅れている影響が地域経済に与える影響が、ボディーブローとして相当効いてくるのであろうと思います。
 注目すべきは、北海道電力の値上げ承認が条件付きで行われているという点です。条件付きというのは、泊原発が再稼働したら、それに見合う分、料金を下げることを前提にということになっております。いずれ他の電力会社でも同様な改定申請が行われるときに、企業努力で査定する分と、将来の可能性として、原子力規制委員会が承認した原発が再稼働された場合に、それが貢献する分について値下げをするという前提条件になってくるのだと思います。
 やはり国内外の企業にとって、エネルギー価格が極めて関心の高い投資前提要件になりつつありますから、政府としては安全審査をクリアしたものについて、地域の理解を得つつ、国民経済に貢献するような再稼働について、より一層、環境整備をしていくということが求められていくと思います。
(問)株価についてお聞きしたいのですけれども、今、日経平均株価がこの1週間で1,000円近く落ちて、アメリカの株価も下がっています。これをどのように御覧になっているのか、また原因についてどのようにお考えか教えてください。
(答)本来アメリカは景気回復局面に入っているはずでありますが、EUの経済見通しが不透明になっている、あるいは新興国の成長の鈍化等々の懸念が、世界最大規模経済のアメリカに影響を及ぼしているということであります。エボラの話も一部あるかとも思いますけれども、世界経済見通しが国際機関によって下方修正されているという点が一番大きな原因かと思っております。アメリカのテーパリングが世界経済にとってのマイナス要因、つまりこういう状況下で世界から資金が引き揚げられるということになると、果たしてどういう影響を与えるか等々、不確定要素が広がっていることも原因であろうと思います。
 日本経済は残念ながらこのあおりを受けているということが一番大きいところだと思います。円が高くなってきております。株価についても相当な影響を受けている。ただし、日本経済は、消費の弱含みはありますけれども、企業収益は過去最高を記録していますし、雇用情勢の改善というのは相変わらず堅調であり、設備投資意欲もかなりあります。個々の要素はいいものが幾つも出てきておりますから、それが連動していくということが大事だと思います。産業界、あるいは国民が自信を持って、いい要素を連鎖させるようにしていく。そのための環境整備を、更に政府は汗をかいて行っていくということが特にこの時期、求められるのではないかと思っています。

(以上)